JPH0242203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のフロントシート、リヤシート
などの車輌用シートに関し、詳しくはシート表皮
布のシワ発生防止の効果を高めた車輌用シートに
関するものである。

（従来の技術） 車輌用シートは一般に実開昭59−50400号公報
に１例が示されるように、表皮布ａ、カバーパツ
ドｂ、裏基布ｃからなるカバー部及びクツシヨン
パツドｄを備えている（第３図）。

そして、前記表皮布ａのシワ発生防止のため、
カバーパツドｂの厚みや密度をアツプして、表皮
布ａの復元を良好にしたり、表皮布ａとして伸び
の少ない生地を選択している。

（考案が解決しようとする問題点） しかし上記従来例によると、長期使用によりカ
バーパツドｂの弾性復元力が劣化すると、表皮布
ａのシワの発生を防止しえないという問題点があ
つた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するため、表皮布、
カバーパツド、裏基布からなるカバー部とクツシ
ヨンパツドとの間にゴム弾性を有する伸縮布を張
設して、カバー部、伸縮布及びクツシヨンパツド
を積層状に結合したことを特徴とする。

前記伸縮布は、車輌の急発進時や急停止時にシ
ートの表皮布にシワが寄りやすいという点に鑑
み、車輌の走行方向に伸張されて張設されるよう
にすると好適である。勿論車輌の走行方向のみな
らず、これに直交する方向にも伸張して、伸縮布
を四方に伸張するようにすれば前後左右にわたつ
てシワ発生を確実に防止できるので理想的であ
る。

（作用） 本考案によれば、第１図に示すように、表皮布
１、カバーパツド２、裏基布３からなるカバー部
４とクツシヨンパツド５との間に介在されるゴム
弾性を有する伸縮布６が実線の矢印で示すように
横方向に伸張力を与えて張設されているので、前
記カバー部４は常時同方向に引張られている。又
カバーパツド２及びクツシヨンパツド５にも、破
線の矢印で示すように弾性復元力が作用するの
で、表皮布１は緊張状態に維持されている。長期
使用によつて、カバーパツド２の弾性復元力が劣
化した場合でも、前記伸縮布６の伸張力がこれを
補い、表皮布１の緊張状態を維持することができ
る結果、表皮布１にシワが寄るのを長期にわたつ
て確実に防止することができる。

（実施例） 第１図及び第２図に示す本考案の実施例は、自
動車のフロントシートに関するものであつて、そ
のシートクツシヨン７及びシートバツク８の両者
共に本考案を実施したものである。

表皮布１、カバーパツド２及び裏基布３は互い
に接着されてカバー部４を構成している。このカ
バー部４とクツシヨンパツド５との間には、ゴム
弾性を有する伸縮布６が張設されており、これら
３者も互いに接着されて積層状に結合されてい
る。

伸縮布６としては、ストレツチ織布、ポリウレ
タンシート、ゴムシートなどゴム弾性を有するも
のを採用すればよい。又伸縮布６を複数枚のベル
ト状帯布で構成して、これらを例えば車輌の走行
方向に伸張して張設するようにしてもよい。

図示する実施例では、シートフレーム９，１０
やスプリングワイヤ１１などを利用して、前記伸
縮布６を車輌走行方向及びその直交方向の四方に
伸張して張設している。

（考案の効果） 本考案は上記構成、作用を有するので、表皮布
にシワが寄るのを長期にわたつて確実に防止する
ことができる車輌用シートを提供できるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部を示す断面図、
第２図はその全体を示す一部切欠斜視図、第３図
は従来例の要部を示す縦断面図である。 １……表皮布、２……カバーパツド、３……裏
基布、４……カバー部、５……クツシヨンパツ
ド、６……伸縮布。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 表皮布、カバーパツド、裏基布からなるカバ
   ー部とクツシヨンパツドとの間にゴム弾性を有
   する伸縮布を張設して、カバー部、伸縮布及び
   クツシヨンパツドを積層状に結合したことを特
   徴とする車輌用シート。 (2) 伸縮布は車輌の走行方向に伸張されて張設さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   車輌用シート。