JPH0229501B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えば段ボール紙のような連続し
たシート状材料の丁取り裁断機あるいは罫線スロ
ツト機における丁取りローラ、罫線ローラ、スロ
ツトローラのように、同列で複数基配設され相互
に既定の間隔を置いて位置設定されるシート状材
料の加工具位置決め機構に関する。

従来、このような位置決め機構としては、各移
動部材ごとに１本のねじ軸を設けてこのねじ軸の
回転、停止により所要とする位置決めを行なうよ
う構成されたものが知られている。しかしながら
このような構成においては、上記のように各移動
部材ごとに１本のねじ軸を必要とするため特に移
動部材が多数に及ぶ場合には構造が非常に複雑化
するとともに大きな場所を必要とし、かつ、位置
決め操作も煩雑化するため、操作すべきねじ軸の
選定ミスや誤操作を招く易く、取扱い上不便であ
るとともにタイムロスの多いものであつた。

以上に鑑み、この発明の目的は、移動部材の増
大にかかわらず構造が簡単でしかも位置決め操作
を迅速かつ確実に行ない得る位置決め機構の提供
にある。

次に、この発明を、図示した実施例に基づいて
説明する。

図中機枠１には、駆動軸２，３が上下に互いに
平行をなして軸受支持されている。これらの駆動
軸２，３は各々キー溝２ａ，３ａを有しており、
かつ機枠１外で、互いに噛み合う歯車４，５を軸
止している。ここで、下側に位置する駆動軸５は
モータ６によりチエーン７を介して駆動されてお
り、従つて駆動軸２，３は互いに逆方向へ同調回
転を行なう。また、駆動軸２の上方には回転螺軸
８（左右いずれのねじでもよく、また両方備えた
ものであつてもよい）と、機枠１に両端を支持さ
れたガイド軸９とが当該駆動軸２と平行をなして
位置しており、一方、駆動軸３の下方にも同様な
回転螺軸１０とガイド軸１１とが上記回転螺軸８
とガイド軸９とに各々対応して位置している。回
転螺軸８と回転螺軸１０とは、モータ１２により
チエーン１３を介して駆動され、同方向に同調回
転を行なう。さらに、上側に位置する駆動軸２と
回転螺軸８とガイド軸９とには、これらの３軸に
またがる上側移動部材１４〜１４が設けられてお
り、下側に位置する駆動軸３と回転螺軸１０とガ
イド軸１１とにも同様に下側移動部材１５〜１５
が設けられている。これらの上側移動部材１４〜
１４と下側移動部材１５〜１５とは各々カツター
ローラ１４ａ〜１４ａおよびカツターローラ１５
ａ〜１５ａとを互いに向かい合う位置に備えてお
り、各々１基ずつが１組となつて、シート材の裁
断を行なうよう構成されている。（本実施例では
左右に１組ずつ設けられている。）これらの上側
移動部材１４〜１４と下側移動部材１５〜１５の
構造は同様であつて、以下において、下側移動部
材１５の構造に関してのみ、さらに詳しく説明を
行なう。

第２図においてカツターローラ１５ａは、駆動
軸３のキー溝３ａ内へ突出するすべりキー１６に
よつて、駆動軸３と一体回転可能かつ軸方向に摺
動可能となつている。また、このカツターローラ
１５ａは、ホルダー１７の一端に設けられた同心
円筒状の支持部１８に軸受１９を介して保持され
ており、ホルダ１７とともに移動を行なうよう構
成されている。またこのホルダー１７は、他端に
ガイド軸１１に対し摺動可能な筒部２０を備えて
おり、かつ中央部では、回転螺軸１０と螺合し、
前後にクラツチ刃２１，２２を備えた筒状ねじ体
２３を、軸受２４を介して保持している。さらに
ホルダー１７は、エアーシリンダ２５を回転螺軸
１０と平行状態で支持する支持枠２６を有してい
る。この支持枠２６はシリンダ本体２５ａの後部
をナツト２７を介して固定する後枠２８と、ピス
トンロツド２５ｂの先端をナツト２９を介して固
定する前板３０を備えた直方体状の枠体３１の側
部をガイドする側枠３２とからなつており、エア
ーシリンダ２５は枠体３１のほぼ中央に位置して
保持されている。枠体３１の前板３０は、筒状ね
じ体２３に対し前方に位置して回転螺軸１０に向
けて延出しており、第３図に示すように、この回
転螺軸１０と同心の半円状切欠部３０ａが設けら
れている。また、前板３０の両側には、筒状ねじ
体２３の前方で回転螺軸１０上に位置する輪状の
前部従動体３３に設けられた円環状溝３４内に直
径方向両側に位置する案内片３５，３５を各々備
えた案内具３６，３６が取着されている。これら
の案内具３６，３６は、各々、案内片３５に対し
その１端が回動可能に連結された螺棒３７と螺合
するナツト部材３８を備えており、ナツト３９を
介して緊締することにより案内片３５を任意位置
に設定可能となつている。上記の前部従動体３３
は、回転螺軸１０のキー溝４０内に位置するすべ
りキー４１を有して、回転螺軸１０と１体回転可
能かつ、軸方向に摺動可能となつており、また、
筒状ねじ体２３と相対する側には、この筒状ねじ
体２３前部のクラツチ刃２１と噛み合うクラツチ
刃４２を有している。一方、枠体３１の後板４３
は、筒状ねじ体２３に対し後方に位置して、前板
３０と同様、回転螺軸１０に向けて延出してお
り、回転螺軸１０と同心の半円状切欠部４３ａが
設けられている。後板４３の端部には、回転螺軸
１０と同心円状で位置し、内周が回転螺軸１０の
軸径よりも大きな円環状の後部従動体４４が固定
されており、この後部従動体４４は、ホルダー１
７に固定されたガイド筒４５内を摺動可能となつ
ている。また、後部従動体４４には前部従動体３
３と同様に、筒状ねじ体２３後部のクラツチ刃２
２と噛み合うクラツチ刃４６が付設されている。

上記のエアーシリンダ２５と筒状ねじ体２３と
前部従動体３３と後部従動体４４とは位置決め機
構４７を構成しており、図示のようにエアーシリ
ンダ２５のピストンロツド２５ｂが伸張した状態
では、枠体３１の後板４３は後部従動体４４を前
方に引き寄せて、そのクラツチ刃４６と筒状ねじ
体２３のクラツチ刃２２とが噛み合い、筒状ねじ
体２３は係止されており、下側移動部材１５は回
転螺軸１０の回転とともに前後に移動可能とな
る。一方、エアーシリンダ２５のピストンロツド
２５ｂを収縮させると、前記の後部従動体４４の
クラツチ刃４６と筒状ねじ体２３のクラツチ刃２
２との噛み合いが外れるとともに、前部従動体３
３が前板３０に取着された案内具３６，３６の案
内片３５，３５により後方へ移動され、前部従動
体３３のクラツチ刃４２と筒状ねじ体２３のクラ
ツチ刃２１とが噛み合う。従つて、筒状ねじ体２
３は回転螺軸１０の回転とともに、前部従動体３
３と１体となつて回転し、下側移動部材１５の移
動が停止する。

また、上記のような位置決め機構４７は、第５
図および第６図に示す罫線・スロツト機にも適用
でき、この構成を以下に説明する。

図中、上側移動部材１１４と下側移動部材１１
５とは上下１対をなして幅方向に複数基配設され
ている。これらの上側移動部材１１４と下側移動
部材１１５との構造はほぼ同様であつて、まず、
下側移動部材１１５に関し説明を行なう。第６図
において、ヨーク１１７は、機枠（図示しない）
に対し固定され水平方向に並列配置されたガイド
軸１１１ａ，１１１ｂにより軸方向に摺動可能に
支持されている。またヨーク１１７はモータ等の
駆動源（図示しない）に連結されかつ水平方向に
並列配置された駆動軸１０３ａ，１０３ｂの各々
によりすべりキー１１６ａ，１１６ｂを介して駆
動される罫線ローラ１５０とスロツトローラ１５
１とを各々のほぼ直径方向両端に位置する案内片
１５２，１５２により回転可能に係止している。
また、ヨーク１１７の上部には送り込まれたシー
ト材の下面を支持するガイド棒１５３，１５４が
設けられている。さらに、ヨーク１１７の中央部
下方には、モータ等の駆動源（図示しない）によ
り駆動される回転螺軸１１０が貫設されており、
さらに、この回転螺軸１１０と関連して、該ヨー
ク１１７を軸方向への移動、停止に切換えうる。
位置決め機構１４７が設けられている。一方、上
側移動部材１１４もまた同様に、ガイド軸１０９
ａ，１０９ｂに対し軸方向に摺動可能なヨーク１
１８と、駆動軸１０２ａ，１０２ｂの各々により
駆動され、上記下側移動部材１１５の罫線ローラ
１５０、スロツトローラ１５１と対応して位置
し、これらと各々１対をなして作用を行なう罫線
ローラ１５５、スロツトローラ１５６を備えてお
り、位置決め機構１４８により、回転螺軸１０８
に沿つて移動・停止を行なう。また、この上側移
動部材１１４のヨーク１１８の中央部下方には、
機枠に軸支された従動ローラ１５７との間でシー
ト材の中間送りを行なう送りローラ１５８が支持
板１５９を介して軸支されている。

上記下側移動部材１１５と上側移動部材１１４
の各々の位置決め機構１４７，１４８の構造は前
記裁断機における位置決め機構４７と同様であつ
て、この構成を下側移動部材１１５の位置決め機
構１４７に関連して説明する。

位置決め機構１４７は、ヨーク１１７に軸受支
持されるとともに回転螺軸１１０と螺合しかつ前
後にクラツチ刃を備えた筒状ねじ体１２３と、ヨ
ーク１１７の下面に付設されたエアーシリンダ１
２５と、このエアーシリンダ１２５に付設された
前板１３０に設けられた案内具１３６，１３６に
より円環状溝１３４を介して回転螺軸１１０の軸
方向へ従動可能かつすべりキー１４１により該回
転螺軸１１０と１体回転し、筒状ねじ体１２３の
前部のクラツチ刃に対するクラツチ刃を備えた前
部従動体１３３と、エアーシリンダ１２５に付設
された後板１４３に固定されて、ヨーク１１７の
ガイド筒１４５に対し摺動可能かつ筒状ねじ体１
２３のクラツチ刃に対するクラツチ刃を備えた後
部従動体１４４とからなつている。従つて、下側
移動部材１１５は、エアーシリンダ１２５の伸長
により回転螺軸１１０の回転に伴つて軸方向へ移
動し、エアーシリンダ１２５の収縮によつて移動
を停止する。従つて、下側移動部材１１５と上側
移動部材１１４とは、各々の側の回転螺軸１１０
および回転螺軸１０８上で軸方向に自由に移動、
停止させて位置決め可能となつている。

本発明はガイド軸に沿つて移動可能なヨークに
支持され、段ボール紙等のシート状材料に対し所
定の加工を行なう加工具の位置決めをするための
シート材加工具の位置決め機構であつて、前記ガ
イド軸に対し平行に配置された正逆回転可能な回
転螺軸と、前記回転螺軸と内周面で螺合し、前記
ヨークにより該ヨークに対し相対回転可能かつ該
ヨークとともに前記回転螺軸の軸方向に移動可能
に支持された筒状ネジ体と、該筒状ネジ体の前後
に相対して配置され、前記筒状ネジ体と対面する
側にそれぞれ該筒状ネジ体に設けられたクラツチ
部材と係合可能なクラツチ部材を備えた一対の従
動体と、これらの従動体を支持する枠体と、前記
ヨークに取付けられて前記枠体を前記従動体とと
もに軸方向に移動させ、前記従動体の前記クラツ
チ部材の対応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ
部材との係脱を行わせるための駆動装置とを有
し、前記従動体の一方は前記回転螺軸に対しフリ
ー状態で前記枠体に固定されて、その前記クラツ
チ部材の対応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ
部材との係合時に該筒状ネジ体の前記回転螺軸に
対する回転を係止し、また他方は前記回転螺軸に
対し該回転螺軸とともに一体回転可能かつ該回転
螺軸に沿つて軸方向に移動可能に取付けられて、
その前記クラツチ部材の対応する前記筒状ネジ体
との係合時に該筒状ネジ体の前記クラツチ部材と
の係合時に前記筒状ネジ体を前記回転軸とともに
回転させるように構成し、かつ前記従動体相互の
距離をこれらのいずれかの前記クラツチ部材が対
応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材と係合
する時に、他の前記従動体の前記クラツチ部材が
対応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材に対
し離脱状態となるように設定したことを特徴とす
るシート材加工具の位置決め機構である。

本発明は上記構成により下記の作用、効果を奏
する。

（作用） 駆動装置により従動体を一方の側に移動させる
と、一方の従動体のクラツチ部材が対応する筒状
体のクラツチ部材と係合して、筒状ネジ体の回転
軸に対する回転が係止される。このため筒状ネジ
体は回転軸との螺合により、その回転に対応した
方向に移動し、これに伴つて加工具を支持するヨ
ークがガイド軸に沿つて移動する。またこの状態
から駆動装置により従動体を他方の側に移動させ
ると、上記一方の従動体のクラツチ部材の係合が
外れ、さらにこれに引続いて他方の従動体のクラ
ツチ部材が対応する筒状ネジ体のクラツチ部材と
係合して筒状ネジ体を前記回転軸とともに回転さ
せる。これによつて筒状ネジ体の移動が停止し、
加工具を支持するヨークも定位置で停止する。次
に駆動装置により従動体を逆方向に移動させると
上記とは逆にヨークは定位置からガイド軸に沿つ
て移動する。

（効果） イ 回転螺軸の連続回転時においても駆動装置に
よる従動体の移動操作のみによつて加工具を自
立的に任意位置で停止させ、もしくは停止位置
から移動させることができるので、例えば同列
に配置される加工具が多数に及ぶ場合でも各々
の加工具に対応して同数の回転螺軸を設ける必
要がなくなり、これらに共通の一本の回転螺軸
を設ければ足りるので装置の簡略化、経費の節
減を図ることができ、また各加工具の位置決め
作業は各々の駆動装置を遠隔操作すれば直接の
手作業は不要となるので人的、時間的な無駄を
減少できる。

ロ 加工具は回転螺軸の正逆回転により回転螺軸
に沿つてヨークとともに移動するものであり、
回転螺軸自体が移動に要する動力を提供するも
のであるから、移動のための別個の駆動装置を
要しないので構造がさらに簡略化され、かつ保
守が容易となる。

ハ 従動体のクラツチ部材と筒状ネジ体のクラツ
チ部材との係脱は両従動体を同時に同方向に動
かすことで行われ、この移動により一方の従動
体のクラツチ部材の係合を外す作用と他方の従
動体のクラツチ部材の係合を行う作用とを同時
に行うことができる。このためクラツチ操作を
行うための駆動機構及びこれに関連する部材が
両従動体に共通の単一のもので済むので位置決
め機構の構造がさらに簡略化され、さらにはク
ラツチの切替操作が簡単で済むので制御機構が
簡単なもので済む。また、一方の従動体のクラ
ツチ部材が係合状態にあるときには他方の従動
体のクラツチ部材は確実に非係合状態に維持さ
れるので加工具の停止と移動を誤作動なく確実
に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の１実施例を示し、第１図は丁取り
裁断機の概略正面図、第２図は第１図の下側移動
部材を展開して示した部分断面拡大正面図、第３
図は第２図の左側面図、第４図は第２図の右側面
図、第５図は罫線・スロツト機の部分概略正面
図、第６図は第５図の−線に沿う断面図であ
る。 １……機枠、８，１０，１０８，１１０……回
転螺軸、１４，１１４……上側移動部材、１５，
１１５……下側移動部材、１７，１１７，１１８
……ヨーク、２１，２２，４２，４６……クラツ
チ刃、２３，１２３……筒状ねじ体、２５，１２
５……エアーシリンダ、３０，１３０……前板、
３３，１３３……前部従動体、３４，１３４……
円環状溝、３６，１３６……案内具、４３，１４
３……後板、４４，１４４……後部従動体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガイド軸に沿つて移動可能なヨークに支持さ
   れ、段ボール紙等のシート状材料に対し所定の加
   工を行なう加工具の位置決めをするためのシート
   材加工具の位置決め機構であつて、前記ガイド軸
   に対し平行に配置された正逆回転可能な回転螺軸
   と、前記回転螺軸と内周面で螺合し、前記ヨーク
   により該ヨークに対し相対回転可能かつ該ヨーク
   とともに前記回転螺軸の軸方向に移動可能に支持
   された筒状ネジ体と、該筒状ネジ体の前後に相対
   して配置され、前記筒状ネジ体と対面する側にそ
   れぞれ該筒状ネジ体に設けられたクラツチ部材と
   係合可能なクラツチ部材を備えた一対の従動体
   と、これらの従動体を支持する枠体と、前記ヨー
   クに取付けられて前記枠体を前記従動体とともに
   軸方向に移動させ、前記従動体の前記クラツチ部
   材の対応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材
   との係脱を行わせるための駆動装置とを有し、前
   記従動体の一方は前記回転螺軸に対しフリー状態
   で前記枠体に固定されて、その前記クラツチ部材
   の対応する前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材と
   の係合時に該筒状ネジ体の前記回転螺軸に対する
   回転を係止し、また他方は前記回転螺軸に対し該
   回転螺軸とともに一体回転可能かつ該回転螺軸に
   沿つて軸方向に移動可能に取付けられて、その前
   記クラツチ部材の対応する前記筒状ネジ体との係
   合時に該筒状ネジ体の前記クラツチ部材との係合
   時に前記筒状ネジ体を前記回転軸とともに回転さ
   せるように構成し、かつ前記従動体相互の距離を
   これらのいずれかの前記クラツチ部材が対応する
   前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材と係合する時
   に、他の前記従動体の前記クラツチ部材が対応す
   る前記筒状ネジ体の前記クラツチ部材に対し離脱
   状態となるように設定したことを特徴とするシー
   ト材加工具の位置決め機構。