JPH0256175B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はレーザー切断機を搭載したパンチプ
レス機に関する。

〔従来の技術〕

レーザー切断機をパンチプレス機に搭載し、パ
ンチ加工によつては打抜き得ない複雑な形状の切
断加工を該レーザー切断機によつて加工する技術
が知られている。

一方、上記のようなレーザー切断機搭載のパン
チプレス機においては、レーザー切断した種種の
形状の切抜片の搬出をどのようにして合理的に行
うかが課題となつている。

すなわち、上記レーザー切断片の搬出方法は大
きく２つに大別され、板金載置テーブル上を移動
する吸着ヘツドを有したアンローダにより上方か
ら搬出するものと、板金載置テーブルのテーブル
面の一部を窓状に開閉自在になして、該開閉窓部
を通じてテーブル下方へ落下せしめるものとがあ
るが、上部を移動するアンローダは装置が大がか
りとなる上に切断片搬出に比較的長時間を要する
という欠点がある。

一方、テーブルの一部を開閉窓になす後者の方
法では、上記のような欠点がなく搬出所要時間も
極めて短時間であるが、反面次のような制約があ
る。

すなわち、一般にパンチプレス機ではテーブル
上での板金保持移動用に第１，３図示のような板
金の端部を挾持するワークホルダ１が用いられて
いるが、該ワークホルダ１によつて挾持された板
金Ｗを可及的に端部までパンチ加工できるように
する為に、つまり、換言すればワークホルダ１を
可及的に工具Ｔに接近できるようにする為に工具
Ｔを保持したタレツト２のワークホルダ１側前方
のテーブルは、ワークホルダ１の移動に追随し
て、ワークホルダ１の下面の通過代だけ順次下降
する（第１図実線、鎖線図示）すだれ状の上下可
動テーブル３（詳細は例えば特開昭46−7944号等
において開示）に成されており、該可動テーブル
３に、レーザー加工中は板金および加工ヘツドの
トーチ部分を支え、しかも発生するスラグ、粉塵
を吸収しなければならない上記のような開閉窓を
付設することは困難であり、どうしても上記の開
閉窓は上記可動テーブル３部分を外れたパンチ加
工ヘツドの側方、つまり例えば第３図のＭにて示
したタレツトまわりの固定テーブル４部分に設け
るようになつていたのである。

ところが、切断片を落下排出するための開閉窓
を上記Ｍのような側方位置に設ける場合には、該
開閉窓の面積を大きくとれないことから、大面積
の切断片は排出できないとか、該固定テーブル４
の直側方には移動テーブル５，６支承用のレール
７が敷設されているが、このレール７および工具
タレツト２に干渉しないように上記側方位置の開
閉窓に連続する切断片排出コンベアをテーブル下
に設けることが困難であるといつた新たな問題が
生じていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は上記のような支障が生じず、レーザ
ー加工時には大面積の切断片であつても迅速かつ
円滑にテーブル下方へと搬出し得、しかもパンチ
加工時には上記ワークホルダが工具に可及的に接
近できて、板金の可及的端部までもパンチ加工で
きる、新規なレーザー切断機搭載のパンチプレス
機を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題を解決したこの発明に係るパンチプレ
ス機は、レーザー加工ヘツドをパンチ加工ヘツド
よりも板金移動装置寄り、つまりワークホルダ寄
りの前方に設け、該レーザー加工ヘツド下方の板
金載置テーブル面に窓部分を設け、上記レーザー
加工ヘツドの下方位置と当該下方位置から退避し
た位置とに変更自在で上記窓部分を開閉する可動
テーブルを設けると共に、該窓部分の下方には切
断片の排出シユートを具えたレーザー加工ヘツド
に対する受台装置を昇降自在に設け、レーザー加
工中には上記窓部分が開いて上昇した受台装置が
板金載置テーブル面を構成し、パンチ加工中には
上記窓部分が閉じて同じくテーブル面を構成し、
受台装置が可動テーブルの下方へと下降するよう
になしたものである。

〔実施例〕

第３，４図はこの発明の実施例としてのタレツ
トパンチプレス機の夫々全体平面図、全体側面図
であり、多数の工具Ｔを保持して回転する上下の
タレツト２ｕ，２ｌの前側上位に、クランク機構
７を介して上下動し、前記工具Ｔと共にパンチ加
工ヘツドＰを構成するラム８が設けてあり、該パ
ンチ加工ヘツドＰのさらに前方に昇降自在なトー
チ９と該トーチ９の昇降装置１１とからなるレー
ザー加工ヘツドＬが設けてある。１２はその屈曲
部において上記上下のタレツト２ｕ，２ｌを支持
し、その上部前方部において上記パンチ加工ヘツ
ドＰとレーザー加工ヘツドＬとを支持する側面Ｃ
字状フレームであり、１３は該フレーム１２上に
載設したレーザー発振器である。

上記フレーム１２の前方には板金載置テーブル
１４のベースフレーム１５が床上に設置してあ
り、該ベースフレーム１５上に敷設したＹ軸方向
に延びる左右１対のレール７（第３図）に沿つて
移動自在になして次のような移動テーブル５，６
を設けてある。

すなわち、４は前記下タレツト２ｌのまわりを
囲む固定テーブル、３はその上面を該固定テーブ
ル４と同一高さになした後に詳述するすだれ状の
上下移動自在な可動テーブルであり、該固定テー
ブル４、上下可動テーブル３の左右に分けて移動
テーブル５，６をＹ軸方向に移動自在に設けてあ
る。そして、この左右１対の移動テーブル５，６
はＸ軸方向に延びるワークホルダ１のキヤリツジ
１６との３者が一体に連結されていて、移動テー
ブル６およびキヤリツジ１６の下面に設けたボー
ルナツト１７が、前記ベースフレーム１５上にＹ
軸方向に沿つて設けたボールねじ１８に螺合して
該ボールねじ１８の回転により第３図実線、鎖線
間で移動されるようになつている。また、このＹ
軸方向移動に伴つて、各移動テーブル５，６の内
側辺下面に設けた、前記上下可動テーブル３支承
用のレール１９が移動し、前記固定テーブル４側
のみがフレーム１２に連結されて、他方端はフリ
ーになされているすだれ状の上下可動テーブル３
が第１図実線、鎖線間で上下動するようになつて
おり、キヤリツジ１６上に支持したワークホルダ
１の底面１ａは上記のようにして下降する可動テ
ーブル３を追つてＹ軸方向移動をするようになつ
ている。

ワークホルダ１はキヤリツジ１６内に設けられ
たＸ軸方向に沿うボールねじ２１に螺合されて、
該ボールねじ２１の回転によりキヤリツジ１６上
においてＸ軸方向任意の位置に移動される。

次に、上下可動テーブル３について詳細に説明
すると、この実施例のすだれ状上下可動テーブル
３は、その左右端を夫々一本のチエーン２２の各
リンク２３上に固定した多数の細長板２４によつ
て構成され、左右のチエーン２２が前記移動テー
ブル５，６下面のレール１９によつて支承された
部分は、多数の細長板２４上面によつて板金Ｗを
支承する一平面を構成し、該レール１９によつて
左右のチエーン２２が支承されない自由垂下部は
板金支承平面を構成せず、キヤリツジ１６、移動
テーブル５，６のＹ軸方向移動に伴つて第１図・
鎖線図示のように下方へと没するようになつてい
るが、該可動テーブル３のパンチ加工ヘツドＰ側
基端には次のようにして可動テーブル３と同一左
右幅の開閉自在な窓空間２５を形成できるように
なしてある。

すなわち、第１図示のように、前記Ｃ字状フレ
ーム１２の下部側面にブラケツト２６を介してシ
リンダ２７を揺動自在に軸支２８してあり、該シ
リンダ２７のロツド２７ａ端に前記可動テーブル
３３のチエーン２２端を連結して、該シリンダ２
７の伸縮により、可動テーブル３基端側が下タレ
ツト２ｌに可及的に接近した第５図イ図示の位置
と、該下タレツト２ｌから遠去かつて下タレツト
２ｌとの間に一定巾の窓空間２５が形成された第
５図ロおよび第１図示の位置との間に亘つて移動
するようになつている。

つまり、上記シリンダ２７が収縮して可動テー
ブル３がレール１９上を下タレツト２ｌ方向へと
引き寄せられ、窓空間がなくなつて該可動テーブ
ル３上面でもつてタレツト２ｕ，２ｌ前方の板金
支承平面全てを構成する第５図イ図示の状態がパ
ンチ加工運転時であり、上記シリンダ２７が伸長
して可動テーブル３がレール１９上を下タツト２
ｌから遠去かる方向へと移動され前記レーザー加
工ヘツドＬの下方が窓空間２５になつた第１図示
の状態がレーザー加工運転用の状態なのである
が、上記のようにして開閉するテーブルの窓部分
２５直下に次のようなレーザー加工ヘツドＬに対
する受台装置２９が設けてある。

すなわち、第１図に側面図を示し、第２図に正
面図を拡大示したように、この実施例の受台装置
２９は前記Ｃ字状フレーム１２の下部前面に設け
たガイドレール３１にスライドガイド３２を介し
て昇降自在に取付けられた昇降枠３３と、該昇降
枠３３の昇降駆動用シリンダ３４とからなり（昇
降ストロークは第２図実線・鎖線図示間）、上記
昇降枠３３は裏面に前記スライドガイド３２が取
付けられ、前面に前記駆動用シリンダ３４のロツ
ド３４ａ端が取付けられた両端の垂直板３５部分
と該垂直板３５部分の上部に水平方向に張り出し
て設けた水平板３６部分とからなつているが、該
水平板３６部分は上記垂直板３５に固定された左
右両端の固定板３７部分と、ヒンジ３８を介して
揺動自在に設けられた可動板３９部分とからな
り、可動板３９部分は前記垂直板３５との間に配
設したシリンダ４１の伸張によつては第１，２図
示のような水平状態となつて、その上面でレーザ
ー加工時の板金Ｗの支承面を構成し、シリンダ４
１の収縮によつては第５図ニ図示の傾斜状態とな
つて、その上面で切抜片Waのシユート面を構成
するようになつている。

４０は前記左右の垂直板３５の裏面に固定した
ラツク４２に噛合う左右のピニオン４３を連結し
たシヤフトであり、該シヤフト４０およびラツク
４２ピニオン４３によつて左右の垂直板３５の昇
降動を同調し、昇降枠３３全体が水平を保つて昇
降するようになつている。

また、４４は上記可動板３９中央に形成したレ
ーザー切断時に発生するスラグ、粉塵等の吸引口
であり、４５は該吸引口４４に続く吸引パイプ、
４６は吸引口４４直下に設けたウオーターミスト
噴出器である。

４７は上記固定板３７の補強用すじかいであ
る。

次に、上記実施例についての動作を説明する。

すなわち、通常のパンチ運転時には受台装置２
９を下降位置とすると共に、前記シリンダ２７を
収縮して可動テーブル３を下タレツト２ｌ近傍へ
と引き寄せ（第５図イ）、該可動テーブル３と前
記左右の移動テーブル５，６とでもつて板金Ｗの
支承面を構成し、該支障面上を前記ワークホルダ
１で挾持した板金Ｗを所定のプログラムに従つて
移動しつつパンチ加工する。この際、可動テーブ
ル３は前記移動テーブル５，６の内側辺下面に設
けたレール１９上に載つて支承されて、キヤリツ
ジ１６の移動、つまりレール１９の移動に伴つて
第１図実線鎖線図示間のように昇降し、ワークホ
ルダ１の下タレツト２ｌへの可及的な接近移動を
許容する。

なお、上記パンチ加工によつて生じる打抜片は
前記Ｃ字状フレーム１２の下部前面に設けられた
図示しない連絡通路を介して該フレーム１２の前
方または側方へと排出され、そこへ設けたスラグ
受けボツクスまたは後述の排出コンベア４８上へ
と載る。

そして、レーザー加工運転に移行する際には、
第５図に示したように、まずシリンダ２７を伸長
して可動テーブル３を下タレツト２ｌから遠去か
る方向へ移動し、下タレツト２ｌの直前方に窓空
間２５を形成して（第５図ロ）、次に受台装置２
９を上昇し該受台装置２９の上面、つまり前記水
平板３６部分でもつて上記移動した可動テーブル
３に連続する板金支承面を形成する（第５図ハお
よび第１図）。

同時に下降したレーザー加工ヘツド９でもつ
て、上記パンチ加工時と同様にワークホルダ１に
挾持されて板金支承面上を移動する板金Ｗに切断
加工を行い、切断が完了すれば、シリンダ４１を
収縮して前記可動板３９部分を傾斜し、切抜片
Waを該傾斜したシユート状の可動板３９上を滑
落せしめ、直下に配設した排出コンベア４９によ
り機外の回収ボツクス５１内へと排出する。

このレーザー加工の際にも、可動テーブル３は
キヤリツジ１６の移動、つまりレール１９の移動
に伴つて昇降し、ワークホルダ１の下タレツト２
ｌへの可及的な接近移動を許容する。

なお、前記昇降枠３３の水平板３６部分は、上
記実施例では、一部が可動板３９（つまり切抜片
のシユート板）になつていたが、第５図ハで示す
ように可動テーブル３の開閉操作動をするための
シリンダ２７、ロツド２７ａよりもレーザー加工
ヘツドＬ側に位置する該水平板３６部分全体が揺
動傾斜しうるようになしてもよいし、パンチ加工
時に生じる打抜片の排出コンベア４８を第４図示
のように上記レーザー切断片の排出コンベア４９
下方に並列に配設してもよい。この場合、レーザ
ー切断片Waとパンチ加工による打抜片が共に機
体前方のボツクス内に溜まり、満杯時のボツクス
交換等が便利になる。

〔発明の効果〕

以上の説明で明らかなように、この発明に係る
レーザー切断機搭載パンチプレス機では、レーザ
ー加工ヘツドがパンチ加工ヘツドの前方にあるの
で、大面積の切断片であつても排出しうる大きな
開閉窓を、前記レール７等に干渉されずにテーブ
ル上ほぼ中央に設け得、しかもレーザー加工ヘツ
ド下方の板金支承面を、閉じ状態の窓部分と開状
態の窓部分位置にまで上昇した受台装置とによつ
て選択的に構成するようにしたので、レーザー加
工中に発生するスラグ、粉塵等の吸引装置を該受
台装置に設けることができて、通常のパンチ加工
時の板金支承面を構成するテーブルは上記例のよ
うに昇降自在のままになしておくことができ、板
金を挾持したワークホルダをパンチ加工ヘツドま
たはレーザー加工ヘツドへと可及的に接近移動で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に従つたレーザー切断機搭載
パンチプレス機の縦断側面図（断面は第３図の
−線）、第２図は受台装置の正面図（第１図の
−線矢視図）、第３図は全体平面図、第４図
は同全体側面図、第５図イ〜ニは動作順序を示し
た説明図である。 １……ワークホルダ（板金移動装置）、２……
タレツト、３……可動テーブル（板金載置テーブ
ル）、１２……フレーム、２５……窓空間（窓部
分）、２９……受台装置、３３……昇降枠、３６
……水平板、３９……可動板（排出シユート）、
Ｗ……板金、Ｐ……パンチ加工ヘツド、Ｌ……レ
ーザー加工ヘツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ パンチ加工ヘツドとレーザー加工ヘツドおよ
   び上記両加工ヘツド下で板金を支持し、かつ水平
   面内任意方向へ板金を移動せしめる板金移動装置
   を備えた板金載置テーブルからなるパンチプレス
   機であつて、上記レーザー加工ヘツドをパンチ加
   工ヘツドよりも板金移動装置寄りの前方に設け、
   該レーザー加工ヘツド下方の板金載置テーブル面
   に窓部分を設け、上記レーザー加工ヘツドの下方
   位置と当該下方位置から退避した位置とに変更自
   在で上記窓部分を開閉する可動テーブルを設ける
   と共に、該窓部分の下方には切断片の排出シユー
   トを具えたレーザー加工ヘツドに対する受台装置
   を昇降自在に設けて、レーザー加工ヘツド下方の
   板金載置テーブル面を、上記可動テーブルと可動
   テーブルの位置にまで上昇した受台装置によつて
   選択的に構成せしめることを特徴とするレーザー
   切断機搭載パンチプレス機。