JPH0244726B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はコンベヤで移送される缶等の移送物
を、その間隔を規制しながら移送速度を増加させ
るようにした移送装置に関する。

缶等の製造装置等においては、各ワークステー
シヨン間は缶等の移送物はコンベヤで送られ、ワ
ークステーシヨンでは１個ずつが各加工機のポケ
ツトに保持・加工されるのが普通である。この場
合、コンベヤ上では移送物は比較的に密に並び、
比較的に低送で移速し、ワークステーシヨンで加
工速度に合つた移送速度に変換するのが望まし
い。コンベヤの比較的低速の運転による省電力等
の効果の他、各ワークステーシヨン毎の加工速度
の増加等、加工ラインの部分的変更に柔軟に対応
出来るという効果も生じる。

従来、このような目的を達成する移送装置とし
て、コンベヤより搬入される移送物をタイミング
ウオームにより増速させ、ワークステーシヨンへ
移送物を供給するフイードテーブルにタイミング
を合わせて移送物を供給するようにしたものが知
られている。しかし、従来のこの方法は、移送物
はタイミングウオームによつて強制的に増速され
るので、タイミングウオーム入口部で特に強いラ
インプレツシヤーを受け、空缶等凹み易い移送物
の場合、移送物に凹みや疵を発生させる問題点が
あつた。また、増速後もタイミングウオームとコ
ンベヤとの速度差により、常に移送物に強いライ
ンプレツシヤーが作用し、円滑な移送が困難であ
つた。

さらに、低速コンベヤに横方向にずれて配置し
て移乗部を構成した高速コンベヤに、低速コンベ
ヤから容器を移乗させ、高速コンベヤ上でタイミ
ングウオームにより、フイードテーブルにタイミ
ングを合わせて移送物を供給するようにしたもの
も知られている。しかし、この方法は、低速コン
ベヤと高速コンベヤが横にずれて並走しているの
で、低速コンベヤから移送物を高速コンベヤに移
乗するには、偏向ガイド等の偏向手段で横方向に
偏向させなければならない。そのため、空缶等軽
い移送物の場合は転倒する等、移送物のスムーズ
な流れが阻害される欠点がある。また、移送物
は、低速コンベヤから高速コンベヤへ側方から次
第に乗り移るので、移送物の一部が高速コンベヤ
に乗り移つた瞬間に、低速コンベヤと高速コンベ
ヤ速度差により移送物に強い回転力が作用し、こ
れが衝撃となつて移送物が転倒する等事故が発生
していた。

このように、従来の装置は、移送物の転倒や乱
れが生じ易く、且つ移送物に強いラインプレツシ
ヤーが作用するので、近時の1400缶以上の缶を製
造するような高速ラインには、適用することが困
難であつた。

本発明は、上記実状に鑑み創案されたものであ
つて、移送物の転倒や乱れが生じ難く、かつ移送
物に強いラインプレツシヤーが作用することな
く、缶等の移送物を高速で定間隔に規制しながら
移送することができる移送装置を提供することを
目的とするものである。

本発明は、上記目的を低速コンベヤと高速コン
ベヤが入り込んで並走する移乗部に、低速コンベ
ヤの移送速度に合わせた低ピツチ部と前記受容部
と同期する高ピツチ部からなる不等ピツチのスパ
イラル溝を有する回転ガイドの低ピツチ部を配置
することによつて、解決したものである。

以下、図面を参照して詳細に説明する。

図に示すこの発明の実施例は、特殊形状の缶胴
を製造するための加工機に用いた場合を示し、第
１図はその全体配置を示す平面図であり、缶胴１
は低速コンベヤ２で送られ、高速コンベヤ３に移
乗することにより、ロータリー加工機４へのフイ
ードテーブル５のポケツト６の移動速度とその間
隔に見合う速度に加速されると同時に間隔が拡げ
られる。

コンベヤの構造の詳細は第２図、第３図に示さ
れる。

低速コンベヤ２は、両側に配置された２本のベ
ルト２１，２２からなり、比較的に密な状態で空
缶を移送する。高速コンベヤ３は、中央の１本の
ベルト３１を有し、その一端は、低速コンベヤの
２本のベルト２１，２２の中間に入るように配設
され、この部分がコンベヤ間の移乗部となる。
７，８は径の異なるプーリーであり、これによつ
て低速コンベヤと高速コンベヤの速度比は一定に
保たれる。９，１０は低速コンベヤの両側に設け
られたガイド、１１は必要な場合、高速コンベヤ
３へ空缶１が進入するのを停止させるストツパで
ある。

この発明においては、上記のコンベヤ間の移乗
部からフイードテーブル５にわたる間、ほぼ高速
コンベヤの１側面に沿つて、スパイラルの溝を持
つ回転ガイド１２が設けられ、該回転ガイドと他
側の固定ガイド１４によつて空缶１の位置と間隔
が規制される。このスパイラルの溝１３は不等ピ
ツチを持ち、低速コンベヤの移送速度に合わせた
低ピツチ部１３′は空缶１が加速されるに伴い高
ピツチ部１３″へと移行する。

この回転ガイド１２はベベルギア装置１５を通
じて駆動されるが、この駆動装置はフイードテー
ブル５の駆動装置と連動され、スパイラルの溝１
３″の位置とフイードテーブル５のポケツト６の
位置の同期を保証する。１６フイードテーブル５
に沿う固定ガイドで、ポケツト６と共に空缶を保
持する。

低速コンベヤ２上を移送されてきた空缶は、移
乗部において高速コンベヤ３により加速を受ける
と共に、回転ガイド１２の低ピツチ部溝１３′と
固定ガイド１４で形成されるポケツトに捕捉され
て進行する。回転ガイド１２のスパイラル溝１３
のピツチが大となるに伴い加速され、フイードテ
ーブル５に到るが、フイードテーブル５のポケツ
ト６はスパイラル溝１３と共にポケツトを作り、
同期して進行するよう同期して回転しており、ス
パイラル溝１３の底端部は固定ガイド１６の端部
とフイードテーブル５の回転中心から等距離にな
るように配設されているので、スパイラル溝１３
の端部に達した空缶はそのまま、ポケツト６と固
定ガイド１６に導かれてフイードテーブル５へと
移乗してゆく。

この発明は、上記のように比較的低速で高い密
度で移送された空缶は、ワークステーシヨンの作
動に合うよう移送速度を上げると同時に所要の間
隔を持たせることが必要であり、このため速度の
大きいコンベヤに移乗させるが、同時にワークス
テーシヨンに空缶を供給するためのフイードテー
ブルのポケツトと同期したスパイラル溝を有する
回転ガイドの溝によつて拘束され移送されるの
で、空缶の加速が滑らかに行なわれ、フイードテ
ーブルのポケツトと位置及び移動速度が同期した
状態でフイードテーブルへの移乗が行われるの
で、フイードテーブルへの空缶の供給が確実で、
空缶に無用の衝撃や摩擦を与えることがないとい
う効果を奏する。

特に、本願発明は、低速コンベヤと高速コンベ
ヤが一直線上に入り込んで移乗部が構成されてい
るので、移送物は低速コンベヤと高速コンベヤで
支持され、しかも回転ガイドの低ピツチ部で拘束
されながら、高速コンベヤで次第に加速されるの
で、空缶のような軽い移送物を高速で移送する高
速ラインであつても移送物を転倒させることなく
確実に、低速コンベヤから高速コンベヤにスムー
ズに移乗させることができる。そして、回転ガイ
ド入口部までは低ピツチ部と同速度で移送されて
回転ガイドのスパイラル溝と係合されるので、回
転ガイド入口部での衝撃やトラブルは殆どない。
また、移乗部では回転ガイドの低ピツチ部で拘束
しながら高速コンベヤで加速するものであるの
で、急激な加速作用がない。従つて、移送物が強
いラインプレツシヤーを受けることがなく、空缶
等の凹み易い移送物であつても、凹みや疵を発生
させることなく、円滑な移送ができるという顕著
な効果を奏するものである。その結果、本願発明
は、近時実用化されてきている毎分1400缶以上の
缶を製造するような高速ラインにも、適用するこ
とが可能になつたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の移送装置の１実施例の全体
配置を示す平面図、第２図はコンベヤ部の平面
図、第３図は同じく側面図である。 １：空缶、２：低速コンベヤ、３：高速コン
ベ、４：ロータリー加工機、５：フイードテーブ
ル、９，１０，１４，１６：固定ガイド、１１：
ストツパ、１２：回転ガイド、１３：スパイラル
溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コンベヤで移送される缶等の移送物を、高速
   で移動するフイードテーブルのポケツト等の規定
   された受容部へ供給するための移送装置であつ
   て、移送物を低速で移送する低速コンベヤと、上
   流端部が前記低速コンベヤの下流端部と入り組ん
   で並走して前記低速コンベヤからの移乗部を構成
   し、下流端が前記フイードテーブルへ連設され、
   搬送路中心線が前記低速コンベヤの搬送路中心線
   と１直線上に位置するように配置された前記ター
   ンテーブルの受容部とほぼ等速で回転する高速コ
   ンベヤと、前記低速コンベヤの移送速度に合わせ
   た低ピツチ部と前記受容部と同期する高ピツチ部
   からなる不等ピツチのスパイラル溝を有し、前記
   低ピツチ部が前記低速コンベヤからの移乗部に位
   置するように高速コンベヤに沿つて配置された回
   転ガイドとからなり、前記回転ガイド入口部まで
   は低速コンベヤで移送し、前記移乗部では回転ガ
   イドの低ピツチ部で拘束しながら高速コンベヤで
   加速移送し、回転ガイドの高ピツチ部では高速コ
   ンベヤで移送することを特徴とする移送装置。