JPH0271153A - 肝臓癌疾患の診断法 - Google Patents

肝臓癌疾患の診断法

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JPH0271153A
JPH0271153A JP63270797A JP27079788A JPH0271153A JP H0271153 A JPH0271153 A JP H0271153A JP 63270797 A JP63270797 A JP 63270797A JP 27079788 A JP27079788 A JP 27079788A JP H0271153 A JPH0271153 A JP H0271153A
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宮際 幹
Taro Hayakawa
早川 太郎
Nobutsugu Kodama
小玉 修嗣
Kazushi Iwata
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明はコラゲナーゼインヒビターを定量することによ
り肝臓癌疾患を診断する方法に関するものである。さら
に詳しくは、本発明はウシコラゲナーゼインヒビター(
ティシュ・インヒビター・オブ・メタロプロテアーゼ:
TIMP)に対するモノクローナル抗体を用いるサンド
イッチ法に基づく酵素免疫学的測定法によるヒトコラゲ
ナーゼインヒビターの測定法を手段とし、肝臓癌疾患患
者の血清中、血漿中あるいは関節液中のコラゲナーゼイ
ンヒビター量がそれぞれ健常人の血清中、血漿中あるい
は関節液中のコラゲナーゼインヒビター量に比べて明ら
かに高い値を示すことに基づいて肝臓癌疾患の診断を行
う方法に関するものである。
〔背景技術〕
コラゲナーゼインヒビターは、ヒトおよびその他の動物
の骨、皮膚、歯髄、羊水、血液、関節液中および関節軟
骨細胞、滑液細胞、各種組織由来線維芽細胞、線維肉腫
細胞培養液中に存在することが知られている。コラゲナ
ーゼインヒビター量を測定する手段としては、従来、そ
の生物活性を測定することによる方法が知られている。
しかし、J、 Lab、 C11n、 Mad、 75
.258〜263 (1973)にEisenらが、ま
た、Arthritisand Rheumatism
 27.285〜290(1984)にCaws to
nらが記載しているように、血清中、血漿中あるいは関
節液中のコラゲナーゼインヒビター活性を測定するには
、それらの液中に、その測定を妨害する蛋白質、たとえ
ば、α2−マクログロブリンが存在するため、従来知ら
れている創意方法によっては、その測定は不可能である
。半周、岩田らは、先に、ウシコラゲナーゼインヒビタ
ーに対する七ツクローナル抗体を用い、サンドイッチ法
に基づく酵素免疫学的測定法(EIA)を行うことによ
り微量の試料で精度良く、簡便かつ迅速にコラゲナーゼ
インヒビターを特異的に定量する方法を開発したが(特
願昭62−42781号)、本発明者らは、ヒト血清中
、血漿中あるいは関節液中に存在するコラゲナーゼイン
ヒビター量が、肝臓癌疾患にかかることにより明らかに
増加することを発見し、血清中、血漿中あるいは関節液
中に存在するコラゲナーゼインヒビターの量を上記の酵
素免疫学的測定法により測定することによって、肝臓癌
疾患の診断を行い得ることを見出した。
〔発明の闘示〕
本発明は、上述の如き知見に基づいてなされたものであ
って固相単体に結合させる抗体および酵素標識を付与す
る抗体としてウシコラゲナーゼインヒビターの異なる抗
原決定基に対し特異的に結合する2種類のモノクローナ
ル抗体の組み合わせを用いて、サンドイツチ法により酵
素抗体免疫学的測定法を行うことにより、血清中、血漿
中めるいは関節液中に存在するヒトコラゲナーゼインヒ
ビターを定量し、その定量値を健常人の示す値と比較す
ることにより、被測定者が肝臓癌疾患にかかっているか
否かを診断する方法を提供するものである。
本発明者らは、ウシ歯髄の培養外液から精製したコラゲ
ナーゼインヒビターを含む溶液をBa1b/cマウスの
腹腔内に投与することにより免疫した後、そのマウスの
び臓細胞を分離した。
そのひ臓細胞と8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞N
5−1とを5=1の割合で混合し、50%ポリエチレン
グリコール4000中で融合させることによりハイブリ
ドーマを得た。ポリスチレン製96六マイクロウエルに
各ウェル当たり6.OX 10’個となるように得られ
たハイブリドーマを分散した後、HAT培地中で培養し
た。各ウェルの培養液中にウシ歯髄コラゲナーゼインヒ
ビターに対する抗体が産生されているか否かを固相−抗
体結合テスト法(ELISA)によりチエツクし、それ
が陽性であるウェル中のハイブリドーマを限界希釈法に
よりクローニングした。その結果、ウシ歯髄コラゲナー
ゼインヒビターに対するモノクローナル抗体を産生ずる
17種類のモノクローンを得、その各モノクローンをB
a1b/cマウスの腹腔内に投与することにより、モノ
クローナル抗体を含む腹水を得た。その腹水から硫酸ア
ンモニウムによる塩析分別、DEAE −5ephac
e lによるイオン交換クロマトグラフィーおよび5e
phacryl S−3005uperfineによる
ゲルろ過クロマトグラフィーなどによってモノクローナ
ル抗体を精製しI;。上記の如く精製した17種類のモ
ノクローナル抗体いずれもウシコラゲナーゼインヒビタ
ーと特異的に交叉したが、それらのなかの4種類のモノ
クローナル抗体、すなわち、IgG(クローン7−6C
1) 、IgG(クローン7−19F6)、[gG (
クローン7−21812)およびIgG(クローン72
3G9)がヒトコラゲナーゼインヒビターとも反応する
ことをウェスタンブロッティングによって明らかにした
。これら4種類のモノクローナル抗体のうち2種類のモ
ノクローナル抗体、すなわち、IgG(クローン7−2
3G9)を固相用抗体とし、IgG(クローン7−6C
I)から調製したFab’(クローン7−6C1) −
POD複合体を標識抗体として用いたサンドイツチ法に
基づ<EIAを行うことにより、ヒトコラゲナーゼイン
ヒビターを微量(1,51)9)で、特異的に、精度良
く、定量することができた。このサンドイツチ法を用い
て、健常人血清50検体中のコラゲナーゼインヒビター
を定量したところ、血清1mO,当たり184±30n
gのコラゲナーゼインヒビターが存在することがわかっ
た。一方、原発性肝臓癌患者血清lOO検体検討中び転
移性肝臓癌患者血清3検体中に存在するコラゲナーゼイ
ンヒビター量は血清1n(2当たりそれぞれ平均486
±316ngおよび1172±712ngであり、これ
らの値は健常人血清中に存在するその値に比べて明らか
に高い。一方、肝硬変患者血清46検体、慢性活動性肝
炎患者血清45検体および慢性非活動性肝炎患者血清2
6検体の中に存在するコラゲナーゼインヒビター量は血
清1mQ当たりそれぞれ平均228±163ng、23
3±88ngおよび166±73ngであり、健常人血
清中に存在するその量と比べて有意の差は認められなか
った。従って、種々の肝臓病患者中でも肝臓癌患者にお
ける血清中での特異的に高いコラゲナーゼインヒビター
の量に着目して、患者血清中のコラゲナーゼインヒビタ
ー量を測定することにより、その患者が、肝臓癌患者で
あるか否かを診断することができることになることが判
った。また・、健常人血漿26検体中のコラゲナーゼイ
ンヒビターの量は血漿1 mQ当たり64±lOngで
あるのに対し、厘発性肝臓癌患者8検体中に存在するコ
ラゲナーゼインヒビター量は血漿’1mQ当たり583
±447ngであり、健常人血漿中に存在するその値に
比べて明らかに高いことか認められた。
ただし、血清中あるいは血漿中に存在するコラゲナーゼ
インヒビター量増加の現象は、肝臓癌患者以外に慢性関
節リウマチ疾患患者についても認められるので、この血
清中のコラゲナーゼインヒビターの測定を、肝機能判定
法であるZTT (硫酸亜鉛混濁反応) 、GOT (
グルタミンピルビン酸トランスアミナーゼ)、GPT 
(グルタミンピルビン酸トランスアミナーゼ)、ALP
(アルカリ性フォスファターゼ)、LDH(乳酸脱水素
酵素)、γ−GPT (γ−グルタミルトランスペフチ
ダーゼ)、PH(プロリルハイドロキシラーゼ)および
AFP(α−フェトプロティン)などの測定と併用する
ことにより、被測定者の肝臓筋の罹患の有無を診断する
ことができるのである。
本発明方法においては上記の酵素免疫学的測定法が用い
られるが、固相単体として抗原や抗体を受動的に良く吸
着するポリスチレン製、ポリカーボネイト製、ポリプロ
ピレン類、あるいはポリビニール製のポール、マイクロ
プレート、スティック、試験管などの種々の材料および
使用形態が任意に選択、使用できる。一方、酵素漂識を
付与する抗体としては、抗体含有物を硫安分画後、DE
AE −5ephacelの如き陰イオン交換ゲルによ
り精製したIgG画分、さらにはペプシン消化後、還元
して得られる特異的結合部分Fab’を用いることもで
きる。
前述のとおり、本発明方法は、固相単体に結合させる抗
体および酵素標識を付与する抗体として、コラゲナーゼ
インヒビターの異なる抗原決定基に対し、特異的に結合
する2種類のモノクローナル抗体の組み合わせを用いた
固相抗体酵素免疫学的測定法に基づいたヒトコラゲナー
ゼインヒビターの定量を行い、その結果を、健常人の値
と比較することによって、被測定者が、肝臓癌疾患にか
かっているか否かを診断するものである。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例 l 抗ウシコラゲナーゼインヒビターモノクローナル抗体の
作製 (a)抗原−ウシコラゲナーゼインヒビターの調製 J、 、Biochem、 96.395−404(1
984)に記載の本発明者らの方法に従いウシ未萌出知
歯の根部歯髄をイーグルMEM培地(日本製薬製)で培
養した培養外液からCon A−セファロース、ウシト
ロゲルAcA 44およびDE−52セルロースの各カ
ラムを用いてコラゲナーゼインヒビターを精製した。
精製インヒビターはJ、  Mat、  Biol、 
 随、579〜599(1973)に記載のLaemm
 l iらの方法に従いドデシル硫酸ナトリウム−ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動(5DS−PAGE)で調
べたところ分子量約32.000ダルトン(D)の単一
バンドを示した。
(b)抗体産生細胞の調製 6週令のBa1b/c雌マウス2匹をまず70インド完
全アジユバント中で、前記(a)で記述した精製ウシコ
ラゲナーゼインヒビターで初回免疫する。マウスにそれ
ぞれ48μ9のウシコラゲナーゼインヒビターを0.4
mαの溶液として腹腔的投与する。さらに30日目に生
理食塩水に溶解した84μりのウシコラゲナーゼインヒ
ビターを追加免疫する。最終免疫として58日目に腹腔
的投与(95μg/ 500μQ生理食塩水)により補
助免疫し、3日後にマウス膵臓を取り出し、肺細胞を調
製する。
(c)細胞融合 (1)以下の材料および方法を用いる。
RP!Jl 1640培地: RPMI No、 16
40(Difco Labo−ratories)に重
炭酸ナトリウム(12mM)、ピルビン酸ナトリウム(
l mM)、L−グルタミン(2mM)、ペニシリンG
カリウム(50U/ mQ)、tilt 酸ストレプト
マイシン(50μg/m(2)、および硫酸アミカシン
(100μg/ m+2)を加え、ドライアイスでpH
ヲ7.2にし、0.2μm東洋メンブレンフィルターで
除菌濾過する。
N5−1培地:上記RPIJI 1640培地に除菌濾
過した仔牛脂児血清(M、  A、  Bioprod
ucts)を15%(V/ V)の濃度に加える。
PEG 4,000溶液: RPMI 1640培地の
ポリエチレングリコール4,000 (PEG 4.0
00、Merck & Co、。
Inc、) 50%(w/w)無血清溶液を調製する。
8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞NS−1(P3−
NSI−1)との融合は5elected Metho
d 1nCellular Immunology(e
d、 B、 B、 Mishell andS、M、 
Shiigi) 、W、 H,Freeman and
 Company(1980)、351−372+:記
載ノoIラノ方法ヲ若干改変して行った。
(2)前記(b)で調製した有核膵臓細胞(生細胞率1
00%)とミエローマ細胞(生細胞率100%)とを5
=1の割合で融合する。膵臓細胞とミエローマ細胞とを
別に前記のRPMI  1640培地で洗浄する。次に
同じ培地にけん濁し、融合させるため上記の割合で混合
する。容量50mQの円錐形スチロール膚脂製試験管(
Iwaki Glass)を用い、40mQのRPM[
1640培地中400X9.10分間遠心し、上溝を完
全に吸出する。沈澱細胞に37°C加温PEG 4,0
00溶液[,3mαを穏やかに撹拌しながら1分間で滴
下し、さらに1分間撹拌し細胞を再けん濁、分散させる
。次に37°C加温RPMI 1640培地1.3mQ
を1分間で滴下する。この操作をさらに1回繰返した後
、同培地9mαを2〜3分間で常に撹拌しながら滴下し
細胞を分散させる。これを400Xy、10分間遠心分
離し、上溝を完全に吸引除去する。次にこの沈澱細胞に
37°C加温MS−1培地12.9m12をすみやかに
加え、細胞の大きい塊りをlOmQのピペットを用いて
注意深くピペッティングして分散する。さらに同培地2
6++IQを加えて希釈し、ポリスチレン製96穴マイ
クロウエル(Iwaki Glass)にウェル当り6
.OX 10’個10.1mQの細胞を加える。なお、
この時使用する96六マイクロウエルは前旭理として0
.2mQのMS−1培地を加え、炭酸ガス培養器中(3
7℃)で−晩保温し、使用時に培地を吸引除去しておく
。細胞を加えた上記のマイクロウェルを7%炭酸ガス/
93%空気中で温度37°C1湿度100%下に培養に
付する。
(d)選択培地によるハイブリドーマの選択的増殖 (1)使用する培地は以下のとおりである。
HAT培地:前記(C)で述べたN5−1培地にさらに
ヒポキサンチン(100μM)、アミノプテリン(0,
4μM)、およびチミジン(16μM)を加える。
HT培地ニアミノプテリンを除去した以外は上記HAT
培地と同一組成のものである。
(2)前記(c)の培養開始後翌日(18目)、細胞に
パスツールピペットでHAT培地2滴(約0.1rnα
)を加える。2.3.5.8.11日目に培地の半分(
0,1m+2)を新しいHAT培地で置き換え、14日
目に培地の半分を新しいHT培地で置き換える。
以降3〜4日毎に培地の半分を新しいHT培地で置き換
える。通常2〜3週間で充分なハイブリドーマの生育が
観察される。ハイブリドーマ生育全ウェルについて次項
(e)記載の固相−抗体結合テスト法(ELISA)に
より陽性ウェルをチエツクする。次にフィーダーとして
10’個のマウス胸腺細胞を含むHT培地1mffをポ
リスチレン製24穴セルウエル(Ivaki Glas
s)に加えたものを用い、上記で検出された各陽性ハイ
ブリドーマの全内容物を移す。これを前記(c)におけ
ると同様に7%炭酸ガス存在下、37°Cで約1週間培
養に付する。その間1〜2回各ウェルの上清0.5mα
を新しいHT培地0.5mQと交換する。ハイブリドー
マの充分生育した時点でELISA法により陽性を再確
認し、それぞれについて次項(f)記載の限界希釈法に
よるクローニングを行う。なお、クローニングに使用後
の残液をポリスチレン製25cm2組織培養フラスコ(
Iwaki Glass)に移し、凍結保存用試料を調
製する。
(e)固相−抗体結合テスト(ELISA)による抗つ
ンコラゲナーゼインヒビター抗体産生ハイブリドーマの
検索 Anal、 Biochem、 104.205〜21
4(1980)に記載のRennardらの方法を若干
改変した方法を用いる。この方法は、ハイブリドーマ抗
体の検出に適している。96穴ミクロタイトレー/ヨン
プレ−) (FIOW Laboratories、 
 Inc、)を0.5−1.0μ9のウシコラゲナーゼ
インヒビターでコートし、次に、未コート部分を1%牛
血清アルブミン(BSA)でブロックする。これに前記
(d)で得られたハイブリドーマ生育ウェルの上清の一
部を加えて室温で約1時間インキュベートする。2次抗
体として西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス
イムノグロブリン(cappel Lab、)を加え、
さらに室温で約1時間インキュベートする。次に過酸化
水素と基質であるo−フェニレンジアミンを加え生成し
た褐色の程度を肉眼で定性的に判定するか、あるいはコ
ロナ2波長マイクロプレート光度計(MTP−22、コ
ロナ電気社)を用いて500nmの吸光度を測定する。
(f)クローニング 前記(d)の操作後、各ウェル中には2種以上のハイブ
リドーマが生育している可能性があるので、限界希釈法
によりクローニングを行い、モノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマを取得する。N5−1培地mα当りフィー
ダーとして10′@のマウス胸腺細胞を含むクローニン
グ培地を調製し、96六マイクロウエルの36ウエル、
36ウエルおよび24ウエルにウェル当り5個、1個お
よび0.5個のハイブリドーマをカロえる。5日目、1
22日目全ウェルに各約0.1m+2のN5−1培地を
追加する。クローニング開始後14〜15E3で充分な
ハイブリドーマの生育が認められ、コロニ形成陰性ウェ
ルが50%以上である群についてELISA法を行う。
テストした全ウェルが陽性でない場合、抗体陽性ウェル
中のコロニー数を確認し、ウェル中に1コロニーが確認
されたウェルを4〜6個選び再クローニングする。最終
的にウシコラゲナーゼインヒビターに対するモノクロー
ナル抗体産生ハイブリドー11フ株が得られた。
(g)モノクローナル抗体の生体外増殖および生体内増
殖 モノクローナル抗体の増殖は常法による。すなわち、モ
ノクローナル抗体は、得られた各ハイブリドーマをN5
−1培地などの適当な培養液で培養(生体外増殖)し、
その培養上清から得ることができる(モノクローナル抗
体たん白質濃度は10〜100μg/mQである)。一
方、大量に抗体を得るためには肺細胞とミエローマ細胞
の由来動物と同系の動物(Balb/c、マウス)に腫
瘍形成促進剤ブリスタン(2,6,10,14−テトラ
メチルペンタデカン、Aldrich Chemica
1社)をマウス−匹当たりQ、5m12腹腔内投与し、
1〜3週間後に、各ハイブリドーマlXl0’個を同じ
く腹腔内投与することにより生体内で、さらに、1〜2
週間後、モノクローナル抗体たん白質濃度4〜7mg/
mQの腹水を得ることができる。
(h)モノクローナル抗体の重鎖、軽鎖及びアイソタイ
プ 前記(g)で得られた各々の腹水を先ずウシコラゲナー
ゼインヒビターをコートしたミクロタイトレージョンプ
レートに前述したELISA法に従って結合させる。P
BSによる洗浄後火に、アイソタイプ特異的ウサギ抗マ
ウスIg抗体(ZymedLaborator 1es
)を加える。PBSによる洗浄後、西洋わさびペルオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L )抗体を加
え、基質として2.2′−アジノージ(3−エチルベン
ゾチアゾリン硫酸−6)および過酸化水素を用いて検出
した。その結果をまとめて後掲の第1表に示した。得ら
れたウシコラゲナーゼインヒビターに対するモノクロー
ナル抗体の内15個が免疫グロブリン鎖γ1/にを、1
個が12a/にを、そして、IWAがγ2b/にを有し
ていた。
(i)モノクローナル抗体の精製 前記(g)で得られた各腹水を硫安分画(40%飽和)
後、塩化ナトリウム0.06Mを含む40mMリン酸緩
衝液、pH8,0で平衡化したDEAE−5ephac
e 1(pharmac ia社)の非吸着画分を分取
し、このIgG画分を更に0.42M塩化ナトリウムを
含む50mMリン酸緩衝液、pH7,4で平衡化した5
ephacryl S −300Superf ine
(Pharmacia社)カラムでゲルが過し、培地中
のFe2およびマウス由来のたん白質を分離、除去した
実施例 2 ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターとモノクローナル抗
体との交叉性 (a)酵素標識モノクローナル抗体(Fab’−POD
複合体)の調製法 (1) Fab’画分の調製 実施例1(i)で得られたIgG画分を0.1M塩化ナ
トリウム含有0.1M酢酸緩衝液(pH4,2)に溶解
し、その溶液を以下述べるようにしてペプシンで消化し
た。すなわち、前記画分中の[gGに対して2%(w/
w)のペプシンを加え、37°C124時間消化した。
更にその消化物に2Mトリス溶液を加えてpuを7.0
に調整することにより消化反応を停止させ、O,1Mす
〉゛酸緩衝液(pH7,0)で平衡化したウシトロゲル
AcA 44カラム(LKB製)を用いたゲル濾過によ
りF(ab’)2画分を分取しlこ 。
次に、このF(ab’)2両分をエチレンジアミン四酢
酸(EDTA)含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6,0
)中で透析し、終濃度10mMとなるようにアミノエタ
ンチオール(M E A )を加え37°Cで1.5時
間還元した後、5 mM EDTA含冑0.1Mリン酸
緩衝液(pH6,0)で平衡化したウシトロゲルAcA
 44カラムを用いてゲル濾過し、Fab’画分を分取
した。
(2)マレイミド標識POD画分の調製上記(1)の操
作とは別に、以下述へるようにして西洋わさび由来ペル
オキシダーゼ(POD)にマレイミドを標識した。すな
わち、PODをlomg/mQの量で0,1Mリン酸緩
衝液(pH7,0)に溶解し、そのPODに対して、2
5倍モル量のN−(ε−マレイミドカプロイルオキシ)
コハク酸イミド(EIJC5)をジメチルホルムアミド
溶液として加え、30°C130分間反応させた。これ
を0.1Mリン酸緩衝液(pH6,0)で平衡化したセ
ファデックスG−50カラムでゲル濾過し、マレイミド
標識POD画分を分取した。
(3) Fab’−POD複合体画分の調製上記(1)
の如くして調製した画分中のFab’に対して上記(2
)で得られた画分中のマレイミド標識PODとして等モ
ルになるようにして、両画分を混合し、更にFab’お
よびマレイミド標識PODの終濃度が100μMとなる
ように5 mM EDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(
pH6,0)で希釈した。この混合液を4℃、20時間
反応後、Fab’の10倍モル量のN−エチルマレイミ
ドで未反応のチオール基をブロックした。これを0 、
1 Mリン酸緩衝液(pH6,5)で平衡化したウシト
ロゲルAcA 44カラムでゲルが過し、Fab’−P
OD複合体画分を分取後、0.1%牛血清アルブミン(
BSA)及び0.005%チメロサールを添加し、4°
Cで釆存した。
(b)ウェスタンブロッティング 実施例1 (a)項で精製したウシ歯髄コラゲナーゼイ
ンヒビターを5DS−PAGEに供した後、市販のPO
D標識ヤギ抗マウス免疫グロブリンおよび上記実施例2
(a)で得られたFab’−POD複合体を用いて細胞
工学1&2.1061〜1068(1983)に記載の
口部の方法に従ってウェスタンブロッティングを行い、
酵素抗体染色のパターンを得た。
これを第1図に示す。第1図において、A及びBはウェ
スタンブロッティング後のニトロセルロース膜をそれぞ
れ実施例2(a)で得られたFab’(クローン7−3
F1) −POD複合体及びFab’(りローン7−2
1B12)−POD複合体で免疫染色した結果を示すも
のである。
また、1〜16は下記の各モノクローナル抗体(いずれ
もIgGタイプ)の溶液にウェスタンブロッティング後
のニトロセルロース膜を浸した後、あらためて各ニトロ
セルロース膜をPOD標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン
(Cappel Laborato−r ies製)で
免疫染色した結果を示すものである。
1:クローン7−3Fl、 2:クローン7−4F2.
3:クローン7−5Al、 4:クローン7−6C1,
5:クローン7−7F11.6:クローン7−882.
7:クローン7−9B4.8:クローン7−10EII
、 9 :クローン7−11A5、lO:クローン7−
12B6、ll:クローン7−15E8.12:クロー
ン7−18F3.13:クローン7−19F6.14:
クローン7−20C2,15:クローン7−21B12
.16:クローン7−23G9゜第1図に示されるとこ
ろから明らかなように、上記のモノクローナル抗体は、
いずれもウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターと交叉する
ことがわかっj二。
実施例 3 サンドイッチ酵素免疫測定法 (a)モノクローナル抗体結合ポールの調製法J、 I
mmunoassay 4.209〜327(1983
)に記載の石川らの方法に従って実施例1(i)で得ら
れt;モノクローナル抗体を0.1%アジ化ナトリウム
含有0.1MIJン酸緩衝液(pH7,5)に溶解し、
それを100μg/ m!2(Azao−0−15)の
濃度に調整した後、そのモノクローナル抗体溶液にポリ
スチレンポール(径6.5im、 Precision
 Plastic Ba1l製)を浸漬し、4°Cに2
4時間静置した。次にモノクローナル抗体溶液を除去し
た後、0.1%BSA。
0.1%塩化ナトリウム及び0.1%アジ化ナトリウム
含何10mM !Jン酸緩衝液(pH7,0) (、以
下緩衝液Aと略記する)で5回洗浄した後、緩衝液Aに
浸し、4℃で保存した。
(b)サンドイッチ測定法 精製したコラゲナーゼインヒビター溶液、あるいはコラ
ゲナーゼインヒビターを含む試料溶液を1%BSAを含
む緩衝液Aで希釈し、各試験管に300μαを加えた。
次に前記(a)項で調製した抗体結合ポールを加え、3
7°Cで1時間振とう加温後(第1反応) 、0.1M
塩化ナトリウム含有10mMリン酸緩員液(pH7,0
) 3 mQで各試験管を3回洗浄した。次に実施例2
(a)項で調製したFab’−POD複合体を20ng
/試験管となるように0.1%BSA及びO,1M塩化
ナトリウム含有10mM ’)ン酸緩衝液(pH7,0
)で希釈し30°Cで1時間振とう加温した(第2反応
)。反応終了後、第1反応終了時と同様に洗浄した。次
に0.1M酢酸緩衝液(pH5,5)に溶解したPOD
基質、すなわち0.0134%テトラメチルベンチジン
(TMBZ)を0.3mα加工、更に0.01%過酸化
水素0.1mQを加えて30℃で1時間振とう加温(第
3反応)後、1.33N硫酸0.6mQを添加すること
により反応を停止させた。その反応混液のA45゜値を
分光光度計で測定し、標準直線より試料中のコラゲナー
ゼインヒビター量を求めた。
(C)サンドイッチ測定用モノクローナル抗体の選択 コラゲナーゼインヒビターを定量することが可能なモノ
クローナル抗体の組み合わせを探す目的で実施例1(i
)項の方法で精製したクローン7−3Fl、 7−6C
1,7−19F6、および7−21B12の各モノクロ
ーナル抗体からFab’−POD複合体を調製した。一
方、クローン7−3Fl、7−4F2.7−5A1.7
−6CL 7−7Fll、 7−8B2.7−9B4.
7− l0EII、 7−11A5.7−12B6.7
−15E8.7−18F3.7−19F6.7−20C
2,7−21B12、および7−23G9の各モノクロ
ーナル抗体を固相として、試験管当たりlogの精製し
たウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターを用いて実施例3
(b)項の方法によりサンドイッチ定量を行った。得ら
れたA45a値を後掲の第2表に示す。なお、第2表中
のA45Q値は試料1ng添加の値からコラゲナーゼイ
ンヒビターを添加しない時の値を差し引いた数値である
。上記4種類のいずれのFab’−POD複合体を用い
た場合においても、固相として7−4F2.7−1lA
5.7−12B6.7−18F3.7−20C2、およ
び723G9の6種類の抗体を用いた時のAIS。が2
以上の値を示した。次にこれら24通りの組み合わせに
ついて、ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターの添加量を
変えてサンドイッチ定量を行った。
Fab’(クローン7−6C1)−PODを複合体とし
て、クローン7−23C9抗体を固相とした場合に得ら
れた結果を第2図に示す。第2図に示すように、添加し
たウシ歯髄コラゲナーゼインヒビター量とAtS。の間
に直線関係が成立し、定量感度は試験背当たり約111
)g(32a moQ)であった。上記以外の組み合わ
せについても上記の直線関係がみられ、いずれの組み合
わせについてもサンドイッチ定量が可能であることがわ
かった。
実施例 4 ヒト血清中のコラゲナーゼインヒビターの同定(a)ア
フイニテイ力ラムの調製 Nature 214.1302−1304(1967
)に記載のAx6nらおよびProc、 Natl、 
Acad、 Sci、 USA+ 61636−643
(1968)に記載のCuatrecasasらの方法
に従って臭化シアンを介して担体のセファロース4Bに
リガンドとして実施例1(i)項で得られた精製モノク
ローナル抗体を固定化した。次に抗体結合セファロース
4Bゲル0.3mQをガラス管に充填し、0.1M塩化
ナトリウムおよび5+n)J塩化カルシウム含有30m
Mト!Jスー塩酸緩衝液(pH8,0)で平衡化し使用
した。
(b)ヒト血清コラゲナーゼインヒビターの7フイニテ
イ力ラムクロマトグラフイー ヒト血清1mQを0.1M塩化ナトリウムおよび5mM
塩化カルシウム含有30mM トリス−塩酸緩衝液(p
H8,0)に対して透析した後、上記(a)項記載の方
法に従って調製したクローン7−21B12抗体結合セ
ファロース4Bカラムに供し、上記緩衝液で洗浄しく非
吸着画分)、次にカラムを2M塩化ナトリウム含有30
mM トリス−塩酸緩衝液(pH7,5)および0.5
M塩化ナトリウム含有0.2Mグリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液(pH10,5)で順次洗浄しく洗浄画分)
、最後にカラムに吸着した蛋白質を0.2Mグリシン−
塩酸緩衝液(pH2,0)で溶出した(溶出画分)。得
られた溶出画分を0.1M塩化ナトリウムおよび5m1
J塩化力ルシウム含有30mM トリス−塩酸緩衝液(
pH8,0)中で透析した後、もう−度クローン7−2
1B12抗体結合セファロース4Bカラムを用いた再ア
フイニテイクロマトグラフイーに供し、上記と同様の操
作により溶出画分にコラゲナーゼインヒビターを得た。
そこで、ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターに対するモ
ノクローナル抗体がヒト血清コラゲナーゼインヒビター
と交叉するのか否かを検討するため、上記の溶出画分を
5OS−PAGEに供した後、ウェスタンブロッティン
グを行った。
第3図はウェスタンブロッティング後のニトロセルロー
ス膜を1:クローン7−3F1.2:クローン7−6C
1,3: 7−19F6.4:クローン7−21B12
および5:クローン7−23G9の各モノクローナル抗
体から調製したFab’−PODI合体で免疫染色を行
った結果を示すものである。第3図に示されるように、
ヒト血清中にもウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターに対
するモノクローナル抗体と反応するコラゲナーゼインヒ
ビターが存在することがわかった。しかも、それらの分
子量はいずれも実施例1(a)項で得られたウシ歯髄コ
ラゲナーゼインヒビターのそれと同じ32.000Dで
あることがわかった。
実施例 5 サンドイッチ測定法によるヒト血清中のコラゲナーゼイ
ンヒビターの定量 (a)標準直線の作成 ヒトコラゲナーゼインヒビターをサンドイッチ定量する
のに最も適したモノクローナル抗体の組み合わせについ
て検討した。実施例3(c)項に示したように、ウシ歯
髄コラゲナーゼインヒビターを感度良く定量できる4種
類のFab’POD複合体、すなわち、Fab’(73
F1)−POD、Fab’(7−6C1)−POD%F
ab’(7−19F6)−PODおよびFab’(7−
21B12)−PODと6種類の固相用抗体、すなわち
、クローン7−4F2.7−11A5.7−12B6.
7−18F3.7−20C2および7−23G9のモノ
クローナル抗体を用いた24通りの組み合わせのうち、
実施例4(b)項に記載したとおりにカラムクロマトグ
ラフィー鬼理したヒト血清コラゲナーゼインヒビターを
定量できる組み合わせを調べた。その結果、ヒト血清コ
ラゲナーゼインヒビターを抗原とした場合、用いたほと
んどの組み合わせでA4S。のシグナルは全く検出され
なかったが、固相用抗体としてクローン7−23G9抗
体、複合体としてFab’ (クローン7−6C1) 
−PODを用いた場合、サンドイッチ定量可能であるこ
とがわかった。次に、上記の組み合わせを用いて、実施
例3(c)項に示した方法により、ヒト血清コラゲナー
ゼインヒビターの添加量を変えてサンドイッチ定量を行
うことによって標準直線を作成し、得られた結果を第4
図に示す。第4図にみられるように、添加したヒト血清
コラゲナーゼインヒビター量とA45゜の間に直線関係
が成立し、ヒトコラゲナーゼインヒビターの定量が可能
であることがわかった。しかし、その定量感度は試験管
当たり約10pg(320a moQ)であり、ウシ歯
髄コラゲナーゼインヒビターの場合の定量感度(試験管
当たり1111g)に比べて10倍低いことがわかった
(b)患者血清中のコラゲナーゼインヒビターの定量 上記(a)において示したモノクローナル抗体の組み合
わせを用いて健常人血清95検体、原発性肝臓癌患者血
清100検体および転移性肝臓癌患者血清3検体の中に
存在するコラゲナーゼインヒビターをサンドイッチ定量
し、その結果を第3表の1および2に示した。なお、こ
のサンドイッチ定量において、標準直線の作成には抗原
として実施例4(b)項で精製したヒト血清コラゲナー
ゼインヒビターを用いた。また、この定量は検体血清を
1% BSAを含む緩衝液Aで1.600倍に希釈して
行った。第3表の1および2に示した数値は同一の実験
系を2回行った結果の平均値である。第3表の1にみら
れるように、健常人血’aLmO,中に存在するコラゲ
ナーゼインヒビター量は平均1.59±0.37μ9で
あるのに対し、原発性肝臓癌患者血清および転移性肝臓
癌患者血清1mQ中に存在するコラゲナーゼインヒビタ
ー量は第3表の2に見られるようにそれぞれ平均3.2
2±2.1Oμ9および7.81±3.87μgと高い
値を示した。一方、肝硬変患者血清46検体、慢性活動
性肝炎患者血a45検体および慢性非活動性肝炎患者血
清26検体の中に存在するコラゲナーゼインヒビターを
サンドイッチ定量した値を第4表に示した。その結果、
肝硬変患者血清中、慢性活動性肝炎患者血清中および慢
性非活動性肝炎患者血清中に存在するコラゲナーゼイン
ヒビター量はそれぞれ平均1.52±1.08μ9.1
.55±0.58μ9および1.10±0.48μ9で
あり、これらの値はいずれも健常人血清中に存在するコ
ラゲナーゼインヒビター量と有意の差は認められなかっ
た。
実施例 6 ヒト血清中のコラゲナーゼインヒビターの精製 実施例4の(b)で最終的に得られた溶出画分中には前
述したとおり、ウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターに対
するモノクローナル抗体と反応するコラゲナーゼインヒ
ビターが存在する(第3図参照)。しかし、この溶出画
分中には、コラゲナーゼインヒビター以外にも、上記モ
ノクローナル抗体とは反応しない蛋白質が多種存在する
ことが認められた。そこで、この溶出画分をO,1MI
Jン酸緩衝液(pH7,5)で平衡化したAcA 44
カラムを用いてゲルが過を行い、コラゲナーゼインヒビ
ターと他の蛋白質とを分離することによりヒト血清コラ
ゲナーゼインヒビターを精製した。第5図は得られた血
清コラゲナーゼインヒビター(1)、対照としてのウシ
歯髄コラゲナーゼインヒビター(2)および分子量マー
カー(3)の各5OS−PAGEパターンを示している
第5図にみられるように、ヒト血清コラゲナーゼインヒ
ビターの分子量はウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターの
それと同様、32,0OODであることがわかった。
−イー 実施例 7 サンドイッチ測定法における精製ヒト血清コラゲナーゼ
インヒビターの標準直線の作成実施例6において得られ
た精製ヒト血清コラゲナーゼインヒビターの添加量を変
えて、実施例5の(a)項記載のモノクローナル抗体の
組ミ合わせを用いてサンドイッチ定量を行うことによっ
て標準直線を作成した。得られた結果は第6図に示すと
おりである。第6図にみられるように、添加したヒト血
清コラゲナーゼインヒビター量とA45Oの間に直線関
係が成立し、この時の定量感度は試験背当たり1.5p
g(48a moQ)であった。この定量感度は、実施
例5の(a)項で作成した標準直線の場合に比べて6.
7倍高く、また、実施例3の(c)項記載のウシ歯髄コ
ラゲナーゼインヒビターの場合に比へて1.5倍低いこ
とがわかった。
実施例 8 サンドイッチ測定法によるヒト血清中あるいはヒト血清
中のコラゲナーゼインヒビターの定量に基づく肝臓癌疾
患の診断 (a)肝疾患患者血清中のコラゲナーゼインヒビターの
定量 実施例7において示したモノクローナル抗体の組み合わ
せを用いて健常人血清50検体、原発性肝臓癌患者血清
100検体および転移性肝臓癌患者血清3検体の中に存
在するコラゲナーゼインヒビターをサンドイッチ定量し
、その結果を第5表の1および2に示した。なお、この
サンドイッチ定量において、標準直線の作成には抗原と
して実施例6で精製したヒト血清コラゲナーゼインヒビ
ターを用いた。また、この定量は検体血清を1% BS
Aを含む緩衝液Aで1.600倍に希釈して行った。第
5表の18よび2に示した数値は同一の実験系を2回行
った結果の平均値である。第5表の1にみられるよ、う
に、健常人血a1mQ中に存在するコラゲナーゼインヒ
ビター量は平均184±31ngであるのに対し、原発
性肝臓癌患者血清および転移性肝臓癌患者血清l mQ
中に存在するコラゲナーゼインヒビター量は第5表の2
に見られるようにそれぞれ平均484±316ngおよ
び1171±712ngと高い値を示した。一方、肝硬
変患者血清46検体、慢性活動性肝炎患者血a45検体
および慢性非活動性肝炎患者血清26検体の中に存在す
るコラゲナーゼインヒビターをサンドイッチ定量した値
を第6表に示した。第6表に見られるように、肝硬変患
者血清中、慢性活動性肝炎患者血清中および慢性非活動
性肝炎患者血清中に存在するコラゲナーゼインヒビター
量はそれぞれ平均228±163ng、233±88n
gおよび166±73ngであり、これらの値はいずれ
も健常人血清中に存在するコラゲナーゼインヒビター量
と有意の差は認められなかつIこ 。
(b)肝疾患患者血漿中のコラゲナーゼインヒビターの
定量 Br、 J、 HaemaLol、 33.239−2
47 (1976)に記載のLudlamとCa5hの
方法に従って、健常人血液および原発性肝臓癌疾患患者
血液からそれぞれの血漿を採取した。なお、ここで採取
した血漿は、血液にEDTAl プロスタグランジンE
いおよびテオフィリンを加え冷却した後、4℃で190
0×960分間遠心分離して得られた上澄であり、血液
中の血小板は、分解されずに沈澱画分にとどまっている
上記の如くして得られた健常人血漿26検体および原発
性肝臓癌患者血漿8検体の中に存在するコラゲナーゼイ
ンヒビターを上記(a)項に示したのと同じ方法を用い
てサンドイッチ定量した。その結果は後掲の第7表に示
されるとおりである。第7表にみられるように、健常人
血漿1ma中に存在するコラゲナーゼインヒビター量は
平均64±10ngであるのに対し、原発性肝臓癌疾患
患者血漿中に存在するコラゲナーゼインヒビター量は平
均583±447ngと高い値を示した。
(C)モノクローナル抗体とコラゲナーゼインヒビター
との特異的反応の確認 実施例4、(b)項に示したように、サンドイッチ測定
法に用いる2種類のモノクローナル抗体(クローン7−
6C1とクローン7−23G9)はヒトコラゲナーゼイ
ンヒビターと反応するが、血清あるいは血漿などのよう
に、種々の蛋白質が高濃度で溶解している系でも、この
モノクローナル抗体がコラゲナーゼインヒビターと特異
的に反応していることを確認するための試験を行っjこ
 。
健常人血清あるいは肝臓癌患者血清を0.1M塩化ナト
リウムおよび5mM塩化力ルンウム含有3QmM トリ
ス−塩酸緩衝液(pH8,0)で5@に希釈した後、実
施例4の(a)項記載の方法に従って調製したクローン
7−23G9 (サンドイッチ測定法の固相用抗体)結
合セファロース4Bカラムに供し、実施例4の(b)項
記載の方法に従って溶出画分を得た。この溶出画分を5
DS−PAGEに供した後、ウェスタンブロッティング
を行い、サンドイッチ測定法の標識抗体であるFab’
 (クローン7−6C1)−POD複合体で免疫染色を
行った。その結果は第7図に示すとおりである。1:精
製ヒト血清コラゲナーゼインヒビター 2=健常人血清
、3:肝臓癌患者血清のいずれを用いた場合ニモ、単一
バンドを示すことから、本発明の診断法におけるサンド
イッチ測定法では、極めて特異的にコラゲナーゼインヒ
ビターだけが定量されていることが示された。
以上述べたことから明らかなように、本発明方法を用い
ることにより、肝臓癌疾患の診断を、箇更に、短時間内
にさらに感度良く行うことかできる。
第 クローン番号 −3F1 −4F2 −5A1 −6C1 −7Fl1 −9B4 7−10EII −11A5 −12B6 7−14E9 −15E8 7−18F3 −19F6 −20C2 7−21B12 −23G9 ■ 表 サブクラス/鎖 IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に [gG2a/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG2b/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に IgG1/に
【図面の簡単な説明】
第1図はウシ歯髄コラゲナーゼインヒビターを5DS−
PAGEに供した後、種々のモノクローナル抗体を用い
た時のウェスタンブロッティングパターンを示す図であ
り、第2図は固相7−23G9抗体−複合体Fab’(
7−6CL)−POD測定系でのウシ歯髄コラゲナーゼ
インヒビターの標準直線を示す図であり、第3図はヒト
血清コラゲナーゼインヒビターを5DS−PAGEに供
した後、ウェスタンブロッティングを行った時の免疫染
色のパターンを示す図であり、第4図は固相7−23G
9抗体−複合体Fab’(7−6C1)−POD測定系
でのヒト血清コラゲナーゼインヒビターの標準直線を示
す図であり、第5図はヒト血清から精製したコラゲナー
ゼインヒビターの5DS−PAGEパターンを示す図で
あり、第6図は精製したヒト血清コラゲナーゼインヒビ
ターを用いて、サンドイッチ測定した時の標準直線を示
す図であり、第7図はヒト血清をIgG(7−23G9
)抗体結合アフイニテイ力ラムに供して得られた溶出画
分を5DS−PAGEに供した後、Fab’(7−6C
1)−POD複合体を用イf:nノウニスタンブロッテ
ィングパターンを示す図である。 第 図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. コラゲナーゼインヒビターの異なる抗原決定基に対し、
    特異的に結合する2種類のモノクローナル抗体の組み合
    わせを用いたサンドイッチ法により、酵素免疫学的に血
    清中、血漿中あるいは関節液中に存在するコラゲナーゼ
    インヒビターを定量し、その定量値を健常人の値と比較
    することにより診断を行うことを特徴とする肝臓癌疾患
    の診断法。
JP27079788A 1987-10-30 1988-10-28 肝臓癌疾患の診断用試薬 Expired - Lifetime JP2617783B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5439419A (en) * 1993-01-27 1995-08-08 Nissan Motor Co., Ltd. Pulley device for continuously variable transmission

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