JPH0230780B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本発明は内側にねじを有する物品を注型または
成形により形成する方法に関する。

ロ 従来の技術 内側にねじを有する物品を注型または成形によ
り形成する通常の方法においては、ねじ山の鏡像
が形成された中子を使用することが必要である。
中子を取り外すためには、通常、成形品から中子
を完全にねじ戻すことが必要である。この方法は
多大な時間を要しかつダイカスト機械の構造が可
成り複雑になる。確かに、長さの短い並目ねじを
使用したプラスチツク材料のある物品を形成する
場合には、中子を外方に引き出し、単に成形材料
を中子のねじ山を越えて外方にはじき出すことは
可能である。この方法を剛性材料、例えば、金属
材料で注型または成形された物品に対して実施す
ることは全く不可能である。

ハ 発明が解決しようとする問題点 従つて、内側のねじ山を形成する中子を形成さ
れた物品からねじ戻す必要がないように物品を注
型しまたは成形することにより多大な時間の節減
を行うことができ、従つて、本発明の一つの目的
はかかる物品を形成する方法および装置を提供す
ることである。また、既に知られているこのよう
な物品よりも改良された特性を有する内側にねじ
を有する管状物品を提供することも本発明の一つ
の目的である。

本発明を特に応用することができる物品の種類
の一例は、トロフイを木製の台に取りつけるため
に使用される金属性ソケツトであり、このソケツ
トは木製の台の下側に形成された穴の中に挿入さ
れ、そしてねじを切つたピンがトロフイを通して
ソケツトのねじを有する内側部の中に嵌めこまれ
る。これは、勿論、このような物品を使用する一
例にすぎず、この方法および装置は、勿論、多数
の異なる型式の内側にねじを有する物品に応用す
ることができる。

本発明による物品の外側の輪郭を形成する形状
を有する成形用キヤビテイの中で内側にねじ穴を
有する物品を注型しまたは成形する方法は、物品
の中に形成すべきめすの内側のねじ山のおすの像
を有する２個の直径方向に対向したセグメントが
形成された中子ピンのまわりの成形用キヤビテイ
の中に注型材料または成形材料を導入し、前記セ
グメントは該セグメントのねじ山の深さよりも深
い直径方向に対向したみぞにより分離され、前記
中子ピンの軸線に関して前記セグメントにより夾
まれた角度は前記軸線に関して２個の抜き出し可
能な扁平な中子部材のまわりに前記みぞにより夾
まれた角度よりも小さくしてあり、前記中子部材
の各々の先端部は中子ピンのそれぞれのみぞの中
に滑り嵌めされるようになつており、次いで、成
形型の中の注型材料または成形材料を固化させ、
成形用キヤビテイから中子部材を抜き出し、ねじ
を有するセグメントが中子ピンのみぞが前に占有
していた角度位置以内の所定位置を占有するため
に十分な角度だけ中子ピンを回転させ、成形型か
ら中子ピンを軸線方向に抜き出し、そして成形用
キヤビテイから物品を除去することを特徴として
いる。

形成すべき物品の外側の輪郭を形成する形状を
有するキヤビテイが形成されかつ該キヤビテイの
中に注型材料または成形材料を導入するための少
くとも一つの通路を備えた成形型本体を含む内側
にねじ穴を有する物品を注型または成形により形
成する装置は、成形型本体にキヤビテイから成形
型本体の外側まで外方に延びる二つのスロツト
と、物品の中に形成すべきねじ穴と共軸をなしか
つキヤビテイの中に延びる穴とが形成され、中子
ピンが前記穴を通して該キヤビテイの中に摺動可
能になつており、前記中子ピンには該キヤビテイ
の中に形成すべきめすのねじ山のセグメントのお
すの像として形成された２個の直径方向に対向し
たセグメントが形成されており、前記中子ピンの
セグメントは該セグメントのねじ山の深さよりも
深いみぞにより分離され、前記中子ピンの軸線に
関して前記中子ピンのセグメントにより夾まれた
角度は前記軸線に関して前記みぞにより夾まれた
角度よりも小さくしてあり、かつ２個の扁平な中
子部材が成形用キヤビテイの中のスロツトの内部
で摺動可能になつており、前記各々の中子部材の
先端部は中子ピンのそれぞれのみぞの中に滑り嵌
めされるように形成され、さらに、扁平な中子部
材を成形用キヤビテイの内外に移動させる装置
と、中子ピンを挿入し、抜き出しかつ所定角度に
回転させる装置とを備えていることを特徴として
いる。

中子部材を収納するためのスロツトは中子ピン
の軸線に対して互いに横方向に偏位させることが
できる。

成形用キヤビテイにはキヤビテイの中に延びる
第２の穴を形成することができ、前記第２の穴は
最初に述べた穴と共軸をなしており、そして第２
の中子ピンが前記第２の穴を通して摺動できるよ
うになつている。

前記の２個の中子ピンはキヤビテイの中で互い
に衝接するように構成することができる。

第２の中子ピンは、また、互いに直径方向に対
向したねじ山のセグメントを形成することがで
き、そして第２の中子ピンのねじ山は第１中子ピ
ンのセグメントのねじ山と異なつていてもよく、
例えば、異なるピツチまたは逆ねじに形成するこ
とができる。各々にねじ山セグメントを形成した
２個の中子ピンを使用する構造においては、２個
の中子ピンは該中子ピンのみぞが互いに整列して
各各の扁平な中子部材が両方の中子ピンのそれぞ
れ整列したみぞと係合するような位置に挿入でき
るようになつている。

ニ 実施例および作用 本発明の実施例を添付図面に例示した。

例示した構造においては、扁平な中子部材は中
子ピンの軸線に対して互いに横方向に偏位してい
る。例示した構造は、また、中子ピンおよび中子
部材と共に組み合わされた多数の成形用キヤビテ
イを有している。

添付図面、特に第１図、第２図および第３図に
ついて述べると、符号１は物体例えばトロフイを
木製の台に取りつけるために好適に使用される内
側にねじ山を有するソケツトを示している。ソケ
ツト１は円筒形部分２と、その一方の端部に形成
された六角形の頭部３とを有している。符号４は
一方の端部から挿入されたねじを切つたピンまた
は固定用ねじを収納しうる物品の中にねじ穴の一
部を形成するように協働する直径方向に対向した
ねじ山セグメントを示している。円筒形部分すな
わち、本体２はこの明細書において後述するよう
に形成された２個の長手方向のスロツト５を有し
ている。

さて、第４図および第５図について述べると、
符号６は内部に形成すべき物品の外側の輪郭を形
成するための形状を有するキヤビテイ７が形成さ
れた成形型を示している。符号８は成形型本体の
一方の端部に形成された穴を示し、符号９は穴８
を通して挿入された中子ピンを示している。成形
用キヤビテイ７の中に突出した中子ピン９の端部
にはキヤビテイ７に形成すべきねじ山の鏡像とし
て形成された２個の直径方向に対向したセグメン
ト１０が形成されている。セグメント１０はねじ
山の深さよりも深いみぞ１１により分離されてい
る。ピン９の軸線においてセグメント１０により
夾まれた角度はみぞ１１により夾まれた角度より
も小さくしてある。符号１２は成形型本体６の中
に形成されかつキヤビテイ７から成形型本体６の
外側まで延びるスロツト１３の内部に摺動しうる
中子部材を示している。各々の中子部材１２の先
端部は、第５図から明瞭に理解されるように、中
子ピン９のそれぞれのみぞ１１の中に滑り嵌めさ
れるように形成されている。中子部材１２を互い
に偏位させることが必ずしも必要ではないが、第
５図に例示したように中子部材１２を偏位させる
と、ある利点が得られる。その理由は、中子部材
１２を偏位することにより、中子ピン９のみぞ１
１の該中子ピンの軸線における夾角が厚さが薄い
中子部材１２のセグメントよりも大きくすること
ができるからである。符号１４は成形型本体６の
反対側の端部の第２の穴を示し、また符号１５は
第２穴１４の中に挿入されかつ中子ピン９の端部
と衝接する第２中子ピンを示している。例示した
構造においては、中子ピン１５は成形品に形成す
べきねじ山、すなわち、セグメント１０により形
成されたねじ山の直径よりも大きい直径を有する
ねじのないピンである。しかし、成形用キヤビテ
イ７が中子ピン９の端部で終端させることがで
き、第２穴１４および第２中子ピン１５を設ける
ことが不必要となり、形成された物品は一方の端
部まで完全に延びるねじ穴を有しかつ物品に形成
されたスロツト５はその端部における端部が開い
たスロツトとなることは理解されよう。別の態様
においては、第２中子ピン１５には、ねじ山を有
するセグメントおよびみぞを形成することができ
る。第２中子ピン１５のみぞは中子ピン９のみぞ
と整合している。前記第２中子ピン１５は中子ピ
ン９の端部と衝接するように中子キヤビテイの中
に延び、そして中子部材１２は両方の中子ピン
９，１５のみぞと係合する。この構造は、異なる
特性、例えば、異なる直径および／または異なる
ピツチおよび／または逆ねじを有するねじ部分を
含むねじ穴を形成することが所望される場合には
特に有用である。符号１６は成形用キヤビテイ７
の中に注型材料を導入するための通路を示してい
る。中子ピン９，１５を前進し、抜き出しかつ回
転しかつ中子部材１２を前進しかつ抜き出す装置
は慣用の形式であるので、このような装置を例示
する必要はないと考えたので、図示していない。

実施にあたり、物品は中子ピン９を成形型本体
のキヤビテイ７の中に軸線方向にみぞ１１が成形
型本体６のスロツト１３に対向するような角度位
置に挿入し、中子部材１２の先端部が中子ピン９
のみぞ１１と係合しかつ滑り嵌めするまで扁平な
中子部材１２を成形型本体６の中にスロツト１３
を通して移動し、そして注型材料または成形材料
を成形用キヤビテイ７の中に導入し、該材料が固
化したときに、先づ扁平な中子部材１２を成形用
キヤビテイ７から完全に抜き出し、次いで、中子
ピン９を回転してそれによりねじ山を有するセグ
メント１０が物品の中に形成されたねじ山セグメ
ントから外れて扁平な中子部材の抜き出しにより
残された間隙の中に移動し、そして中子ピン９を
それ以上回転移動させないで軸線方向に抜き出
し、そして成形用キヤビテイ７から物品を除去す
ることにより形成される。形成された物品は第１
図、第２図および第３図に示したとおりである。
二つのねじ山セグメント４はねじを切つたピンま
たはその他のねじを切つた固定装置と係合させる
ために全く十分である。

本発明の方法および装置は多数の形状の物品を
製造するために使用することができ、本発明によ
り得られる特徴はねじ穴である。物品の本体は必
ずしも円筒形に形成する必要はなく、例えば、六
角形またはその他の多角形に形成することができ
る。本発明の方法および装置は、例えば、各々が
鏡像ねじ山として形成されたセグメントを有する
前述したような２個の中子ピンを使用し、一方の
ピンのセグメントを右ねじとし、他方のピンのセ
グメントを左ねじとすることにより、ターンバツ
クルの中子部材を形成するために使用することが
できる。物品の本体の中に中子部材により形成さ
れた直径方向に対向したスロツトは棒を挿入する
ために通常ターンバツクル本体の中に設けられた
開口部を構成する。

ホ 発明の効果 本発明の方法により形成された物品は、ねじを
有するピンを十分に把持すると共に、さもなけれ
ば成形時にスロツトに注入される材料を節減する
ことができるという利点を持つている。この理由
から、この方法により成形された物品はより軽量
である。また、スロツトを形成することにより、
ねじを切つた物体が形成された物品の中にどの程
度までねじ込まれているかを容易に観察すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法および装置により形成さ
れた内側にねじを有する管状物品の側面図、第２
図は第１図を矢印の方向に見た図、第３図は第１
図を３−３線に沿つて裁つた拡大断面図、第４図
は一つのキヤビテイの中の２個の中子ピンおよび
扁平な中子部材を示した本発明の装置の断面図、
そして第５図は第４図を５−５線に沿つて裁つた
断面図である。 １…ソケツト、４…めすの内側ねじ、５…スロ
ツト、６…成形型、７…キヤビテイ、８…穴、９
…中子ピン、１０…セグメント、１１…みぞ、１
２…中子部材、１３…スロツト、１４…第２穴、
１５…第２中子ピン、１６…通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 物品の外側の輪郭を形成する形状を有する成
   形用キヤビテイ７の中で内側にねじ穴を有する物
   品１を注型しまたは成形する方法において、物品
   の中に形成すべきめすの内側のねじ山のおすの像
   を有する２個の直径方向に対向したセグメント１
   ０が形成された中子ピン９のまわりの成形用キヤ
   ビテイ７の中に注型材料または成形材料を導入
   し、前記セグメント１０は該セグメントのねじ山
   の深さよりも深い直径方向に対向したみぞ１１に
   より分離され、中子ピン９の軸線に関して前記セ
   グメントにより夾まれた角度は前記軸線に関して
   ２個の抜き出し可能な扁平な中子部材１２のまわ
   りにみぞ１１により夾まれた角度よりも小さくし
   てあり、前記中子部材１２の各々の先端部は中子
   ピン９のそれぞれのみぞ１１の中に滑り嵌めされ
   るようになつており、次いで、成形型の中の注型
   材料または成形材料を固化させ、成形用キヤビテ
   イ７から中子部材１２を抜き出し、ねじを有する
   セグメント１０が中子ピン９のみぞ１１が前に占
   有していた角度位置以内の所定位置を占有するた
   めに十分な角度だけ中子ピン９を回転させ、成形
   型から中子ピンを軸線方向に抜き出し、そして成
   形用キヤビテイから物品を除去することを特徴と
   する内側にねじ穴を有する物品を注型しまたは成
   形する方法。 ２ 形成すべき物品の外側の輪郭を形成する形状
   を有するキヤビテイ７が形成されかつ該キヤビテ
   イ７の中に注型材料または成形材料を導入するた
   めの少くとも一つの通路１６を備えた成形型本体
   ６を含む内側にねじ穴を有する物品１を注型また
   は成形により形成する装置において、成形型本体
   ６にキヤビテイ７から成形型本体６の外側まで外
   方に延びる二つのスロツトと、物品の中に形成す
   べきねじ穴と共軸をなしかつキヤビテイ７の中に
   延びる穴８とが形成され、中子ピン９が前記穴８
   を通してキヤビテイ７の中に摺動可能になつてお
   り、前記中子ピン９にはキヤビテイ７の中に形成
   すべきめすのねじ山４のセグメントのおすの像と
   して形成された２個の直径方向に対向したセグメ
   ント１０が形成されており、前記中子ピンのセグ
   メント１０は該セグメントのねじ山の深さよりも
   深いみぞ１１により分離され、中子ピン９の軸線
   に関して中子ピン９のセグメント１０により夾ま
   れた角度は前記軸線に関してみぞ１１により夾ま
   れた角度よりも小さくしてあり、かつ２個の扁平
   な中子部材１２が成形用キヤビテイ７の中のスロ
   ツト１３の内部で摺動可能になつており、各々の
   中子部材１２の先端部は中子ピン９のそれぞれの
   みぞ１１の中に滑り嵌めされるように形成され、
   さらに、扁平な中子部材１２を成形用キヤビテイ
   ７の内外に移動させる装置と、中子ピン９を挿入
   し、抜き出しかつ所定角度に回転させる装置とを
   備えていることを特徴とする内側にねじ穴を有す
   る物品を注型または成形により形成する装置。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の装置におい
   て、中子部材１２を収納するためのスロツト１３
   が中子ピン９の軸線に対して互いに横方向に偏位
   していることを特徴とする装置。 ４ 特許請求の範囲第２項に記載の装置におい
   て、成形用キヤビテイに該キヤビテイの中に延び
   る第２穴１４が形成されており、前記穴１４が最
   初に述べた穴８と共軸をなし、第２中子ピン１５
   が前記第２穴１４を通して摺動可能であることを
   特徴とする装置。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の装置におい
   て、２個の中子ピン９，１５がキヤビテイ７の中
   で互いに衝接するように配置されていることを特
   徴とする装置。 ６ 特許請求の範囲第４項に記載の装置におい
   て、第２中子ピン１５に互いに直径方向に対向し
   たねじ山のセグメントが形成されていることを特
   徴とする装置。 ７ 特許請求の範囲第６項に記載の装置におい
   て、第２中子ピン１５のセグメントのねじ山が第
   １中子ピン９のセグメントのねじ山と異なつてい
   ることを特徴とする装置。 ８ 特許請求の範囲第４項に記載の装置におい
   て、２個の中子ピン９，１５のみぞが互いに整列
   して各々の扁平な中子部材１２の先端部が両方の
   中子ピン９，１５のそれぞれの整列したみぞの中
   に滑り嵌めされるような位置に前記中子ピン９，
   １５を挿入することができるように配置したこと
   を特徴とする装置。