JPH0240630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、硬質のケース内に平面状の磁気デイ
スクを回転自在に収納した磁気デイスクカートリ
ツジに関する。この種の磁気デイスクカートリツ
ジは、コンピユータ用記憶装置として、需要が急
増しつつある。

従来技術 従来よりコンピユータ用記憶装置として使用さ
れているフロツピーデイスクは、塩化ビニル等を
主体として構成された可撓性ジヤケツト内に、円
板状の磁気デイスクを回転自在に収納し、ジヤケ
ツトに磁気ヘツド挿入窓及び磁気デイスク回転駆
動用窓を口させた構造となつていた。このため、
ジヤケツトが取扱いの途中で撓んで内部に収納さ
れた磁気デイスクに傷を付け、或いは磁気ヘツド
挿入窓及び回転駆動用窓等の開口部を通して内部
の磁気デイスクに指等が触れ、磁気記録を破壊し
たりする危険性があり、取扱いに細心の注意を必
要とした。

このようなフロツピーデイスクの欠点を除去す
るものとして、軟質なジヤケツトに代えて、硬質
のケースを使用し、このケース内に平面状の磁気
デイスクを回転自在に収納すると共に、ケースの
開口部を通して磁気デイスクが外部に露出するこ
とがないようにしたハードタイプの磁気デイスク
カートリツジが提案されている。

第１図はハードタイプの磁気デイスクカートリ
ツジの斜視図、第２図はその内部構造を示す断面
図、第３図及び第４図はケース部材の内面図であ
る。図において、１及び２は互いに組合わされて
ケースを構成するケース部材、３はケース部材
１，２の内部に回転自在に収納された円板状の磁
気デイスクである。

ケース部材１，２は硬質のプラスチツク等によ
つて成形されており、従来のジヤケツトに比較し
て、機械的強度が大で、撓みによる変形等を起し
にくく、内部に収納された磁気デイスク３に対す
る保護作用が高い。これらのケース部材１，２
は、磁気デイスク３と対向する内面にライナー４
及び５をそれぞれ被着させ、ライナー４，５間に
磁気デイスク回転エリア６が形成されるように、
上下方向から互いに組合わされている。これらの
ケース部材１，２には、磁気デイスク回転エリア
６内に磁気ヘツド挿入窓７，８を設けてあり（第
３図、第４図参照）、この磁気ヘツド挿入窓７，
８をケース部材１，２に装着されたジヤツタ９に
よつて開閉する（第１図参照）ようになつてい
る。

また、ケース部材１，２の相対向する面上に
は、その外周に沿つて、同じ高さで突出する外周
リブ１０，１１をそれぞれ設けると共に、前記磁
気デイスク回転エリア６を包囲する如く、外周リ
ブ１０，１１と高さが略等しいリブ１２，１３を
円弧状に配置してある。ケース部材１，２の組立
てに当つては、第５図にも示すように、外周リブ
１０と外周リブ１１、リブ１２とリブ１３の端面
が互いに当接するようにして組立てる。

更に、ケース部材１，２の一つの隅部に、２つ
のリブ１０−１２，１１−１３によつて形成され
るシヤツタ付勢用バネ挿入部１４，１５を設け、
このバネ挿入部１４，１５を外周リブ１０，１１
の一部を切欠いて形成された開口部１６，１７を
通して外部に連通させてある。

また、ケース部材２の中心部には円形状の開口
部１８を形成してあり、この開口部１８と対向す
るケース部材１の面板は閉じた状態になつてい
て、耐摩耗部材１９などを貼着した構造となつて
いる。

次に、磁気デイスク３は、中心部に磁性材料よ
り成る段付ハブ２０を設け、このハブ２０の外周
側にドーナツ円板状の磁気記録媒体２１を同軸状
に連結した構造となつている。ハブ２０の中心部
には図示しない記録再生装置の回転駆動軸を装着
する中心孔２２が設けられている。この磁気デイ
スク３は、ハブ２０の外面側がケース部材２の開
口部１８から外部に露出し、磁気記録媒体２１が
回転エリア６に位置するような関係で、ケース部
材１，２間に回転自在に収納される。

上記構造の磁気デイスクカートリツジを駆動す
るには、記録再生装置の回転駆動軸をハブ２０の
中心孔２２内に嵌合させると共に、回転軸の先端
部をケース部材１の内面に貼着された耐摩耗部材
１９に当接させ、この状態で回転駆動軸を回転さ
せる。これにより、磁気デイスク３がケース部材
１及びケース部材２内に形成された回転エリア６
内で回転駆動される。なお、この段階ではシヤツ
タ９（第１図）は開いており、挿入窓７，８を通
して磁気ヘツドが挿入され、磁気記録書込み／読
出しが行なわれる。

上述のように、ハードタイプの磁気デイスクカ
ートリツジは、ケース部材１，２自体が硬質で内
部の磁気デイスク３に対する保護機能が非常に高
くなつており、しかも磁気ヘツド挿入窓７，８や
記録再生装置の回転軸を装着する中心開口部等に
シヤツタ９やハブ２０等が位置し、磁気記録媒体
３が外部に露出することがない。このため、フロ
ツピーデイスクの場合より磁気デイスク３に対す
る保護機能が高くなり、取扱いが容易になる。

従来技術の欠点 ところが、従来の磁気デイスクカートリツジに
おいては、ケース部材１のリブ１２及びケース部
材２のリブ１３の端面が平担になつていて、第５
図にも示したように、高さの略等しいリブ１２と
リブ１３の端面を互いに当接して組立てるように
してあつたため、リブ１２，１３の高さが低く、
組立の途中で磁気デイスク３の磁気記録媒体２１
がリブ１２または１３の端面上に乗り上げ、両リ
ブ１２−１３間に挟込まれてしまうという問題が
あつた。

この問題を解決する手段として、例えば第６図
に示すように、リブ１２，１３を凹部１２１，１
３１及び凸部１２２，１３２を有する凸状に形成
し、一方の凹部１２１または１３１に他方の凸部
１３２または１２２を噛み合わせる構造が考えら
れる。

しかしこの噛み合わせ構造の場合には、凹部１
２１−凸部１３２及び凹部１３１−凸部１２２の
嵌合部分に隙間イが発生する。このため、バネ挿
入部１４，１５の部分においては、開口部１６，
１７を通してバネ挿入部１４，１５内に入つたゴ
ミやホコリ、或いはシヤツタバネの動作によりケ
ース部材１，２が削られることによつて生じる切
粉が、前記嵌合部分に形成される隙間イを通して
磁気デイスク回転エリア６内に侵入し、磁気デイ
スク３の磁気記録媒体２１の表面に付着してドロ
ツプアウトを生じさせてしまうという問題があつ
た。

本考案の目的 そこで本考案は上述する問題点を解決し、組立
時における磁気デイスクの挟込みを防止すると同
時に、例えばシヤツタ付勢バネ挿入部等のよう
に、外部に開いている部分を通してゴミ、ホコリ
或いは切粉等が磁気デイスク回転エリアに侵入す
るのを防止できるようにし、組立上及び動作上の
信頼性を向上させた磁気デイスクカートリツジを
提供することを目的とする。

本考案の構成 上記目的を達成するため、本考案は、一対のケ
ース部材を組合わせて構成されたケース内に平面
状に磁気デイスクを回転自在に収納して構成さ
れ、前記一対のケース部材の相対向する面上に互
いに当接する外周リブ及び前記磁気デイスク回転
エリアを包囲するリブを設け、前記外周リブの一
部に外部に開く開口部を設けた磁気デイスクカー
トリツジにおいて、前記磁気デイスク回転エリア
を包囲するリブは、前記開口部に対応する部分で
は前記外周リブと同一高さで連続させて磁気デイ
スク回転エリアを前記開口部から区画するように
形成し、他の部分では前記一対のケース部材間で
互いに噛み合う段付状に形成したことを特徴とす
る。

実施例 第７図及び第８図は本考案に係る磁気デイスク
カートリツジにおけるケース部材を内側から見た
平面図、第９図及び第１０図は同じく要部の拡大
断面図である。図において、第１図〜第６図と同
一の参照符号は同一性ある構成部分を示してい
る。従来と異なる特徴点は、磁気デイスク回転エ
リア６を包囲するリブ１２，１３を、外部に連通
する開口部に対応する部分では同一高さで連続さ
せて磁気デイスク回転エリア６を開口部から区画
するように形成し、他の部分ではケース部材１−
２間で互いに噛み合う段付状に形成したことであ
る。この実施例では、リブ１２，１３は、外部に
連通する開口部１６，１７を有するバネ挿入部１
４，１５の部分では、第１０図に拡大して示すよ
うに、同一高さで連続させて、磁気デイスク回転
エリア６をバネ挿入部１４，１５及び開口部１
６，１７から区画するように形成してある。一
方、他の部分では、第９図にも示すように、外周
リブ１０，１１と同じ高さの段部１２１，１３１
及びこの段部１２１，１３１より高い凸部１２
２，１３２を有する段付状に形成してある。

前記凸部１２２，１３２と対向する部分はリブ
１２，１３が設けられておらず、ケース部材１，
２の内底面が対向している。ケース部材１，２の
凸部１２２，１３２の高さh₁は、ケース部材１，
２の内底面間隔に略等しくなつている。

本考案に係る磁気デイスクカートリツジは上述
のような構造であるから、ケース部材１及び２
は、ケース部材１の段部１２１とケース部材２の
段部１３１の端面が互いに対接し、凸部１２２，
１３２の端面がケース部材１，２の内底面に対接
するように組立てられる。この場合、磁気デイス
ク回転エリア６を形作るリブ１２，１３が凸部１
２２，１３２の部分で高くなるので、この凸部１
２２，１３２により、組立の途中において、磁気
デイスク３のリブ１２または１３の端面上への乗
り上げが阻止され、磁気デイスク３のリブ１２−
１３間への挟込みが防止される。段部１２１，１
３１及び凸部１２２，１３２の凹凸嵌合部分には
小さな隙間が発生するが、その外側に閉じた外周
リブ１０，１１があるので、ゴミ、ホコリ等が侵
入することはない。

しかも、バネ挿入部１４，１５等のように、外
部に連通する開口部１６，１７を有する部分で
は、リブ１２，１３を外周リブ１０，１１と同一
高さで連続させ、磁気デイスク回転エリア６をバ
ネ挿入部１４，１５及び開口部１６，１７から区
画してあるから、開口部１６，１７を通してバネ
挿入部１４，１５内に入つたゴミやホコリ、或い
はシヤツタバネの動作によりケース部材１，２が
削られることによつて生じる切粉が、磁気デイス
ク回転エリア６内に侵入することがない。このた
め、ゴミ、ホコリまたは切粉の付着によるドロツ
プアウトが防止され、の信頼性が向上する。

リブ１２，１３に対する凹凸部の形成箇所は多
い程良く、特にバネ挿入部１４，１５のある隅部
を除く他の三隅部のリブ１２，１３は全て凹凸状
に形成することが望ましい。ただし、ケース部材
１または２に対して磁気デイスク３を挿入して組
立る場合に、ケース部材１または２を傾斜させ、
磁気デイスク３を何れか一箇所の凹凸部に付き当
てるようにすれば、前記凹凸部の個数は１〜３箇
所でもよい。

本考案の効果 以上述べたように、本考案は、一対のケース部
材を組合わせて構成されたケース内に平面状の磁
気デイスクを回転自在に収納して構成され、前記
一対のケース部材の相対向する面上に互いに当接
する外周リブ及び前記磁気デイスク回転エリアを
包囲するリブを設け、前記外周リブの一部に外部
に開く開口部を設けた磁気デイスクカートリツジ
において、前記磁気デイスク回転エリアを包囲す
るリブは、前記開口部に対応する部分では同一高
さで連続させて磁気デイスク回転エリアを前記開
口部から区画するように形成し、他の部分では前
記一対のケース部材間で互いに噛み合う段付状に
形成したことを特徴とするから、組立時における
磁気デイスクの挟込みを防止すると同時に、例え
ばシヤツタ付勢バネ挿入部等のように、外部に開
いている部分を通してゴミ、ホコリ或いは切粉等
が磁気デイスク回転エリアに侵入するのを防止で
きるようにし、組立上及び動作上の信頼性を向上
させた磁気デイスクカートリツジを提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は磁気デイスクカートリツジの外観斜視
図、第２図はその内部構造を示すための要部拡大
断面図、第３図及び第４図はケース部材の内面側
の平面図、第５図は従来の磁気デイスクカートリ
ツジにおける一部の拡大断面図、第６図は同じく
別の従来例における一部の拡大断面図、第７図及
び第８図は本考案に係る磁気デイスクカートリツ
ジにおけるケース部材を内側から見た平面図、第
９図は同じく一部の拡大断面図、第１０図は同じ
くバネ挿入部における拡大断面図である。 １，２……ケース部材、３……磁気デイスク、
１０，１１……外周リブ、１２，１３……リブ、
１４，１５……バネ挿入部、１６，１７……開口
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 一対のケース部材を組合わせて構成されたケ
   ース内に平面状の磁気デイスクを回転自在に収
   納して構成され、前記一対のケース部材の相対
   向する面上に互いに当接する外周リブ及び前記
   磁気デイスク回転エリアを包囲するリブを設
   け、前記外周リブの一部に外部に開く開口部を
   設けた磁気デイスクカートリツジにおいて、前
   記磁気デイスク回転エリアを包囲するリブは、
   前記開口部に対応する部分では前記外周リブと
   同一高さで連続させて磁気デイスク回転エリア
   を前記開口部から区画するように形成し、他の
   部分では前記一対のケース部材間で互いに噛み
   合う段付状に形成したことを特徴とする磁気デ
   イスクカートリツジ。 (2) 前記一対のケース部材の磁気デイスク回転エ
   リア内に磁気ヘツド挿入窓を設け、この磁気ヘ
   ツド挿入窓を開閉するシヤツタを前記ケースに
   装着し、前記一対のケース部材の少なくとも一
   つの隅部に、前記２つのリブによつて形成され
   るシヤツタ付勢バネ挿入部を設け、該バネ挿入
   部を前記外周リブの一部を切欠いて形成された
   開口部を通して外部に連通させ、前記磁気デイ
   スク回転エリアを包囲するリブは、前記バネ挿
   入部に対応する部分で外周リブと同一高さで連
   続させて、磁気デイスク回転エリアを前記バネ
   挿入部から区画するように形成したことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   磁気デイスクカートリツジ。