JPH0235896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便器用水タンクの排水弁装置に関
する。

本考案の排水弁装置は、特開昭57−165544号公
報に基本的構造は示されているが、周囲に通孔を
有し弁座３を備えかつ水タンクの底４に固定され
る支持筒２と、支持筒の上端に連結され、円筒内
壁６と円筒外壁７および小孔８付の底壁９で浮子
室１０を構成する内筒１１と、この内筒の円筒外
壁を囲んで下端が支持筒に固定されかつ側方流入
口を有しこれを開閉するフラツプ弁を回動自在に
取付けた節水筒と、内筒の円筒内壁を貫ぬいて延
び、下端に弁座と協働する弁板１６を備えた操作
管１７と、操作管に固定されたストツパ１８と、
浮子室の中に配置された浮子１９とからなり、操
作管およびフラツプ弁は夫々玉鎖を介してタンク
のハンドル装置に連結され、ハンドル装置の操作
で大洗浄のときは操作管だけを、又小洗浄のとき
は操作管とフラツプ弁の両方を作動するようにな
つている。水タンクの満水時にはその水位は操作
管の上端から幾分下の位置にあり、従つて排水弁
装置は全体が水没することになる。大洗浄に当つ
て、ハンドル装置の操作で操作管を引き上げる
と、弁板がその弁座から離れて開弁し、浮子は操
作管に固定されているストツパの上方への移動に
追従し浮子室内の水中を浮上して弁板を開位置に
保つ。弁板の開放によりタンク内の水は、その水
位が節水筒の流入口の下縁に達するまで、内筒の
との間の流路および節水筒の流入口を通つて出口
管へ多量に排出される。一方タンク内の水位が内
筒の上縁に達した後の浮子室内の水位は、内筒の
底壁にある小孔により水の流出が制限されてるた
めに、ゆつくりと下がり、これに伴つてゆつくり
と下降する浮子はストツパを介して操作管の下降
を制御し、従つて弁板がゆつくりと弁座に近づい
てついにはこれを閉じる。水タンクがボールタツ
プ（図示せず）により再び給水されると先に述べ
た水位を回復する。小洗浄は、ハンドル操作で操
作管を引き上げて弁板をその弁座から離して開弁
し、同時にフラツプ弁を上方に回動させて節水筒
の流入口を閉じることによつて行なわれる。弁板
の開弁により、タンク内の水はその水位が節水筒
の上縁に達するまで内筒の円筒外壁と節水筒との
間の流路を通つて出口管へ排出され、その際、フ
ラツプ弁は流路内を通る水流により節水筒の内側
と外側との間に生ずる圧力差によつて節水筒の流
入口に圧接されて閉弁状態に維持される。タンク
内の水位が節水筒の上縁に達した後節水筒内の水
が流出すると今度は、節水筒の囲りの水の水圧で
フラツプ弁は流入口に圧接されて閉弁状態に維持
される。尚弁板の閉弁動作は、先は大洗浄の際に
述べたのと同じである。タンクへの給水で排水弁
装置が水没すると、節水筒の内側と外側との水圧
が等しくなるため、フラツプ弁はその錘の作用で
下開きして節水筒の流入口を開く。

ところで、この種の排水弁装置の内筒と支持筒
の連結構造では、弁板が損耗したり破損した場
合、弁板の交換や修理のために内筒を支持筒から
迅速かつ確実に取外すのは必ずしも容易ではなか
つた。

本考案の目的は、かかる欠点に鑑み、内筒を支
持筒に確実に固定すると共に容易にかつ確実に取
付け取外すことができるような内筒と支持筒の連
結構造を提供するにある。かかる目的は、内筒の
下部と支持筒の上部とにそれぞれ互いにぴつたり
と嵌り合うような環状壁を一体に形成し、これら
の環状壁のうちの一方には凹部を設け、他方の環
状壁には、前記凹部内に密着係合するようになつ
た突起部を設けることによつて達成される。上述
の連結構造によつて、内筒を支持筒から容易にか
つ確実に取外すことができ、他方、支持筒に対す
る内筒のぐらつきもなくなる。

添付図面を参照して、本考案の実施例を説明す
ると、第１図には本考案に従つて互いに連結され
たそれぞれプラスチツク製の内筒１１と支持筒２
とが示してある。第２Ａ図に詳細に示すように、
内筒１１の下部には、大径フランジの形態の所定
高さの環状壁３１が一体に形成してあり、この環
状壁にはその直径方向に対向し、下方に開口した
２つの凹部３０，３６が設けてある。凹部３０
は、入口部分５０と、該入口部分から右方に連続
的に形成されたほぼ円形の部分３２とから成り、
該円形部分の下側の輪郭の一部は環状壁３１の一
部をなす戻り止め３４によつて構成されている。
戻り止め３４の働きについては後述する。凹部３
６は凹部３０と同一であり、環状壁３１の円周方
向において同じ向きに設けられている。

第２Ｂ図を参照すると、支持筒２の上部には、
環状壁３１の高さとほぼ等しい高さの環状壁４４
が設けてあり、この環状壁４４の外径は内筒１１
の環状壁３１の内径とほぼ等しいかあるいはこれ
よりもほんの僅か小さいのが良く、したがつて内
筒１１と支持筒２とを互いに嵌めることができ
る。環状壁４４には、その直径方向両側に、外方
に突出した同一の２つの突起部４０，４２が設け
られており、この突起部は、環状壁３１の凹部３
０の円形部分３２の直径とほぼ等しい直径のもの
である。第２Ｂ図に示すように環状壁４４の下端
には補強フランジ４５が設けてあるが、これは本
考案にとつて本質的ではない。

内筒１１を支持筒２に嵌める手順を説明する
と、まず、内筒１１に操作管１７を通した状態
で、内筒１１の凹部３０，３６の入口部分５０と
支持筒２の突起部４０，４２とを整合させて内筒
１１を支持筒２に押し下げて、これらを嵌合させ
る。次に内筒１１を支持筒２に対して時計方向に
回し、突起部４０，４２が内筒１１の環状壁３１
の戻り止め３４に係合すると、これらが戻り止め
３４を越える程度の力を加えて、突起部４０，４
２を凹部３０，３６の円形部分３２内に導入して
密着係合させる。戻り止め３４は、突起部４０，
４２を凹部の円形部分３２内にしつかりと保持す
るのに役立ち、これによつて内筒１１は支持筒２
にしつかりと連結されてぐらつくことはない。内
筒１１を支持筒から取外すには、上述した手順の
逆の操作を行なう。本考案によれば、内筒と支持
筒の連結は確実でガタつきもなく、また、容易か
つ確実に、さらに迅速に内筒と支持筒との嵌合及
び取外しを行なうことができる。

本実施例では、内筒及び支持筒の環状壁にそれ
ぞれ、２つの凹部及び突起部を設けたが、それ以
上あるいは１ケの凹部及び突起部を設けてもよ
く、また、逆に内筒の環状壁に突起部を設け、支
持筒の環状壁に凹部を設けてもよいのは明らかで
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による内筒と支持筒の連結構
造を示す排水弁装置の縦断面図である。第２Ａ図
及び第２Ｂ図は、本考案による内筒および支持筒
の斜視図である。 １１……内筒、２……支持筒、３０……凹部、
４０，４２……突起部、３１……内筒環状壁、４
４……支持筒環状壁、３４……戻り止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水タンクの底に固定され弁座を備える支持筒
   と、円筒内壁と円筒外壁および小孔を有する底壁
   で浮子室を構成する内筒と、内筒の円筒内壁を貫
   ぬいて延び下端に弁座と協働する弁板を備えた操
   作管と、操作管に固定されたストツパと、浮子室
   の中に配置された浮子とを有する水洗便器用水タ
   ンクの排水弁装置において、内筒の下部と支持筒
   の上部とにそれぞれ所定高さの環状壁を一体に形
   成し、これらの環状壁のうちの一方の突起部を設
   け、他方の環状壁には前記突起部を受け入れるよ
   うになつた部分を有する凹部を設け、さらに前記
   他方の環状壁には、前記突起部を前記部分内にし
   つかりと保持するための戻り止めを設けたことを
   特徴とする内筒と支持筒の連結構造。