JPH0228329B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内視鏡、特に固体撮像素子を用い被検
体の像を電気信号として取り出しこれをブラウン
管などの画像表示装置に導いて画像を再生する内
視鏡の改良に関する。

固体撮像素子、例えば電荷転送デバイス
（CCD）あるいはバケツトブリゲードデバイス
（BBD）等を用いた内視鏡は、イメージガイドと
してオプテイカルフアイバを用いたこれまでの内
視鏡に比べ経済性、小型化、その他多くの優れた
点を有することから有望視されている。

ところでこの種の従来の内視鏡は小型化という
面から見ると構造的に改良の余地を残さないもの
とは云えない。内視鏡頭部を例えば胃の中に挿入
する際には患者の苦通を除くため内視鏡頭部はで
きるだけ小型化されることが望ましく、この点で
従来提案されているものは必ずしも満足の得られ
るものではなかつた。

従来の固体撮像素子を用いた、とくに直視型の
内視鏡では、固体撮像素子のピクセルが配列され
た撮像画が内視鏡頭部の鞘の長手方向に垂直に配
置され、１本または複数本のライトガイド、送
水、送気孔および鉗子・処置具の導路などが固体
撮像素子のパツケージの側方を通過して鞘の前部
端面に伸びている。固体撮像素子のパツケージ自
体その有効撮像画と比較して相対的にかなりの大
きさを有するので、その外側をライトガイドなど
が通過する構造では鞘の外径がかなり大きくなつ
てしまう。

したがつて本発明は外径の小さい小型の頭部を
有する固体撮像素子を用いた内視鏡を提供するこ
とを目的とする。

本発明によればこの目的は次のような内視鏡に
よつて達成される。すなわちこの内視鏡は、全体
としてほぼ円筒状の鞘部と、光軸が鞘部の長手方
向に実質的に平向に配置された撮像光学系と、撮
像画が光軸に実質的に垂直に配置された固体撮像
素子とを含み、固体撮像素子は鞘部の内側に支持
された全体としてほぼ円筒状のパツケージを有
し、このパツケージの周縁部はその一方の端面か
ら他方の端面に通ずる開口を備え、ライトガイド
がこの開口を通して鞘部の端面に終端するもので
ある。

このように構成することによつて本発明による
内視鏡は、少なくともライトガイドが固体撮像素
子のパツケージの中に組み込まれて鞘の長手方向
軸に接近して配置されているので、内視鏡頭部の
径が小さくなるばかりでなく、被写体をライトガ
イドによつて均一に照明できる効果もあわせも
つ。

本発明の態様によれば、このような開口を複数
配置してこれらの開口のうち少なくとも２個の開
口にそれぞれライトガイドを通過させるようにし
てもよい。これによつて、一定の被写体照度を維
持するのに必要な個々のライトガイドの径は細く
てよいので、さらに頭部外径を小さくすることが
でき、かつ被写体に対し均一な照明が一層効果的
に得られる。なお本明細書全体を通じて、「開口」
とは、その横断面形状が完全に閉じているものの
みならず、開いているものすなわち切欠きをも包
含する用語として用いるものとする。

以下本発明を好適な実施例を示して詳細に説明
する。なお本明細書において内視鏡とは生体の体
腔内に挿入するもののみならず、装置の空洞内に
挿入する工業用のものを包含する。

第１図は本発明に係る内視鏡頭部の要部構成を
示す側面断面図である。第１図において固体撮像
素子の部分は１で示され、チツプ２上に多数のピ
クセル３が配列されて撮像画を形成し、それらは
たとえばセラミツクなどのパツケージ４になり支
持されている。パツケージ４の周縁部には図示の
ような鞘部８の長手方向に平行に複数の小孔５お
よび切欠き５ａが設けられており、これらの小孔
５および切欠き５ａには多数本のオプテイカルフ
アイバからなるライトガイド６および送気・送水
管７がそれぞれ通過している。ライトガイド６の
先端は鞘部８の前頭部に設けられたガラス窓９に
接着剤で接着されており、ライトガイド６で導か
れた光を被検体（図示せず）に照射し、対物レン
ズ１０によつて被検体の像のガラス窓部１１を通
して固体撮像素子のピグセル３面に結ばせ、画像
点の光に対応してこの素子から得られる電気信号
を導線１２によりブラウン管などの画像表示装置
（図示せず）に導きこれに被検体像を再生させて
観察可能とするものである。

第２図は第１図の一点鎖線Ａ−Ａにおける断面
図で、これを参照して説明することにより本発明
は一層明確となる。第２図において第１図と同じ
参照番号は第１図の要素と同じものを指す。

第２図を参照すると、鞘部８の形状は円筒状の
ものであることが解る。鞘部８はプラスチツク、
または金属にプラスチツクもしくはゴム等を被覆
したものからなり、その形状は内視鏡頭部の体腔
内への挿入のし易さの面から全体としてほぼ円筒
状のものが好ましい。

一方パツケージ４の形状もこの鞘部８に対応し
て全体として平たいほぼ円筒状のものが本願発明
では使用される。このような形状にすることは内
視鏡の小型化という面からスペース効率の点で有
利である。すなわち、従来の方形状のパツケージ
に比べて相体的に撮像素子の有効面積を大きくす
ることが可能である。

第２図のように本発明による内視鏡の実施例で
は複数本のライトガイド６が円筒状パツケージ４
の周縁部に分散して収納されている。これは、第
１図では図が複雑になるのを避けるためライトガ
イドバンドル１３に含まれる多数のオプテイカル
フアイバをほぼ均等に分岐した複数本のライトガ
イド６のうちの１本のみが小孔５を通過し、その
他のライトガイド６は途中で図示を省略してある
が、第２図からわかるように実際にはそれぞれ対
応する他の同様の小孔５を通過して頭部端面１４
に設けられた窓９と同様の他の窓に対応して終端
している。

このように複数本のライトガイド６をパツケー
ジ４の周縁部に分散して設けることによつて各々
のライトガイド６からの光を被検体に集束して照
射することができるので照明の均一化を達成しう
る。これについては第３図を用いてさらに詳細に
述べる。

第３図は第１図におけるガラス窓９の部分の拡
大図である。第３図から明らかなように、ガラス
窓９の構造ならびにライトガイド６のガラス窓９
への取り付け形態はライトガイド６からの光の指
向性を与えるようになつている。すなわち窓９の
内側の面９ａは図示のように傾斜しており、この
面に垂直に適当な透明接着剤で接着されたライト
ガイド６から出る光が同図の矢印１５の方向へ向
うようになされている。この方向は対物レンズ１
０の光軸へ向つており、他の複数のライトガイド
６についてもそれぞれ対応する窓９との接続は同
様になされ各ライトガイド６を出た照明光が対物
レンズ１０の光軸上のある１点、すなわち対物レ
ンズ１０の焦点の付近で交わるようになされてい
る。したがつてその光軸付近に存在する被検体は
複数本のライトガイド６からの照明光が集光し
て、より効果的に均一な照明を受けることにな
る。

再び第１図および第２図に戻つて説明を続ける
と、実施例ではパツケージ４の周縁部には送気・
送水管７用の切欠き５ａが設けられ、そこに送
気・送水管７を通過させる例が示されているが、
これは必要に応じそのような構成も可能であるこ
とを示すにとどまり、必要に応じその他の要素例
えば鉗子あるいは処置具などのための導路パツケ
ージ４に設けたこれらの小孔５または切欠き５ａ
に収納してもよい。

またこの実施例では送気・送水管７がライトガ
イドバンドル１３の中央付近に位置し、その周囲
をオプテイカルフアイバが同心円状に包囲する形
をとり、バンドル１３の端部で多数のオプテイカ
ルフアイバをほぼ均等に分岐させて複数のライト
ガイド６を形成する形をとつている。これは、ラ
イトガイド６による被写体の照明にはかなりの熱
の発生を伴うので、これによつてライトガイド６
が過熱されそれらの近傍に位置する固体撮像素子
１に熱的損傷を与える恐れを防止するために、バ
ンドル１３を通過するオプテイカルフアイバを送
水・送気管７を通る液体または気体によつて冷却
するものである。

更にこの技術によれば現在用いられている照明
光振よりも大きなものを用いても被検体である生
体に熱による損傷や苦通を与えることもない。

以下本発明の一実施例について説明したが、他
の変形も可能である。例えばライトガイド６は必
ずしも複数本でなくてもよく、１本でもよい。ま
た上記実施例ではパツケージ４にライトガイド６
のための小孔５を設けるものであつたが、これに
代つて切欠き５ａと同様の切欠き部を設けてもよ
い。さらに本発明の精神を逸脱しない他の変形が
可能である。

本発明による内視鏡は以上のように構成したこ
とにより、固体撮像素子のパツケージ自体をライ
トガイド、送水・送気管、および（または）鉗
子・処置具導路などが通過するので、内視鏡頭部
を小型化することができる。またライトガイドが
撮像系の光軸に接近して配置されているので被写
体を均一に照明することができ、これはライトガ
イドを複数本分散させた実施例ではさらに効果的
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る内視鏡頭部の要部構成を
示す側面断面図、第２図は第１図の一点鎖線Ａ−
Ａにおける断面図、第３図は第１図におけるガラ
ス窓の部分の拡大図である。 主要部分の符号の説明、固体撮像素子……１、
パツケージ……４、開口……５，５ａ、ライトガ
イド……６。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 全体としてほぼ円筒状の鞘部と、 該鞘部に配置された撮像光学系と、 該撮像光学系とともに配置された固体撮像素子
   とを含む内視鏡において、 前記固体撮像素子は、前記鞘部の内側に支持さ
   れた全体としてほぼ円筒状のパツケージを有し、 前記パツケージの周縁部は該パツケージの一方
   の端面から他方の端面に通ずる開口を備え、 該内視鏡は、該開口を通して前記鞘部に終端す
   るライトガイドを含み、 前記開口は複数個配設され、該複数個の開口の
   うち少なくとも２個の開口にそれぞれライトガイ
   ドが通過していることを特徴とする内視鏡。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の内視鏡におい
   て、前記ライトガイドはライトガイドを出た光が
   前記撮像光学系の光軸に接近するように前記鞘部
   の端面に終端していることを特徴とする内視鏡。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の内視鏡におい
   て、前記ライトガイドは、多数本のオプテイカル
   フアイバを含む単一のライトガイドバンドルから
   ほぼ均等に分岐させたオプテイカルフアイバを含
   むことを特徴とする内視鏡。