JPH0234488Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は可撓性接合構造体をロツクすること
及びそのためのフアスナクリツプに関するもので
ある。

現代の家具部品間のような多くの接合部は現在
隠された機械的コネクタによつて締結される。こ
れらの隠されたフアスナの多くはキー穴形スロツ
トとスタツド状フアスナを使用する。一般に、こ
のタイプの家具締結方式は接合されるべき家具部
材の端縁に沿つて短い凹入区域を含む。フアスナ
又はクリツプは一方の家具部材の凹入区域中に装
着され、スタツドは他方の家具部材上に装着され
る。フアスナはスロツト中でスタツドの頭部と滑
動可能に係合し、ついでスタツドを着座させて別
個の家具部材と強固に係合する。

このようなフアスナ又はクリツプの従来の一形
態においては、フアスナの直線状のロツクフラン
ジが着座位置にあるスタツドに当接するように配
置される。スタツドがスロツトを通過するとき、
スタツドはロツクフランジを偏向させてスタツド
がその着座位置に達するようにするる。

ロツクフランジはついで定位置へはね返り、こ
れによりスタツドがスロツトからはずされるのを
防止する。このようなロツクフアスナの例はE.J.
Ostlingの米国特許第3491820号及びR.M.Welchの
米国特許第3996718号に示されている。

これらのフアスナは良好に機能しかつ破壊行為
を受けやすい用途におけるような環境に対して、
家具部品の永久的な、しかも隠された結合部を与
える。

通常、このタイプのロツクフアスナクリツプは
平らなシートメタルブランクから製造され、スロ
ツトが切り込まれ、ついでフアスナが所望形状に
曲げ加工される。それまでにスロツトを充填して
いた充分の材料がロツクフランジを与える。この
ように形成されると、ロツクフランジはスロツト
と同一の形状及び幅を有するが、ロツクフランジ
の端は直線端縁に切断されている。

ある用途において、この従来形のロツクフラン
ジですべり問題が起こつた。そのようなフアスナ
で形成された接合部が十分な力または圧力を受け
ると、ロツクフランジはスロツト中のスタツド頭
部に押しつけられる。接合部に加えられる圧力が
存続すると、ロツクフランジは曲げられかつスタ
ツド頭部の側面に沿つてスロツトの方へすべる。
ロツクフランジはスロツトと同一の幅を有するか
ら、ロツクフランジはスロツトを通して押し上げ
られ、特にフアスナが木材接合部に使用されると
き、スタツドの頭部の下にくさび状に押圧され
る。この結果として接合部に相当な遊びが生じ、
接合部はゆるみ、締まりがなくなり、実質的に弱
化される。

したがつて、すべり、ゆるみおよび／または弱
化を生じることなく応力や力に耐えうるところの
フアスナクリツプ及びこれを組込んだ接合部に対
する要望が存在した。しかしながら、そのような
クリツプは複雑または高価でなく、急速な大量生
産が可能であり、しかも強力で耐久性があること
が所望された。

したがつて、本考案は、接合構造体用の強力
で、耐久性があり、ソリツドでかつすべり止め結
合部を与えるところのロツクフアスナクリツプを
提供するものである。

本考案の一実施態様において、接合構造体中に
使用するためのクリツプが提供される。このクリ
ツプはワンピースプレートでありかつクリツプを
接合構造体中に固着するための端フランジ機構を
有する。このフランジ機構の平面から離間した所
に中央部分があり、接合機構が端フランジ機構を
中央部分に接合している。中央部分は固着用スタ
ツドの頭部を受入れるためのスロツト付き機構を
有し、閉端および固着用スタツドの頭部を着座さ
せるための着座機構を備えたスロツトを含む。ス
タツドがスロツトに沿つて閉端の方へ移動させら
れるとき固着用スタツドを下方へ引張るために傾
斜機構が含まれている。スロツト付き機構にある
角度をなしてロツクフランジが延在する。ロツク
フランジは固着用スタツドの頭部の厚さよりも小
さい距離の所で着座機構に隣接してロツク端で終
わる。

ロツク端は着座区域におけるスロツト付き機構
の幅よりも広い。したがつて、固着用スタツドの
頭部は、スロツトの閉端の方へ移動するとき、ロ
ツク端を押し下げて通過することができるが、閉
端から移動するときロツク端を通過して戻ること
を防止される。スロツト中を通るロツク端のすべ
りは特に力または圧力が接合部に加えられるとき
に防止される。クリツプが使用されるところの接
合部におけるすべり及び／又は接合部のゆるみは
効果的に低減及び／又は防止される。

別の実施態様において、上述したフアスナはロ
ツクフランジを欠いている第二のフアスナと二重
クリツプ形態に結合される。この二重フアスナを
担持する家具部材は２つのスタツドを担持する家
具部材によつて係合され、各スタツドは二重フア
スナの一部分のスロツトと係合する。このような
二重フアスナ方式は、二重フアスナが２つの離間
点において係合されるために、結合スタツドを中
心とする回動を防止する。

さらに別の実施態様において、上述したような
広げられたロツクフランジを含むフアスナクリツ
プはロツクフランジを欠いている第二のロツクフ
アスナと二重クリツプ形態に一体に結合される。
第二のフアスナはスロツトの自由端から閉端の方
へ内方にテーパするスロツトを有する。スロツト
の閉端は第二のスタツドを着座させるために広げ
られた区域を有する。この二重フアスナクリツプ
を担持する家具部材が２つのスタツドを担持する
家具部材と係合するとき、フアスナは上述したよ
うにスタツドを中心とする回動を防止し、第二の
クリツプのテーパスロツトが追加のロツク力を与
えてそれぞれのスロツトからのスタツドの移動を
防止する。

本考案は又自由端を有する成形タブを金属ブラ
ンク中に切り分けることにより製造される。ブラ
ンクは、固着用フランジと、前記固着用フランジ
に接合されかつ前記タブの少なくとも一部分の外
形によつて画定されかつ前記自由端よりも狭いス
ロツト部分を有するスロツトを含む***中央部分
とを形成するために、曲げ加工される。曲げ加工
は又、成形タブを前記スロツトに対してある角度
で配置し、その自由端を前記狭いスロツト部に直
接に隣接させてロツクフランジを形成することを
含む。

本考案のこれら及び他の目的、利点及び特徴は
図面と関連する以下の説明からさらに明らかにな
るであろう。

第１図は本考案を実施する単一ロツクフアスナ
又はクリツプ１０を示す。クリツプ１０は２つの
フランジ１１，１２に結合された頂壁又は中央部
分２０を含む。ロツクフランジ４０がフランジ１
１から頂壁２０にある角度をなして頂壁２０の下
へ内方に延在し、スロツト２４の少し下方の、頂
壁２０のスロツトの閉端に隣接する点で終わつて
いる。第６図に見られるように、クリツプ１０は
第一の家具パネル５０中の凹部５２内に装着する
のに適応し、スタツド６０が第二の家具パネル５
１に打ち込まれている。スタツド６０の頭部はス
タツド６０をロツクフランジ４０上へ通してこれ
を押し下げることによつてクリツプ１０のスロツ
ト２４中に係合させられる。ロツクフランジ４０
ははね返り、スタツド６０がクリツプ１０のスロ
ツトを通つて逆戻りするのを防止し、家具部材間
に強固な接合部を与える。もちろん、クリツプ１
０は部材５１のような接合部材の無凹部表面上に
装着してもよく、この場合には対立スタツドが、
凹部５２のような、対向接合部材の凹部中に配置
される。その場合には凹部５２はクリツプ１０が
入つてスタツドと係合するようにするために幾分
長くしなければならない。

クリツプ１０は端フランジ１１，１２を有し、
フランジ１２は穴１４を有する。***中央部分す
なわち頂壁２０はクリツプの一端において直立端
壁１５に接合され、その他端には２つの離間した
直立脚部１６，１７が設けられている。端フラン
ジ１２は端壁１５の底部分と接合している。直立
脚部１６，１７は端フランジ１１に接合された直
立壁部分１８と一体に形成されている。頂壁２０
と直立端壁１５との間に角部２１が形成されてい
る。直立脚部１６と頂壁２０との間に角部２２が
形成されている。さらに別の角部２３が直立脚部
１７と頂壁２０との間に形成されている。

スロツト２４は直立脚部１６，１７によつて一
部が形成されている。スロツト２４は角部２１の
近くの頂壁２０の中央部分中へ延在する。スロツ
ト２４は直立壁部分１８の頂部と、直立脚分１６
の内縁と、内方傾斜面２９と、内方傾斜３１と、
傾斜側面又はくさびフランジ２６、端受入部分２
５と、傾斜側面またはくさびフランジ２７と、内
方傾斜面３０，３２と、直立脚部１７の内縁とに
よつて画定されている。かくしてスロツト２４は
３つの部分を有する、すなわち、開口２４ａを有
し、この開口は拡大直接チヤンネル２８と連通
し、このチヤンネルは閉端受入または着座部分２
５に配置された狭いチヤンネル３３と連通する。

頂壁２０の狭いチヤンネル３３は、傾斜した、
平行なくさびフランジ２６，２７によつて形成さ
れた下方に延在するくさび部分を有する。

くさび形表面は拡大中間チヤンネル２８からス
ロツト２４の閉端２５までフランジ１１，１２の
平面に向つて下方へ傾斜している。閉端受入部分
又は着座区域２５は頂壁２０に平行であるが、こ
れから下方に離間されている。

クリツプ１０は一体に形成されたロツクフラン
ジ４０を有し、このロツクフランジはクリツプ形
成時にクリツプから切り離されたものである。ロ
ツクフランジ４０は直立壁部分１８の頂部から延
在しかつ頂壁２０及びスロツト２４に関して上方
に曲がつている。ロツクフランジ４０は内方に傾
斜した表面４２，４３を有し、これによりロツク
フランジ４０の端部が狭い区域４４に縮小されて
いる。ロツクフランジ４０はクリツプ１０の形成
時にスロツト２４から切り離されるから、狭い区
域４４は拡大中間チヤンネル２８の幅に対応する
幅を有する。

ロツクフランジ４０の自由端は切断されて平ら
な端部分４５を与え、この部分も拡大中間チヤン
ネル２８と同一の幅を有する。クリツプ１０が形
成された後、端部分４５はスロツト２４の少し下
方に配置されかつ狭いチヤンネル３３に隣接し
て、端受入部分２５の一端縁と垂直整合してい
る。端部分４５は固着用スタツド頭部の厚さより
も小さい距離だけスロツト２４の下方に離間され
ている（第５，６図参照）。

クリツプ１０を直立壁部分１８なしに形成する
ことが可能である。その形態においては、ロツク
フランジ４０は端フランジ１１の一端縁から延在
する。好適実施態様におけるように、ロツクフラ
ンジ４０は最終的には端フランジ１１から延在す
るが、改変実施態様においては、ロツクフランジ
４０は直立壁部分１８の頂縁の代りに端フランジ
１１から直接に延在する（例えば第１１図参照）。

第７〜１２図に示された別の実施態様におい
て、二重クリツプ１０′は上述したロツククリツ
プ１０ａを含みかつ第二のクリツプ１０ｂと結合
され、家具部材を２つの離間した点において結合
するようになつている。この実施態様において
は、第の***中央部分２０ａが端フランジ１２ａ
及び中央フランジ１１ａに結合されている。上述
したように、第一の中央部分２０ａは直立端壁１
５ａによつて端フランジ１２ａに結合されかつ他
端において２つの離間した、直立脚部１６ａ，１
７ａによつて中央フランジ１１ａに結合されてい
る。頂壁２８は脚部１７ａ，１６ａ間のスペース
から開口する拡大区域を有するスロツト２４ａ、
中間幅チヤンネル２８ａおよび狭幅チヤンネル３
３ａを担持する。

ロツクフランジ４０ａは、脚部１６ａ，１７ａ
が延在するところの中央フランジ１１ａの端縁か
ら直接に延在し、かつ端受入部分２５ａの一端に
おいて狭いチヤンネル３３の少し下方で終わつて
いる。第円の***中央部分２０ｂが中央フランジ
１１ａ及び第二の端フランジ１２ｂに結合されて
いる。第二の中央部分２０ｂは第一の中央部分２
０ａと同一の平面内にある。中央部分２０ｂは一
端において直立端壁１５ｂに、他端において２つ
の離間した直立脚部１６ｂ，１７ｂに結合されて
いる。直立端壁１５ｂは、直立脚部１６ａ，１７
ａが接合されている側と反対の中央フランジ１１
ａの側において、その底部分が中央フランジ１１
ａと接合されている。直立脚部１６ｂ，１７ｂは
直立壁部分１８ｂと一体に形成され、直立壁部分
１８ｂは端フランジ１２ｂに接合され、端フラン
ジ１２ｂは穴１４ｂを有する。

スロツト２４ｂは直立脚部１６ｂ，１７ｂによ
つて一部が形成されている。このスロツト２４ｂ
は頂壁２０ｂの中央部分中へ延在する。スロツト
２４ｂは直立壁部分１８ｂの頂部と、直立脚部１
６ｂの内縁と、内方傾斜面２９ｂ，３０ｂと、端
受入部分２５ｂと、傾斜くさびフランジ２６ｂ，
２７ｂと、直立脚部１７ｂの内縁とによつて画定
されている。

頂壁２０ｂ中のスロツト２４ｂの外側開放部分
は傾斜くさびフランジ２６ｂ，２７ｂによつて形
成された、下方に延在するくさび部分を有する。
くさび形表面はスロツト２４ｂの開端から閉端ま
でフランジ１１ａ，１２ａの平面に向つて下方へ
傾斜している。端受入部分２５ｂは頂壁２０ｂに
平行であるが、これから下方に離間されている。

第８Ａ図に示された本考案のさらに別の実施態
様においては、二重フアスナクリツプ１１は上述
したロツク部分１０ａ（図示されていない）、及び
テーパスロツト２４ｃを有する第二の***中央部
分１０ｃを有し、テーパスロツト２４ｃはその中
に位置するスタツドを部分的にロツクする。この
実施態様において、傾斜くさびフランジ２６ｃ，
２７ｃは、フランジ１１ａ，１２ｃの平面に向つ
て下方へ傾斜するのに加えて、互いの方へ内方に
テーパしてスロツト２４ｃの正規幅を３４ｃ，３
５ｃにおける最小幅の所まで低減している。この
点において、スロツト幅は急に広くなつて端壁２
５ｃで終わる増大幅の拡大着座区域３３ｃを形成
している。くさび形フランジ２６ｃ，２７ｃは最
小幅の所で肩部３４ｃ，３５ｃを形成し、これら
の肩部はスロツトの端にデテントを与えている。
くさびフランジは、固着用スタツド６０がスロツ
ト２４ｃの開端から閉端まで縦方向に押圧される
とき、カム作用で離される。

スタツド６０が肩部３４ｃ，３５ｃの最小幅の
所を通り過ぎると、側部がそれらの正規位置へ急
速に復帰し、スタツドが肩部後方の定位置にロツ
クされる。これは、肩部３４ｃ，３５ｃを通して
スタツドを押し戻すために十分な力が発生されな
い限り、スロツト２４からのスタツドの不意の分
離を防止する。

第６図に示された、好適実施態様の接合構造体
はクリツプ１０、第一のパネル５０及び第二のパ
ネル５１を含む。家具パネル５０，５１は好適に
は木製部材であるが、本考案の接合構造体は金属
製部材であるパネル５０，５１を含みうる。第一
のパネル５０の端縁に凹部５２が形成され、その
中にクリツプ１０が配置されている。リツプ５６
は接合構造体が組立てられたときクリツプ１０を
隠す。木ねじ５３，５４がクリツプ１０を第一の
パネル５０に取付けるために使用されている。

肩部付き木ねじ又はスタツド６０が第二のパネ
ル５１の側面に固定されている。肩部付き木ねじ
６０は頭部６１及び肩部６２を有する。頭部６１
はスクリユウドライバと係合するためのスロツト
のような手段を有し（図示されていない）、肩部
付き木ねじ６０が第二のパネル５１中に容易に締
結されるようになつている。

２つのパネルは頭部６１をスロツト２４に挿入
することによつて強固に締結される。第一のパネ
ル５０はついで第６図で見て第二のパネル５１に
対して右方へ押される。スタツド６０はスロツト
２４の中央チヤンネル２８中を通つて狭チヤンネ
ル３３に入り、その間内方傾斜面２９，３０，３
１，３２に入り、その間内方傾斜面２９，３０，
３１，３２がスタツド６０の心出しをする。左方
へのスタツド６０の相対移動によりロツクフラン
ジ４０が下方へ押されて頭部６１が端受入部分２
５に達する。この時点において、フランジ４０は
第３図に示されたその正規位置に戻つてスタツド
６０をスロツト２４中の定位置にロツクする。

第１２図に示された、二重フアスナクリツプ１
０′を有する第二の実施態様の接合構造体におい
ては、２つの離間した肩部付きねじ６０が第二の
パネル５１の側面に固定される。クリツプ１０′
はねじ５３，５４，５５によつてスロツト５２の
底部に取付けられ、ついで２つのパネルが肩部付
きねじ６０の一方の頭部６１をスロツト２４ａ
に、他方の頭部６１をスロツト２４ｂに挿入する
ことによつて強固に締結される。

第一のパネル５０がついで第二のハネル５１に
対して右方へ押されるとき、くさび面２６ａ，２
７ａ，２６ｂ，２７ｂに肩部付きねじ６０の両頭
部をスロツト２４ａ，２４ｂに引き込み、２つの
スタツドが端受入部分２５ａ，２５ｂに受入れら
れるようになる。ロツクフランジ４０ａは上述し
たように動作し、傾斜くさびフランジが第一及び
第二のパネル５０，５１を緊密に引き寄せる。

接合構造体はクリツプ１０′を離間点に配置さ
れた２つの肩部付きねじ６０と結合することによ
つて締結されるから、クリツプ１０′は単一肩部
付きねじ６０のまわりで回動することができな
い。この接合構造体はロツクされかつ増大した支
持強度を与える。

テーパスロツト２４ｃを利用する第三の実施態
においては、クリツプと２つの肩部付きねじ６０
は上述したように組立てられる。肩部付きねじ６
０が端受入部分２５ｃに着座すると、内方にテー
パした、傾斜くさび面２６ｃ，２７ｃがスロツト
２４ｃからの頭部６１の引き出しを防止する。し
たがつて、ロツクフランジ４０とくさびフランジ
２６ｃ，２７ｃが結合して、クリツプ部分１０ａ
においてスタツドによつて与えられるロツク力に
加えて、クリツプ１１にロツク力を与える。

上述したクリツプのどれでも使用する第７，１
２図に示された接合構造体はすべて、接合構造体
の一方の部材又はパネルに力が加えられることに
よつて起こる前述した従来の接合部すべり問題を
克服する。第６Ａ，６Ｂ，６Ｃ図に示されている
ように、パネルの一方に十分な力が加えられて、
肩部付きねじがスロツトの開端の方へかつロツク
フランジの方へ押圧された場合には、従来技術の
ロツクフランジは肩部付きねじの頭部にきつく押
しつけられた。力が継続又は増大された場合に
は、ロツクフランジの端は実際に肩部付きねじの
頭部の側面に沿つて上へすべり、肩部付きねじの
頭部と肩部との間に入つてその凹部中のシヤンク
に当接する。

かくしてフランジは上方へ回転し（第６Ａ，６
Ｂ図参照）、肩部付きねじのシヤンクと肩部との
間の角部において、その端がねじのシヤンクに当
接して静止する。

第６Ｂ，６Ｃ図に示されているように、上記の
ように力が加えられたときの接合部における変位
の量は、従来技術のロツクフランジの回転に起因
する第６Ｂ図に示されたＸ、すなわち、ロツクフ
ランジの端の位置の差の投影と、距離Ｙ、すなわ
ち、肩部付きねじの頭部と、頭部と肩部間のその
結合シヤンクとの間の直径の差との和である。第
６Ｂ，６Ｃ図からの距離Ｘ＋Ｙは実際に接合部材
の実際の直径に依存して0.1〜0.2インチ（2.5〜
5.1mm）にもなりうる。その結果として、接合部
材の接合のずれが非常に見苦しくなり、接合部の
ゆるみを可能にしかつある用途では構造的に不安
定になつた。

しかしながら、本考案は、第７，１２図に示さ
れているようにロツクフランジ４０の端部分４５
が狭チヤンネル３３よりも広いために、上述した
すべり問題を克服する。かくして、肩部付きねじ
６０の頭部６１によつてかなりの圧力がロツクフ
ランジ４０に加えられるときでも、端部分４５は
スロツト２４を通過するのを防止される。かくし
て、ロツクフランジが狭いスロツト部分を通過す
ることができず、ねじしたがつて接合部の両パネ
ルを所望位置に保持するから、接合部の不整合、
ゆるみ及び構造不安定性は防止される。

上述したように、単一クリツプ１０の好適実施
態様は1.921インチ（48.8mm）の総合長さ、0.356
インチ（9.0mm）の総合高さ、1.515インチ（38.5
mm）の固着用穴１３，１４の中心間隔を有し、
0.05±0.002インチ（1.3±0.05mm）の厚さを有す
るAISI1050焼鈍ばね鋼から形成されている。ロ
ツクフランジ４０はフランジ１１，１２の平面か
ら19.5度の角度をなしかつ狭いロツク区域がロツ
クフランジ４０の長さに沿つて0.25インチ（6.4
mm）延在する。スロツトの狭い着座区域の幅は
0.17インチ（4.3mm）であり、中間区域の幅は
0.227インチ（5.8mm）であり、開端の幅は0.314イ
ンチ（7.9mm）である。ロツクフランジ４０はス
ロツト２８から切り離されているから、ロツクフ
ランジはスロツトの対応区域と実質的に同一の幅
を有するが、切削工程における材料の小損失がロ
ツクフランジの幅を低減しうる。

二重クリツプ実施態様は3.437インチ（87.3mm）
の総合長さを有するが、上記寸法の残りは二重ク
リツプのロツク部分に関して同一である。

クリツプの可撓性は第５図に誇張して示されて
いる。クリツプの最弱部分は角部２２，２３であ
る。したがつて、ねじ６０とクリツプ１０との間
の力が増大すると、頂壁２０は第５図に示すよう
に外方へ曲がる傾向になる。第５図の点線は正常
部分を示す。この曲がり動作中、角部２２，２３
がつぶれ、脚部１６，１７が内方へたわむ。直立
壁１５及び角部２１はソリツド部材でありかつ直
立脚部１６，１７の総合幅よりも大きい幅を有す
るから、角部２１又は直立端壁１５におけるクリ
ツプの可撓性は実質的に存在しない。主要荷重及
びクリツプの強度は大きい程度まで直立端壁１５
及び角部２１に存在するから、それは望ましい状
態である。かくして、クリツプの可撓性はねじ６
０が組立て接合部に存在するところの最大応力の
区域から最も遠くに離間されている。もちろん、
この可撓性は単一クリツプ１０及び二重クリツプ
１０′，１１を含むクリツプのすべてに存在する。

本考案の可撓性クリツプは家具接合部のような
接合部を強固に締結するための強力クリツプを与
える。しかしながら、このクリツプは接合部の強
固な締結特性を失なうことなく木製部材の膨張・
収縮を可能にするのに十分な可撓性を与える。

可撓性がほとんど又は全く存在しないところの
他のクリツプにおいては、ねじは木材膨張中木材
から引き出されまたは木材乾燥中接合部が非常に
ゆるくなる。

ある用途では第一のパネル５０及び第二のパネ
ル５１は金属パネルであり、これにクリツプ１０
とスタツド６０が金属ねじ、スタツド溶接その他
の方法で取付けられる。この一般的性質のクリツ
プ及び接合構造体の記載は1970年１月27日にE.J.
Ostlingに許可された米国特許第3491820号に含ま
れている。

単一クリツプ１０は適正な厚さを有する平らな
金属材料又は平棒から細長いクリツプブランクを
最初に切断又はプレス加工することによつて製造
される。ついでスロツト２４及びフランジ穴１
３，１４が平らなブランクに切り込まれ又はプレ
ス加工され、あるいは最初の切断工程と同時に切
り込まれる。スロツト２４を切り込む工程はスロ
ツトの形状に対応する形状を有するタブを形成
し、したがつてタブは狭い自由端、中間区域及び
タブをブランクの残部に結合する広端を有する。
第１３図に示されているように、タブの狭い自由
端はついで平坦端部分４５を与えるために切り取
られる。狭い自由端は又最初のスロツト切込み工
程中に切り取られうる。ついでブランクは第１３
図の横点線に沿つて標準金属曲げ加工技術で直角
に曲げられて***中央部分２１、端フランジ１
１，１２、壁１５及び直立脚部１６，１７を形成
する。ロツクフランジ４０も又曲げ加工されかつ
端フランジの平面から上向き角度をなして延在す
るように配置され、これによりロツク端４５がス
ロツト２４の直下にありかつスロツト２４の狭端
の下に整合させられる。

二重クリツプの形成においては、同一工程が上
述したように追従されるが、この場合には、細長
いブランクが使用されかつスロツト切込み工程
中、第１４図に示されているように、細長い開口
２４ｂもまた細長いブランクにブランクの他端に
隣接して切り込まれる。ブランクが第１４図の点
線に沿つて曲げ加工されるとき、第二の***中央
部分２０ｂ及び中間フランジ１１ａがクリツプに
曲げ加工される。第二の中央部分は一般に第一の
中央部分と同一平面内にあり、中間フランジは前
述したように２つの中央部分間に配置されてい
る。中央部分２０ｂは、第二の開口２４ｂが中央
部分２０ｂ、直立脚分１６ｂ，１７ｂ及び直立壁
部分１８ｂによつて画定されるように曲げ加工さ
れる。

以上の説明及び図面は好適実施態様のものであ
り、本考案の精神から離脱することなしに、異な
る材料又はクリツプを家具パネルに取付けるため
の異なる方法のような、種々の変更又は改変がな
されうることが理解されるべきである。したがつ
て、以上の説明において図面に示された実施態様
は実用新案登録請求の範囲によつて規定されると
ころの本考案の範囲を限定することを意図したも
のでないことが理解されるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施する単一ロツククリツプ
の斜視図である。第２図は第１図のクリツプの平
面図である。第３図は第２図の−線断面図で
ある。第４図は第１〜３図のクリツプの端面図で
ある。第５図は第１〜４図のクリツプを含む接合
構造体の部分拡大側面図である。第６図は第１〜
５図のクリツプを組込んだ接合構造体の側面図で
ある。第６Ａ図は従来周知のクリツプを組込んだ
従来技術接合構造体の側面図である。第６Ｂ図は
第６Ａ図に示された従来周知のロツクフランジの
回転に起因する接合部の総合すべり量の一部分の
略図である。第６ｃ図は肩部付きねじの頭部とシ
ヤンク部分間の直径の差に起因するすべり量を示
す通常の肩部付きねじの側面図である。第７図は
本考案を実施する二重フアスナクリツプの一形態
の斜視図である。第８図は第７図の二重フアスナ
クリツプの平面図である。第８Ａ図は本考案を実
施する二重フアスナクリツプの別の実施態様の部
分平面図である。第９図は第７，８図の二重クリ
ツプの端面図である。第１０図は第８図の−
線断面図である。第１１図は第８図のXI−XI線断
面図である。第１２図は第７〜１１図のロツクフ
ランジを備えた二重クリツプを含む接合構造体の
側面図である。第１３図は本考案を実施する単一
フアスナクリツプに曲げ加工する前の、切断後の
平らな金属ブランクの平面図である。第１４図は
本考案を実施する二重フアスナクリツプに曲げ加
工する前の、切断後の平らな金属ブランクの平面
図である。 １０……クリツプ、１１，１２……フランジ、
１８……壁部分、２０……頂壁、２４……スロツ
ト、２５……端受入部分、２６，２７……くさび
フランジ、３０，３２………傾斜面、３３……狭
チヤンネル、４０……ロツクフランジ、４２，４
３……傾斜面、４４……狭区域、４５……端部
分、５０，５１……家具パネル、５２……凹部、
６０……スタツド、６１……頭部、６２……肩
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 接合構造体中に使用するためのクリツプにお
   いて、 前記クリツプを接合構造体に固定するための
   端フランジ機構を有するワンピースプレート
   と、 前記端フランジの包括平面から離間した平面
   に延在し、前記フランジ機構と接合するための
   接合機構を有する第１の中央部分と、 一端が閉じられた狭幅スロツト区域とこれに
   連接する隣接スロツト区域とを有し、さらに該
   狭幅スロツト区域の一部を含み、スタツドの頭
   部を着座させるための着座機構を有する、前記
   第１中央部分に固着用スタツドの頭部を受け入
   れるための第１のスロツト付機構と、 固定用スタツドが前記狭幅スロツトに沿つて
   その閉端に向かう際に固定用スタツドを下方に
   引く傾斜機構と、前記スロツト付き機構とある
   角度をなすべく曲げられ、前記ワンピースプレ
   ートの前記端フランジ機構から真直ぐに延び、
   前記第１中央部分から固着用スタツドの頭部の
   厚さより少ない距離であつて、前記狭幅スロツ
   ト区域の前記着座機構に隣接して終端ロツク端
   を有する前記ワンピースプレートと一体のロツ
   クフランジとを包含し、 前記ロツク端は、前記狭幅スロツト区域の幅
   より広いが前記隣接スロツト区域より狭くなつ
   ており、よつて、前記固着用スタツドの頭部
   は、前記スロツトの閉端側に移動した際に前記
   ロツクフランジの前記ロツク端を押し下げて通
   ることが可能であるが、該閉端から遠ざかる方
   向に移動する際に、該ロツク端を通つて戻るこ
   とが防止され、該ロツクフランジの該ロツク端
   が該スロツトを抜けて滑べることが防止され、
   該クリツプが使用されている接合部内において
   の滑べりならびにこの緩みが低減され、あるい
   は防止されるようになつているクリツプ。 ２ 実用新案登録請求の範囲の第１項に記載のク
   リツプにおいて、前記隣接スロツト区域は、中
   間区域であり、よつて前記ロツク端は、該中間
   区域とほゞ同じ幅を有するようになつているク
   リツプ。 ３ 実用新案登録請求の範囲の第２項に記載のク
   リツプにおいて、前記スロツト付機構が、前記
   中間スロツト区域と連通する広げられたスロツ
   ト入口区域を有し、前記ロツクフランジが、前
   記ロツク端を前記クリツプに結合する広げられ
   た結合区域を有し、前記結合区域は前記スロツ
   ト入口区域と実質的に同一の幅を有するように
   なつているクリツプ。 ４ 実用新案登録請求の範囲の第１項から第３項
   のいずれか一項に記載のクリツプにおいて前記
   第１の中央部分の平面内にあり、かつ前記端フ
   ランジ機構に接合するための接合機構を有する
   第２の中央部分と、固着用スタツドの頭部を前
   記第２の中央部分に受け入れるための第２スロ
   ツト付機構とを有し、前記第２のスロツト付機
   構が、閉端と第２固着用スタツドの頭部を前記
   第２のスロツト付機構中に着座させるための第
   ２の着座機構とを有する第２のスロツトを含む
   クリツプ。 ５ 実用新案登録請求の範囲の第４項に記載のク
   リツプにおいて、前記第２の固着用スタツドが
   スロツトに沿つて閉端の方へ移動させられる時
   第２の固着用スタツドを下方へ引つ張るための
   第２の傾斜機構と、第２の固着用スタツドが前
   記第２の着座機構に着座させられることを可能
   にするが、前記第２の着座機構からのスタツド
   の離座を防止するためのデテント機構とを有す
   るようになつているクリツプ。 ６ 実用新案登録請求の範囲の第５項に記載のク
   リツプにおいて、前記デテンと機構が、前記閉
   端の方向に前記第２スロツトの幅を狭くするた
   めのくさび機構を含み、前記くさび機構は、前
   記第２の着座機構に隣接して終り、かつ前記第
   ２の着座機構中にある第２の固着用スタツドに
   当接して前記第２のスタツドの離座を防止する
   肩部を含むようになつているクリツプ。