JPH0245272A - 全油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、農用トラクタ等移動車両の機体回行時におい
て、前輪の外側車輪を地表面に押圧し、後輪内側車輪の
駆動力を増大する強制スイング機構を備えた全油圧式パ
ワーステアリング装置に係り、特に、機体フレームに不
用な負荷を与えることなく、前輪の強制スイング動作を
行うことができると共に、パワーステアリング装置の機
能を保持したまま、上記スイング機構の動作を、走行す
る路面状況に対応して切替可能に構成し、安全かつ効率
のよい機体の回行操作を行うことができる全油圧式パワ
ーステアリング装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、農用トラクタ等移動車両の機体回行時において、
上記機体は回行軌跡を描く円周上を移動するが、この時
、機体の重心位置には円周上の移動による遠心力と、機
体の車重により移動する円周の接線方向への慣性力とが
働き、その合成力により機体の前輪外側車輪に偏荷重が
かかり、上記前輪外側車輪と対角位置関係にある後輪の
内側車輪に上方への浮力が生じ、後輪駆動車両の場合に
は、後輪による駆動力伝達が低下して、移動車両の走行
能力を著しく低下させてしまう、という不具合を有する
ものであった。

そこで、機体の同行時に、前輪外側車輪を地表面に対し
て押圧するように構成して、偏荷重による後輪内側車輪
の浮力発生を阻止する強制スイング機構の装着が提案さ
れている。

ところが、このものでは、機体の同行時の後輪間動力低
下を防止することができるものの、機体フレームに固着
されて操向機構を駆動するパワーシリンダのシリンダロ
ッド水平伸縮動作に連動して、前輪外側車輪を上下方向
に強制スイングさせる構成となっているため、スイング
機構の作用時の反力がシリンダロッドに伝わり、パワー
シリンダを装着した機体フレームに、上記反力が捻じり
応力として作用し、該捻しり応力に抗するために機体フ
レームの構造を強固なものにする必要が生じて全体構成
が複雑になるばかりでなく、後輪の開動力低減の影響を
特に考慮する必要がない走行路面の状況に対しても、上
記スイング機構が作用して同行時の機体の安定状態に不
用な挙動を与える結果となって、路面状況に対応した安
全かつ効率的な機体の回行操作を行うことができない、
という欠点を有するものであった。

［本発明が解決しようとする課題］ 本発明は、上記の如き実情に鑑み、その欠点を解消すべ
く創案されたものであって、その目的とするところは、
全油圧式パワーステアリング装置の操向機構を能動する
パワーシリンダとは別体に伸縮自在なスイングシリンダ
を、機体フレームの側面とアクスルシャフトケース間に
斜設して強制スイング機構を形成し、上記パワーシリン
ダおよび強制スイング機構の動作を、パワーステアリン
グユニットによる圧力油制御に各々対応するように構成
して、機体回行時に、強制スイング作用により前輪外側
車輪を地表面に対して押圧し、機体回行時の後輪間動力
低下を防止すると共に、走行路面の状況に応じて強制ス
イング機構の動作を作動、停止切替可能にし、同行時の
機体の安定状態を常に確保することができる全油圧式パ
ワーステアリング装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 課題を解決するため１本発明が採用した第１の技術的手
段は、ステアリングの回転に対応して圧力油量の圧送を
制御するパワーステアリングユニットと、操向機構を駆
動するパワーシリンダと、機体回行時に外側車輪を地表
面に対して押圧する強制スイング機構とを備えた全油圧
式パワーステアリング装置において、上記パワーシリン
ダおよび強制スイング機構は、各々上記圧力油の圧送に
より開動制御されていることを特徴とし、第２の技術的
手段として、上記強制スイング機構には、パワーシリン
ダとは別体にスイングシリンダを設けると共に、上記圧
力油は、シリンダ油圧回路およびスイング油圧回路を介
して、各々パワーシリンダおよびスイングシリンダを圧
送制御駆動するように構成されていることを特徴とし、
更に、第３の技術的手段として、上記スイング油圧回路
には、圧力油の圧送状態を切り換える切換弁が設けられ
、該切換弁によるスイング油圧回路遮断時に、上記強制
スイング機構は油圧帰還回路を介して、圧力油貯蔵部へ
接続されていることを特徴とするものである。

［発明の作用］ 従って、本発明によれば、農用トラクタ等移動車両の機
体回行時に、前輪への偏荷重による後輪間動力低下を、
機体フレームに不用な負荷を与えることなく防止できる
と共に、後輪間動力の低下を考慮する必要がない場合に
は、上記強制スイング機構を切り換えて、従来の油圧ダ
ンピング作用によるサスペンション効果を得ることがで
き、走行路面の状況に対応して機体の走行能力を維持す
ることができて、安全かつ効率のよい機体の同行操作を
行うことができる。

［実施例］ 本発明の構成を、図面に示した農用トラクタの一実施例
について詳細に説明する。

第１図において、１は農用トラクタの機体であり、該機
体１の機体フレーム２には、前輪３，３および後輪４，
４が枢支されている。上記前輪３゜３には、機体１の同
行を行う操向機構５が取着されており、該操向機構５は
、ボンネット６内に載置した油圧ポンプ７とボンネット
６後部に設けられたステアリング８の回転により、前輪
３，３の操向制御を行っている。また、後輪４，４の上
方には、圧力油貯留部９が設けられており、各部の油圧
制御に必要な油量が貯留されている。上記圧力油貯留部
９の上部には、座席シート１０が形成され、かつ上記座
席シート１０前方には、各種の切換スイッチ類Ａ（図示
せず）を配設した操作パネル１１が設けられている、 Ｌ記操向機構５は、第２図ないし第３図に示す如く、前
輪３，３を取着するキングピンケース１２．１２に、ナ
ックルアーム１３，１３を形成し、該キングピンケース
１２．１２をアクスルシャフト１４の両端に回動自在に
装着し、かつ圧力油量に対応して左右方向伸縮自在に伸
縮ロッド１５ａ。

１５ｂを嵌入したパワーシリンダ１５を、機体フレーム
２の下面２ａに固着し、上記伸縮ロッド１５ａ、１５ｂ
の各々一端を、ジヨイント１５′１５′を介してナック
ルアーム１３，１３間に水平方向伸縮自在に枢支して構
成されている。

上記アクスルシャフト１４は、アクスルシャフトケース
１６内を貫通して、該アクスルシャフトケース１６に軸
支されており、上記アクスルシャフトケース１６の両端
部間中心位置には、スイングビン１７，１７が機体１の
進行方向前後に突設されている。上記スイングビン１７
，１７は、機体フレーム２の下面２ａに固設された一対
のスイングブラケット１８．１８のスイング中心Ｂを支
点に、アクスルシャフトケース１６を上下方向揺動自在
に枢支しており、また、アクスルシャフトケース１６の
スイング中心Ｂとアクスルシャフト１４両端部のキング
ピンケース゛１２，１２間との各々中間位置には、スイ
ングシリンダ１９ａ、１９ｂの伸縮ロッド１９ａ　　、
１９ｂ’の先端部を枢着する枢支ビン２０．２０が形成
され、かつ上記スイングシリンダ１９ａ、１９ｂの基端
部１９゜。

１９ｄは機体フレーム２の室側面２ｂ、２ｃに枢着され
かつ斜設されており、上記スイングシリンダ］、９ａ、
１９ｂは、該スイングシリンダ１９ａ。

１９ｂに圧送される圧力油量に応じてアクスルシャフト
ケース１６をスイング中心Ｂを支点にした円弧Ｃ上の接
線方向に上記伸縮ロッド１９ａ１９ｂ′を伸縮させて上
下揺動動作を行っている。

次に、油圧制御動作について、詳細に説明する。

第４図において、油圧ポンプ７の吐出部７ａは、ステア
リング８の下端部に設けられたパワーステアリングユニ
ット８ａに接続されており、上記パワーステアリングユ
ニット８ａは、シリンダ油圧回路２１ａ、２１ｂを介し
てパワーシリンダ１５のシリンダ室１５ａ　’、１５ｂ
　’に接続され、上記ステアリング８の回転に対応して
シリンダ室１５ａ　　、１５ｂ’内の圧力油量を増減し
、仕切弁１５ｃの左右方向移動によって伸縮ロッＦ１５
ａ。

１５ｂを伸縮させるように構成されている。上記油圧シ
リンダ回路２１ａ、２１ｂはパワーシリンダ１５へ至る
中間位置で分岐されてスイング油圧回路２２ａ、２２ｂ
を形成しており、切換弁２３゜２３を介してスイングシ
リンダ１９ａ、１９ｂの伸縮ロッド１９ａ　”、１９ｂ
　’の伸縮を行い、強制スイング機構２４を構成してい
る。また、切換弁２３．２３は、操作パネル１１に備え
られた切替スイッチＡ工（図示せず）により、強制スイ
ング機構２４のスイング動作をステアリング８の回転操
作に対応した前輪３，３のスイング作用と。

走行路面の凹凸に対応して機体１の揺動を緩和してサス
ペンション効果を有する油圧ダンピング作用とに切替可
能に構成されており、切換弁２３゜２３の切替によって
、スイングシリンダ１９ａ。

１９ｂは、圧力油貯留部９からの圧力油の供給を受けて
、油圧循環が行われ、Ｌ記油圧ダンピング作用を行なう
ように構成されている。上記圧力油貯留部９には、サク
ション油圧回路２５がサクションフィルタ２６を介して
油圧ポンプ７の吸引部７ｂに接続され、油圧帰還回路２
７と共に、圧力油循環を行っている。

叙上の如き構成において、例えば、機体１の右旋回回行
操作を行うには、まずステアリング８を時計方向に回転
し、パワーステアリングユニット８ａにより、シリンダ
回路２ｉａの圧力油量を増大し、パワ・−シリンダ１５
の仕切弁１５ｃが、右方向へのロッド１５ｂの突出作用
を促して、前輪３ａ、３ｂを右方向へ操向せしめる。こ
の時、上記シリンダ油圧回路２１ａから分岐したスイン
グ油圧回路２２ａの圧力油量も増加し、切換弁２３を介
してスイングシリンダ１９ａのロッド１９　ａ′を伸長
せしめて、アクスルシャフトケース１６をスイング中心
Ｂを支点に上下揺動させ、右回行時において前輪の外側
車輪に相当する前輪３ａを地表面に対して押圧して、機
体１の前輪３ａへの偏荷重を阻止し、後輪内側車輪であ
る後輪４ｂの接地靜動力の低減を防止することができる
。

また、上記切換弁２３．２３を操作パネル１１の切換ス
イッチＡ１により切換えて、油圧タンクポート９にスイ
ングシリンダ１９ａ、１９ｂを接続して、上記スイング
シリンダ１９ａ、１９ｂと圧力油貯留部９間とを油圧閉
回路として構成すると。

上記スイングシリンダ１９ａ、１９ｂは、走行路面の凹
凸による機体１に対する衝撃に対して、油圧ダンピング
作用によるサスペンション効果を得ることができ、後輪
の駆動力低下を特に考慮する必要のない一般道路等の走
行では、機体１に不用なスイング作用を与えることなく
、安全かつ安定した機体の同行操作を行うことができる
。

［発明の効果］ これを要するに、本発明は、ステアリングの回転に対応
して圧力油量の圧送を制御するパワーステアリングユニ
ットと、操向機構を駆動するパワーシリンダと、機体回
行時に外側車輪を地表面に対して押圧する強制スイング
機構とを備えた全油圧式パワーステアリング装置におい
て、上記パワーシリンダおよび強制スイング機構を、各
々別体に設け、かつシリンダ油圧回路およびスイング油
圧回路を介して上記圧力油の圧送により駆動制御するよ
うに構成すると共に、上記スイング油圧回路には、圧力
油の圧送状態を切り換える切換弁を設（プ、該切換弁に
よるスイング油圧回路遮断時に、上記強制スイング機構
は、油圧帰還回路を介して圧力油貯蔵部へ接続されるよ
うに構成したから、機体回行時に前輪外側車輪にかかる
偏荷重を、機体フレームに負荷を与えることなく防止し
、もって機体回行時の後輪内側車輪の浮力を防止して後
輪駆動力の低下を未然に防ぐことができるばかりでなく
、座席シート前方の操作パネルに設けた切換スイッチを
切換える、という簡単な操作でスイング機構を、操向費
植付部路面の凹凸に対応して走行時の衝撃を緩和するサ
スペンション効果を有する油圧ダンピング作用に切換可
能にして、後輪駆動力の低下を特に考慮する必要のない
走行路面の状況では、強制スイング機構によるスイング
作用を行わず、機体に不用な挙動を与えることなく、回
行時の機体の安定状態を常に確保でき、安全かつ効率の
よい機体の回行操作を行うことができる、等の極めて有
用な新規的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明にかかる全油圧式パワーステアリング装
置の一実施例を示すものであって、第１図は、農用トラ
クタの全体側面図、第２図は、要部平面図、第３図は、
要部背面図、第４図は、要部油圧回路図、である。 図中、 ５・・・操向機構、８ａ・・・パワーステアリングユニ
ット、９・・・圧力油貯留部、１５・・・パワーシリン
ダ、１９ａ、１９ｂ−スイングシリンダ、２１ａ、２１
ｂ・・・シリンダ油圧回路、２２ａ、２２ｂ・・・スイ
ング油圧回路、２３．２３・・・切換弁、２４・・・強
制スイング機構、２７・・・油圧帰還回路、である。 手続補正書（０釦

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）ステアリングの回転に対応して圧力油量の圧送を制
   御するパワーステアリングユニットと、操向機構を駆動
   するパワーシリンダと、機体回行時に外側車輪を地表面
   に対して押圧する強制スイング機構とを備えた全油圧式
   パワーステアリング装置において、上記パワーシリンダ
   および強制スイング機構は、各々上記圧力油の圧送によ
   り駆動制御されていることを特徴とする全油圧式パワー
   ステアリング装置。 ２）上記強制スイング機構には、パワーシリンダとは別
   体にスイングシリンダを設けると共に、上記圧力油は、
   シリンダ油圧回路およびスイング油圧回路を介して、各
   々パワーシリンダおよびスイングシリンダを圧送制御駆
   動するように構成されていることを特徴とする請求項１
   記載の全油圧式パワーステアリング装置。 ３）上記強制スイング油圧回路には、圧力油の圧送状態
   を切り換える切換弁が設けられ、該切換弁によるスイン
   グ油圧回路遮断時に、上記スイング機構は油圧帰還回路
   を介して、圧力油貯蔵部へ接続されていることを特徴と
   する請求項１または請求項２記載の全油圧式パワーステ
   アリング装置。