JPH0244085B2 - - Google Patents

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JPH0244085B2
JPH0244085B2 JP58225396A JP22539683A JPH0244085B2 JP H0244085 B2 JPH0244085 B2 JP H0244085B2 JP 58225396 A JP58225396 A JP 58225396A JP 22539683 A JP22539683 A JP 22539683A JP H0244085 B2 JPH0244085 B2 JP H0244085B2
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Kenji Tsunashima
Tatsuya Ito
Yoshisuke Iwata
Naotaka Ichanagi
Kyoshi Nakayama
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の技術分野〕 本発明は改良された天然または合成繊維を用い
てなる電気絶縁紙と、二軸配向ポリプロピレンフ
イルムとを貼り合せ積層してなる油浸ケーブル用
絶縁材料に関するものである。 〔従来技術〕 本発明者等は先に油浸ケーブル用絶縁材料とし
て、二軸配向ポリプロピレンフイルムの両面に、
セルローズ繊維、プラスチツク合成紙、プラスチ
ツク繊維と天然繊維との混抄紙等の天然または合
成繊維を用いてなる電気絶縁紙を、熱硬化型の接
着剤を用いて貼り合せ積層した絶縁材料を提案し
てきた。(例えば特願昭57−36509号など) しかし、この絶縁材料では、熱硬化型の接着剤
を用いるために、製造コストが高くなるばかり
か、接着剤の極性基によつて絶縁材料としての誘
電損失やtanδが大きくなり、例えば50万V以上の
超高圧ケーブルでは発熱が多くなつて使用できな
いという欠点があつた。 更に熱硬化型の接着剤と、二軸配向ポリプロピ
レンフイルムとの接着性を良くするために、二軸
配向ポリプロピレンフイルムの上にコロナ放電処
理のような表面活性化処理をするので、イオン成
分による汚れのためか、tanδが大きくなるばかり
か、耐電圧も低下するという品質上の欠点を有し
ていた。 一方、熱硬化型の接着剤の代りに熱可塑化型ポ
リプロピレンを使うこと、即ち繊維紙と二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを押出機より押出した
無延伸ポリプロピレンを接着剤として貼り合せた
絶縁紙も知られている(例えば特公昭54−10712
号等)。 しかし、このものは、押出機から直接押出した
溶融体を接着剤とするために、この接着剤の厚み
を15μmよりも薄くすることができず、このため
該絶縁紙を電気絶縁油に浸漬すると、該絶縁紙が
油で膨潤するために、油浸ケーブルとして使用す
れば、絶縁層の巻き締りが生じ、絶縁欠陥の原因
となる問題点があつた。更に接着剤として、溶融
状態のプロピレンホモポリマーを使用しているた
めに、冷却過程での結晶化速度が非常に速く、従
つて冷却過程で接着する場合、十分なアンカー効
果が期待できないうちに結晶化が進行してしまう
ために、強力な接着力を得ることができず、その
結果ケーブルに使用したとき、ケーブルの機械的
な折り曲げ(ベンド)などのときに、絶縁紙に剥
離が生じ、電気的な欠陥をもたらす欠点があつ
た。 〔発明の目的〕 本発明は、上記従来の油浸による絶縁材料の膨
潤、tanδの悪化、層間接着力の低下等と、それに
伴う欠点を解消するために得られたものであつ
て、その目的とするところは、油浸時の膨潤程度
を極力小さくし、しかもtanδなどの電気特性に優
れ、強力な層間接着力を有した経済性の高い油浸
ケーブル用絶縁材料を提供することにある。 〔発明の構成〕 本発明の油浸ケーブル用絶縁材料は、二軸配向
ポリプロピレンフイルムの両面に天然又は合成繊
維を用いてなる電気絶縁紙を貼り合せ積層した絶
縁材料において、該ポリプロピレンフイルムと該
電気絶縁紙との接着に、融点100〜150℃のポリオ
レフインを用い、しかも該ポリオレフイン層の厚
さを0.5〜8μmにしたことを特徴とするものであ
る。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの極限粘度〔η〕は1.2〜2.8dl/g、好ましく
は1.3〜2.2dl/gであるのが良い。 〔η〕の値が1.2未満、好ましくは1.3未満の場
合には、得られるフイルムが脆く、クラツクが入
り易く、電気絶縁材料として使用に耐えない。 又、〔η〕の値が2.8を越える場合には、得られ
るフイルムの油による膨潤の程度が従来のポリプ
ロピレンフイルムよりほとんど改良されず、大き
な膨潤値、即ち膨潤度にして3%を越える値を示
すために好ましくない。 又、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnと
の比Mw/Mnは3以上であるのが良い。 Mw/Mnの比が前記値より小さくなると油に
よる膨潤の程度が大きくなり、絶縁性も低下する
ので好ましくない。 又、製膜時にフイルム破れが多発するのみなら
ず、厚さむらも大きくなる。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムの場合、アイソタクチツク度は93%以上、好ま
しくは96%以上、更に好ましくは98%以上である
と、油による膨潤の程度が小さく好ましい。 又、該ポリプロピレンフイルムには、帯電防止
剤、すべり剤、熱安定剤、ブロツキング防止剤、
核剤、粘度調整剤などの添加剤を含有させないこ
とが大切である。 ポリプロピレンフイルムの厚さは、10〜1000μ
mの範囲にあるのが好ましい。 本発明における二軸配向ポリプロピレンフイル
ムに積層する電気絶縁紙(以下、紙と云う)と
は、JIS C2301〜2308に定められているようなセ
ルローズを主成分とする天然繊維紙、あるいはセ
ルローズの如き天然繊維とプラスチツクのフイブ
リルとを混抄した混抄紙、あるいはプラスチツク
のみからなる合成紙のいずれでも良いが、特に本
発明に適したものは、セルローズを主成分とする
天然繊維紙である。 電気絶縁紙の表面最大あらさRmaxは、5〜
25μm、見掛け密度は0.6〜1.2g/cm、厚さ15〜
150μmの範囲のものが、電気特性、油通性など
に優れ、よく用いられる。 本発明の場合、電気絶縁紙はカレンダーリング
等で表面を平滑化した紙が耐電圧や層間接着力等
が大きくて好ましい。 層間の接着剤として用いられるポリオレフイン
は、プロピレンを50モル%以上含有したプロピレ
ン共重合体で、例えばエチレン、プロピレン、プ
テン、ヘキセンなどからなる二元あるいは三元共
重合体(ランダム、グラフト、ブロツク)が代表
的なものであるが、必ずしもこれに限定されるも
のではない。 本発明に用いるポリオレフインとしては、特に
エチレン・プロピレン(エチレン量1〜10モル
%)ランダム共重合体、エチレン・プロピレン
(エチレン量10〜50モル%)ブロツク共重合体が
好ましい。 該ポリオレフインの融点は100〜150℃、好まし
くは110〜145℃でなければならない。 この融点が100℃未満、好ましくは100℃未満で
あると、電気的なtanδが大きくなり、又油浸中で
の膨潤度が大きくなつて電気的欠陥となり、油浸
ケーブル用の絶縁材料として使用できない。 又、該融点が150℃、好ましくは145℃を越える
ときは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレンフ
イルムとの接着性が劣り、油浸中で剥離し、更に
経済的な速度でラミネートてきない。 該ポリオレフインの極限粘度〔η〕は、0.4〜
2.5、好ましくは0.6〜1.8、更に好ましくは0.7〜
1.4(dl/g)と低粘度であり、油浸時の膨潤を小
さく押え、しかも層間の接着力を向上させること
ができる。 更に、該ポリオレフイン層の厚さは0.5〜8μm、
好ましくは0.8〜3.0μmでなければならない。該
層の厚さが0.5μm未満、好ましくは0.8μm未満の
ときは、電気絶縁紙と二軸配向ポリプロピレンフ
イルムとの接着性が劣り、逆に該層の厚さが8μ
mを越えるとき、好ましくは3μmを越えるとき
には、電気的tanδが大きくなり、更に油浸中での
膨潤度が大きくなつて電気的な欠陥となる。 又、該ポリオレフイン層は無配向であるより
も、分子鎖が配向しているほうが絶縁油に対する
膨潤性、機械的性質、電気的性質の点から好まし
い。配向の程度は、該ポリオレフイン層の長手方
向と巾方向の屈折率(それぞれNmd、Ntdで示
す)の相加平均値(Nmd+Ntd)/2から、厚
さ方向の屈折率Nzdを引いた値が0.01以上あるの
が好ましい。 〔製造方法〕 次に本発明に係る絶縁材料の製造方法について
説明する。 〔法〕 本発明に使用する二軸配向ポリプロピレンフイ
ルム用原料の製造方法は、特に限定されないが、
好ましい一例を挙げれば、公知の種々の塩化マグ
ネシウムに担持した四塩化チタン触媒と有機アル
ミニウム化合物、およびエステル系化合物等の第
3成分からなる触媒系を用いて、プロピレン自身
を溶媒とする塊状重合法でプロピレンを重合し、
次いでプロピレン等の低沸点炭化水素で、プロピ
レンに可溶の低立体規則性のポリプロピレンを除
去することによつて得られる。 前記ポリプロピレンポリマー原料(A)および接着
ポリマーとしてのポリオレフインにエチレンを10
〜40%ブロツク共重合させたエチレン・プロピレ
ンブロツク共重合体(B)とをそれぞれシート押出機
に供給し、BABなる3層積層の溶融体を口金か
ら吐出させ、冷却ドラム上にキヤストする。この
シートを外部加熱法で予熱したのち、長手方向に
120〜150℃で4〜8倍延伸し、更に幅方向に120
〜170℃て6〜12倍に延伸し、必要に応じて100〜
170℃で2〜10秒間熱処理し、3層積層の二軸延
伸ポリプロピレンフイルムを得る。 かくして得られた3層積層ポリプロピレンフイ
ルムの全厚さは40〜250μmであり、そのうちエ
チレン・プロピレンブロツク共重合体層の表面は
粗面化されており、その厚さは0.5〜8μmになる
ようにする。表面を粗面化するのは易滑性、耐ブ
ロツキング性のためである。この3層積層フイル
ムの両表面に、電気絶縁紙を重ね合わせ、150〜
220℃に加熱されたホツトプレスロール間に、線
圧0.1〜1t/cmで短時間押圧し、絶縁紙/3層積
層フイルム/絶縁紙からなる絶縁材料を得る。 〔法〕 また別の製造方法としては、絶縁紙の上に、接
着剤となるポリオレフイン、たとえばエチレン・
プロピレンランダム共重合体をホツトメルトコー
テイング法によつて0.5〜8μm厚さに均一にコー
テイングする。このコーテイングされた2枚の絶
縁紙の間に、二軸配向ポリプロピレンフイルム単
膜を包み込むようにして上記と同様にホツトプレ
スロール間にて押圧し、絶縁紙/二軸配向ポリプ
ロピレンフイルム/絶縁紙からなる絶縁材料を得
る。 本発明の絶縁材料の場合、接着ポリマーとして
のポリオレフイン層が配向を有する点において
〔法〕の製造が特に好ましい。 〔発明の効果〕 本発明の絶縁材料は、電気絶縁クラフト紙と、
二軸配向ポリプロピレンフイルムとを、特定のポ
リオレフインを特定の厚さで接着剤としてラミネ
ートした構造を有するため、次のような作用効果
を奏することができる。 (1) 油による膨潤が極めて小さい。 (2) 油の流通性が優れている。 (3) 誘電率、誘電正接ともに小さく、絶縁破壊電
圧は極めて高い。 (4) 絶縁材料の機械的性質が優れている。 (5) 油への溶解分が少ないので、油を汚染する程
度が極めて小さい。 (6) 製造コストが安価であり、経済性に優れてい
る。 従つて、本発明の油浸ケーブル用絶縁材料は油
浸ケーブル絶縁層用として極めて有用なものであ
る。 次に、本発明に用いる測定法を以下に纏めて示
す。 (1) アイソタクチツク度 試料のフイルムを約1cm平方の大きさに切断
し、これをソツクスレー抽出器に入れ、沸騰メ
チルアルコールで6時間抽出する。抽出した試
料を60℃で6時間真空乾燥する。これから重量
W(mg)の試料を取り、これを再びソツクスレ
ー抽出器に入れて、沸騰N−ヘプタンで6時間
抽出する。次いで、この試料を取り出し、アセ
トンで充分洗浄した後、60℃で6時間真空乾燥
した後、重量を測定する。 その重量をW′(mg)とすると、アイソタクチ
ツク度は次式で求められる。 アイソタクチツク度(%)=100×W′/W (2) 複屈折 アツベの屈折計を用いて、フイルムの長手方
向の屈折率(Ny)及び幅方向の屈折率(Nx)
を測定し、NyとNxの差の絶対値を該フイルム
の複屈折とする。なお、測定時の光源は、ナト
リウムD線を用い、マウント液はサリチル酸メ
チルを用いる。 (3) 電気絶縁油による膨潤度 100mm平方の試料を切り取り、120℃の恒温槽
にて20時間乾燥後、すぐにその厚さを測定し、
D(μm)とする。 この試料を100℃のドデシルベンゼン油中に
浸して24時間放置後、取り出してすぐに試料の
厚さを測定し、これをD′(μm)とする。膨潤
度は次式で求められる。 膨潤度(%)=100×(D′−D)/D (4) 紙〜フイルム間の油浸後の接着強度 積層材料を110℃のドデシルベンゼン中に3
日間浸漬した後、これを取り出してアセトンで
充分に洗浄した後、20℃の室温に1日間放置す
る。これを試料として紙とフイルムの間の接着
の剥離強さを、JIS K 6854−1973記載のたわ
み性材料同志のT型剥離試験の方法に準じて測
定し、これを接着強度とする。 (5) 重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの
測定法は次の通りである。 装置:ゲル浸透クロマトグラフGPC−150C カラム:Shodex A80M 溶媒:o−ジクロルベンゼン (0.1%アイオノール添加) 速度:1ml/分 温度:135℃ 試料濃度:0.1(wt/vol)% 濾過:0.1μm焼結フイルター 注入量:0.4ml 検出器:示差屈折率検出器 分子校正:ポリスチレン基準 (6) 極限粘度〔η〕は、ASTM D1601にそつて
測定したもので、135℃のテトラリン中で測定
する。単位dl/g。 (7) 絶縁破壊電圧(BDV)はASTM D149に従
つて測定した(20℃)。 (8) 電気的tanδは、ASTM D150に従い周波数
50Hz、温度100℃で、絶縁紙測定電極MEP−C
型(日新電機株式会社製)を使用して測定し
た。 (9) 融点Tmは、走査型熱量計(DSC)によつて
求めた結晶の融点に伴う平衡温度であり、吸熱
ピークという。吸熱ピーク温度が2個以上であ
る場合は、最も吸熱ピーク高さの高いものを採
用するが、ほぼ同じ場合は、これらの数の平均
温度を用いる。DSCの測定条件は、試料重量
5mg、昇温速度20℃/分、窒素気流下で行う。 (10) 表面粗さRmaxは、JIS B0 601−1976に従
つて測定した。 実施例 1 エチレンを6モル%ランダム共重合したエチレ
ン・プロピレン共重合体(極限粘度〔η〕0.8
dl/g、融点129℃)を、ホツトメルトコーター
に供給し、窒素シール下で260℃に加熱後、加圧
し、スリツト間隙0.4mmの口金から押出し、厚さ
30μmの電気絶縁クラフト紙(比重0.90g/cm3
表面粗さRmax=18μm)の片面上に厚さ3μmに
なるようにホツトメルトコートし、巻取つた。 一方、極限粘度1.85dl/g、重量平均分子量
Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mn=4.0、
アイソタクチツクインデツクスII99%のポリプロ
ピレンを250℃で溶融し、この溶融体を口金から
シート状に押し出し、常法により50℃に冷却され
たキヤステイングドラム上にキヤストし、冷却固
化させた。 該冷却固化シートを146℃に加熱した後、長手
方向に6倍延伸し、つづいて160℃に加熱された
ステンター内に送り込み、幅方向に10倍延伸し、
更に165℃で4秒間幅方向に5%のリラツクスを
許しながら熱処理して、厚さ90μmの二軸配向ポ
リプロピレンフイルムを作つた。 かくして得られたフイルムの〔η〕は1.80dl/
g、Mw/Mnは3.9、IIは99%、複屈折は0.016で
あつた。 次に絶縁紙にコーテイングしたエチレン・プロ
ピレン共重合体面が上記二軸配向ポリプロピレン
フイルムの両面に重なり合うようにしたのち、
190℃に加熱された外径250mmφのクロムメツキロ
ール間に送り込み、線圧300Kg/cmで0.1秒間押圧
して絶縁紙/二軸配向ポリプロピレンフイルム/
絶縁紙からなる厚さ156μmの3層の絶縁材料を
得た。かくして得られた絶縁材料の二軸配向ポリ
プロピレンフイルムの厚み分率は57%であつた。 続いて該絶縁材料をドデシルベンゼン油に侵漬
させて物性を測定した。 膨潤率:3% 誘電率:2.5(20℃)、2.5(100℃) tanδ:0.04%(20℃)、0.05%(100℃) 接着力:120g/cm 以上のように、本発明絶縁材料は優れた電気的
性質のみならず、接着力、耐膨潤性にもすぐれて
いるため、油浸ケーブル用絶縁材料として優れた
特性を示すことがわかる。 比較例 1 実施例1で電気絶縁クラフト紙にエチレン・プ
ロピレン共重合体をホツトメルトコーターで塗布
する代わりに、次の溶液型熱硬化性接着剤を用い
て電気絶縁紙を二軸配向ポリプロピレンフイルム
の両面に常法により貼り合わせた。なお、この場
合、接着性を向上さすために二軸配向ポリプロピ
レンフイルムの両表面を、3600J/m2の電気エネ
ルギーでコロナ放電処理をした。接着剤厚さは、
それぞれ3μmであつた。 〔接着剤溶液の組成〕 飽和ポリエステル共重合体※:15重量部 テリレンジイソシアネート:3.5重量部 メチルエチルケトン:81.5重量部 ※ 酸成分として、テレフタル酸72モル%、セ
バシン酸28モル%、ジオール成分として、エ
チレングリコール35モル%、ネオベンチルグ
リコール65モル%からなる飽和ポリエステル
共重合体、粘度平均分子量約18000 かくして得られた電気絶縁紙/二軸配向ポリプ
ロピレンフイルム/電気絶縁紙からなる厚さ
156μmの絶縁材料を実施例1と同様にして諸物
性を測定し、表1に結果をまとめて示した。表1
から明らかなように、接着剤として極性基を有し
た化合物を用いると電気的tanδが大きくなり、超
高圧ケーブル用絶縁材料としては用いられないこ
とがわかる。 比較例 2 実施例1で用いた電気絶縁クラフト紙と、実施
例1と同様にして製膜した厚さ66μmの二軸配向
ポリプロピレンフイルムとを、実施例1で用いた
エチレン・プロピレンランダム共重合体を接着剤
として用いて、紙とフイルムとを260℃で溶融押
出しラミネートして、紙/ランダム共重合体/フ
イルム/ランダム共重合体/紙からなる厚さ
156μmの絶縁材料を得た。ここでランダム共重
合体層の厚さは、それぞれ15μmであり、二軸配
向ポリプロピレンフイルムの厚み分率は42%であ
つた。 かくして得られた絶縁材料を実施例と同様にし
て諸物性を測定し、表1に結果をまとめて示し
た。 表1から明らかなように、絶縁材料の構成は実
施例1と同じであるが、構成厚さが異なるために
誘電率、tanδが大きいのみならず、膨潤度も大き
く、油浸ケーブル材料としては用いられないこと
がわかる。
【表】 実施例 2 ポリプロピレンとして、〔η〕=2.0、アイソタ
クチツクインデツクスII=98%のチツプと、エチ
レンを20モル%ブロツクに共重合させたエチレ
ン・プロピレンブロツク共重合体(〔η〕=1.4、
DSCによる融解ピーク温度は118℃、147℃、160
℃に出るが融点としては前2者の平均として133
℃)とを、それぞれ別の口金に導入し、ブロツク
共重合体層/ポリプロピレン層/共重合体層から
なる3層積層シートを口金から押出した。このシ
ートを45℃に保たれた冷却ドラムに、エアー圧で
密着させ冷却固化させ、続いて145℃に加熱され
た熱風オーブン中で加熱し、長手方向に5倍延伸
し、直ちに15℃の冷却ロールに接着させて冷却し
た。このシートを160℃に加熱されたステンター
式幅出機に送り込み、幅方向に10倍延伸し、次い
で幅方向に7%のリラツクスを許しながら2秒間
熱処理し、厚さ90μmの3層積層ポリプロピレン
フイルムを得た。ここでブロツク共重合体層の厚
さは、それぞれ2μmづつであり、ポリプロピレ
ン層の厚さは86μm、Mw/Mn=4.2であつた。
この3層積層ポリプロピレンフイルムには、すべ
り剤、ブロツキング防止剤などの添加剤を加えて
いないにもかかわらず、特定のポリマーを用いた
ため、摩擦係数が0.6とすぐれた易滑性を示して
いた。この3層積層ポリプロピレンフイルムの両
面に、厚さ25μmの電気絶縁クラフト紙(比重
0.92g/cm3、表面粗さRmax=15μm)を重ね合
わせ、実施例1と同一の加熱プレスロールを用い
て200℃で線圧400Kg/cmで0.1秒間押圧してラミ
ネートし、クラフト紙/3層積層ポリプロピレン
フイルム/クラフト紙からなる厚さ140μmの電
気絶縁材料を得た。二軸配向ポリプロピレンフイ
ルムの厚み分率は61%であつた。 かくして得られた絶縁材料の20℃でのドデシル
ベンゼン中での特性を示すと、 誘電率:2.5 tanδ:0.04(%) 膨油率:4(%) 絶縁破壊電圧:66(KV/mm) 層間接着力:140(g/cm) 油流通性:良好 長手方向の破断強さ:35(Kg/15mm巾) 長手方向の破断のび:150(%) このように油浸超高圧ケーブル絶縁材料として
は、優れた特性として用いることがわかる。 実施例3および比較例3 下記に示す表2の仕様で図に示すケーブル構造
の実施例3および比較例3として、実施例2およ
び比較例2の絶縁材料を用いた電力ケーブルを製
造し、諸特性を調べた。 なお、図において、1は銅を素材とした6分割
導体、2は油通路、3は例えばステンレステーブ
とカーボン紙とを合せ巻きして形成した導体バイ
ンダー層、4は油浸絶縁層、5は金属化紙とアル
ミニウムテープを合せ巻きしてなる金属遮蔽層、
6は例えば銅線織込布テープなどの巻回によるコ
アバインダー層、7は鉛被シース、そして8は塩
化ビニル被膜シースである。 各々のケーブルについて得られた諸特性を表3
に示す。
【表】
【表】
【表】 表2および表3の結果によれば、比較例2の絶
縁材料を用いたOFケーブルに比べ、本発明にな
る絶縁材料を用いたOFケーブルでは、低静電容
量、高破壊ストレスが実現できていることが判
る。すなわち、従来より薄い絶縁層で従来以上の
電気絶縁特性を実現できることが判る。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の絶縁材料を用いたケーブルの実施
例を示す断面図である。 1……導体、2……油通路、4……油浸絶縁
層、5……金属遮蔽層、6……コアバインダー
層、7……鉛被シース、8……塩ビシース。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 二軸配向ポリプロピレンフイルムの両面に、
    天然または合成繊維を用いてなる電気絶縁紙を貼
    り合せ積層した絶縁材料において、該ポリプロピ
    レンフイルムと該電気絶縁紙との接着に、融点
    100〜150℃のポリオレフインを用い、しかも該ポ
    リオレフイン層の厚さを0.5〜8μmにしたことを
    特徴とする油浸ケーブル用絶縁材料。
JP22539683A 1983-12-01 1983-12-01 油浸ケ−ブル用絶縁材料 Granted JPS60119018A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22539683A JPS60119018A (ja) 1983-12-01 1983-12-01 油浸ケ−ブル用絶縁材料

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JP22539683A JPS60119018A (ja) 1983-12-01 1983-12-01 油浸ケ−ブル用絶縁材料

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Publication Number Publication Date
JPS60119018A JPS60119018A (ja) 1985-06-26
JPH0244085B2 true JPH0244085B2 (ja) 1990-10-02

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ID=16828700

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JP22539683A Granted JPS60119018A (ja) 1983-12-01 1983-12-01 油浸ケ−ブル用絶縁材料

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JP (1) JPS60119018A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5133279A (ja) * 1974-07-15 1976-03-22 Caterpillar Tractor Co
JPS575218A (en) * 1980-06-10 1982-01-12 Furukawa Electric Co Ltd Composite electric insulating sheet

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5133279A (ja) * 1974-07-15 1976-03-22 Caterpillar Tractor Co
JPS575218A (en) * 1980-06-10 1982-01-12 Furukawa Electric Co Ltd Composite electric insulating sheet

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JPS60119018A (ja) 1985-06-26

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