JPH0228972B2 - Choonpashindansochi - Google Patents

Choonpashindansochi

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JPH0228972B2
JPH0228972B2 JP17309685A JP17309685A JPH0228972B2 JP H0228972 B2 JPH0228972 B2 JP H0228972B2 JP 17309685 A JP17309685 A JP 17309685A JP 17309685 A JP17309685 A JP 17309685A JP H0228972 B2 JPH0228972 B2 JP H0228972B2
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signal
complex
doppler
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Yoshikatsu Noda
Takashi Ito
Chihiro Kasai
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Hitachi Ltd
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Aloka Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は超音波診断装置、特に生体内運動部の
運動速度分布を正確に表示することのできる改良
された超音波診断装置に関する。
[従来の技術] 生体内の運動部、例えば心臓等の臓器あるいは
循環器並びに血管内の血流あるいは体液流などの
運動速度を測定するために、従来より超音波パル
スドプラ法が実用化されており、生体内運動部か
らの反射エコーのドプラ周波数偏移を検出するこ
とによつて運動速度を測定することができる。
この場合、常に変動する反射体からの反射エコ
ーを受信して迅速な信号処理を行わなければなら
ず、従来では予め定めた深度における限られた特
定点の運動部の運動速度のみしか求めることがで
きなかつた。そのため、生体内運動部の変動に追
従した速度分布の測定を行うため各種の装置が開
発されているが、例えば超音波パルスドプラ装置
として多数のチヤンネルを設け、これによつて所
望範囲の血流速度分布を一度に測定する装置があ
る。
しかし、この装置は狭い帯域(通常数kHz)で
構成されているため、高速度でドプラ情報を収集
することができず、Bモード走査で血流状態の変
化等を観察することは困難であり、また多数のチ
ヤンネルを必要とすることから装置の大型化及び
高価格化を招く欠点があつた。
そこで、診断部位の所望範囲における運動速度
分布を従来より高速度にかつ実時間にて行う装置
として、受信高周波信号を複素信号に変換する装
置が提案され、これに関する各種の改良装置が開
発されている。
この装置は、生体内から得られた受信高周波信
号に対して超音波パルスビームの送信繰返し周波
数の整数倍の周波数を有しかつ互いに複素関係に
ある一組の複素基準信号を混合することによつて
受信高周波信号を複素信号に変換し、この受信高
周波信号の複素信号の偏角を求める。この偏角は
生体内運動部の速度を表わすドプラ周波数偏移に
対応するので、この偏角値から生体内運動部の運
動速度分布を測定することができる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来技術の問題点 しかしながら、このような従来装置では、実時
間にて生体内運動部の運動状態を画像表示するこ
とはできるが、測定可能な速度に限界があるとい
う問題があつた。すなわち、測定可能な速度範囲
は超音波ビームの送信繰返し周期に左右され、こ
の送信繰返し周期を短くしてその周波数を高める
ことにより高速度の測定が可能となる。しかし、
このような高い周波数の超音波は生体内を送受波
する際に生じる減衰が大きく、このことから生体
深部からは良好なSN比を有する信号を得ること
が困難である。従つて、超音波送信繰返し周波数
を高めることにも限界があり、運動部の運動速度
分布を正確に測定することができないという欠点
があつた。
発明の目的 本発明は前記従来の問題点解決のためになされ
たものであり、その目的は、生体内の運動部の運
動速度分布を広範囲に測定しかつ表示することの
できる超音波診断装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本発明は、超音波
パルスビームを一定の送信繰り返し周期で生体内
に送信し、生体内運動部からの反射波を受信増幅
して得られた受信高周波信号を複素信号に変換す
る複素信号変換器と、前記複素信号から演算抽出
されるドプラ信号の偏角を演算する偏角演算器
と、を含み、生体内運動部の運動速度分布を測定
及び表示する超音波診断装置において、前記複素
信号変換器から得られた2つの複素信号をそれぞ
れ前記送信繰り返し周期で遅延させる遅延回路
と、前記2つの複素信号のうち一方の信号とこの
信号の1周期前の前記遅延回路にて遅延された信
号とを和算する和演算器と、前記2つの複素信号
のうち他方の信号とこの信号の1周期前の前記遅
延回路にて遅延された信号とを差算する差演算器
と、この和演算器出力と差演算器出力との割算を
行う割算器と、を有し複素信号からドプラ信号を
演算抽出するドプラ信号抽出器が設けられ、この
ドプラ信号抽出器にて得られたドプラ信号の偏角
に基づき運動速度分布を求めることを特徴とす
る。
以上のような構成によれば、ドプラ周波数偏移
情報を含んだ超音波受信信号が実数部及び虚数部
を有する複素信号に変換されるが、この2個の複
素信号における実数部及び虚数部のそれぞれの信
号は遅延回路にて遅延された1周期前の信号とそ
れぞれ和算及び差算され、その後例えばこの虚数
部を実数部で割ることにより広範囲周波数におけ
るドプラ周波数偏移情報を含んだドプラ信号が抽
出される。
そして、このドプラ信号の偏角を演算すれば広
範囲の運動速度が求められる。すなわち、ドプラ
信号の偏角はドプラ周波数偏移に対応するもので
あるから、この偏角の値の大小によつて運動部の
速度の大小を求めることができる。
[実施例] 以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を説
明する。
第1図には、本発明に係る超音波診断装置が示
されており、安定な高周波信号を発生する水晶発
振器(OSC)10の出力は分周同期回路12に
供給され、この分周同期回路12によつて所望周
波数の各出力信号が得られる。
これらの出力信号は、超音波パルスビーム送信
用の繰返し周波数信号100、複素変換のための
複素基準信号102,104、超音波送受信結果
の表示を行うための掃引同期信号106及び装置
各部の同期作用を行うクロツク信号108を含
む。そして、前記複素基準信号102,104
は、送信用繰返し周波数信号(又は送信繰返し周
期)に同期し送信バースト波のキヤリア周波数f0
に等しく、かつ互いに位相がπ/2だけ異なる複
素関係をなす信号波形sin2π f0t、cos2π f0tから
成る。この複素基準信号102,104は、送信
繰返し周波数信号の整数倍の周波数を有し、送信
バースト波のキヤリア周波数(f0=ω=0/2π)
に等しく、かつ互いに位相がπ/2だけ異なる信
号でも実際上問題はない。
前記送信用の繰返し周波数信号100は、送受
波制御器14を介して電子走査用探触子16に供
給され、この探触子16を励振し、超音波パルス
ビームを被検体70内に送信する。そして、この
被検体70からの反射エコーは探触子16によつ
て電気信号に変換され、送受波制御器14から高
周波増幅器18へ送られて所望の増幅作用が施さ
れる。その後に、高周波増幅器18の出力はBモ
ードあるいはMモード表示を行うため、検波器2
0及びA/D変換器22を介してDSC(デジタ
ル・スキヤン・コンバータ)24に供給され、カ
ラーTVモニタ30で輝度変調され表示される。
なお、前記送受波制御器14は、電気的な角度
偏向等の技術に基づいて前記探触子16から出力
される超音波パルスビームで被検体70を周期的
に走査し、あるいは所望の偏向角にて走査を停止
する制御などを行う。
本発明において特徴的なことは、受信高周波信
号を複素変換した複素信号から広範囲の速度情報
を有するドプラ信号を抽出することであり、これ
によつて運動反射体の正確な速度を求めることで
ある。
従つて、本実施例では、まず前記高周波増幅器
18の他方の出力が複素信号変換器32に供給さ
れ、複素信号に変換される。
複素信号変換 この複素信号変換器32は位相検波器を含む一
組のミキサ34a,34bを有し、各ミキサにお
いて前記受信高周波信号がそれぞれ前記複素基準
信号102,104と混合されるが、これらの複
素基基準信号102,104は、前述したように
互いにπ/2だけ位相の異なる複素関係にあるた
め、各ミキサ34から高周波信号に対応した複素
信号が出力される。
すなわち、前記ミキサ34は混合検波作用によ
つて入力された受信高周波信号と複素基準信号
sin2π f0t、cos2π f0tとのそれぞれの和と差の周
波数の信号を出力し、これら両信号が低域通過フ
イルタ36a,36bに供給され、差の周波数成
分のみが取り出される。また、このミキサ34
a,34bの入力信号である受信高周波信号はド
プラ情報を含むパルス波であり、複素基準信号1
02,104は単一周波数の連続波である。従つ
て、上記差の周波数成分にもドプラ情報が含まれ
ることとなり、この差の周波数成分を検出するこ
とにより運動部の速度を求めることができる。以
上の信号処理を以下に数式にて説明する。
前記複素基準信号102は、送信高周波信号の
繰返し周波数frの整数倍の周波数f0を有し(又は
送信繰返し周期に同期してかつ送信用高周波信号
の周波数f0と等しい周波数を有し)、連続波的な
信号である。そして、その振幅を1とすれば、複
素基準信号102は、 sinω0t …(1) なる正弦波電圧信号にて示される。また、探触子
16で受信される受信高周波信号はその送信周波
数をf0(=ω0/2π)とすれば、 sin(ω0t+ωdt) …(2) にて示される。ただし、ωdはドプラ偏移角周波
数である。
次に、ミキサ34aでは複素基準信号102と
受信高周波信号の積、すなわち(1)式と(2)式との積
がとられるが、式を簡単にするため積の2倍であ
る次式にてミキサ34aの出力信号を表わす。
cosωdt−cos(2ω0t+ωdt) …(3) この出力信号は低域通過フイルタ36aで、
0+ωdの周波数が除去されるので、フイルタ3
6aの出力信号は、 cosωdt …(4) となる。
また、他方の複素基準信号104は前記複素基
準信号102とπ/2だけ位相が異なるので、 cosω0t …(5) なる余弦波電圧信号で示される。
上記と同様に、ミキサ34bの混合検波作用及
び低域通過フイルタ36bの作用によつて、フイ
ルタ36bの出力信号は、 sinωdt …(6) なる信号となる。前記(4)式の信号を実数部に、そ
して(6)式の信号を虚数部に対応させると、受信高
周波信号は複素信号に変換されたこととなる。こ
れら両信号を複素形式Zrで表わすと、 Zr=cosωdt+jsinωdt …(7) とおける。
低速運動部信号の除去 以上のようにして複素変換された複素信号Zr
は、A/D変換器38a,38bによつてデジタ
ル信号に変換され、本実施例では、次段の複素デ
イレーラインキヤンセラ40に入力される。な
お、前記A/D変換器38へはクロツク信号10
8が供給されており、該クロツク信号によるサン
プリングが行われる。
この複素デイレーラインキヤンセラ40が設け
られることにより、生体内の静止部あるいは低速
運動部からの受信信号を除去して運動部のみの速
度信号を取り出すことができる。一般に、生体か
らの例えば血流信号には血管壁、心臓壁等のほぼ
静止している生体組織からの反射信号(クラツ
タ)が混入し、この信号は血流からの反射信号に
比較して通常強大なため血流測定に著しい妨害を
与える。このため、複素デイレーラインキヤンセ
ラ40で運動部からの信号のみを検出すれば、ド
プラ信号の品質を向上させることができる。
この複素デイレーラインキヤンセラ40は、繰
返し信号の1周期Tに一致する遅延時間を有する
デイレーライン42a,42bを備え、各デイレ
ーライン42は1周期Tの中に含まれるクロツク
パルスの数に等しい記憶素子からなるメモリ又は
シフトレジスタにて置き換えることができる。
そして、これらデイレーライン42a,42b
には、それぞれ差演算器44a,44bが接続さ
れており、差演算器44によつてデイレーライン
42の入力、すなわち現時刻の信号と1周期前の
信号とを同一深度において逐次比較して信号の1
周期区間の差を演算する。
従つて、静止あるいは低速度の運動部(生体組
織)からの反射信号は現時刻の信号と1周期前の
信号との間に変化がなく、あるいは変化が小さい
ため、差演算器44の出力は零に近くなる。ま
た、速度の速い、例えば血流信号の出力は大きな
値として検出され、これによつて前述したクラツ
タを確実に抑制することができる。
なお、実施例においては、デイレーラインキヤ
ンセラ40への入力はデジタル信号であるが、
A/D変換器38a,38bをなくして低域通過
フイルタ36a,36bの出力信号を直接デイレ
ーラインキヤンセラ40に入力してアナログ信号
で処理することもできる。この場合には、後述す
る平均回路60と偏角演算器62の間にA/D変
換器を挿入する必要がある。
前記デイレーラインキヤンセラ40の作用を以
下に演算式で説明する。なお、実施例において
は、説明を簡単にするために連続波を用いて説明
を行う。
デイレーライン42aへの現時刻の入力信号を
cosωdtで表わすと、1周期前の信号、すなわち
デイレーライン42aの出力信号は、 cosωd(t−T) で示され、この結果、差演算器44aの出力信号
xは、 x=cosωd(t−T)−cosωdt =2sinωd(t−T/2)・sinωd(T/2) …(8) となる。
また、デイレーライン42bへの現時刻の入力
信号を、sinωdtで表わすと、1周期前の信号、
すなわちデイレーライン42bの出力信号は、 sinωd(t−T) で示され、この結果、差演算器44bの出力信号
yは、 y=sinωd(t−T)−sinωdt =−2cosωd(t−T/2)・sinωd(T/2)…(9) となる。
以上のようにして、各差演算器44a,44b
の出力には、それぞれx,yなる信号が出力され
る。この信号は、静止部及び低速運動部からの反
射エコー信号が除去されたものとなる。
ドプラ信号抽出 次に、本発明の特徴事項であるドプラ信号抽出
について説明する。
ドプラ信号の抽出はドプラ信号抽出器46にて
行われ、このドプラ信号抽出器46はデイレーラ
イン48a,48bと和演算器50a及び差演算
器50bと割算器52から構成されている。そし
て、複素デイレーラインキヤンセラ40から出力
される信号x(実数部を表わす)はデイレーライ
ン48aに、また信号y(虚数部を表わす)はデ
イレーライン48bに供給され、それぞれ和演算
器50aと差演算器50bに入力される。
この和演算器50aでは、1周期遅れた信号x
を同時に入力し、これら2つの信号の和を演算
し、他方の差演算器50bでは、同様に1周期遅
れた信号yが入力され2個の信号の差が演算され
る。そして、これら和演算器50a及び差演算器
50bの出力は割算器52に供給され、実数部を
表わす和演算器出力を虚数部を表わす差演算器出
力で割算している。この割算器52の出力は広範
囲の速度情報を有するドプラ信号であり、これに
よつて運動部の正確な速度を求めることができ
る。以下に数式にてこのドプラ信号を得るための
過程を説明する。
前記デイレーライン48aへの現時刻の入力信
号を前記(8)式とすると、1周期前の信号、すなわ
ちデイレーライン48aの出力信号は、 2sinωd(t−3T/2)・sinωd(T/2) で示される。この結果、和演算器50aの出力信
号Xは、 X=2sinωd(t−3T/2)・sinωd(T/2)+2sin
ωd(t−T/2)・sinωd(T/2) =4sinωd(T/2)・sinωd(t−T)・cosωd
T/2)…(10) となる。
また、デイレーライン48bへの現時刻の入力
信号を前記(9)式とすると、1周期前の信号、すな
わちデイレーライン48bの出力信号は、 −2cosωd(t−3T/2)・sinωd(T/2) で示される。この結果、差演算器50bの出力信
号Yは、 Y=−2cosωd(t−3T/2)・sinωd(T/2)+2co
d(t−T/2)・sinωd(T/2) =4sinωd(T/2)・sinωd(t−T)・sinωd
T/2)…(11) となる。そして、出力信号X,Yの割算が割算器
52で行われるが、この割算器52の出力をドプ
ラ信号Sで表わすと、次式にて示される。
S=Y/X=4sinωd(T/2)・sinωd(t−T)/4
sinωd(T/2)・sinωd(t−T)×sinωd(T/2
)/cosωd(T/2)=tanωd(T/2)…(12) このようにして得られたドプラ信号Sは従来に
比して広範囲の速度情報を有するドプラ信号であ
り、このことについては後述するが、この割算器
52の出力信号には信号の変動成分や装置から発
生する雑音成分を含むので、これら成分を除去す
るため平均回路60が設けられる。
すなわち、この平均回路60は、デイレーライ
ン56にて1周期遅延した出力を現時刻の入力信
号に加算器54にて加算し、再びこの出力をデイ
レーライン56に供給する操作を繰り返す。しか
し、単にこの操作を繰り返していくと、加算回路
の増加に伴つて加算器の出力値が逐次増大し、つ
いには飽和する。そこで、重み付き回路58が設
けられ、出力を減衰させて入力を加算する。この
場合、減衰量をαとすると、現時刻の信号より、
例えば10周期前の信号はα10だけ減衰して現時刻
の信号に加算されるので、出力に与える影響度が
小さくなり、低域フイルタや移動平均回路と同様
な平均機能を果たすことが可能となる。また、重
付き回路58の重み付き量を変えることにより、
平均化の度合いを変更することが可能である。
従つて、平均回路60から出力されるドプラ信
号の平均値は、 =tanωd(T/2) …(13) となる。
そして、平均回路60の出力は偏角演算器62
に供給され、ドプラ信号の偏角θが次式にて求
められる。
θ=tan-1()=ωd/―・T/2=(πT)・d…(
14) このようにして得られた偏角演算器62の出力
である偏角θは、送信繰返し周期Tが定数である
から、ドプラ偏移周波数fd(ωd/2π)に比例する
ことが理解され、従つて偏角θは血流速度に比例
することとなる。また、偏角θはそれぞれ正及び
負の値をとるので、±π/2の間だけ測定可能で
ある。更に、ドプラ信号抽出器46内の信号X,
Yの符号を判別すれば、±πまで偏角θを測定す
ることが可能となり、これによつて、運動速度の
方向を知ることができる。
ここで、本発明にて得られるドプラ信号と従来
の装置において得られるドプラ信号とのドプラ偏
移周波数範囲を比較する。
従来装置において、本実施例で用いられる複素
信号変換器32と同様な装置を用いてドプラ偏移
周波数fd(=ωd/2π)を検出した場合には、ドプ
ラ偏移周波数を含む最終的なドプラ信号SD′は次
式にて求められる。
SD′=y/x=tanωd・T=tan2π fdT 従つて、ドプラ偏移周波数fdは、 fd=frp/2π・tan-1(y/x) で示される。ただし、frp(=1/T)は送信繰返
し周波数とする。
この場合、上式tan-1(y/x)(本発明の偏角
に対応する)の測定範囲は、−π/2〜π/2ま
での間である。すなわち、この範囲は折返し現象
が発生しない範囲である。従つて、測定可能なド
プラ偏移周波数の範囲は、従来では次式で表わさ
れる範囲となる。
|fd|<frp/2π・π/2=1/2(frp/2) また、従来装置において、測定可能な周波数範
囲を広げるため複素信号変換器32の出力である
信号xとyの符号を判別することが行われるが、
これはy/xの値がどの象限に属するかを決定す
ることによつて、tan-1(y/x)の値を−π〜π
の範囲で一義的に定めることができる。従つて、
この場合の測定可能なドプラ偏移周波数範囲は次
式で表わされる。
|fd|<frp/2π・π=frp/2 …(15) これに対して、本発明では前述したドプラ信号
SDが最終的なドプラ信号として前述の(12)式から次
のように表わされる。
SD=tanωdT/2=tanπ fdT 従つて、折返し現象が発生しない測定可能なド
プラ偏移周波数範囲は、 |fd|<frp/π・π/2=frp/2 …(16) となる。ここで、前述の(15)とこの(16)式を
比較すると、(15)式は符号を判別して周波数範
囲を2倍に拡大した場合のドプラ偏移周波数範囲
であるから、本発明においては測定可能なドプラ
偏移周波数範囲を2倍に拡大したことが理解され
る。この結果、生体内運動部の広範囲の速度分布
を得ることができ、診断に有益な速度情報を提供
することが可能となる。
また、本発明においては、図に示されるカラー
TVモニタ30にて運動方向を異なる色で識別す
ることができる。例えば正の速度を赤、負の速度
を青、そして静止している組織からの反射エコー
を白で表示すれば、生体内の組織構造、血流の方
向速度情報を同時に表示し、極めて高密度の診断
情報を提供することができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、ドプラ
信号抽出器を設けて広範囲の速度情報を有するド
プラ信号を得るようにしたので、生体内運動部の
運動速度分布の測定能力を約2倍に向上すること
ができ、正確な速度測定が可能となる。
また、本発明は超音波ビーム軸に沿つた送受信
超音波パルスビームの通過線上にある生体内の運
動部の運動速度分布、例えば血流速度分布を連続
的に求めることができる装置であるので、動きの
ある部分に対して極めて正確な診断情報を得るこ
とができ、この時の偏角演算処理のための遅れ時
間は送信繰返し周期の整数倍の遅れ時間のみであ
るため、実質的に実時間でこれらの分布を表示す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る超音波診断装置の好適な
実施例を示すブロツク図である。 10……水晶発信器(OSC)、12……分周同
期回路、16……探触子、30……カラーTVモ
ニタ、32……複素信号変換器、34a,34b
……ミキサ、36a,36b……低域フイルタ、
40……複素デイレーラインキヤンセラ、42
a,42b……デイレーライン、44a,44b
……差演算器、46……ドプラ信号抽出器、48
a,48b……デイレーライン、50a……和演
算器、50b……差演算器、52……割算器、6
0……平均回路、100……繰返し周波数信号、
102,104……複素基準信号、106……掃
引同期信号、108……クロツク信号。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 超音波パルスビームを一定の送信繰り返し周
    期で生体内に送信し、生体内運動部からの反射波
    を受信増幅して得られた受信高周波信号を複素信
    号に変換する複素信号変換器と、 前記複素信号から演算抽出されるドプラ信号の
    偏角を演算する偏角演算器と、 を含み、生体内運動部の運動速度分布を測定及び
    表示する超音波診断装置において、 前記複素信号変換器から得られた2つの複素信
    号をそれぞれ前記送信繰り返し周期で遅延させる
    遅延回路と、 前記2つの複素信号のうち一方の信号とこの信
    号の1周期前の前記遅延回路にて遅延された信号
    とを和算する和演算器と、 前記2つの複素信号のうち他方の信号とこの信
    号の1周期前の前記遅延回路にて遅延された信号
    とを差算する差演算器と、 この和演算器出力と差演算器出力との割算を行
    う割算器と、 を有し前記複素信号からドプラ信号を演算抽出す
    るドプラ信号抽出器が設けられ、 このドプラ信号抽出器にて得られたドプラ信号
    の偏角に基づき運動速度分布を求めることを特徴
    とする超音波診断装置。 2 特許請求の範囲1記載の装置において、前記
    複素信号から生体内の低速運動部の信号を除去す
    る複素デイレーラインキヤンセラが設けられてい
    ることを特徴とする超音波診断装置。 3 特許請求の範囲1又は2記載の装置におい
    て、前記ドプラ信号抽出器の出力信号を平均化し
    て信号の変動成分及び装置から発生する雑音成分
    を除去する平均回路が設けられていることを特徴
    とする超音波診断装置。
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