JPH0230035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は圧縮空気により塗料を霧化し塗装を行
うエアースプレーガンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来のスプレーガンは、中心霧化空気のエアー
溜より、補助穴を１対又は２対設けて、この補助
空気をパタン形成用空気口より噴射する空気流と
衝突させることにより、パタン形成用空気口から
の空気の噴射流を巾広い噴流として塗料噴霧流に
当てて安定したパタン形成を行なつている。

しかし、この場合、噴射圧力が高圧になると塗
料噴霧流の霧化が促進されるため、パタン形成用
の空気流の影響を受けやすく、又高圧において塗
料噴出量が低下しても同様な傾向が現われ、総じ
て一般に吹付圧力が高圧になる程パタンの中心部
が薄くなる、所謂中割傾向が生じ、このため塗面
の仕上がり状態は塗膜の不均一を生じ好ましくな
い。

又、最近は、塗装の自動化により噴霧パタンの
制御が塗料噴出量と共に中心霧化空気とパタン形
成用空気を別個に制御してより塗装に適したパタ
ン制御が行なわれているが、この場合、中心霧化
空気を少なくすると補助穴よりの空気流も少なく
なり、パタン形成用空気口よりの空気の噴射流に
補助空気を衝突させて巾広い噴流を形成する作用
が薄れ、塗料噴霧流の中心に勢いよく衝突し、パ
タンの中心部が薄くなつてパタン形成が中心部で
くびれる、所謂中割れパタンとなり塗装膜厚の不
均一を生じ折角の噴霧制御が好ましからざる結果
になつてしまう。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記実情に鑑み、噴射圧力が高圧とな
つてもパタン形状の安定化を図り、中割れパタン
とならないような空気キヤツプをもつスプレーガ
ンを得ることにあり、従来、中心霧化空気の一部
からとつていた補助空気をパタン形成用空気側よ
りとることによつて、パタン形成用の空気割合に
応じて常に適した補助空気量を得られるようにす
ることを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、従来、中心霧化空気の一部からとつ
ていた補助空気をパタン形成用空気側よりとるこ
とによつて、パタン形成用の空気割合に応じて常
に適した補助空気の量を得られるようにしたもの
である。即ち、塗料噴射口の周囲に霧化空気口
を、また塗料噴射軸線に対して両側対向位置より
圧縮空気を噴射するパタン形成用空気口を夫々有
する圧縮空気により塗料を霧化し塗装を行なうス
プレーガンにおいて、パタン形成用空気口への空
気量を調節するバルブの下流に空気溜を設け、該
空気溜と連通しパタン形成用空気口からの噴射流
が塗料噴射軸線と衝突する前にパタン形成用空気
口からの噴射流と衝突するよう開口させた補助空
気口を塗料噴射軸線に対し対向抗位置に設けるこ
とにより前記した問題点を解決するものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
れば次の通りである。

第２図は公知のエアースプレーガンの断面図で
あり、１は引金２の操作にて塗料ノズル３内の塗
料通路４中に進退自在に挿通されたニードル弁５
と、塗料ノズル３内にカバー６にて挿着される霧
化用空気キヤツプ７を先端に設けたエアースプレ
ーガン本体で、霧化用空気キヤツプ７には中心に
中心空気孔８が塗料ノズル３の塗料噴射口９の周
囲に形成されているとともに、中心空気孔８の両
側対向位置に補助空気口１０が一対若しくは二対
形成されており、更に空気キヤツプ７の先端角部
にはパタン形成用空気口１１が夫々対向して形成
されている。

ここに於て、第１図は本考案の実施例を示すノ
ズル部の半截拡大断面図であり、スプレーガン本
体１の空気通路１２を分岐し、中心空気通路１３
と角空気通路１４とするとともに、該角空気通路
１４にはパターン形成用空気口１１への空気流量
を調節するバルブ１５の下流に空気溜１６が設け
られ、該空気溜１６に連通した補助空気口１７
が、該補助空気口１７よりの噴射流ｚが前記パタ
ーン形成用空気口１１からの噴射流ｙが塗料噴射
軸線ｘと衝突する前にパターン形成用空気口１１
からの噴射流ｙと衝突するよう前記塗料噴射軸線
ｘに対し対向位置に開口されている。その他の構
成は第２図に示す公知例と同様であり同一符合が
用いられる。

以上の構成に於て、本考案の作用を説明する
と、先ず圧縮空気はスプレーガン本体１のハンド
ル部の圧縮空気導入口１９より空気通路１２に供
給され、一方塗料は塗料導入部２０より塗料ノズ
ル３内の塗料通路４に供給される。ここで、引金
２を引くと、ニードル弁５が後退し塗料はノズル
３部先端の塗料噴射口９より噴射されるととも
に、圧縮空気は引金２に連動した空気弁２２が開
弁し空気通路１２を通つて塗料霧化用の中心空気
路１３とパターン形成用の角空気路１４に二分さ
れ、一方はノズル３部先端の中心空気孔８より噴
出し、ノズル３の塗料噴射口９より噴射された塗
料を微粒化するとともに、他方はパタン形成用空
気口１１より噴出し微粒化された噴霧流をして塗
装に適した噴霧パターンに形成する。以上は公知
のエアースプレーガンの作用であるが、本考案に
於ては、空気通路１２を二分し、中心空気孔８に
連通する中心空気路１３と、パタン形成用空気口
１１に連通する角空気路１４とするとともに、該
角空気路１４には空気溜１６が設けられ補助空気
口１７が空気溜１６に連通していることにより、
空気通路１２より二分され角空気路１４へ導かれ
た圧縮空気は空気溜１６を通つて補助空気口１７
より噴射されるとともに、同時にパターン形成用
空気口１１よりも噴射され、該パタン形成用空気
口１１からの噴射流ｙが塗料噴射軸線ｘと衝突す
る前に補助空気口１７からの噴射流ｚが衝突す
る。即ち、パタン形成用空気口１１より噴出する
空気流に補助空気口１７より噴出する空気流を衝
突させることによりパタン形成用空気口１１から
の噴射流を巾広い噴流として塗料噴霧流に衝突さ
せ安定した噴霧パタンを形成するものである。

〔考案の効果〕

上述の様に本考案は、補助空気口をパタン形成
用空気口に連通する角空気路より空気溜を介して
連通させたことによりパタン形成用の空気割合に
応じて常に適した補助空気の量が得られ補助空気
口からの空気流はパタン形成用空気の増減に伴つ
て増減し、常に最高の状態でパタン形成用空気流
と衝突し、その噴流の勢いを緩和することがで
き、その状態で中心部分を通る塗料噴霧流に当る
ため、従来の如く高圧吹付時にパタン中心部が薄
くなる中割傾向を招かずパタン形成が好適にしか
も安定して行なわれる。

しかも、本考案は補助空気口をパタン形成用空
気口側からとるため中心霧化空気流量が十分確保
でき、霧化効率の向上が図れる。

更に、本考案は中心霧化とパタン形成用の空気
を別々に制御する方式のスプレーガンにおいて大
きな効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示すノズル部の半截
拡大断面図、第２図は公知のスプレーガンの断面
図である。 １…スプレーガン本体、３…塗料ノズル、７…
空気キヤツプ、８…中心空気孔、１１…パタン形
成用空気口、１２…空気通路、１３…中心空気
路、１４…角空気路、１５…バルブ、１６…空気
溜、１７…補助空気口、ｘ…塗料噴射軸線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塗料噴射口の周囲に霧化空気口を、また塗料噴
   射軸線に対し両側対向位置より圧縮空気を噴射す
   るパタン形成用空気口を夫々有する圧縮空気によ
   り塗料を霧化し塗装を行なうスプレーガンにおい
   て、前記パターン形成用空気口への空気流量を調
   節するバルブの下流に空気溜を設け、該空気溜と
   連通し、前記パターン形成用空気口からの噴射流
   が、塗料噴射軸線と衝突する前にパタン形成用空
   気口からの噴射流と衝突するよう開口させた補助
   空気口を前記塗料噴射軸線に対し対向位置に設け
   てなるエアースプレーガン。