JPH024212B2 - - Google Patents
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- JPH024212B2 JPH024212B2 JP60014509A JP1450985A JPH024212B2 JP H024212 B2 JPH024212 B2 JP H024212B2 JP 60014509 A JP60014509 A JP 60014509A JP 1450985 A JP1450985 A JP 1450985A JP H024212 B2 JPH024212 B2 JP H024212B2
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Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は有機酸を含む水溶液から有機酸を抽出
する方法に関する。特に稀薄な有機酸水溶液から
効率良く有機酸を抽出する方法に関する。 [従来の技術] 従来から有機酸を含む水溶液から有機酸を抽出
する有機溶剤が種々提案されている。ヤンビツ
ト・ゴロフ等は酢酸水溶液から酢酸抽出の溶剤と
してトリオクチルホスフインオキシドをケロシン
で18wt%に希釈したものを用いて抽出を行なつ
ている(インダストリアルアンドエンジニアリン
グケミストリープロセスデザインアンドデベロプ
メント20(3)p.433〜435(1981)) [発明が解決しようとする問題点] 現在、発酵工業では、微生物による低級脂肪酸
を生産する研究が広く行なわれていて、発酵工業
において生産した低級脂肪酸濃度は数%と稀薄な
ものであり蒸溜精製工程にかなりの難点が生じて
いる。この様な稀薄な低級脂肪酸を含む水溶液か
ら低級脂肪酸を効率良く抽出することは発酵工業
の欠点をおぎない、エネルギーコスト面において
重要なフアクターとなる。しかし、上記先行文献
に記載されている様に、最もよい分配係数を示す
トリオクチルホスフインオキシドをケロシンで18
%に希釈した混合抽出溶媒を用い、2.2%の酢酸
水溶液から酢酸の抽出を行つても水相酢酸の濃度
は1.13%で、分配係数は1.165であり、発酵工業
における希酸の抽出という面では不十分である。 本発明は低級脂肪酸濃度が低いところでより高
い分配係数を示す混合溶剤を提供することを目的
とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明は低級脂肪酸を含む水溶液より低級脂肪
酸を抽出するに当りトリオクチルホスフインオキ
シドとトリメチルシクロヘキサノンからなる混合
溶剤を使用することを特徴とする低級脂肪酸の抽
出方法である。 本発明の混合溶剤は、トリオクチルホスフイン
オキシドとトリメチルシクロヘキサノンの混合物
である。トリオクチルホスフインオキシドは常温
付近では固体であるためそれ自身では酸の抽出用
に供しえないので他の溶剤で溶解して使用され
る。 本発明に於けるトリオクチルホスフインオキシ
ドの溶剤としてはトリメチルシクロヘキサノンで
あり混合溶剤中のトリオクチルホスフインオキシ
ドの割合は5〜30wt%の範囲が好ましく使用さ
れる。5wt%未満では分配係数が低下し、また
30wt%以上では溶解度や経済性に問題がある。
トリメチルシクロヘキサノンは沸点190℃と非常
に高く、かつ粘度も低く、又、水に対する溶解度
も低く、トリオクチルホスフインオキシドの希釈
溶剤としては非常にすぐれたものである。 本発明に於いて、好ましくは適応できる低級脂
肪酸としては炭素数1〜3の脂肪酸であり具体的
にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、等である。 水溶液から低級脂肪酸を抽出するに当つてS/
F即ち希低級脂肪酸仕込量に対する抽出剤仕込量
の比は、希低級脂肪酸濃度に応じていろいろな値
をとることができるが、本発明の特徴である大き
な分配係数を反映して例えばS/F=0.5〜2と
いうようなきわめて小さな値をとることができ
る。このように抽出剤使用量が少ないことは装置
サイズや運転に必要な用役費などの減少に役立ち
有利である。 本発明の抽出方法としては2液相の接触がおこ
なえるような種々の装置で実施できるが、特に効
率よく実施するためには液々界面の更新が頻繁に
おこなわれるような型式の装置を用いるのがよ
い。装置例としては、ミキサーセトラー型抽出
器、充填塔、多孔板塔、リングプレート塔などが
使用出来る。 抽出液より低級脂肪酸を回収する方法としては
通常の蒸溜などの手段により回収することができ
る。 [発明の効果] 本発明の混合溶剤を使用することにより低濃度
の低級脂肪酸水溶液から極めて高い分配係数で低
級脂肪酸を溶剤相に抽出出来る。このため醗酵液
の様な低濃度の低級脂肪酸水溶液の連続抽出にも
有利である。又、ミキサーセトラー型の抽出器な
どを用いた場合、抽出理論段数を少なくすること
ができ建設コストを節約しうる。 本発明の混合溶剤の粘度は非常に低くエマルジ
ヨンを形成しにくくなり、分離時間が短縮出来
る。又、水相中への溶解度も低くさらに水の混合
溶剤への溶解度も低いため精製時のエネルギーコ
スト面でも有利である。 実施例 1 酢酸水溶液として、0.5〜9v/v%の溶液を調
製した。有機抽出剤として、トリオクチルホスフ
インオキシドをトリメチルシクロヘキサノンで
20wt%の溶液に調製したものを有機抽出剤とし
た。21mmのねじ口試験管に酢酸水溶液と有機抽出
剤を1:1の割合で混合し、30℃で約2時間振盪
し、さらに30℃で静置し、水相と有機相の酢酸を
ガスクロマトグラフイーで分析し分配係数を次式
より算出した。 分配係数KAcoH =有機相酢酸濃度(v/v)%/水相酢酸濃度(v/
v)% 結果は、次表に示す通り水相酢酸0.19%で1.74
という高い分配係数で、酢酸を抽出できた。
する方法に関する。特に稀薄な有機酸水溶液から
効率良く有機酸を抽出する方法に関する。 [従来の技術] 従来から有機酸を含む水溶液から有機酸を抽出
する有機溶剤が種々提案されている。ヤンビツ
ト・ゴロフ等は酢酸水溶液から酢酸抽出の溶剤と
してトリオクチルホスフインオキシドをケロシン
で18wt%に希釈したものを用いて抽出を行なつ
ている(インダストリアルアンドエンジニアリン
グケミストリープロセスデザインアンドデベロプ
メント20(3)p.433〜435(1981)) [発明が解決しようとする問題点] 現在、発酵工業では、微生物による低級脂肪酸
を生産する研究が広く行なわれていて、発酵工業
において生産した低級脂肪酸濃度は数%と稀薄な
ものであり蒸溜精製工程にかなりの難点が生じて
いる。この様な稀薄な低級脂肪酸を含む水溶液か
ら低級脂肪酸を効率良く抽出することは発酵工業
の欠点をおぎない、エネルギーコスト面において
重要なフアクターとなる。しかし、上記先行文献
に記載されている様に、最もよい分配係数を示す
トリオクチルホスフインオキシドをケロシンで18
%に希釈した混合抽出溶媒を用い、2.2%の酢酸
水溶液から酢酸の抽出を行つても水相酢酸の濃度
は1.13%で、分配係数は1.165であり、発酵工業
における希酸の抽出という面では不十分である。 本発明は低級脂肪酸濃度が低いところでより高
い分配係数を示す混合溶剤を提供することを目的
とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明は低級脂肪酸を含む水溶液より低級脂肪
酸を抽出するに当りトリオクチルホスフインオキ
シドとトリメチルシクロヘキサノンからなる混合
溶剤を使用することを特徴とする低級脂肪酸の抽
出方法である。 本発明の混合溶剤は、トリオクチルホスフイン
オキシドとトリメチルシクロヘキサノンの混合物
である。トリオクチルホスフインオキシドは常温
付近では固体であるためそれ自身では酸の抽出用
に供しえないので他の溶剤で溶解して使用され
る。 本発明に於けるトリオクチルホスフインオキシ
ドの溶剤としてはトリメチルシクロヘキサノンで
あり混合溶剤中のトリオクチルホスフインオキシ
ドの割合は5〜30wt%の範囲が好ましく使用さ
れる。5wt%未満では分配係数が低下し、また
30wt%以上では溶解度や経済性に問題がある。
トリメチルシクロヘキサノンは沸点190℃と非常
に高く、かつ粘度も低く、又、水に対する溶解度
も低く、トリオクチルホスフインオキシドの希釈
溶剤としては非常にすぐれたものである。 本発明に於いて、好ましくは適応できる低級脂
肪酸としては炭素数1〜3の脂肪酸であり具体的
にはギ酸、酢酸、プロピオン酸、等である。 水溶液から低級脂肪酸を抽出するに当つてS/
F即ち希低級脂肪酸仕込量に対する抽出剤仕込量
の比は、希低級脂肪酸濃度に応じていろいろな値
をとることができるが、本発明の特徴である大き
な分配係数を反映して例えばS/F=0.5〜2と
いうようなきわめて小さな値をとることができ
る。このように抽出剤使用量が少ないことは装置
サイズや運転に必要な用役費などの減少に役立ち
有利である。 本発明の抽出方法としては2液相の接触がおこ
なえるような種々の装置で実施できるが、特に効
率よく実施するためには液々界面の更新が頻繁に
おこなわれるような型式の装置を用いるのがよ
い。装置例としては、ミキサーセトラー型抽出
器、充填塔、多孔板塔、リングプレート塔などが
使用出来る。 抽出液より低級脂肪酸を回収する方法としては
通常の蒸溜などの手段により回収することができ
る。 [発明の効果] 本発明の混合溶剤を使用することにより低濃度
の低級脂肪酸水溶液から極めて高い分配係数で低
級脂肪酸を溶剤相に抽出出来る。このため醗酵液
の様な低濃度の低級脂肪酸水溶液の連続抽出にも
有利である。又、ミキサーセトラー型の抽出器な
どを用いた場合、抽出理論段数を少なくすること
ができ建設コストを節約しうる。 本発明の混合溶剤の粘度は非常に低くエマルジ
ヨンを形成しにくくなり、分離時間が短縮出来
る。又、水相中への溶解度も低くさらに水の混合
溶剤への溶解度も低いため精製時のエネルギーコ
スト面でも有利である。 実施例 1 酢酸水溶液として、0.5〜9v/v%の溶液を調
製した。有機抽出剤として、トリオクチルホスフ
インオキシドをトリメチルシクロヘキサノンで
20wt%の溶液に調製したものを有機抽出剤とし
た。21mmのねじ口試験管に酢酸水溶液と有機抽出
剤を1:1の割合で混合し、30℃で約2時間振盪
し、さらに30℃で静置し、水相と有機相の酢酸を
ガスクロマトグラフイーで分析し分配係数を次式
より算出した。 分配係数KAcoH =有機相酢酸濃度(v/v)%/水相酢酸濃度(v/
v)% 結果は、次表に示す通り水相酢酸0.19%で1.74
という高い分配係数で、酢酸を抽出できた。
【表】
実施例 2
低級脂肪酸としてギ酸、プロピオン酸を0.5〜
9v/v%の溶液を調製し、有機抽出剤としてト
リオクチルホスフインオキシドをトリメチルシク
ロヘキサノンで20wt%溶液に調製したものを用
いて、実施例1と同様の方法で、抽出を行なつ
た。 その結果、第1図,第2図に示す様に低濃度側
で、高い分配係数でギ酸もプロピオン酸も抽出で
きた。 比較例 1 3%酢酸水溶液と有機抽出剤としてトリオクチ
ルホスフインオキシドをケロシンで15%に稀釈し
た有機抽出剤とを用いて実施例1と同様の方法で
抽出を行つた。その結果、水相酢酸濃度は1.88%
で分配係数は0.60であつた。 比較例 2 1%酢酸水溶液と比較例1と同じ有機抽出液を
用いて実施例1と同様の方法で抽出を行つた。そ
の結果、水相酢酸濃度は0.39%で分配係数は1.56
であつた。
9v/v%の溶液を調製し、有機抽出剤としてト
リオクチルホスフインオキシドをトリメチルシク
ロヘキサノンで20wt%溶液に調製したものを用
いて、実施例1と同様の方法で、抽出を行なつ
た。 その結果、第1図,第2図に示す様に低濃度側
で、高い分配係数でギ酸もプロピオン酸も抽出で
きた。 比較例 1 3%酢酸水溶液と有機抽出剤としてトリオクチ
ルホスフインオキシドをケロシンで15%に稀釈し
た有機抽出剤とを用いて実施例1と同様の方法で
抽出を行つた。その結果、水相酢酸濃度は1.88%
で分配係数は0.60であつた。 比較例 2 1%酢酸水溶液と比較例1と同じ有機抽出液を
用いて実施例1と同様の方法で抽出を行つた。そ
の結果、水相酢酸濃度は0.39%で分配係数は1.56
であつた。
第1図は、トリオクチルホスフインオキシドを
トリメチルシクロヘキサノンで20wt%溶液に調
整したものを有機抽出剤として、ギ酸の抽出にお
ける見かけの分配係数を平衡水相中のギ酸濃度の
関数として示した図。第2図は、トリオクチルホ
スフインオキシドをイソホロンで15wt%溶液に
調製したものを有機抽出剤としてプロピオン酸の
抽出における見かけの分配係数を平衡水相中のプ
ロピオン酸濃度の関数として示した図である。
トリメチルシクロヘキサノンで20wt%溶液に調
整したものを有機抽出剤として、ギ酸の抽出にお
ける見かけの分配係数を平衡水相中のギ酸濃度の
関数として示した図。第2図は、トリオクチルホ
スフインオキシドをイソホロンで15wt%溶液に
調製したものを有機抽出剤としてプロピオン酸の
抽出における見かけの分配係数を平衡水相中のプ
ロピオン酸濃度の関数として示した図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 低級脂肪酸を含む水溶液より低級脂肪酸を抽
出するに当りトリオクチルホスフインオキシドと
トリメチルシクロヘキサノンからなる混合溶剤を
使用することを特徴とする低級脂肪酸の抽出方
法。 2 低級脂肪酸が炭素数1〜3の脂肪酸である特
許請求の範囲第1項記載の低級脂肪酸の抽出法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60014509A JPS61176551A (ja) | 1985-01-30 | 1985-01-30 | 低級脂肪酸の抽出法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60014509A JPS61176551A (ja) | 1985-01-30 | 1985-01-30 | 低級脂肪酸の抽出法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61176551A JPS61176551A (ja) | 1986-08-08 |
JPH024212B2 true JPH024212B2 (ja) | 1990-01-26 |
Family
ID=11863038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60014509A Granted JPS61176551A (ja) | 1985-01-30 | 1985-01-30 | 低級脂肪酸の抽出法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61176551A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU2019220419B2 (en) * | 2018-02-15 | 2023-12-07 | Evonik Operations Gmbh | Extraction of alkanoic acids |
CN109718574B (zh) * | 2018-12-14 | 2021-04-16 | 山东省中医药研究院 | 一种定向快速富集中药尤其桑叶中目标成分的方法 |
JPWO2022239847A1 (ja) | 2021-05-14 | 2022-11-17 |
-
1985
- 1985-01-30 JP JP60014509A patent/JPS61176551A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61176551A (ja) | 1986-08-08 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |