JPH023916Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、シヤープペンシルとボールペンを
１本の軸筒に構成した複合筆記具の改良に関す
る。

従来、これらの複合筆記具には、一端を回転式
シヤープペンシルとし、他端にボールペン体を取
り付けて構成したもの、あるいは近年これらの回
転式シヤープペンシルに替わつてノツク式シヤー
プペンシルが普及するに至り、一端をノツク式シ
ヤープペンシルとし、他端にボールペン体を取り
付けたものまで種々考案されている。そして、後
者のノツク式シヤープペンシルにボールペン体を
取り付けた複合筆記具にはつぎのような欠点があ
る。ノツク式シヤープペンシルは、芯を保持して
いるチヤツクの軸方向への繰り返しの摺動によつ
て漸次芯が繰り出される訳で、その作動を行なう
押圧ノズが芯タンクの後端に嵌合されて軸の後端
からわずかに突出している。そしてこの芯タンク
の後端にボールペン体を取り付ける構成では、ボ
ールペン体の筆記先端部を直接押圧してシヤープ
ペンシルの芯繰り出しをすることができないため
に、ボールペン体の筆記先端部にノツクカバーを
嵌合させて芯の繰り出しを行なわなければなら
ず、したがつてノツクカバーという部材を必要と
し、しかもボールペンを使用する場合には、その
つどノツクカバーを取り外さなければならないと
いうわずらわしさがあつた。

そこでこの考案は、これら従来の欠点を一端を
ボールペン体の筆記先端部とし、他端をノツク部
としたボールペン体を一体に構成することによつ
て解決したものである。

この考案を図面に基づいて説明すると、第１図
において締具１を外嵌したチヤツク２の後部に芯
タンク３が固着されて筆記作動部が構成されてい
る。ボールペン体４は一端が円錐状の口元部４Ａ
を形成していて、かつ他端が平坦面４Ｂとして構
成され、しかも円錐状の口元部４Ａの基部の外径
４Ｃと、平坦面４Ｂが構成された基部の外径４Ｄ
は同径に構成され、さらに両端よりほぼ中心の位
置には芯タンク３の後部内径より太径の外鍔４Ｅ
が設けられて構成されている。このボールペン体
４の外径４Ｃを芯タンク３の後部内側に嵌合し、
芯タンク３の予備芯収納室を密閉して複合筆記具
が構成されている。。ボールペン体４には円錐状
の口元部４Ａ側からボールペンチツプ５とインク
を貯蔵したレフイール部６とを一体に連結した筆
記部材が圧入されている。又、これとは別にボー
ルペン体４は該ボールペン体４に直接インクを入
れて、その先端にボールペンチツプを圧入した構
成でもよい。このような構成からボールペン体の
任意の位置には空気孔が必要となり、この空気孔
を第２図のように、ボールペン体１４の側部にス
リ割り１４Ａを入れることにより構成すれば、芯
タンク３に嵌合する場合に弾力が得られ、さらに
芯タンク内の芯をボールペン体の中に侵入させな
いためにも非常に効果のある構成となる。

このような複合筆記具を使用する場合、芯によ
る筆記のときはボールペン体の平坦面が外側にく
るよう芯タンクに嵌合して、外鍔を芯タンクの後
端に係止することによつて芯の摩耗による芯の繰
り出し作用は従来のノツク式シヤープペンシルの
ノブと同様に使用することができる。そしてボー
ルペンによる筆記を行なうときは、ボールペン体
を反転して平坦面側を芯タンクに嵌合して外鍔を
芯タンクの後端に係止することによつて、ボール
ペンの筆記部材が外側に突出し、ボールペンによ
る筆記を行なうことができる。又、予備芯を収納
する場合にはボールペン体を外すだけで収納でき
る。

以上説明したこの考案によれば、一本の筆記具
でシヤープペンシルとボールペンの使用ができる
とともに、ボールペンの筆記部材とシヤープペン
シルの芯を繰り出すノブ部とがボールペン体とし
て一体に構成されることによつて部品を少なくで
き、ボールペン体の着脱及び予備芯の収納が簡単
に行なえ、したがつて安価に提供できると同時に
使用者の使用要求に対してスピーデイーな対応が
できるという実用上の効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の複合筆記具の部分縦断面
図。第２図はこの考案のボールペン体を示す平面
図。 １……締具、２……チヤツク、３……芯タン
ク、４，１４……ボールペン体、４Ａ……ボール
ペン体４の口元部、４Ｂ……ボールペン体４の平
坦面、４Ｃ……ボールペン体４の口元部の外径、
４Ｄ……ボールペン体４の平坦面の外径、４Ｅ…
…ボールペン体４の外鍔、１４Ａ……ボールペン
体１４のスリ割り、５……ボールペンチツプ、６
……レフイール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チヤツク２と、チヤツク２に外嵌されチヤツク
   ２の開閉を行なう締具１と、チヤツク２の後部に
   固着された芯タンク３とによりノツク式シヤープ
   ペンシルを構成するとともに、一端を円錐状の口
   元部４Ａとし他端を平坦面４Ｂとしたボールペン
   体４の、口元部４Ａの基部の外径４Ｃ及び平坦面
   ４Ｂを構成する基部の外径４Ｄを芯タンク３の後
   部内径とほぼ同径に構成して、芯タンク３の後部
   内側に前記両基部の外径４Ｃ，４Ｄをいずれも着
   脱可能に嵌合できるように構成し、かつ前記口元
   部４Ａの基部の外径４Ｃと平坦面４Ｂを構成する
   基部の外径４Ｄの間に芯タンク３の後部内径より
   太径の外鍔４Ｅを形成し、芯タンク３の後部内側
   にボールペン体４の口元部４Ａの基部の外径４Ｃ
   を嵌合した時、ボールペン体４の外鍔４Ｅが芯タ
   ンク３の後端に係止されるとともに、ボールペン
   体４により芯タンク３の予備芯収納室が密閉さ
   れ、ボールペン体４の平坦面４Ｂを押圧すること
   により、前記ノツク式シヤープペンシルの芯タン
   ク３及びチヤツク２が前進して漸次芯が繰り出さ
   れるように構成したことを特徴とする複合筆記
   具。