JPH0233431Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、全面文字画面の表示の場合の画質を
向上させた文字放送受信機に関する。

背景技術 文字放送受信機は、近い将来予定されている衛
星通信放送や有線放送等に先がけて実用化された
文字多重放送が受像できるよう、文字放送を
RGBの三原色の色信号に変換するための文字原
色信号処理回路を内蔵している。文字信号が多重
されたテレビジヨン信号は、通常放送と文字放送
の切り換えスイツチの操作により、若干異なる信
号処理が施されるわけであるが、文字放送を受信
する場合には、受像機の画面全体に文字のみを映
し出す全面文字画面であるとか、或いは字幕が映
像にスーパーインポーズされた部分文字画面であ
るとか、種々の受信形態が存在する。

ところで、部分文字画面のように、背景となる
映像に文字を重ねて映し出す場合は、文字原色信
号を映像原色信号のペデスタルレベルにクランプ
しても、ペデスタルレベルのノイズ成分による画
質への影響は、顕著ではない。しかし、全面文字
画面の場合は、特に弱電界時等において映像原色
信号のペデスタルレベルに重畳されたノイズ成分
が、文字原色信号に与える影響が顕著に画面に表
われてしまい、全面文字画面の背景色が変動した
り、画面に表示された文字が水平走査線ごとに色
が変動することがある等の欠点があつた。

考案の開示 本考案は、上記欠点を除去したものであり、受
信した文字放送を全面文字画面として映し出す場
合、文字信号を映像信号のペデスタルレベルにク
ランプするのではなく、例えば映像原色信号処理
回路の無信号入力時の出力である一定の直流レベ
ルにクランプすることにより、複合映像信号のペ
デスタルレベルに重畳されたノイズ成分による影
響を排除するようにした文字放送受信機を提供す
ることを目的とする。

この目的を達成するため、本考案は、映像信号
に文字信号が重畳した複合映像信号が供給され、
前記映像信号を抽出して映像原色信号を得る映像
原色信号処理回路と、 前記複合映像信号が供給され、前記文字信号を
抽出して文字原色信号を出力するとともに全面あ
るいは部分画面表示の表示状態を指定する表示指
定信号を出力する文字原色信号処理回路と、 前記文字原色信号処理回路から出力される文字
原色信号をクランプするクランプ回路と、 前記表示指定信号で切り換わり、前記映像原色
信号処理回路への複合映像信号の信号供給を遮断
するとともに、前記クランプ回路のクランプレベ
ルを全面画面表示と部分画面表示とでそれぞれ切
り換えるスイツチ回路とを具備し、 前記文字原色信号処理回路が部分画面表示を指
定しているときは、前記スイツチ回路を介して前
記複合映像信号が供給され、前記映像原色信号処
理回路から出力される映像原色信号のペデスタル
レベルで前記文字原色信号をクランプし、前記文
字原色信号処理回路が全面画面表示を指定してい
るときは、前記複合映像信号が前記スイツチ回路
で遮断され、前記映像原色信号処理回路から出力
される無信号時の黒信号レベルで前記文字原色信
号をクランプすることを要旨とするものである。

本考案によれば、全面文字画面表示以外の文字
放送に対しては、映像信号のペデスタルレベルに
文字信号をクランプするため、映像信号と文字信
号が同一基準で色再生され、これにより画面に映
し出された文字の色の変動を抑えることができ、
また全面文字画面表示の場合には、映像原色信号
処理回路への複合映像信号の供給を断ち、映像原
色信号処理回路から出力される無信号時の黒信号
レベルとする構成であるから、例えば弱電界時に
顕著となる映像信号のペデスタルレベルに重畳し
た雑音成分の影響を排除し、文字原色信号を安定
してクランプすることができ、これにより全面文
字画面の背景色が変動したり、画面に表示された
文字が水平走査線ごとに色が変動する等の不都合
を、確実に防止することができる等の優れた効果
を奏する。

考案を実施するための最良の形態 以下、本考案の実施例について、図面を参照し
て説明する。第１図は、本考案の文字放送受信機
の一実施例を示す概略回路構成図である。

第１図中、文字放送受信機１は、文字放送以外
の通常の放送については、チユーナ回路２で選局
された映像信号が、映像中間周波増幅回路３と映
像信号処理回路４を経たあと、映像原色信号処理
回路５を通り、映像・文字切り替え・混合回路６
から受像管７に供給されるという経路を経て、受
信される。すなわち、映像・文字切り替え・混合
回路６や上記信号経路途中に介在させたクランプ
回路８或いは文字放送を除く通常の放送の受信時
に閉成されているスイツチ回路９等を除けば、通
常のテレビジヨン受像機と同様の信号処理経路を
たどる。

一方、文字放送の受信用として、映像信号の垂
直帰線消去期間に重畳された文字信号を抽出する
文字原色信号処理回路１０が、映像信号処理回路
４に接続してある。この文字原色信号処理回路１
０は、複合映像信号から抽出したデジタルデータ
化された文字信号を解読し、画像情報となる文字
原色信号を形成するとともに、画像の選択に必要
な映像・文字切り替え信号や表示指定となる全
面・部分文字画面表示指定信号も併せ形成する。
ここで、文字原色信号は、映像原色信号処理回路
５と映像・文字切り替え・混合回路６の間のクラ
ンプ回路８に供給され、クランプ回路８にて所定
レベルにクランプされる。また、映像・文字切り
替え信号は、映像・文字切り換え・混合回路６に
供給され、通常の放送と文字放送の切り替え・混
合に供される。

全面・部分文字画面表示指定信号は、映像中間
周波増幅回路３と映像原色信号処理回路５の間に
設けたスイツチ回路９に供給され、部分文字画面
表示時にはスイツチ回路９は閉成状態を継続し、
全面文字画面表示時にはスイツチ回路９は開成す
る。

ここで、クランプ回路８は、映像原色信号処理
回路５と文字原色信号処理回路１０のそれぞれの
出力である映像原色信号と文字原色信号の信号線
路どうしを、クランプパルスにより閉成して接続
状態とするスイツチ８ａを設けて構成してあり、
クランプに必要なクランプパルスは、映像信号処
理回路４から同期信号を分離して作動するクラン
プパルス発生回路１１により形成される。

いま、視聴者が文字原色信号処理回路１０に対
して部分文字画面表示の文字放送を選択指定した
とする。この場合、文字原色信号処理回路１０の
出力である部分文字画面表示検出信号が供給され
ても、スイツチ回路９は閉成状態を継続する。ま
た、クランプ回路８のスイツチ８ａはクランプパ
ルス発生回路１１から出力されるクランプパルス
がないので開成状態とされる。このため、映像原
色信号処理回路５の出力と、文字原色信号処理回
路１０の出力は、映像・文字切り替え・混合回路
６にて混合され、受像管７に供給される。この場
合、文字原色信号処理回路１０の出力である文字
原色信号は、クランプ回路８にてクランプされる
際、映像原色信号処理回路５の出力である映像原
色信号のペデスタルレベルにクランプされ、これ
により文字原色信号も映像原色信号も同一基準で
色再生される。また、映像原色信号のペデスタル
レベルにノイズ成分が重畳していたとしても、受
像管７に映し出される文字に対する影響は、目立
たない。

一方、視聴者が、文字原色信号処理回路１０に
対して全面文字画面表示の文字放送を選択指定し
たとする。この場合、文字原色信号処理回路１０
の出力である全面文字画面表示指定信号により、
スイツチ回路９は開成する。また、クランプ回路
８のスイツチ８ａはクランプパルス発生回路１１
から出力されたクランプパルスによつて閉成状態
とされる。従つて、映像原色信号処理回路５への
入力は削滅し、映像原色信号処理回路５の出力信
号レベルは、ノイズ成分とは無縁の黒信号レベル
とされる。このため、文字原色信号処理回路１０
の出力である文字原色信号は、常に黒信号レベル
にクランプされてクランプ回路８を通過し、映
像・文字切り替え・混合回路６を介して受像管７
に表示される。従つて、弱電界時等においても、
映像信号のペデスタルレベルに重畳したノイズ成
分が、全面文字画面の画質に悪影響を及ぼす等の
不都合は生じない。

すなわち、スイツチ回路９は、文字原色信号処
理回路１０からの指定信号によつて切り換わりク
ランプ回路８でクランプされる文字原色信号のク
ランプレベルを部分画面表示のときは、映像原色
信号のペデスタルレベルとし、全面画面表示のと
きは、映像原色信号処理回路５の無信号入力時の
出力である一定の直流レベルとするようにしてい
る。

なお、上記実施例において、第２図に示す如
く、映像信号処理回路４とスイツチ回路１９の間
に、同期分離回路２０を設け、、全面文字画面表
示の際には、同期分離回路２０が映像信号から分
離した同期信号にもとづく所定の直流レベルの信
号が、映像原色信号処理回路５に供給されるよう
にしてもよい。

以上説明したように、上記構成になる文字放送
受信器１によれば、全面文字画面表示以外の文字
放送に対しては、映像信号のペデスタルレベルに
文字信号をクランプするため、映像信号と文字信
号が同一基準で色再生され、これにより画面に映
し出された文字の色の変動を抑えることができ、
また全面文字画面表示の場合には、映像原色信号
処理回路５への映像信号の供給を断ち、映像原色
信号処理回路５から出力される無信号時の黒信号
レベルとするようスイツチ回路９が切り換わるの
で、例えば弱電界時に顕著となる映像信号のペデ
スタルレベルに重畳した雑音成分の影響を排除
し、文字原色信号の安定してクランプすることが
でき、これにより全面文字画面の背景色が変動し
たり、画面に表された文字が水平走査線ごとに色
が変動する等の不都合を、確実に防止することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の文字放送受信機の一実施例
を示す概略回路構成図、第２図は、本考案の文字
放送受信機の一変形例を示す要部回路構成図であ
る。 １……文字放送受信機、５……映像原色信号処
理回路、８……クランプ回路、９，１９……スイ
ツチ回路、１０……文字原色信号処理回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 映像信号に文字信号が重畳した複合映像信号が
   供給され、前記映像信号を抽出して映像原色信号
   を得る映像原色信号処理回路と、 前記複合映像信号が供給され、前記文字信号を
   抽出して文字原色信号を出力するとともに全面あ
   るいは部分画面表示の表示状態を指定する表示指
   定信号を出力する文字原色信号処理回路と、 前記文字原色信号処理回路から出力される文字
   原色信号をクランプするクランプ回路と、 前記表示指定信号で切り換わり、前記映像原色
   信号処理回路への複合映像信号の信号供給を遮断
   するとともに、前記クランプ回路のクランプレベ
   ルを全面画面表示と部分画面表示とでそれぞれ切
   り換えるスイツチ回路とを具備し、前記文字原色
   信号処理回路が部分画面表示を指定しているとき
   は、前記スイツチ回路を介して前記複合映像信号
   が供給され、前記映像原色信号処理回路から出力
   される映像原色信号のペデスタルレベルで前記文
   字原色信号をクランプし、前記文字原色信号処理
   回路が全面画面表示を指定しているときは、前記
   複合映像信号が前記スイツチ回路で遮断され、前
   記映像原色信号処理回路から出力される無信号時
   の黒信号レベルで前記文字原色信号をクランプす
   ることを特徴とする文字放送受信機。