JPH024658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、長期就床患者の床ズレ予防のために
使用される床ズレ予防用円座に関する。

［従来技術とその問題点］ 一般に、床ズレ予防用円座としては、ゴム製あ
るいは樹脂膜製円座内にエアーを吹き込んだもの
や、布製円座内に綿が充填されたものなどがある
が、前者によるときは、肩、肘、腰、膝など、円
座を使用する部位の重量に対応させて円座内のエ
アー量を加減しなければならないという使用上の
煩瑣性があり、通気性がないため、患部の自然治
癒力を阻害するばかりでなく、円座に接する部位
の発汗、圧迫等により、円座の中心部に位置させ
た患部や、床ズレを予防しようとする部位以外の
部位に、逆に湿疹や蓐瘡等を発生させるおそれが
あると共に、円座を使用する部位の重量程度では
その部位が窪むだけで、すなわち円座内でエアー
の移動があるのみで、ゴムや樹脂膜が伸縮しない
から、円座の一部が窪むと他の部分が押上げられ
て重量の軽い方が圧迫され、重量による圧迫の分
散は行なわれず、したがつて、患部の疼痛を緩和
することができない。

また、後者によるときは、単に円座内に綿が充
填されているのみであるから、クツシヨン効果と
通気性を付与することはできても、やはり重量に
よる圧力の分散は行なわれず、患者の疼痛緩和や
円座に接する部分の床ズレ、その他の疾患防止に
は役立たなかつた。

［考案の概要］ 本考案は、従来の床ズレ予防用円座における上
記諸問題を解決するため、鋭意実験研究の結果、
床ズレを効果的に予防できる床ズレ予防用円座を
開発したもので、通気性化繊布により構成された
円座の中空内部を、隔壁布により上下に２分し、
その一方に、化繊綿からなる弾褥材が充填され、
他方に、樹脂発泡ビーズからなる形状可変材が充
填されたことを特徴とする。

［実施例］ 別紙図面について、本考案に係る床ズレ予防用
円座の実施例を説明する。

パイル状化繊布からなる表布１と、平織状化繊
布からなる裏布２により、平織状化繊布からなる
隔壁布３を介して中空部を上下に２分して円座本
体Ａが構成され、上側の中空部にはポリスチレン
発泡材からなるビーズ４が充填され、下側の中空
部には化繊綿５が充填されて床ズレ予防用円座Ｂ
が構成される。

この床ズレ予防用円座Ｂの使用に際しては、円
座の使用位置や患部の状態等に応じてビーズ４側
を上側としたり、化繊布５側を上側にして通常の
円座同様に使用する。

そうすると、体重が加えられた部分のビーズ４
は、体重が加えられない方向え移動し、重心を分
散させてこれを吸収し、かつ体重が加えられた部
分の化繊綿５は圧縮され、その復元力によりクツ
シヨン効果を発揮する。

［効果］ 本考案に係る床ズレ予防用円座は、上記したよ
うに、円座の中空内部を、隔壁布により上下に２
分し、その一方に化繊綿からなる弾褥材が充填さ
れ、他方に、樹脂発泡ビーズからなる形状可変材
が充填されているため、弾褥材が充填されている
部分では、クツシヨン効果が得られ、形状可変材
が充填されている部分では、載置される身体の各
部の形状に応じた重心（圧力）の分散が行われ、
しかも弾褥材が充填されている部分と形状可変材
が充填されている部分とが重ね合わされているた
め、双方の相乗効果により、体重による患部の疼
痛および刺激（圧迫）を可及的に緩和でき、床ズ
レを予防することができて、頭部、胸部、四肢、
腰部等、身体の各部における床ズレの予防が行え
ると共に、円座全体が通気性を有するので、患部
の自然治癒に役立ち、二次疾患を惹き起すことは
ない等、床ズレ予防用円座として好適であるばか
りでなく、円座本体を構成する通気性布が化繊布
であり、弾褥材が化繊綿で、形状可変材がポリス
チレン発泡ビーズであるため、水切れが良好で全
体を丸洗いしても速乾性に富み、保守上至便であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る床ズレ予防用円座の実施
例を示す要部の断面図である。 Ａ……円座本体、Ｂ…床ズレ予防用円座、３…
…隔壁布、４……ビーズ、５……化繊綿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通気性化繊布により構成された円座の中空内部
   を、隔壁布により上下に２分し、その一方に化繊
   綿からなる弾褥材が充填され、他方に、樹脂発泡
   ビーズからなる形状可変材が充填されたことを特
   徴とする床ズレ予防用円座。