JPH02298521A - 被覆合成樹脂成形体およびその製造法 - Google Patents

被覆合成樹脂成形体およびその製造法

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JPH02298521A
JPH02298521A JP1222085A JP22208589A JPH02298521A JP H02298521 A JPH02298521 A JP H02298521A JP 1222085 A JP1222085 A JP 1222085A JP 22208589 A JP22208589 A JP 22208589A JP H02298521 A JPH02298521 A JP H02298521A
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group
synthetic resin
resin molded
molded article
molded body
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JP1222085A
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English (en)
Inventor
Takenobu Hatasawa
畠澤 剛信
Toru Takahashi
徹 高橋
Kenzo Yamaguchi
山口 健三
Kazuaki Miyamoto
和明 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、酸化ケイ素被膜を形成した被覆合成樹脂成形
体に関し、さらに詳しくは、酸化ケイ素被膜の密着性に
優れ、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性などの表面状態が改
善された被覆合成樹脂成形体およびその製造法に関する
[従来の技術1 合成樹脂成形体の表面を改質するために、二酸化ケイ素
などの酸化物や金属窒化物等で被覆する技術は公知であ
る。
従来、酸化物膜等を被覆する方法としては、真空蒸着、
スパッタ、イオンブレーティング、プラズマCVDなと
各種の方法が知られているが、これらの被膜形成法では
、特別の設備を要したり、大型成形体や複雑な形状の成
形体表面に被膜を形成することが困難であるなどの難点
を有している。また、合成樹脂成形体と被膜との密着性
が不充分であるという問題がある。
最近、二酸化ケイ素被膜を直接合成樹脂成形体表面に被
覆するのではなく、予め合成樹脂成形体表面に付着性良
好なケイ素含有被膜を第1次被膜(ブライマー)として
被覆し、さらにその上に該第1次被膜と付着性良好な二
酸化ケイ素被膜を作成する方法が提案されている(特開
昭61−1.2734号公報)。すなわち、この方法は
、合成樹脂成形体に、下記一般式で示されるケイ素化合
物、それらの加水分解物、およびコロイダルシリカから
なる群より選ばれた少なくとも1種のケイ素化合物を被
覆・硬化させて第1次被膜とした後、該第1次被膜つき
合成樹脂成形体と二酸化ケイ素の過飽和状態のケイフッ
化水素酸溶液とを接触させて第1次被膜」二に二酸化ケ
イ素被膜を形成させることを特徴とする被覆合成樹脂成
形体の製造方法である。
R1n S ]、 (R2) a−n (式中R゛は炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メ
タクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基
、フッ素または塩素を有する有機基であり、R2はアル
コキシ基、アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基およ
び塩素元素から選ばれる1種もしくは、複数の結合基で
あり、nは0〜4である。) この方法によれば、前記従来法と比較して耐久性のよい
被膜を得ることかでき、しかも塗布浸漬法を使用するこ
とができるため、大型形状あるいは複雑な形状の合成樹
脂成形体にも適用可能である。しかしながら、この方法
では、二酸化ケイ素被膜とブライマーとの密着性は良い
けれども、合成樹脂成形体とブライマーとの密着性はな
お不充分である。その理由は、ブライマーとして使用す
る前記ケイ素化合物と合成樹脂成形体との間に強固な化
学的結合がほとんど形成されないためであると推定され
る。そのために、前記方法では、二酸化ケイ素被膜の合
成樹脂成形体に対する密着性は未だ充分ではない。
ところで、合成樹脂成形体の中でも、ポリカーボネート
樹脂成形体は、透明で耐衝撃性に優れ、かつ耐熱性がよ
いけれども、表面が傷つき摩耗し易く、また、アルカリ
に侵されやすいという欠点を有している。従来、各種の
表面硬化コーティング法が提案されているが、表面に強
力な極性基をもつ官能基がないため接着性が不充分であ
り、酸化ケイ素系膜との密着性が強固な被覆ポリカーボ
ネート樹脂成形体は得られていない。
さらに、エンジニアリングプラスチックとして、例えば
、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリイミドなど多(のポリマーが
開発され、実用化されているが、それらのポリマーから
なる合成樹脂成形体を酸化ケイ素被膜で被覆して、表面
を改質するための改善された方法は提案されていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、密着性に優れた酸化ケイ素被膜を有す
る被覆合成樹脂成形体を提供することにある。
また、本発明の目的は、耐摩耗性、耐候性、耐薬品性な
どの表面状態が改善された酸化ケイ素被覆合成樹脂成形
体を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点1    
 を克服するために鋭意研究した結果、有機シラン化合
物(シラン系カップリング剤)による通常のブライマー
処理では、合成樹脂成形体と有機シラン化合物との間に
、せいぜい極性基間の静電気的引力が働いているだけで
あって、強力な結合が生じていないため、両者間の密着
性が悪いことを見出した。そこで、有機シラン化合物に
よりプライマ一層を形成した後、熱処理を行なってみた
が、合成樹脂成形体との間に化学結合が形成されるのけ
ど(一部であって、密着性が不充分であり、しかも熱処
理法では熱伝導効率が悪く、かつ、合成樹脂成形体に熱
による応力が発生するという問題があった。
そこで、さらに研究を進めた結果、合成樹脂成形体表面
に特定の有機シラン化合物により被覆層(薄膜)を形成
した後、電子線を照射すると、合成樹脂成形体との間に
化学結合が効率よく形成されたプライマ一層とすること
ができ、しかも有機シラン化合物が一3i−0−5i−
結合を形成し、加水分解等の特別の処理をしなくても、
酸化ケイ素被膜との密着性が充分なプライマ一層を形成
することを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明の要旨は、次のとおりである。
(1)  (A)合成樹脂成形体の表面に、(B)電子
線照射した有機シラン化合物の薄膜からなるプライマ一
層、および(C)酸化ケイ素被膜がこの順に形成されて
いることを特徴とする被覆合成樹脂成形体。
(2) 合成樹脂成形体の表面に有機シラン化合物から
なる薄膜を形成し、次いで電子線を照射してプライマ一
層を形成し、しかる後、プライマー層上に酸化ケイ素被
膜を形成させることを特徴とする被覆合成樹脂成形体の
製造法。
以下、本発明の各構成要素について説明する。
(合成樹脂成形体) 本発明で使用する合成樹脂成形体としては、特に限定さ
れず、各種ポリマーからなる成形体が使用できる。
合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、
ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポ
リイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、全芳香族ポリエステル、ポリエーテル
ケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン
スルフィドケトンなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、
ポリジエヂレングリコールビスアリルカーボネート、フ
ェノール樹脂、ポリウレタンなどを挙げることができる
これらの中でも特に、繰り返し単位中にカルボニル結合
を有するポリマーを主体とする成形体が好適に使用でき
る。カルボニル結合を有するポリマーとは、ケトン基の
みならず、酸アミド結合、エステル結合など分子構造中
に(>C=O)結合を有するポリマーを意味する。
これらのポリマーは、それぞれ単独または2種以上をブ
レンドして用いる。
また、合成樹脂成形体の形状は特に限定されず、大型品
から複雑な形状を有するものまで任意の形状の成形体が
使用できる。
(有機シラン化合物) 有機シラン化合物としては、ビニル基、メタクリロキシ
基、エポキシ基、アミノ基またはイソシアネート基を含
有する汎用のシラン系カップリング剤がある。
その中でも、下記一般式〔I〕および[11]で示され
る有機シラン化合物が好適に使用できる。
xns1y4−n          〔I〕〔ただし
、Xはビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基、アミ
ノ基またはイソシアネート基を有する炭素数1〜10の
炭化水素基、Yはアルコキシ基、アルコキシアルコキシ
基、アセトキシ基または水酸基を有する炭素数1〜10
の炭化水素基、nは1〜3の整数である。〕 具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシア
ネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネー
トプロピルトリエトキシシラン、γ−インシアネートブ
ロピルメヂルジメトキシシラン、グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、グリシドキシプロビルトリエトキ
シシラン、グリシドキシプロピル)〜リプロボキシシラ
ン、グリシドキシブロビルメチルジメI・キシシラン、
グリシドキシプロビルエチルジメトキシシラン、グリシ
ドキシプロビルエチルジメトキシシラン、グリシドキシ
プロピルエチルジェトキシシラン、グリシドキシプロピ
ルブチルジメトキシシラン、グリシドキシプロピルブチ
ルジェトキシシラン、2−(2,3−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリップロピルトリメ;・キシシラン、N−
フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、N−<I−
リエトキシシリルプロビル)尿素、アミノメチルトリエ
トキシシラン、1l−(β−アミノエヂル)アミノメチ
ルトリメトキシシラン、アミノメチルジェトキシシラン
、ビニル1−リエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、ビニルアセトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、等が挙げられる
R4−□S i (OOR’ ) ll     [H
]c式中、Rは炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、
メタクリロキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト
基、フッ素または塩素を有する有機基であり、R′はア
ルキル基、アシル基、アリールアルキル基から選ばれる
1種もしくは複数の結合基であり、nは1〜4の整数で
ある。〕具体的には、例えば、ビニルトリス(t−ブチ
ルパーオキシ)シラン、ビニルトリス(キュメンバーオ
キシ)シラン、ビニルトリス(アセチルパーオキシ)シ
ラン、ビニルトリス(ベンゾイルパーオキシ)シラン、
ビニルトリス(ラウロイルパーオキシ)シラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリス(t−ブチルパーオキシ)シ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリス(キュメンバー
オキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリス(ア
セチルパーオキシ)シラン、γ−グリシドキシプロビル
トリス(ベンゾイルパーオキシ)シラン、γ−グリシド
キシプロピルトリス(ラウロイルパーオキシ)シラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリス(t−ブチルパーオ
キシ〕シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(キ
ュメンバーオキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリス(アセチルパーオキシ)シラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリス(ベンゾイルパーオキシ)シラン
、γ−メタクリロキシプロピルトリス(ラウロイルパー
オキシ)シランなどを挙げることができる。これらの有
機ケイ素化合物は、それぞれ単独で、あるいは複数種組
み合わせて用いることができる。
(プライマー層の形成方法) シランし八 からなる・ 合成樹脂成形体の表面に有機シラン化合物からなる薄膜
を形成するには、有機シラン化合物をメタノール、エタ
ノール、イソプロパツール、イソブタノールなどのアル
コール類に溶解させ、その溶液を合成樹脂成形体にスピ
ンコード法、浸漬法、吹付は法等により塗布した後、乾
燥させて溶剤を除去すればよい。大型または複雑な形状
の合成樹脂成形体の場合には、浸漬法が好ましい。
溶液中の有機シラン化合物の濃度は、適宜定め得るが塗
布効率から見て、通常、0.1〜5重量%の溶液とする
ことが好ましい。また、塗布後の乾燥は、室温または乾
燥機中で行なう。室温の場合は、約1〜2時間、風乾さ
せ、また、加熱する場合には、熱風乾燥機中などで昇温
条件下、例えば、90℃程度では約1〜2時間程度乾燥
させる。これらの乾燥条件は、当業者であれば適宜選択
することができる。
!五鰺Ω11 本発明では、合成樹脂成形体の表面に有機シラン化合物
からなる薄膜を形成し、次いで電子線を照射してプライ
マー層を形成する。電子線照射に)     ′″9゛
89樹脂9形”IIす化011に化学結合が形成される
ものと推定される。
電子線照射は、通常、0.05〜10Mrad/S、好
ましくは0.16Mrad/S程度の線量率で、アルゴ
ンガスなどの不活性ガス雰囲気中で、照射する。線量は
、合成樹脂の種類によって変化するが、0.5〜数士M
 r a dの範囲で、合成樹脂表面層を分解ないしは
劣化させない範囲とし、ポリカーボネートでは、通常、
5Mrad以下が好ましい。なお、予め電子線照射およ
び被覆試験を行なうことにより、当業者であれば、樹脂
の種類に応じて線量の好ましい範囲を適宜選択すること
ができる。
電子線を照射することにより、有機ケイ素化合物と合成
樹脂成形体との間に化学結合が生じて、有機ケイ素化合
物の薄膜と合成樹脂成形体表面との間に強固な結合が生
じる。同時に、有機ケイ素化合物の分子間において、前
記一般式〔I〕のYの部分間に一8i−0−8i−結合
が形成され、X線光電子分光装置(Xray Phot
o ElectoronSpectoro 5copy
)による観測によると全体の70〜80%程度がSiO
2として観測される。
また、式[11]で表わされるシリルバーオキサイド化
合物は、活性が強いため、基材の合成樹脂成形体との結
合力は強力であるとともに、酸素原子を過剰にもってい
るため、特に表面ではほとんど5in2の形になってい
る。
ケイ、  の多  S 電子線照射処理の後、有機シラン化合物の薄膜上に酸化
ケイ素被膜を形成させる。
酸化ケイ素化合物としては、5in2やSiOなどのS
in、(2≧X≧1)、5iAnONなどのSi系酸化
物であれば従来公知のものが適用可能である。被膜の形
成方法としては、蒸着、スパッタ、プラズマCVD法、
液相成長など通常の手段が採用できる。
酸化ケイ素被膜の中でも、二酸化ケイ素の被膜が好まし
い。前記ブライマー処理を行なったプライマー層(電子
線を照射した有機シラン化合物の薄膜)上に二酸化ケイ
素の被膜を形成する方法としては、シランガスを用いた
CVD法、石英板をターゲットとしたスパッタ法、有機
ケイ素化合物の有機溶媒を用いたディッピング法、また
は二酸化ケイ素の過飽和状態のケイフッ化水素酸溶液中
に浸漬し、二酸化ケイ素被膜を析出させる析出法などが
ある。この中では析出法が作業が簡単で、しかも均一な
被膜を形成することができるため好ましい。
この析出法については、特開昭61−12734号公報
に詳細に開示されている公知の方法が適用できる。二酸
化ケイ素の過飽和状態のケイフッ化水素酸溶液とは、ケ
イフッ化水素酸溶液に二酸化ケイ素(シリカゲル、エア
ロジル、シリカガラス、その他二酸化ケイ素含有物など
)を溶解させた後、水または試薬(ホウ酸、塩化アルミ
ニウムなど)を添加し、二酸化ケイ素の過飽和状態とし
たものである。この処理液にブライマー処理した合成樹
脂成形体を接触させればよい。接触は、合成樹脂成形体
を処理液中に浸漬するが成形体表面に処理液を流下させ
るなどの方法があるが、均一な被膜を形成するためには
浸漬法が好ましい。
処理液中のケイフッ化水素酸の濃度は、1〜2モル/℃
が好ましく、特に2モル/4より濃いケイフッ化水素酸
水溶液に二酸化ケイ素を飽和させた後、水で希釈して1
〜2モル/f2の濃度としたものが、被膜形成速度が早
く、効率よく被覆が行なえるので望ましい。過飽和状態
とするためにボウ酸を添加する場合の添加量は、処理液
中のケイフッ化水素酸1モルに対して]、X10−2〜
40×10−2モル、好ましくは1.2X10−2〜l
O×10−2モルの範囲であることが、速く均質な被膜
を形成する上で望ましい。
合成樹脂成形体を処理液に浸漬中、連続的にホウ酸水溶
液を添加混合し、また、処理液を循環させ、フィルター
で濾過することが、均質な被膜を効率よく得るために好
ましい。二酸化ケイ素の供給源としてシリカゲルを使用
する場合には、孔径1.5μm以下のフィルターが、そ
の他シリカガラスなどを用いた場合には、孔径10μm
以下のフィルターが好ましい。
また、処理液を浸漬槽に入れて、合成樹脂成形体と接触
させる場合には、浸漬中の成形体表面において、処理液
が層流となって流れるようにすることが、むらのない均
質な被膜を形成するために好ましい。
二酸化ケイ素などの酸化ケイ素被膜の膜厚は、使用目的
に応じて適宜定めることができるが、通常、数100人
〜数1,000人程度で表面改質の目的を達成すること
ができる。
乍」 従来のシラン系カップリング剤などのケイ素化合物によ
るブライマー処理では、ブライマー(第1次被覆層)と
合成樹脂成形体表面との間に強固な化学結合は生じてい
ない。
これに対し、合成樹脂成形体の表面に有機ケイ素化合物
の薄膜を形成した後、電子線を照射すると、合成樹脂成
形体とブライマーの有機ケイ素化合物との間に化学結合
が生じて、両者が強固に結合する。合成樹脂成形体とし
ては、カルボニル結合(>C=O)を有するポリマーを
主体とする成形体が特に効果的である。
電子線照射法によると、■エネルギーは、個々の電子が
もっているので、加速電圧を操作することにより、容易
にエネルギー量を制御することができ、また、■高エネ
ルギ一体であるため、合成樹脂成形体とブライマー間の
反応部所への到達が容易であるため、短時間で、確実に
両者間に化学結合が形成される。
また、通常のシラン系カップリング剤によるブライマー
処理では、酸化ケイ素被膜との密着性を向上させるため
に、基材に塗布する前に、アルコキシ基などを加水分解
して水酸基に変える必要があった。そして、ブライマー
分子同士の結合性も弱いものであった。ところが、電子
線照射法によれば、合成樹脂成形体表面に塗布した有機
ケイ素化合物のアルコキシ基などが一5i−0−Si−
結合を形成して、ブライマー分子が同士強固に結合し、
しかもプライマ一層の表面ではほとんどが5in2の形
になっているため、酸化ケイ素被膜の形成はガラス面上
での形成と同様にできるので、非常に密着性に優れた被
覆層とすることができる。
(以下余白) [実施例] 以下、本発明について実施例および比較例を挙げて具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、実施例および比較例における密
着性試験など物性の測定方法は、次のとおりである。
〈物性の測定方法〉 41笠孟ヌ±: 酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体表面に粘着テープを貼り
つけ、90度方向に急激に剥す。
酸化ケイ素被膜が剥れると×、剥れない場合を○とした
。また、一部剥れた場合は△とした。
肚候丑: 酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体をカーボンアーク型のウ
エザオメーター(WE−3un−DC;東洋理化株式会
社製)中で200時間暴露した後、密着性テストを行な
った。評価方法は密着性テストと同じ。
肚遣水1・ 酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体を熱水中で1時間煮沸し
た後、密着性テストを行なった。評価方法は密着性テス
トと同じ。
舷然皇: 酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体をオーブン中80℃で5
0時間放置した後、密着性テストを行なった。評価方法
は密着性テストと同じ。
舷洞店: 酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体を恒温恒温機にて65℃
、95%RHで3週間放置した後、密着性テストを行な
った。評価方法は密着性テストと同じ。
[実施例1] ポリカーボネート樹脂からなる光デイスク基板(130
φ、厚さ1.2mm)に、第1表に示す各種有機シラン
化合物のイソプロパツール溶液(濃度1重量%)を浸漬
法で塗布し、80”Cにて3分間加熱乾燥を行なった。
膜厚は、100人であった。
1      次に、有機シラン化合物が塗布された面
に、第1表に示す条件にて電子線を照射した。電子線は
、1.6Mrad/Sの線量率で、アルゴンガス雰囲気
中で照射した。
上記処理を行なったポリカーボネート製光デイスク基板
上に、特開昭61−12734号公報に示されているの
と同様の二酸化ケイ素被膜製造装置を用いて、二酸化ケ
イ素被膜を析出させた。
すなわち、二酸化ケイ素被膜製造装置は、外槽と内槽か
ら成る浸漬槽を有し、内槽と外槽の間には水が満しであ
る。この水は温度が35°Cとなるようヒーターで加熱
され、かつ、温度分布均一化のため撹拌機で撹拌されて
いる。内槽は前部、中部、後部から成り各部には工業用
シリカゲル粉末を二酸化ケイ素の供給源として、二酸化
ケイ素を溶解、飽和させた2、0モル/I2.の濃度の
ケイフッ化水素酸水溶液を水を用いて倍に希釈した3℃
の反応液が満たしである。ここで、循環ポンプを作動さ
せ内槽後部の反応液を一定量ずつ放出してフィルターで
濾過し、内槽前部へ戻す処理液循環を開始した。
その後、0.5モル/氾のボウ酸水溶液を連続的に内槽
後部に摘下し10時間保持した。この状態で反応液は適
度な二酸化ケイ素過飽和度を有する処理液となった。
ここでフィルターの絶対除去率を1.5μmおよび処理
液循環量を240 m 127分(処理液全量が約3β
であるので、循環量は8%/分である)に調整した。
そして、上記処理を行なったポリカーボネート製光デイ
スク基板を内槽中部に垂直に浸漬し、前記条件(0,5
モル/℃のホウ酸水溶液を0.2mρ/分で添加し、8
%/分の循環を行ない、1.5μmのフィルターで濾過
する)で3時間保持した。
得られた被覆ポリカーボネート製光デイスク基板の二酸
化ケイ素被覆層の膜厚は約900人であった。
二酸化ケイ素被覆合成樹脂成形体の特性について測定し
た結果を第1表に示す。
(以下余白) [実施例2] 合成樹脂成形体として、ポリエチレンテレフタレート樹
脂からなる平板(縦100mm、横100mm、厚さ2
 m m )を用い、実施例1と同様に、第2表に示す
各種有機シラン化合物の薄膜を形成し、同様に電子線照
射を行なった。そして、実施例1と同様に処理して二酸
化ケイ素被覆ポリエチレンテレフタレート樹脂平板を得
た。
特性について、測定結果を第2表に示す。
(以下余白) [実施例3] ポリカーボネート樹脂からなる平板(縦100mm、横
100mm、厚さ2mm)に、ビニルトリス(t−ブチ
ルパーオキシ)シランのイソブタノール溶液(濃度1重
量%)を浸漬法で塗布し、80℃の熱風乾燥機にて3分
間加熱乾燥を行なった。膜厚は約100人であった。つ
いで、塗布された全面にわたって電子線を5 M r 
a d / Sの線量率で、アルゴンガス雰囲気中で照
射した。
ブライマー処理されたポリカーボネート樹脂平板を実施
例1と同様に処理して二酸化ケイ素被膜を析出させた。
16時間浸漬して保持した結果、膜厚5000人の二酸
化ケイ素被膜を得た。
[実施例4] 有機シラン化合物としてビニルトリス(アセチルパーオ
キシ)シランを用いたこと以外は、実施例3と同様に処
理して、二酸化ケイ素被覆ポリカーボネート樹脂平板を
得た。
[実施例5] 合成樹脂成形体としてポリエーテルイミド平板(縦10
0mm、横100mm、厚さ2 m m )を用いたこ
と以外は、実施例3と同様に処理して二酸化ケイ素被覆
ポリエーテルイミド平板を得た。
[実施例6] 合成樹脂成形体としてポリジエチレングリコールビスア
リルカーボネート樹脂平板(縦100mm、横100m
m、厚さ2mm)を用いたこと以外は、実施例3と同様
に処理して二酸化ケイ素被覆ポリジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート樹脂平板を得た。
[実施例7] 電子線照射の条件を、105 M r a d / S
の線量率とした以外は、実施例3と同様に処理して、二
酸化ケイ素被覆ポリカーボネート樹脂平板を得た。
[比較例1] ブライマー処理を行なわなかったこと以外は、実施例3
と同様に処理して、二酸化ケイ素被覆ポリカーボネート
樹脂平板を得た。
結果を第3表に一括して示す。
〔発明の効果〕
本発明によれば、通常の有機シラン化合物でブライマー
処理をした後、電子線を照射するだけで、基材の合成樹
脂と強固に結合したプライマ一層を形成することができ
る。また、プライマー層表面部は、はとんどが5in2
となるため、その上に形成する酸化ケイ素被膜との密着
性が良好で、剥離やピンホールの発生などが大幅に減少
できる。さらに、通常の有機シラン化合物によるブライ
マー処理では困難であった、ブライマー処理から酸化ケ
イ素被膜を形成するまでの間の長期保存が可能となった
そして、本発明の製造方法によって、酸化ケイ素被膜と
の密着性、表面硬度、耐候性、耐薬品性、透湿性、吸湿
性などが大幅に改善された成形体を得ることができ、例
えば、光磁気ディスク用基板や磁気ディスク用基板、車
や電車の窓ガラスの代用としての合成樹脂基板をはじめ
広範な分野において用いることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(A)合成樹脂成形体の表面に、(B)電子線照
    射した有機シラン化合物の薄膜からなるプライマー層、
    および(C)酸化ケイ素被膜がこの順に形成されている
    ことを特徴とする被覆合成樹脂成形体。
  2. (2)有機シラン化合物が下記一般式〔I〕および〔I
    I〕で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の化
    合物である請求項1記載の被覆合成樹脂成形体。 X_nSiY_4_−_n〔I〕 [式中、Xはビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基
    、アミノ基またはイソシアネート基を有する炭素数1〜
    10の炭化水素基、Yはアルコキシ基、アルコキシアル
    コキシ基、アセトキシ基または水酸基を有する炭素数1
    〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。] R_4_−_nSi(OOR′)_n〔II〕[式中、
    Rは炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロ
    キシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素
    または塩素を有する有機基であり、R′はアルキル基、
    アシル基、アリールアルキル基から選ばれる1種もしく
    は複数の結合基であり、nは1〜4の整数である。]
  3. (3)合成樹脂成形体の表面に有機シラン化合物からな
    る薄膜を形成し、次いで電子線を照射してプライマー層
    を形成し、しかる後、プライマー層上に酸化ケイ素被膜
    を形成させることを特徴とする被覆合成樹脂成形体の製
    造法。
  4. (4)有機シラン化合物が下記一般式〔I〕および〔I
    I〕で示される化合物から選ばれる少なくとも1種の化
    合物である請求項3記載の被覆合成樹脂成形体の製造法
    。 X_nSiY_4_−_n〔I〕 〔式中、Xはビニル基、メタクリロキシ基、エポキシ基
    、アミノ基またはイソシアネート基を有する炭素数1〜
    10の炭化水素基、Yはアルコキシ基、アルコキシアル
    コキシ基、アセトキシ基または水酸基を有する炭素数1
    〜10の炭化水素基、nは1〜3の整数である。] R_4_−_nSi(OOR′)_n〔II〕[式中、
    Rは炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、メタクリロ
    キシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フッ素
    または塩素を有する有機基であり、R′はアルキル基、
    アシル基、アリールアルキル基から選ばれる1種もしく
    は複数の結合基であり、nは1〜4の整数である。]
  5. (5)前記酸化ケイ素被膜が二酸化ケイ素被膜であって
    、かつ、前記プライマー層を形成した合成樹脂成形体を
    二酸化ケイ素の過飽和状態のケイフッ化水素酸溶液と接
    触させることにより、該プライマー層上に二酸化ケイ素
    被膜を析出させる請求項3または4記載の被覆合成樹脂
    成形体の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0892397A (ja) * 1994-09-06 1996-04-09 Becton Dickinson & Co ガス透過を減少させるプラスチック製品および方法
US5922161A (en) * 1995-06-30 1999-07-13 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Surface treatment of polymers

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JPH0892397A (ja) * 1994-09-06 1996-04-09 Becton Dickinson & Co ガス透過を減少させるプラスチック製品および方法
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