JPH0231375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電気器具（例えば、内側部材である
環状蛍光灯とこれを覆う外側部材である傘部とか
らなる吊り下げ照明器具）等の被収納物を内部に
収納保護する収納箱に係り、特に被収納物に合致
した内部形状を有し、被収納物を確実、強固に支
持、収納出来る収納箱に関する。

〔従来技術〕

内側部材（環状蛍光灯）と外側部材（傘部）と
からなる電気器具等の被収納物を収納保護する従
来の収納箱は、そのほとんどが、周囲方形の側壁
部と、この側壁部の四方から延設された板状の底
壁部及び蓋部から形成されており、底壁部をその
先端部を突き合わせて二層に重ね合わせてから外
側の合せ目をステツプルで止め、被収納物の内側
部材と外側部材を箱内に入れ、更にこの被収納物
の内側部材と外側部材の間及び外側部材と収納箱
の壁間にできる空隙に、発泡樹脂や、紙等を折り
曲げた介在物をいれてから、最後に上部の妄動を
防止すべく内蓋を入れて蓋をこれに重ね合わせて
外側の合せ目にテープを張つていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この従来の収納箱では、介在物
を余分に必要とし、しかも、介在物を被収納物の
内側部材及び外側部材の形状に合つた形にしなけ
ればならず、これに手間がかかり、また梱包の作
業時間も長くかかるといつた問題点があつた。

また、運搬途中に、介在物が収納箱内でずれて
しまい、このため、被収納物が収納箱内でがたつ
き、ひいては、被収納物が損傷するといつた問題
点があつた。

また、特に、運搬途中に、介在物が収納箱内で
ずれてしまつて、収納箱内で被収納物の内側部材
と外側部材ががたつき、互いにぶつかり合い、片
方あるいは両方の被収納物の上記部材が大きく損
傷するといつた問題点があつた。

本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたも
のであつて、収納箱の内側の底壁部を被収納物の
内側部材及び外側部材に合致した形状にすること
により、被収納物に適応した収納が出来、しかも
余分な介在物を必要とせず、梱包時間も短縮出
来、しかも被収納物の内側部材と外側部材が収納
箱内でがたつくことがなく、被収納物の安全保護
にも貢献出来る収納箱を提供することを主な目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る収納箱は、上記目的を達成するた
めに、被収納物の内側部材とこれを覆う外側部材
を収納する収納箱であつて、周囲方形の側壁部
と、この側壁部から延設され、互いに先端部を突
き合わせて内外二層に重ね合わされる底壁部及び
蓋とからなる収納箱において、被収納物の内側部
材の下部に対応した形状の切込みを設けると共
に、該切り込みの側壁側に被収納物の外側部材の
下部に対応した切り欠きを設けて、前記切り込み
から切り欠きに至り更にこの切り欠きから夫々そ
の側端部に至る二条の平行な折り目を設けた相対
向する２枚の内側底壁部を備え、この内側底壁部
の二条の折り目に添つて、夫々下側に折曲して、
その下側部分を外側底壁部の上面に接面させて、
二条の折り目の間の部分を起立させ、折曲された
部分と折曲されない部分の間の前記切り込みに対
応して形成される開口部を被収納物の内側部材の
下部収納部となすと共に、前記切り欠きによつて
形成される溝部を被収納物の外側部材の下部収納
部となしたことを特徴とする。

〔作用〕

上記構成による本考案の作用を述べると、ま
ず、内側底壁部を折曲組み立ててから、外側底壁
部を折曲してその合わせ目にテープを張り、内側
底壁部の切り込み部にて形成される開口部と、切
り欠き部にて形成される溝部に、それぞれ被収納
物の内側部材及び外側部材の下部を嵌め込むよう
にしてこの被収納物の内側部材と外側部材を収納
箱内に入れ、次に内蓋を被せ、その後に上蓋を重
ね合わせて、その合わせ目にテープをはつて封止
する。

〔実施例〕

以下、実施例を示す図面に基づいて本考案を詳
述する。尚、以下の実施例に於いては、収納箱の
材質がダンボール紙であるものについて説明す
る。

第１図、第２図、第３図は環状蛍光灯からなる
内側部材と断面略円弧状の傘部からなる外側部材
とを備えた被収納物である丸型の照明器具を収納
する場合の本考案収納箱の実施例を示し、まず、
第２図に示す収納箱１の展開図に基づいて、各部
の形状を説明する。

２は、折り目３を境にして、四ケ所形成された
長方形の等大の側壁部であつて、この側壁部２の
図面に於いて右側と中央左寄りの部分の上下延長
上に折り目４，４，５，５を境にして長方形状の
外側底壁部６，６と外蓋７，７が延設されてい
る。

図に於いて、左側と中央右寄りの位置の側壁部
２，２の上方延長上には、折り目８，８を境にし
て長方形状の内蓋９，９が延設されている。

一方、この内蓋９，９を延設した側壁部２，２
の下方には、長方形状の内側底壁部１０，１０が
折り目１１，１１を境にして延設してある。

この内側底壁部１０，１０にはその下側中央部
に、内側に凸のの半円弧状であり被収納物Ａの内
側部材ａ、即ち丸形の照明器具の環状蛍光灯の下
部とほぼ同径の切り込み１２，１２と、この切り
込み１２，１２の左右端から下端近傍位置に至る
垂直で被収納物の下部の寸法とほぼ同寸法の切り
込み１３，１３が設けられていると共に、この切
り込み１２及び１３の外側であつて、内側底壁部
１０，１０の下部両側より上部中央寄りに、被収
納物Ａの外側部材ｂ、すなわち丸形の照明器具の
断面略円弧状の傘部の下部に対応した円弧状の切
り欠き１４，１４と、この切り欠き１４，１４の
左右端から下端近傍位置に至る垂直で、上記垂直
切り込み１３，１３とほぼ同寸法の切り欠き１
５，１５が設けられており、更に、前記半円弧状
の切り込み１２の切り込み端部及び前記垂直切り
込み１３，１３の切り込み端部から前記切り欠き
１４及び１５に至り、更に、この切り欠き１４及
び１５から、内側底壁部１０，１０の左右側端に
至る水平な二条の折り目１６，１６，１７，１７
が形成されている。

なお、１８は側壁部２の、図にて左側端部に折
り目１９を境にして延設された止め代である。

収納箱１をこの第２図の展開状態より第１図の
状態に組み上げるには、まず、側壁部２，２……
をその折り目３，３，３を境にして内側に折り曲
げ、更に止め代１８を折り目１９を境にして折り
曲げ、ステツプルで止めて正方形の角筒に形成す
る。

次に内側底壁部１０，１０を折り目１１，１１
を境にして上側に折り曲げ、更に折り目１７，１
７を境にしてその先端側部分を下方に折り曲げる
とともに、折り目１６，１６を境にして下方に折
り曲げる。

すると、第１図に示すように、内側底壁部１０
の折曲された部分と折曲されない部分の間の切り
込み１２，１３，１３部分に開口部２０が形成さ
れると共に、前記切り欠き１４，１５部分に溝部
２１が形成される。

次に、外側底壁部６，６を折り目４，４を境に
内側に折り曲げて、その合わせ目にガムテープを
張つて止める。

次に、第１図に示すように、被収納物Ａの内側
部材ａを収納箱１に入れ、その円筒状下部ｃを円
筒保護材Ｂを介して、前記内側底壁部１０，１０
の開口部２０，２０に嵌め入れ、更に被収納物Ａ
の外側部材ｂの下部ｄを前記内側底壁部１０，１
０の溝部２１，２１……に嵌め入れる。

次に内蓋９，９を折り目８，８を境にして内側
に折り曲げて前記被収納物Ａの外側部材ｂの上面
に被せ、最後に外蓋７，７を折り目５，５を境に
して内側に折り曲げ、この外蓋７，７の合わせ目
に添つてガムテープを張り梱包を完了する。

尚、図中Ｃ，Ｄは、丸形照明器具の各部を保護
するために各個所に介在させられた保護材であ
る。

第３図は、被収納物Ａ（丸形照明器具）を収納
した収納箱１の隅部から中央部を結ぶ線で切断し
た縦断面図であつて、被収納物Ａの内側部材ａの
円筒状下部ｃが内側底壁部１０の開口部２０に嵌
め込まれて固定保持されると共に、外側部材ｂの
下部ｄが内側底壁部１０の溝部２１に嵌め込まれ
て固定保持された安定収納状態がわかる。

〔効果〕

本考案は以上のような構成を有し、作用をなす
ものであるから、内側底壁部の折曲組み立てによ
り形成される開口部に被収納物の内側部材の下部
が嵌め込まれると共に、溝部に被収納物の外側部
材の下部が嵌め込まれて、両方とも固定保持され
被収納物のがたつきが発生しないので、確実、強
固な収納保護が出来、これにより余分な介在物を
必要としないので材料費を削減できるとともに、
組み立て収納が常に出来る。従つて梱包時間が短
縮される。このように本考案は、被収納物に適応
した収納が出来て、がたつきが発生しないので被
収納物の内側部材と外側部材がぶつかり合つて破
損することがなく、被収納物の安全保護にも貢献
できる等優れた効果を奏する。

尚、本考案における被収納物は必ずしも照明器
具に限らず、例えばケース入り人形等の収納箱に
も適用されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図
は収納箱の展開図、第３図は収納完了後の状態を
示す部分縦断面図である。 Ａ……被収納物、ａ……内側部材、ｂ……外側
部材、１……収納箱、２……側壁部、６……外側
底壁部、７……外蓋、９……内蓋、１０……内側
底壁部、１２……切り込み、１３……切り込み、
１４……切り欠き、１５……切り欠き、１６……
折り目、１７……折り目、２０……開口部、２１
……溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被収納物の内側部材とこれを覆う外側部材を収
   納する収納箱であつて、周囲方形の側壁部と、こ
   の側壁部から延設され、互いに先端部を突き合わ
   せて内外二層に重ね合わされる底壁部及び蓋とか
   らなる収納箱において、被収納物の内側部材の下
   部に対応した形状の切り込みを設けると共に、該
   切り込みの側壁側に被収納物の外側部材の下部に
   対応した切り欠きを設けて、前記切り込みから切
   り欠きに至り更にこの切り欠きから夫々その側端
   部に至る二条の平行な折り目を設けた相対向する
   ２枚の内側底壁部を備え、この内側底壁部の二条
   の折り目に添つて、夫々下側に折曲して、その下
   側部分を外側底壁部の上面に接面させて、二条の
   折り目の間の部分を起立させ、折曲された部分と
   折曲されない部分の間の前記切り込みに対応して
   形成される開口部を被収納物の内側部材の下部収
   納部となすと共に、前記切り欠きによつて形成さ
   れる溝部を被収納物の外側部材の下部収納部とな
   したことを特徴とする収納箱。