JPH0229055Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は複写機にその複写工程に応じて積載収
納した多数枚の記録紙を１枚ずつ供給する複写機
に付設して用いる給紙装置の記録紙巾規制部の構
造に関する。

［従来技術］ 一般に複写機の給紙装置としては、記録紙を装
填したカセツトを複写機のカセツト装填口に装備
し、このカセツト内に積載収納した最上の記録紙
に複写機の入口ローラを係合させて複写工程に同
期して記録紙を複写機内に送り込む装置が用いら
れている。

かかる記録紙カセツトは通常小型でその収納す
る記録紙の量も限られ使用量が頻繁に使用する記
録紙を補給しなければならない欠点があるので、
最近このカセツト装填口に1000枚にも及ぶ大容量
の給紙スタツカーを付設し、この給紙スタツカー
側に装備した給紙ローラで記録紙を常時カセツト
装填口に繰出し、長時間にわたつて記録紙補給の
必要のない給紙装置が提案されるに至つている。

第１図はそのような給紙装置の側断面を示した
もので、給紙装置Ａは複写機本体Ｂのカセツト装
填口Ｂ１に必要に応じて装着され、複写工程に同
期して複写機本体Ｂ内に記録紙を供給するよう構
成された多数枚給紙装置である。

その構造の概要について説明すると、給紙装置
Ａにおける記録紙収納部Ａ１には、左右の側枠
（図示せず）に設けたそれぞれ１対のガイド溝１
ａ，１ｂを案内として昇降出来る給紙台２が設け
られ、該給紙台２には、その両側端に取り付けた
固定部材２ａ，２ｂに駆動軸Ｍにより歯車Ｇ１，
Ｇ２を介して互いに相反する方向に回転されるプ
ーリ３及び４にそれぞれ巻回するとともに、プー
リ３ａ，３ｂ及び４ａ，４ｂに案内された２本の
ワイヤーW₁，W₂の両端部が固着されている。

即ち図示の態から前記駆動軸Ｍが反時計方向に
回転を始めると、ワイヤW₁は前記プーリ３によ
つて時計方向に、ワイヤW₂は前記プーリ４によ
つて時計方向へ等速移動するのでワイヤW₁の固
定部２ａ及びワイヤW₂の固定部２ｂが共にプー
リ３ａ，４ａ側に引張られて前記給紙台２は平行
に上昇し、記録紙ｐの再上位の高さが所定の位置
に達すると例えばマイクロスイツチ（図示せず）
のアクチエータ５が作用して前記駆動軸Ｍを停止
して給紙台２をその位置に保つ。尚前述したワイ
ヤW₁，W₂による昇降装置は、前記給紙台２の両
側面に設けられそれによつて給紙台２上の記録紙
ｐは常に平衡を保つた状態で上下されるようにな
つている。

又、前記給紙台２上に積載されている記録紙ｐ
はそのサイズに応じて左右１対で対称的に移動し
てその間隔を変化することのできる記録紙巾規制
部材６によつて紙巾の中心が常に一定の位置に置
かれ更に後方突当て板７によつて記録紙ｐの先端
が前方突当て板８に当接されていている。又最上
の記録紙ｐに圧接する給送ローラ９は、時計方向
に回転するように構成し、記録紙ｐは左方向に搬
出されるようになつている。

一方、前記記録紙収納部Ａ１と一体に構成され
て複写機本体Ｂ内に装着される記録紙搬出部Ａ２
には、搬出ガイド板１０ａ，１０ｂによる記録紙
搬出路が形成されていて、前記記録紙収納部Ａ１
から記録紙ｐが複数枚重複して搬出されたとして
も重送防止用固定部材１２にて圧接した状態で時
計方向に強制的に回転する給送ローラ１１によつ
て最上の記録紙だけが引き続いて搬出されるよう
になつている。

更に、前記記録紙搬出部Ａ２の端部には、複写
機本体Ｂの入口ローラＢ２に対し、ソレノイド
（図示せず）の作用によつて圧接される可動ガイ
ド片１３が設けてあり、該可動ガイド片１３表面
の摩擦面とこれに圧接回転する前記入口ローラＢ
２によつて記録紙ｐを確実に複写工程へと給送さ
れるよう構成されている。

又、サイズの異なる記録紙の使用に際して前記
記録紙巾規制部材６および後方突当て板７を移動
する場合、あるいは記録紙ｐを補給する場合等の
ために前記記録紙収納部Ａ１には、支軸１４ａを
支点として上方に開放できる蓋１４と、支軸１５
ａ及び１５ｂを支点として水平に図上で右方向に
開放出来る蓋１５が設けられている。

かかる構造をもつた給紙装置は、複写機に接続
することにより1000枚にもおよぶ記録紙を自動的
に連続して複写機に供給することを可能とするも
ので大量のコピーを行う場合に、極めて能率的で
あり、また自動原稿送り装置を併用することによ
り長時間にわたる自動コピーも実現できる等頗る
有用な給紙装置と言える。

即ち、このような給紙装置は、収納する記録紙
は、そのサイズの大小に関係なく紙巾の中心と給
送ローラ９の中心とが常に一致するように設けら
れているので、該給送ローラ９による搬出力をバ
ランス良く受けて円滑な搬送作用が行なわれるよ
うになつている。

しかしながら記録紙巾の中心を常に一定にした
位置に置くには、前述した左右一対の記録紙巾規
制部材６を予め収納する記録紙のサイズに相当す
る位置に移しかつその位置で固定できる装置が必
要とされる。

かかる装置は収納する記録紙のサイズが変わる
毎に操作されるものであるから、前記記録紙巾規
制部材は簡易に移動できるものであり、また収納
する記録紙は1000枚にも及ぶ場合があるので堅固
に固定されるものでもなければならずそのような
装置を限られたスペース内で実現することは、な
かなか困難であつた。

［考案の目的］ 本考案は、収納する記録紙に対応する位置決め
操作が容易であり、かつ該位置において強固な取
り付けがなされる、構造簡易で安価な給紙装置の
記録紙巾規制部の構造の提供を目的としている。

［考案の構成］ 本考案は、多数枚の記録紙を載置して、上下動
可能の給紙台を備えた給紙装置の記録紙巾規制部
の構造において、前記給紙台の巾方向対称位置に
切欠部を形成し、該切欠部に一対の記録紙巾規制
部材を立設し、前記給紙台の上方ならびに下方に
給紙装置の側板間に横架され、前記記録紙巾規制
部材を案内する上部および下部案内板を設け、該
上下各案内板に記録紙の巾サイズに対応して、前
記記録紙巾規制部材の上縁部ならびに下縁部に係
脱する複数の凹部を記録紙巾方向に設けるととも
に、前記上部案内板は前記記録紙巾規制部材をを
固定する固定手段を有し、前記記録紙巾規制部材
の下縁には、該部材の上縁の上部案内板の前記凹
部との係合深さより大きな凹部を設けたことを特
徴とする給紙装置の記録紙巾規制部の構造、によ
つて達成される。

［実施例］ 本考案による１実施例を第２図、第３図に示
す。

第２図は給紙装置における記録紙巾規制部（以
下単に巾規制部材と称す）の機能についてその要
部を示したもので、給紙装置を構成する左右側の
基板（図示せず）には、記録紙巾規制部の上部案
内板（以下単に上部案内板と称す）３０が、また
底部の基板（図示せず）には記録紙巾規制部の下
部案内板（以下単に下部案内板と称す）３１ａ及
び３１ｂがそれぞれ前後左右に一対ずつ固設され
ている。

前記上部案内板３０の折曲部には紙巾の方向
に、記録紙のサイズ種別数に応じて凹部３０ａ，
３０ｂが複数個配置されこれら凹部３０ａ，３０
ｂにそれぞれ対応する紙巾の各位置で、下部案内
板３１ａ，３１ｂの折曲部にも凹部３２ａ，３２
ｂが複数個配列されている。

一方、第２図の矢視方向を示した第３図におけ
る形状を持つ左右一対の巾規制部材６が別体に用
意されていて、該巾規制部材６の上縁が前記上部
案内板３０の凹部３０ａ，３０ｂに係着し、また
下縁に設けた突起６ａ，６ｂが前記下部案内板３
１ａ，３１ｂの凹部３２ａ，３２ｂにそれぞれ係
着された上、上縁に派出した折曲部６ｅが前記上
部案内板３０にねじ３３によつて締着されること
により固定されるようになつている。

尚、前記各凹部３０ａ，３０ｂ及び３２ａ，３
２ｂは、何れも記録紙のサイズに対応した間隔に
設けられていて、前記巾規制部材６を左右対称の
位置に平行かつ垂直に保持するいわゆる記録紙巾
位置決め手段を構成しているものとする。

更に前記巾規制部材６の下縁には、前記突起６
ａ及び６ｂとそれに隣接して切欠６ｃ及び６ｄが
設けられていて、該切欠６ｃ，６ｄの突当り面と
前期下部案内板３１ａ，３１ｂの折曲部の頂部と
の間の距離Ｂが、該巾規制部材６の上縁と前記上
部案内板３０の折曲部の頂部との間の距離Ａより
若干大きく設定されている。

従つて前記巾規制部材６は、前記ねじ３３を取
り去つて前記上部案内板３０との結合から分離
し、左方向に僅かにスライドさせると、前記突起
６ａは下部案内板３１ａの凹部３２ａから外れ同
時に前記突起６ｂも下部案内板３１ｂの凹部３２
ｂから外れて、前記切欠６ｄが凹部３２ｂに臨む
位置を占めることが出来る。

尚、前記巾規制部材６は右方向にスライドさせ
ても前記突起６ｂが下部案内板３１ｂの凹部３２
ｂから外れ同時に前記切欠６ｃが凹部３２ａに臨
む位置を占めることができる。

この状態から前記巾規制部材６を下降させて該
巾規制部材６の上縁を、前記上部案内板３０の凹
部３０ａ，３０ｂとの係合から外しても距離Ｂ＞
距離Ａの関係からその切欠６ｃ及び６ｄは何れも
前記下部案内板３１ａ及び３１ｂと係合すること
がないので前記巾規制部材６は前述した上下の各
案内板３０，３１ａ，３１ｂに沿つて紙巾の中心
方向に移動させることが可能となり、収納せんと
する記録紙のサイズに応じた凹部にて再び前記巾
規制部材６を固定することができる。以上の説明
から明らかなように本考案の記録紙巾規制部材を
有する給紙装置においては、収納する記録紙のサ
イズの変更に要する部品の着脱も少数でありかつ
そのためのスペースを殆ど要しない利点があり、
前述したように性能面の他にも給紙装置を簡潔
化、コンパクト化する効果をも併せ有するもので
ある。

［考案の効果］ 本考案は、上下の案内板によつて記録紙巾規制
部材を位置決めするから長時間装置装置を使用し
てもその規制位置がずれることが無く、また記録
紙のサイズ変更に際しても案内板と記録紙巾規制
部材の係合関係を若干ずらすのみで極めて簡易な
操作で行うことができ、しかも構造が簡潔でコン
パクトな構成であり、従つて低コストの給紙装置
の記録紙巾規制部の構造を提供することが可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は給紙装置の側断面図。第２図は本考案
による給紙装置の要部斜視図。第３図は記録紙巾
規制部材の設定位置における矢示断面図。 ２……給紙台、２ｃ……欠除部、６……記録紙
巾規制部材、６ａ，６ｂ……突起、６ｃ，６ｄ…
…切欠、６ｅ……折曲部、３０……上部案内板、
３１ａ，３１ｂ……下部案内板、３０ａ，３０
ｂ，３２ａ，３２ｂ……凹部、３３……ねじ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 多数枚の記録紙を載置して、上下動可能の給紙
   台を備えた給紙装置の記録紙巾規制部の構造にお
   いて、 前記給紙台の巾方向対称位置に切欠部を形成
   し、該切欠部に一対の記録紙巾規制部材を立設
   し、 前記給紙台の上方ならびに下方に給紙装置の側
   板間に横架され、前記記録紙巾規制部材を案内す
   る上部および下部案内板を設け、該上下各案内板
   に記録紙の巾サイズに対応して、前記記録紙巾規
   制部材の上縁部ならびに下縁部に係脱する複数の
   凹部を記録紙巾方向に設けるとともに、 前記上部案内板は前記記録紙巾規制部材をを固
   定する固定手段を有し、 前記記録紙巾規制部材の下縁には、該部材の上
   縁の上部案内板の前記凹部との係合深さより大き
   な凹部を設けたことを特徴とする給紙装置の記録
   紙巾規制部の構造。