JPH0232203Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、金属製の内外容器間を真空断熱空
間とする金属製真空二重容器の取手取付装置に関
する。

従来技術 金属製真空二重容器の場合、その器体周壁をな
す外容器胴面に取手を取付けるのに、外容器にビ
スや鋲が貫通するような取付構造では、内外容器
間の真空状態を損つてしまう。そこで、器体胴面
に取手を取付ける場合、従来では器体胴面に取手
固定具をスポツト溶接等して固着し、それに対し
て取手を固定するようにしている。一方１つのデ
ザイン効果として金属製器体の胴面を研磨仕上げ
することも行われているが、この場合器体胴面に
固設した固定具の突出が器体胴面の研磨作業の妨
げとなり、作業性の悪いものになつている。これ
を避けように器体胴面を研磨した後に固定具を取
付けようとすると、せつかく研磨した胴面に作業
中傷を付けてしまいやすいので実際的でない。

目 的 この考案は、前記従来のような欠点を解消し得
る金属製真空二重容器の取手取付装置を提供する
ことを目的とする。

構成・作用 この考案は、固定具を器体の外面に形成した凹
部内にこの凹部から突出しないように固設し、こ
の固定具に取手取付端を固定したことを前記目的
達成のための要旨としている。

固定具は器体胴面の凹部より突出しないため、
器体胴面を研磨する作業の前に固定具を設けるこ
とができる。そしてそれに固定される取手取付端
が、凹部内や固定具を覆うことによつて外観を損
なうことを防止できる。しかも凹部への取手取付
端の固定によつてその取付け強度をさらに向上さ
せることができる。

実施例 第１図から第３図に示される第１の実施例につ
いて説明すれば、器体１は、ステンレス鋼製の内
外容器２，３間が、真空断熱空間４とされてい
る。内外容器２，３は適当な部分で分割形成され
ると共に、その各分割部および内外容器２，３の
相互が溶接やろう接等で気密接合５されて、真空
断熱空間４を囲繞している。外容器３の底部中央
には、内外容器２，３間の空気を吸引除去した後
閉止して真空断熱空間４を形成するバキユーム用
チツプ管６が設けられている。器体１の下端には
その外周段部１ａに外周壁７ａを嵌合する合成樹
脂製底盤７が当てがわれ、外容器３底面外周数箇
所へスポツト溶接して取付けられた金具８に対し
ビス９により取付けられている。器体１の上端に
は、その外周段部１ｂに外周壁１０ａを嵌合する
合成樹脂製肩部材１０が当てがわれ、器体体１の
内外容器２，３口部が連続する肩面１ｃ外周数箇
所へスポツト溶接して取付けられた金具８に対し
ビス９により取付けられている。

肩部材１０は、内容器２の細口部２ａに連通す
る連通口１０ａを底部に有する皿形をなし、上部
に無理嵌め１１された上板１２の開口１２ａ上方
より挿入される螺合栓１３との螺合部１０ｂを内
周に有すると共に、その内周一部から側方へ樋状
をなして延び上板１２との間でトンネル形注液路
１０ｃを形成している。肩部材１０の一側に取手
１４が一体成形されて器体１側面部へ垂下されて
いる。

取手１４の下部取付端１４ａは、器体１外面、
つまり外容器３外面一部に形成されている凹部３
ａに嵌め合わされると共に、凹部３ａ内の固定具
１５との間で固定される。

凹部３ａは、その開口近くに枠状の取手取付端
受面３a₁が、またこの受面３a₁の奥部にＵ字状の
固定具取付面３a₂がそれぞれ形成され、固定具取
付面３a₂の奥部には固定具１５裏面に遊び空間を
形成する遊び凹部３a₃が形成されている。固定具
１５は、横長の金属板であつて、前記固定具取付
面３a₂の下方へいつぱい寄つた位置に当てがい、
スポツト溶接１６して固着されている。これに対
し、前記固着された固定具１５に凹部３ａ内で係
脱する先端折曲片１７ａを有するコ字状係合金具
１７が、取手取付端１４ａの背面側から挿入した
ビス１８の基端折曲片１７ｂへの螺合によつて取
手取付端１４ａへ引き付け得るようその取手取付
端１４ａに付設されている。

係合金具１７は、取手取付端１４ａへの引き付
けを緩められた状態で、取手取付端１４ａから大
きく突出し、その先端折曲片１７ａを凹部３ａの
遊び凹部３a₃まで挿入して固定具１５に対し第１
図、第２図の如く容易に係合させられる。

先端折曲片１７ａを固定具１５に係合させた状
態でビス１８により係合金具１７を取手取付端１
４ａに引き付けて行くと、先端折曲片１７ａが固
定具１５の裏面に当接してから以後は、取手取付
端１４ａが器体１側に押し付けられることにな
り、凹部３ａ内へ徐々に嵌入して行く。取手取付
端１４ａが凹部３ａの取手取付端受面３a₁に圧接
したとき、係合金具１７および取手取付端１４ａ
は最大限引き付け合つて安定し、取手取付端１４
ａが器体１外面に固着される。

取手取付端１４ａの端面には、係合金具１７の
大半部分が入り込む逃し凹部１４ｂが形成され、
背面側にはビス１８の頭部を沈み込ませる凹部１
４ｃが形成されている。凹部１４ｃには銘板兼用
の蓋板１９が施されている。１５ａおよび１７ｃ
は固定具１５および係合金具１７のビス１８に対
する逃げである。

係合金具１７は、その先端折曲片１７ａの下端
に第４図に示されるような折曲爪１７ｄを形成
し、固定具１５の下縁に係合させると、先端折曲
片１７ａが固定具１５から不用意に外れるような
ことを防止することができる。

第５図、第６図に示される実施例は、取手１４
の取付端１４ａ端面に、固定具１５に対する鉤形
係合片２１を一体成形し、部品点数を少なくして
いる。取手取付端１４ａを固定具１５に対しビス
２２により止着しているが、このビス止めを省略
しても、取手１４の上端が第１図の場合などのよ
うに別の方法で固定されている限り外れることは
ない。ビス２２で止めると、取手１４の上下端双
方を同じ方法で取付けるこ。

第７図、第８図に示される実施例は、凹部３ａ
をその開口部の取手取付端受面３a₁と、その奥部
の固定具取付凹部３a₄との二段形状に形成し、凹
部３a₄に二股状ナツトを固定具３１としてスポツ
ト溶接して取付け、該固定具３１に取手１４の取
付端１４ａを係合させることなく、ビス３２によ
つて止着するだけで、取手取付端１４ａを凹部３
ａに嵌り込んで受面３a₁に圧接した状態に取付け
ている。取手取付端１４ａの端面には、凹部３a₄
と嵌り合う補助位置決め突部３３が、取手取付端
１４ａと凹部３ａとの嵌合代よりも長く突設さ
れ、凹部３a₄と突部３３とが、凹部３ａと取手取
付端１４ａとに先立つて嵌り合うことにより、固
定具３１に対する取手取付端１４ａの位置決めを
するから、取手取付端１４ａを凹部３ａへ嵌め合
わせておかなくても、ビス３２を固定具３１の螺
子孔に対し容易に螺合させ得る。

この実施例の場合も、取手上下双方の取付けに
利用できる。

第９図に示される実施例は、第７図の二股状固
定具に代えて、螺軸を固定具４１としてろう接４
３により固着しており、これに取手取付端１４ａ
の背面側から挿入したビス状ナツト４２を螺合し
て、取手取付端１４ａを器体１に対し取付けてい
る。

効 果 この考案によれば、器体の研磨胴面に取手取付
端を固定具を介し取付けた金属製真空二重容器の
取手取付装置において、固定具は器体の胴面に形
成した凹部内にこの凹部から突出しないように固
設し、この固定具に取手取付端を固定したから器
体胴面を研磨する作業の前に固定具を設けること
ができて研磨の研磨作業を邪魔することがなく、
凹部内および固定具は取手取付端によつて覆われ
るので、外観を損なうことも防止できる。しかも
凹部は取手取付端との嵌合によりその取付け強度
をさらに向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の縦断面図、第２図は要部の
拡大断面図、第３図は要部の分解斜面図、第４図
は変形例の要部断面図、第５図は別の実施例の要
部断面図、第６図は要部分解斜面図、第７図は他
の実施例の要部断面図、第８図は要部分解斜面
図、第９図は変形例の要部断面図である。 ２……内容器、３……外容器、４……真空断熱
空間、｝１……器体、１４……取手、１４ａ……
取付端、１５，３１，４１……固定具、３ａ……
凹部、１０……肩部材、１７……係合金具、１８
……ビス、２１……鉤形係合片、２２……ビス、
３２……ビス、４２……ビス状ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 器体の研磨胴面に取手取付端を固定具を介し
   取付けた金属製真空二重容器の取手取付装置に
   おいて、固定具は器体の胴面に形成した凹部内
   にこの凹部から突出しないように固設し、この
   固定具に取手取付端を固定したことを特徴とす
   る金属製真空二重容器の取手取付装置。 (2) 固定具は、凹部内に溶接やろう接によつて固
   着されたナツト部材とされている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の金属製真空二重容器の
   取手取付装置。 (3) 固定具は、凹部内に溶接やろう接によつて固
   着された部材で、取手取付端との係合部をなし
   ている実用新案登録請求の範囲第１項または第
   ２項記載の金属製真空二重容器の取手取付装
   置。 (4) 固定具は、凹部内に溶接やろう接によつて取
   付けられ、取手取付端にビスを引き付けられる
   係合部材との係合部をなしている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の金属製真空二重容器の
   取手取付装置。 (5) 固定具は、凹部内に溶接やろう接によつて取
   付けられた螺軸である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の金属製真空二重容器の取手取付装
   置。 (6) 取手取付端は、器体上端に付設された肩部材
   に一体成形されて垂下する取手の下部に設けら
   れている実用新案登録請求の範囲第１項から第
   ５項までの何れかに記載の金属製真空二重容器
   の取手取付装置。