JPH0245206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、異形鋼材、板材、レール材等の材料
を転回させる装置に関する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点） 従来、材料の転回装置としては、材料を挟んで
強制的に転回させるものが開発、使用されている
が、上下から挟持するときは、材料の長手方向へ
の挿入、挟持、転回及び抜取り等の動作をする装
置となり、構造が複雑となるほか挟持爪が前に転
回した材料に当たつてしまう欠点がある。

又、材料を左右から挟持して転回させるとき、
挟持爪が後続の材料との間に挿入できない欠点が
ある。その上、両装置とも、材料をその自重に抗
して強制的に転回させるため、多大なエネルギー
を要する欠点がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記従来装置の欠点を解決するため
になされたもので、その要旨とするところは、昇
降機構で昇降される回転軸に、Ｌ字状アームを軸
支すると共に、前記アームとバランスするバラン
ス部材を設け、搬送架台上の材料を上昇した前記
アームのＬ字状部で支承して更に上昇させ、材料
重心が前記アームのＬ字状コーナー部を通る垂線
を超えたとき降下させることを特徴とする材料回
転装置である。

（作用及び効果） 本考案は、昇降機構を上昇させて、搬送架台上
の材料を前記アームのＬ字状部で支承し、更に上
昇させて、材料の重心が前記アームのＬ字状コー
ナー部を通る垂線を超えたとき、前記アームを降
下させるもので、上昇される材料は、前記アーム
のＬ字状部の突起部に当接しなお上昇されると前
記アームは材料の自重により転回し始め、前記ア
ームのＬ字状コーナーを通る垂線を前記材料の重
心が移つたとき、前記搬送架台上表面以下に前記
アームを降下させると、材料は、その重心が移動
しているため、その自重で転回をして、前記搬送
架台上に載置される。

前記アームは、その後バランス部材によつて復
帰し、又、材料が順次横送りされるか、又は該転
回装置を移動させて、前記の如く昇降機構で上昇
すれば、次々と材料を転回することができる。

バランス部材が、前記アームが材料により転回
したとき、次の材料に当たらないように湾曲した
アームに取り付けられているか、回転軸のＬ字状
部の取り付けられた部位から離れた所に設けるこ
とによつて、次の材料にバランス部材が当接する
ことがない。従つて、本転回装置は連続的に横送
りされて来る材料をその間隙に爪を入れる距離も
なくても順次転回することが可能である。

又、昇降機構は、材料が横送りされるときは、
固定式で足りるが油圧式ジヤツキを利用すれば、
配管配線を要せず、自送式台車に乗載して自由に
移動ができ、架台上に静止されかつ連続的に整列
された材料を順次転回することができる。

又、自重を利用するため、小エネルギーで作動
させ得るので操業費が安価にすむものである。本
考案は、材料の一端部に使用して転回させること
も可能である。

（実施例） 本考案の１実施例をその図面に基づいて説明す
る。図面は、本考案の一実施例にして、第１図は
正面図、第２図は平面図、第３図は側面図であ
る。

１は、昇降機構として使用されたハンドル２で
揺動する油圧ジヤツキ３兼移動台車である。４は
台車１上に載置された架台であつて、回転軸５が
前記台車１の車輪に平行に取り付けられている。
前記回転軸５には、Ｌ字状アーム６とバランス部
材として活用されるレバー７とがバランスするよ
うに取り付けられている。

８は、Ｌ字状アーム用ストツパーであり、９は
レバー用ストツパーであつて、いずれも架台４上
に取り付けられている。１０は押えアームであつ
て、押えアーム用ブラケツト１１に、設けられた
垂直な押えアーム回転軸１２に横方向に押えアー
ム回転軸用レバー１３で回動可能に取り付けられ
ている。

次に、上記実施例の作用及び効果を説明する。
角鋼材Ｗが並列に搬送架台である固定スキツド１
４上にギツシリ間隙なしに整列されている。該角
鋼材Ｗの上表面の疵の検査及び疵取りが行われる
と、該角鋼材Ｗの次の側面の疵の検査及び疵取り
用に台車１が移動されてきて、第４図において右
端の角鋼材Ｗの右端面（Ｂ面）とＬ字状アーム６
の上へ突出した面とが合うような位置で停止さ
れ、ハンドル２を第１図において垂直から反時計
方向へ倒しては起こすことを（矢印方向に）反覆
することによつて、油圧ジヤツク３が作動され
て、台車１の床部が第１図において２点破線の如
く、上昇される。

これにより、前記台車１上の回転軸５が上昇さ
れる。これに伴つて、Ｌ字状アーム６は、そのま
まの状態で前記角鋼材Ｗを支承し始め、更に回転
軸５が上昇することによりＬ字状部で角鋼材Ｗを
上昇せしめるが、そのとき該角鋼材Ｗの自重がＬ
字状アーム６とレバー７とのバランスをこわし
て、第４図においてＬ字状アーム６及び角鋼材Ｗ
を回転軸５を中心として時計方向に回動して行
き、該角鋼材Ｗの対角線の半分（長さａ）以上ス
キツド１４の上方へ上昇せしめると、該角鋼材Ｗ
の重心ＧがＬ字状アーム６のＬ字状コーナー６１
を通る垂線ｌよりも第４図において右方へ移動す
る。

この所でＬ字状アーム６は、ストツパー８に止
る。この時点で、油圧ジヤツキ３を消勢させると
前記回転軸５が降下すると共に、前記角鋼材Ｗは
時計方向に90゜転回されて、Ｄ面を上面にして、
スキツド１４上に載置される。

次いで、台車１を第１図において左方へ移動し
て、前記角鋼材Ｗの左隣りの角鋼材Ｗについて、
上記と同様な操作が繰返されると、前記転回ずみ
の角鋼材Ｗの隣へ同様に90゜転回されて載置され
る。

この場合鋼材Ｗの端部で行うだけで転回が可能
である。このＬ字状アーム６で角鋼材Ｗを転回す
る場合、曲がりがひどい場合には、転回しないで
降下してきてしまうので、この場合には、押えア
ーム用レバー１３を第２図において反時計方向に
廻し、押えアーム１０で角鋼材Ｗの上表面を押し
ている状態（第２図示通り）の所で、レバー７を
第１図において時計方向に起こすことによつて、
Ｌ字状アーム６と前記押えアーム１０でガイドさ
れてスリツプすることなく転回せしめることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例にして、第１図は正面
図、第２図は平面図、第３図は側面図である。第
４図は、作用状態説明図である。 １：ハンドル揺動式油圧ジヤツキ兼移動台車
（昇降機構）、２：ハンドル、３：油圧ジヤツキ、
４：架台、５：回転軸、６：Ｌ字状アーム、７：
レバー（バランス部材）、８，９：ストツパー、
１０：押えアーム、１１：押えアーム用ブラケツ
ト、１２：押えアーム回転軸、１３：押えアーム
回転用レバー、１４：固定スキツド（搬送架台）、
Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ：角鋼材Ｗの各面、ａ：角鋼材Ｗ
の対角線の半分の長さ、Ｇ：角鋼材Ｗの重心、
ｌ：Ｌ字状コーナー６１を通る垂線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降機構で昇降される回転軸に、Ｌ字状アーム
   を軸支すると共に、前記アームとバランスするバ
   ランス部材を設け、搬送架台上の材料を上昇した
   前記アームのＬ字状部で支承して更に上昇させ、
   材料重心が前記アームのＬ字状コーナー部を通る
   垂線を超えたとき降下させることを特徴とする材
   料転回装置。