JPH0246421B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車の車体の洗車装置に関する。

パイプの先端にスプレーノズルを設け、該ノズ
ルから車体に水を噴射して洗浄する装置はすでに
存在する。しかし、車体を洗浄するためにはかな
りの量の水を必要とし、従来洗車後の水はすべて
捨てられているので経費が高くつくものであつ
た。

そこで、従来、例えば特開昭56−51276号公報
にも見られるように排水処理装置を設けて、洗車
使用後の排水を浄化して再利用する浄化システム
が提案されているが、かかるシステムでは排水を
回収するための手段としては回収路を地上に設
け、また、排水処理装置も前記回収路に隣接する
油水分離槽、この油水分離槽に隣接する貯水槽等
を固定して配設している。

このため、洗車エリアが回収路の形成されてい
る範囲に限定されてしまい、ここで洗車を行つた
洗浄水のみが排水処理装置に回収されることとな
り、排水を回収しようとすると自由に任意の場所
では洗車できないことになつて装置の有効利用が
図られないおそれがある。

本発明の目的はかかる従来例の不都合を解消
し、簡単でかつ安価な製品で水資源の無駄な消費
をなくし、ひいてはランニングコストを低減で
き、しかも洗車位置が規制されず装置を最大限有
効に利用できる洗車装置を提供することにある。

しかしてこの目的は本発明によれば、噴射水を
利用して自動車の車体を洗浄する洗車装置におい
て、下面にキヤスターを有し水吸引手段と回収水
濾過手段と洗浄水送り手段とを備えた移動自在な
水処理装置を設け、噴射ノズルをパイプ、取手兼
用バルブ及びホースを介して前記洗浄水送り手段
に連通し、水回収管を取手兼用バルブ及びホース
を介して前記水吸引手段に連通し、前記取手兼用
バルブは水弁と戻り弁とより構成することにより
達成される。

以下、図面について本発明の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本発明の洗車装置の第１実施例を示す
説明図、第２図は洗浄機部分の正面図で、洗浄機
１はパイプ２の先端にスプレーノズル３を設け、
また該パイプ２の中央に取手４を、根本に水弁６
と戻り弁７を有する取手兼用バルブ５を前記取手
４と同方向に向けて取付けたものである。

パイプ２の前方に、ノズル３の周囲を囲うよう
にして飛抹防止用の椀状カバー体８を取付ける
が、このカバー体８の縁の下部はゴム等の可撓性
物質で形成した密接部９とする。該カバー体８の
底部に開口する水回収管１０を前記パイプ２に沿
わせて設けその端部を取手兼用バルブ５まで延設
し、パイプ２は水弁６を介して、水回収管１０は
戻り弁７を介して、後述の水処理装置１１に連結
するホース１２，１３の端にそれぞれ接続する。

水処理装置１１は下面にキヤスター１４を設け
て移動可能とし、内部を真空室１５、濾過室１６
及び洗浄水送出し室１７とに区画し、前記水回収
管１０に接続するホース１３は真空室１５の上部
に連通し、また該真空室１５の上部に外部への排
気ポンプ１８を設けて水吸引手段を構成する。真
空室１５の下部と濾過室１６の上部とを送水ポン
プ１９を有する送水管２０で連通し、濾過室１６
にフイルター２１を設けて回収水濾過手段とし、
該フイルターの下方と洗浄水送出し室１７の上部
とを送水管２２で連通し、該洗浄水送出し室１７
からの送水管２３に洗浄水送り手段としての送水
ポンプ２４を設けて前記パイプ２に接続するホー
ス１２に連結する。

洗浄水送出し室１７にヒーター２５とフロート
弁２６を設け、この弁２６は水道につながるホー
ス２７端に結合する。

また、水処理装置１１にポンプ１８，１９，２
４やヒーター２５の制御装置２８を設け、ここに
洗車スイツチ２９、クリーナースイツチ３０を取
付ける。

次に使用法及び作用について説明すると、洗車
を行う場合洗車スイツチ３０を入れれば、ポンプ
１８，１９，２４が駆動されヒーター２５が発熱
する。

取手４と取手兼用バルブ５を手で握り、カバー
体８の密接部９を車体面に押しあてて水分６を開
けば、洗浄水送出し室１７にためられヒーター２
５で温められた水は、ポンプ２４によりホース１
２及びパイプ２を介してノズル３から噴射され自
動車の車体３１を洗浄する。

一方、ポンプ１８により真空室１５内は排気さ
れてて低圧となつており、カバー体８の底に溜る
洗浄後の水は戻り弁７を開けば水回収管１０及び
ホース１３を介して真空室１５に流入する。この
ようにして真空室１５に溜められた水は、ポンプ
１９により送水管２０を介して濾過室１６に移高
行されフイルター２１を通過してここに塵芥が取
除かれる。

濾過室１６の下部に溜る水は、送水管２２で洗
浄水送出し室１７に移行され以後、同様の循環が
行われるので、ノズル３及びカバー体８の位置を
順次移動させながら洗車を続行する。

かかる洗車は、キヤスター１４を介して水処理
装置１１を自由に移動できるので、任意の場所に
停車して行え、どこで洗車しても洗車後の使用水
を完全に回収できる。

なお、図示は省略したが真空室１５、濾過室１
６、洗浄水送出し室１７には各々上、下に水位検
知センサーを設けておき、これらのセンサーと制
御装置２８を接続し、該制御装置２８を介して下
記のごとき制御が可能である。

すなわち、ポンプ１９は真空室１５に水があ
り、洗浄水送出し室１７内が水で満タンでなく、
かつ洗車スイツチ２９が閉じられたときにのみ駆
動される。また、ポンプ１８は洗車スイツチ２９
が閉じられ、真空室１５内が満タンでない時、及
び後述の掃除機としての使用の際に、クリーナー
スイツチ３０が閉じられた時のみ駆動される。こ
れにより、ポンプ１８から水が外に流出してしま
うことを防止する。

さらに、ポンプ２４は洗浄水送出し室１７に水
があるとき及び洗車スイツチ２９が閉じられた時
のみ駆動される。

このような制御を行うことにより、回収水のス
ムーズな処理が支障なく行えるものである。

洗車の途中で一時ノズル３からの水の噴射を止
めたい時は水弁６を閉じればよく、また洗車終了
時には洗車スイツチ２９を開けばポンプ１８，１
９，２４は停止する。

次に、本発明を掃除機として使用することも可
能である。水弁６は閉じておき、クリーナースイ
ツチ３０を閉じれば、ポンプ１９，２４は動か
ず、ポンプ１８のみが駆動されて、水回収管１０
の開口から吸い込まれた塵芥は低圧な真空室１５
内にたまる。かかる塵芥の取出しは室１５に密閉
扉を設けて行えばよい。

第３図は本発明の第２実施例を示す洗浄機部分
の一部切欠いた側面図、第４図は同上正面図で、
前記第１図、第２図と同一構成要素には同一参照
番号を付し、また図示は省略したが同様の水処理
装置１１に連結するものである。

本実施例では、ノズル３の前方に噴射水で回転
するブラシ３２を設け、またカバー体８′の先端
部は蛇腹状の密接部９′とした。ブラシ３２の回
転機構としては回転軸３２ａから椀状の水受け羽
根３２ｂを突設し、これをノズル３の前面に位置
させて水車形式で行うことが考えられる。

このようにブラシ３２を設ければ、その払拭効
果で洗浄効率を高められる。

また、さらに他の実施例として、ブラシ３２を
スポンジに交換できるようにして洗車後の水滴の
拭き取りをこのスポンジで行い車体の乾燥時間を
早めるようにしてもよい。

なお、これらの実施例の他の使用法及び作用は
前記第１実施例と同一なので説明は省略する。

以上述べたように本発明の洗車装置は、噴射水
を利用して自動車の車体を洗浄する洗車装置にお
いて、該装置に移動自在な洗車後の水回収手段を
設けたので、洗車位置が規制されることなくどこ
で洗車しても大量に必要とされる洗車のための水
を無駄に捨てることなく有効に再利用でき、ラン
ニングコストを低減させることができるものであ
る。

また、ハンド形式なものとして構造が簡単で安
価に製造できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の洗車装置の第１の実施例を示
す説明図、第２図は同上洗浄機部分の正面図、第
３図は第２実施例の洗浄機部分の一部切欠いた側
面図、第４図は同上正面図である。 １……洗浄機、２……パイプ、３……スプレー
ノズル、４……取手、５……取手兼用バルブ、６
……水弁、７……戻り弁、８，８′……カバー体、
９，９′……密接部、１０……水回収管、１１…
…水処理装置、１２，１３……ホース、１４……
キヤスター、１５……真空室、１６……濾過室、
１７……洗浄水送出し室、１８……排気ポンプ、
１９，２４……送水ポンプ、２０，２２，２３…
…送水管、２１……フイルター、２５……ヒータ
ー、２６……フロート弁、２７……ホース、２８
……制御装置、２９……洗車スイツチ、３０……
クリーナースイツチ、３１……車体、３２……ブ
ラシ、３２ａ……回転軸、３２ｂ……水受け羽
根。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 噴射水を利用して自動車の車体を洗浄する洗
   車装置において、下面にキヤスターを有し水吸引
   手段と回収水濾過手段と洗浄水送り手段とを備え
   た移動自在な水処理装置を設け、噴射ノズルをパ
   イプ、取手兼用バルブ及びホースを介して前記洗
   浄水送り手段に連通し、水回収管を取手兼用バル
   ブ及びホースを介して前記水吸引手段に連通し、
   前記取手兼用バルブは水弁と戻り弁とより構成す
   ることを特徴とした洗車装置。