JPH0248837Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、マイクロフイツシユフイルムを包
袋部に保持するマイクロフイツシユ用ジヤケツト
に関する。

現像されたフイルムは光波長に対する透過率の
分光特性を有しており、縦軸に透過率（％）、横
軸に波長（nm）をとると、銀塩写真フイルムは
第１図のＡに示すようにほぼ平坦な分光特性を有
しており、ジアゾフイルム（青）は同図Ｂに示す
ような曲線の分光特性となつており、ジアゾフイ
ルム（黒）は同図Ｃに示すような分光特性を有し
ている。また、フイルムの露光に使用するランプ
の分光特性は、縦軸に光量（Lux）、横軸に波長
（nm）をとると、たとえば3300kでは第１図の曲
線Ｄに示すような分光特性となつている。したが
つて、フイルム上の画像を読取る場合には、これ
らフイルム等の分光特性を考慮して読取らなけれ
ば、高品質な画像を得ることはできない。

ところで、マイクロフイルムには画像を長さ方
向に撮影したロールフイルムと、第２図Ａ及びＢ
に示すような複数固の画像２を縦、横に整列して
撮影した方形状のシートフイルム、すなわちマイ
クロフイツシユフイルム１（以下、単にマイクロ
フイツシユとする）とがある。ここに、前者のロ
ールフイルムについては、長尺状のままカートリ
ツジに収納して使用する場合と、例えば特開昭50
−118720号公報に開示されているように、ロール
フイルムを所定長さに切断し、共に透明なベース
及びカバー部材で包袋部を形成して成る、いわゆ
るジヤケツトに収納し、後者のマイクロフイツシ
ユ１と同様な形態で使用する場合とがある。そし
て、このようなマイクロフイツシユ１の画像２を
マイクロリーダープリンタ等によりコピーに取つ
たり、ラインセンサで走査して読取つて電送する
場合には、第３図に示すようにマイクロフイツシ
ユ１をランプ３で照射して、マイクロフイツシユ
１の透過光をレンズ系４を介してラインセンサ５
で線状に走査して、画面全体を読取るようにす
る。この場合、上述したようにマイクロフイツシ
ユ１の感光材料、ランプ３等には分光特性があ
り、マイクロフイツシユ１に撮影された画像２を
走査して正確に読取るためには、これら分光特性
を考慮して画像全体を一様に走査する必要があ
る。このため、従来はレンズ系４の後方にフイツ
シユフイルム１及びランプ３の分光特性を補償す
る、すなわち、保持されるマイクロフイツシユ画
像の読取りに不要な波長領域の光をカツトするよ
うなフイルタ６を挿入し、このフイルタ６で補償
した分光特性でラインセンサ５がフイツシユフイ
ルム１の画像を走査して読取るようにしている。
したがつて、マイクロフイツシユ１が取換えられ
た場合や、ランプ３の分光特性が変化した場合に
は、これに応じてフイルタ６の分光特性を変更す
る必要があり、多数のフイルタ６を用意しておい
てその都度分光特性の最も適したフイルタ６を取
換え装着するようにしている。このため、分光特
性の異なる多数のフイルタ６を用意しておいて管
理しなければならないといつた煩雑さがあると共
に、フイルタ６の着脱機構を要し、更にはその着
脱作業に多大な時間を要するといつた欠点があ
る。

よつて、この考案の目的は、上述のような欠点
を解消するためのマイクロフイツシユ用ジヤケツ
トを提供することにある。

以下にこの考案を説明する。

この考案では、第４図に示すように２枚の矩形
状の透明材料（たとえばビニールシート）１０及
び１１の三辺を接着して包袋部１２を形成してジ
ヤケツトなし、包袋部１２の開口部から中にマイ
クロフイツシユ１を挿入できるようにする。これ
と共に包袋部１２の一側辺部に保持部１３を伸設
し、その端部に鉄片等の金属磁性材料で成る装着
部１４を取付ける。この装着部１４は、ジヤケツ
トをマグネツト等で吸着して運搬し、あるいはジ
ヤケツト内のマイクロフイツシユ画像の内容を識
別する等に用いられる。ここに、透明材料１０及
び１１はそれぞれ前述したフイルタ６と近似した
分光特性を持つており、透明材料１０及び１１の
分光特性の相違に従つてマイクロフイツシユ１の
ジヤケツトを分類するようにされている。すなわ
ち、例えば包袋部１２に装着されるマイクロフイ
ツシユ１の画像が第１図に示すジアゾフイルム
（青）Ｂである場合には、透明材料１０及び１１
の分光特性を、第１図に曲線Boで示すような
600nm付近の領域のみ光を透過し、その他領域、
すなわちマイクロフイツシユ１の画像読取りに不
要な波長領域の光をカツトする材料（赤色材料）
を選択してジヤケツトを形成し、このジヤケツト
をジアゾフイルム（青）Ｂ用に分類する。同様
に、第１図に示すジアゾフイルム（黒）Ｃである
場合には、波長領域が650nm以上の光（赤外光）
をカツトする材料を用いてジヤケツトを形成し、
このジヤケツトをジアゾフイルム（黒）用に分類
する。なお、ジヤケツトの全体の厚さは約数分の
1mmになるようにされており、マイクロフイツ
シユ１は包袋部１２に開口部から挿入されて第５
図Ａ，Ｂに示すように包袋部１２の中に完全に挿
入して保持される。

このように、マイクロフイツシユ１をジヤケツ
トの包袋部１２に挿入して運搬、保管、リード／
プリントを行なうようにすれば、マイクロフイツ
シユ１及び露光ランプ３の分光特性がジヤケツト
の透明材料１０及び１１の分光特性によつて補償
されるので、光学系に前述したようなフイルタ６
を準備して使用する必要もない。また、マイクロ
フイツシユ１の分光特性に応じてジヤケツトを変
更するようにすることにより、当該マイクロフイ
ツシユ１の分光特性に即して、常に最適な分光特
性を得ることが可能となる。

なお、上述の実施例ではジヤケツトの形状を三
方が接着された包袋部としているが、透明材料１
０及び１１の間にマイクロフイツシユ１を挿入し
て保持できるような構造となつていればよい。ま
た、ジヤケツトの装着部１４の構造も任意であ
り、マイクロフイツシユ１を分光特性を有する透
明材料の間に挿入保持して、マイクロフイツシユ
１を運搬、保管できる構造となつていればよい。

また、ジヤケツトに装着されるマイクロフイル
ムはシートフイルムに限らず、前述したように、
ロールフイルムを所定長さに切断して複数列に挿
着したものであつても良いことはいうまでもな
い。

以上のようにこの考案のマイクロフイツシユ用
ジヤケツトによれば、挿入されたマイクロフイツ
シユの分光特性を補償するような分光特性を与え
られているので、マイクロフイツシユの画像の処
理をジヤケツトの全体でフイルタなしに、しかも
分光特性を補償して処理することが可能となり、
装置の簡素化やコストダウンを図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は分光特性を説明するための図、第２図
Ａはこの考案を適用することができるマイクロフ
イツシユの側面図、同図Ｂはその平面図、第３図
はこの考案を適用することができるマイクロフイ
ツシユ光学装置の光学系図、第４図はこの考案の
一実施例を示す斜視図、第５図Ａはその側面図、
同図Ｂはその平面図である。 １……マイクロフイツシユフイルム、２……コ
マ画像、３……ランプ、４……レンズ系、５……
ラインセンサ、６……フイルタ、１０，１１……
透明材料、１２……包袋部、１３……保持部、１
４……装着部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マイクロフイツシユフイルムを包袋部に保持す
   るマイクロフイツシユ用ジヤケツトにおいて、前
   記包袋部を、保持されるマイクロフイツシユ画像
   の読取りに不要な波長領域の光をカツトする分光
   透過特性を有する材料で形成するようにしたこと
   を特徴とするマイクロフイツシユ用ジヤケツト。