JPH024311Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 本考案は管接手機構に係り、管体を拘束するよ
うにされた接手ハウジングを利用して接続された
管体の伸縮を可能にした接手機構を形成せしめ、
一連のパイプラインにおける施工を容易にし、そ
の損傷原因を解消し、更には同じ接手スリーブに
よつて機能を異にした多様な接手機構を形成しよ
うとするものである。

産業上の利用分野 パイプラインにおける接手機構。

従来の技術 一連のパイプラインを形成するに当つて一定長
さのパイプを接続するための接手を用いることは
不可欠であり、このような管接手として従来第４
図に示すようにスリーブ１０の両端部と接続すべ
き管体１との間にクサビ状断面をもつパツキング
１１を挿入し、緊締手段６により前記パツキング
１１の尾端を押輪２４を介してスリーブ１０方向
に押込むようにしたものが一般的に知られてい
る。即ちこのような接手機構によればパイプライ
ン１１が管体１とスリーブ１０のテーパ状受入部
１２との間に強く圧入されてシールするものであ
るから安定した接続関係を形成することができ
る。

考案が解決しようとする問題点 ところが上記のような従来のものにおいては前
記のように機械的に安定した接続関係が得られる
反面において管体１は接手部において完全状態で
拘束され、温度変化や地盤変動或いは振動時など
に際して管体の繰返し伸縮に対する耐久性に問題
があり、又管体１の伸縮によつてパツキング１１
は著しく損傷せしめられ、耐用性に劣つたものと
ならざるを得ない。

なお一部に接続された管体の伸縮を可能にした
接手機構も知られているが、その構成は前記第４
図のものと基本的に異つたものであつて、一連の
パイプライン中にこのものを採り入れようとする
と構成の全く異つた複数の接手を準備し、これら
を施工条件に応じて選択しなければならず、施工
上煩雑でコストアツプとならざるを得ない。更に
従来の接手機構で得られる接続機構は同一の接手
である以上同じであつて、その伸縮性や可撓性な
どを夫々の現場における条件に即応させて変える
には接手機構の全体を取換えなければならない。

「考案の構成」 問題点を解決するための手段 本考案は上記したような従来のものの問題点を
解消するように考案されたものであつて、両端部
に対設された受入部に夫々パツキングを収容する
ようにしたスリーブと、それらの受入部に収容さ
れたパツキングを定着する押輪および緊締手段よ
り成る基本接手機構と、該基本接手機構のスリー
ブにおける前記受入部に嵌装される係合突部を一
側に屈曲形成した補助リングおよび該補助リング
に向けて前記緊締手段により圧接されるホウジン
グを有し、該ハウジングに形成されたパツキング
受溝に内腔を備え断面Ｃ形をなしたパツキングを
装着するようにした取換接手部との組合わせより
成ることを特徴とする管接手機構である。

作 用 基本接手機構はスリーブの両端部に対設された
受入部に夫々にパツキングを収容せしめ押輪およ
び緊締手段で緊締することにより接続すべき管体
の周面にパツキングを圧接し、それら管体を安定
状態に拘束した接続状態を形成する。又、そのパ
ツキング受入部に取換接手部に関する補助リング
の係合突部を嵌装することにより該補助リングが
スリーブと一体的に組付けられる。該補助リング
に対し緊締手段で圧接されるハウジングのパツキ
ング受溝に受入れられた断面Ｃ形パツキングは補
助リングと管体との間のシールを図り、しかもそ
の内腔に管体内流体の流体圧を受けて管内流体圧
に比例したシール作用をなす。このように断面Ｃ
形パツキングは内腔を有していて流体圧を受けて
シール作用することから該断面Ｃ形パツキングは
強く緊圧する必要がなくなり、従つて装着された
管体はその伸縮に際してスライド可能な関係にセ
ツトされ、管体の伸縮によつてもパツキングの損
傷されることが殆んどないものとなる。

実施例 本考案によるものの具体的な実施態様を添付図
面に示すものについて説明すると、本考案におい
て用いる接手スリーブ及び緊締手段は前記した第
４図のものと同じであつて、スリーブ１０の両端
部にはテーパ状受入部１２が形成され、この受入
部１２にパツキング１１を第４図のように収容
し、押輪２４を添設して緊締手段６により緊締す
ることで基本接手機構を形成するものであり、緊
締手段６はかかるスリーブ１０の両端におけるフ
ランジ部の穿孔１６に装着係止され、ナツト７に
より緊締されるものであるが、本考案においては
このようなスリーブ１０に対して別に取換接手部
を組合わせ、即ちこの取換接手部は前記スリーブ
１０のテーパ状受入部１２に嵌装される係合突部
３を一側に屈曲して形成した補助リング２とパツ
キング受溝１４を有するハウジング４とを用い、
前記した受溝１４には内腔１５を備え且つ断面Ｃ
形のパツキング５を装着したものであり、前記し
た補助リング２におけるテーパ状受入部１２への
接合面にはシール受溝１８を形成してＯリングな
どのシール材８が装着される。

前記ハウジング４は輪状をなした板状部材によ
つて形成されていることは第１図に示す通りで、
該ハウジング４における内径側の一側面部分に上
記したパツキング受溝１４が部分切欠した状態で
形成されている。

緊締手段６は基端部両側に係止突部６ａを一体
に形成し、その先端部に形成された螺条に対しナ
ツト７が螺合されてスリーブ１０のフランジ部と
押輪２４又は補助リング２をも介装した状態でハ
ウジング４の緊締をなすことは図示の通りであ
る。

クサビ状断面をもつパツキング１１に代えてテ
ーパ状受入部１２に係合突部３が嵌装セツトされ
ることにより受入部１２の傾斜性を利用して補助
リング２はスリーブ１０に対し自動的に芯合わせ
された状態でセツトされることは明らかであり、
又斯うして補助リング２がスリーブ１０に嵌合装
着されることにより両部体１０，２は略安定した
結合状態を形成する。

パツキング５の開口部両側における接合端は鋭
角状をなしたリツプ部５ａであつて補助リング２
の端面と管体１の外面に接合されない自由状態に
おいては第１図において仮想線で示すように外側
に傾斜して突出した状態をなし、このようなパツ
キング５が第１図実線のように組込まれることに
より前記リツプ部５ａが優先的に補助リング２の
端面および管体１の外面に対し接合作用すること
となつて有効なシール作用をなす。又管内流体圧
が内腔１５に作用することによつて前記のような
リツプ部５ａの如きによるシール作用は該流体圧
で更に加圧され、即ち流体圧を利用し、流体圧に
比例した圧接シール作用が得られる。従つてパツ
キング５は殊更に管体１面や補助リング端面に対
して強圧される必要がないことは明かであつて、
リツプ部５ａの接摺程度であつても管体１内流体
圧を利用した好ましいシール作用が実現され、こ
のようにパツキング５の圧接力が軽度であること
は設定された管体１が適宜にスライド可能であ
り、管体１がスライドしてもパツキング５の接合
面を損傷することの殆んどないことを示すもので
ある。

前記したような第１図の構成は両端部にテーパ
状受入部１２を有しているスリーブ１０に関して
少くともその何れか一端側に採用される。即ちそ
の具体的な適用状態は第２図と第３図に示す通り
であり、第２図のものは上記スリーブ１０の両端
部に採用した場合であり、第３図のものはスリー
ブ１０の一端部に採用し、他端部は第４図に示し
た従来からの構成としたものである。

これら第２，３図と前記した第４図から理解し
得るように本考案によるならば同じスリーブ１０
および緊締手段６を用いて３種類の管接手機構が
得られ、そのために必要な部材は補助リング２と
断面Ｃ形パツキング５を備えたハウジング４だけ
である。即ち接続すべき２つの管体１，１の何れ
の管体も拘束されたもの、何れか一方が拘束され
他方がスライド可能状態のもの、および何れの管
体もスライド可能な関係で接続されるものの３種
類であつて、斯うした機能の異なる３種類の管接
手がそれぞれの施工現場の状況に応じ、僅かな部
材の交換によつて簡易に形成し得る。つまり車輌
走行などによる震動条件や地盤変動などの条件そ
の他を考慮して、それら３種の何れかが選ばれる
ことにより夫々の施工現場条件に即答した好まし
い管路ラインが形成される。特に前記した第１図
の構成が一連の管路ライン中に数カ所、点在的に
採用されただけでも温度差などによる管体の伸縮
がこの第１図の構成を採つた部分で許容されるこ
ととなるから、その他の第４図に示す従来からの
緊圧パツキング構成を採つた部分では管体とパツ
キングとの間で緊圧条件下のスライドが発生しな
いこととなり、従来構造のものも亦パツキングの
損耗が解消されて耐用性の高いものとなる。

「考案の効果」 以上説明したような本考案によれば従来のパツ
キング圧入形式に従つた接手スリーブに対し僅か
な部材を追加するだけで機能的に著しく異なり、
管体をスライド可能とした接手機構が得られるこ
ととなり、夫々の施工現場における状況に即応し
て性能を適宜に異らしめた管接手が少なくとも主
材をそのままとして簡便に形成され、耐用性の高
いパイプラインおよびその接手機構を簡易低コス
トに提供し得るものであるから実用的、工業的に
その効果の大きい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の技術的内容を示すものであつ
て、第１図は本考案による管接手機構のハウジン
グ一端側を部分切欠して示した側面図、第２図と
第３図は本考案によつて得られる接手機構の全般
的関係を示した各部分切欠側面図、第４図は従来
のパツキング緊圧式接手機構の部分切欠側面図で
ある。 然してこれらの図面において、１は管体、２は
補助リング、３はその係合突部、４はハウジン
グ、５はパツキング、５ａはそのリツプ部、６は
緊締手段、７はナツト、８はシール材、１０はス
リーブ、１１はくさび形パツキング、１２はテー
パ状受入部、１４はパツキング受溝、１５はパツ
キングの内腔、１８はシール受溝を示すものであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端部に対設された受入部に夫々パツキングを
   収容するようにしたスリーブと、それらの受入部
   に収容されたパツキングを定着する押輪および緊
   締手段より成る基本接手機構と、該基本接手機構
   のスリーブにおける前記受入部に嵌装される係合
   突部を一側に屈曲形成した補助リングおよび該補
   助リングに向けて前記緊締手段により圧接される
   ホウジングを有し、該ハウジングに形成されたパ
   ツキング受溝に内腔を備え断面Ｃ形をなしたパツ
   キングを装着するようにした取換接手部との組合
   わせより成ることを特徴とする管接手機構。