JPH0242981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、室内でNOXを吸着分解して無害
化することを目的としたもので、冷暖房機製造販
売の産業分野に属する。

（従来の技術） 従来冷暖房機器の吸気側に吸入空気の固形分除
去用フイルターをセツトすることは普通に行われ
ていた。

（考案により解決すべき問題点） 従来家庭用等に使用されている冷暖房機器の吸
気側に用いられているフイルターは塵芥除去用で
ある為に、吸入空気に混入されているNOXはそ
のまま通過するので、長時間使用してもNOX濃
度は不変であつた。

（問題点を解決する為の手段） 然るにこの考案は、藺草が生物学的NOXの酸
化および脱窒に寄与する機能（東京大学西村氏の
実験報告）に着目し、藺草よりなるフイルターを
冷暖房機器の吸気部又は排気部（室内循環方式の
もの）にセツトすることにより室内空気のNOX
濃度の低減に成功したのである。

即ちこの考案は、冷暖房機ケースの吸気部又は
排気部に藺草フイルターを設けて、NOX除去能
付冷暖房装置を構成した。この考案の藺草フイル
ターは、藺草の截断物又は破断物を通気性包材に
包材した包装藺草又は、藺草繊維を加工してシー
ト状に成形したフイルター又は通気性ケースに藺
草破断物を充填したものなど、各種形態が考えら
れる。何れにしても、空気が容易に通過すると共
に、比較的広い面積でNOXガスと接触できるこ
とを条件とする。

前記藺草繊維のフイルターとしては、例えば抄
紙状成形物、不織布状成形物、又はフエルト状成
形物がある。また藺草破断物を入れる為の通気性
ケースとしては、例えば多数の小孔（又は小スリ
ツトを並設した）を穿設した二枚の通気板間に、
藺草破断物を緩充填し、前記通気板の周縁を密封
した構造などが考えられる。

次にこの考案のフイルターを冷暖房機器にセツ
トするには、冷暖房機器の工場生産時にそのケー
シング内部にセツトする方式と、前記冷暖房機器
のケーシング外部へ着脱自在にセツトする方式と
がある。前者は既存冷暖房機器の改造は困難であ
るが、後者は既存冷暖房機器に着脱自在にセツト
できるのみならず、定期的に交換して機能の維持
を図ることができる。尤もフイルターの交換につ
いては前者も可能である。

この考案における藺草フイルターは、生物学的
にNOXの酸化及び脱窒をするのであるから、適
度の湿度を必要とするが、通常生活空間において
は、適度の湿度を有すると共に、冷暖房機器の調
湿機能を利用して、フイルターに給水することも
できる。

前記藺草フイルターは、冷暖房機器の吸気部又
は排気部の全面又は一部にセツトするものであ
り、特に既存の冷暖房機器に付設するには、空気
抵抗の増大に配慮する必要がある。例えば吸気部
面積の1/2〜1/3位にフイルターをセツトするか、
フイルター自体の吸気面積を前記機器の吸気面積
の1.5倍以上に大きくして空気の流動抵抗を低減
させる。

尚、冷暖房機器中に入る室内空気のフイルター
通過量から計算し、フイルター面積を決めること
ができる。例えば24時間に１回の割で通過すれば
十分である。

前記藺草フイルターによるNOXの低減作用は、
生物学的酸化及び脱窒であるから、長時間使用し
ても二次公害を生じるおそれなく、人体に悪影響
を及ぼすおそれは全くない。

またフイルターに塵芥が付着した場合には、適
宜の清掃により機能を恢復できるので、長時間使
用が可能であり（例えば１年以上）、比較的低廉
に供給できるので経済的にも負担になるおそれは
ない。

（考案の作用） この考案によれば、冷暖房機器の吸気部又は排
気部に藺草フイルターを付設したので、通過空気
中のNOXを低減させることができる。脱窒作用
は、生物学的環境および藺草と空気との接触面積
にほぼ比例する。

（実施例１） 冷房機１の吸気側に藺草フイルター２を設置し
て、この考案の冷房装置Ａを構成した。前記藺草
フイルター２は、合成樹脂製の長方形ケース３内
に、藺草の破断物４を緩充填したもので、前記長
方形ケース３の前後壁板５，６には、多数の通気
孔７，８（例えば直径５mm〜10mm、又は間隙５mm
のスリツトを並設）を設け、排気側には網９が張
設してある。図中１０は排気部である。

前記実施例において、冷房機１を始動すると、
室内空気は矢示１１のように吸入され、藺草フイ
ルター２で脱窒した後、冷却され、排気部１０か
ら矢示１２のように室内へ放出される。従つて、
室内空気は循環流動中にNOXが低減される。

（実施例２） 次に第３図は、藺草フイルター１３を示すもの
である。即ち藺草繊維を抄上げてなるシート１４
を枠１５に張設したものである。このようなフイ
ルターは、従来公知の換気扇その他の吸気部又は
排気部へ設置して使用する。

（実施例３） また第４図に示す実施例は藺草繊維を所定厚さ
（例えば３mm位）に加圧成形して繊維板１６とし
たものである。この繊維板１６は、冷暖房機の吸
気部又は排気部に付設して使用するものである。

（実施例４） 次に第５図の実施例は、集中冷暖房装置に応用
した場合を示す。

この実施例においては、親器１７に藺草入りフ
イルターケース１８に設置する場合と、子器１９
にフイルターケース２０を設置する場合とある。
前者は親器１７で吸入し、冷却又は加温した空気
を子器１９から吹出す場合であり、後者は親器１
７で調整した冷熱媒を子器１９に送り、子器１９
で熱交換する場合である。

前記実施例においては、フイルターケースを何
れも外部設置型にしたけれども、内部設置型にで
きることは勿論、カートリツジ式にして定期的に
交換することもできる。

尚フイルターケース内の藺草に付与する水分
は、熱交換時に生じる水分を利用することができ
る。

（考案の効果） この考案によれば、冷暖房機の吸気部又は排気
部に藺草フイルターを設けたので、冷暖房機を通
過する空気の一部又は全部が前記藺草フイルター
を通過し、該空気に含まれるNOXの全部又は一
部が除去（分解）される効果がある。従つて室内
空気のNOXは自動的に低減され、特別の手数を
加えることなく良好な環境を得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
同じく一部断面拡大図、第３図は同じくフイルタ
ーの実施例の一部断面斜視図、第４図は同じく他
の実施例の斜視図、第５図は集中冷暖房装置の実
施例の斜視図である。 １……冷房機、２……藺草フイルター、Ａ……
冷房装置、４……藺草截断物、１０……排気部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 冷暖房機の吸気部又は排気部に藺草フイルタ
   ーを設けてなるNOX除去能付冷暖房装置。 ２ 藺草フイルターは、藺草の破断物を通気性包
   材で包装した包装藺草、又は藺草加工品製フイ
   ルターとした実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のNOX除去能付冷暖房装置。 ３ 通気性包材は、網、織布、不織布域いは抄紙
   とした実用新案登録請求の範囲第２項記載の
   NOX除去能付冷暖房装置。 ４ 藺草加工品製フイルターは藺草繊維の積層物
   とした実用新案登録請求の範囲第２項記載の
   NOX除去能付冷暖房装置。