JPH02283239A - 農産物の鮮度保持方法 - Google Patents

農産物の鮮度保持方法

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JPH02283239A
JPH02283239A JP1099955A JP9995589A JPH02283239A JP H02283239 A JPH02283239 A JP H02283239A JP 1099955 A JP1099955 A JP 1099955A JP 9995589 A JP9995589 A JP 9995589A JP H02283239 A JPH02283239 A JP H02283239A
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ethylene
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は農産物の鮮度保持方法に関する。
本発明は、ゼオライトを含む緑色凝灰岩の表面に薄い低
密度のポリエチレン・フィルムを密着させた複合体板か
ら構成された壁体な少なくとも一部に有する貯蔵容器、
貯蔵室又は貯蔵庫中に保持された制御された空気雰囲気
内で新鮮な農産物を貯蔵することにより新鮮な農産物の
鮮度を長期に亘り保持する方法、並びにこれらの方法を
用いて輸送する事に関する。
(従来技術と解決すべき問題点) 農産物、例えば果実及び野菜類のいわゆる青果物又は花
卉類は、保存中にエチレンガスを発生し、成る濃度以上
のエチレンを含む空気雰囲気内に置かれた農産物は、老
化ホルモンとして作用するエチレンガスの影響で農産物
の鮮度の低下が促進することが知られている。(例えば
漆崎著「農産物の鮮度保持・・・エチレン制御とその利
用」筑波畜房、1988年5月2日刊参照)。農産物の
鮮度保持には、従来種々の方法が用いられているが、い
ずれも満足できるものではない。
例λば、エチレン除去剤として知られる活性炭、等又は
ゼオライト粒子又は粉末と共に、農産物をポリエチレン
袋中に封入して包装すること、あるいは大谷石の粉末を
5%程度の量で混入して分散粒子の形で含有する厚さ3
5ミクロン程度の低密度ポリエチレン・フィルム製の袋
で農産物を包装することにより鮮度保持を計ることが知
られている。1い低密度ポリエチレン・フィルムは、ガ
ス透過性が高い反面、透湿度は比較的低いので、農産物
の包装には広く利用されている。しかし、いずれの方法
も保存日数は一週間程度と僅かで満足できるものではな
い8本発明者らは、花卉類を含めて、生鮮農産物を長期
に亘り鮮度保持できる満足な方法を開発する研究を続け
ていた。
別途、本発明者らは、ゼオライトを含む緑色凝灰岩の用
途開発を試みており、そのゼオライト成分の利用の一部
として、ゼオライトを含む緑色凝灰岩を粉砕して得た粒
状物及び粉末が土壌改質剤として有効であることを知見
し、実用化している。
更に、本発明者らの研究の結果、ゼオライトを含む緑色
凝灰岩に冷却水を噴射しながら、切り粉を速やかに除去
し、岩の粘着度を下げ摩擦による温度上昇を抑制しつつ
、円盤型ダイヤモンドカッターで切断すると、断面が縦
長300ミリ程度、横長500ミリ程度の岩ブロックか
ら、亀裂を生ぜずに厚さ5ミリ程度までの比較的薄手か
ら40ミリ程度の厚手の板材に切出すことができること
を見出した。これに反して、同じ凝灰岩で建築用石材と
して利用されている大谷石は、軽石凝灰岩や火山れき凝
灰岩が原石のため、軽石片や異質岩片なと不純物が多く
含まれ、軽石片は俗に“みそ”と呼ばれ、この部分は特
に脆く簡単に空洞化する為、厚手の状態のままで主とし
て門、塀等に使用されており40ミリ以下の岩板状に亀
裂を生ぜず切断する事は不可能である事が認められてい
る。ゼオライトを含む緑色凝灰岩は、3〜6オングスト
ロームの極めて小さい無数の細孔を有する多孔質のアル
ミニウムの含水珪酸塩質鉱物で大量且つ比較的安価に入
手できる無機材料であり1種々のガス吸着能を示すこと
から、前記のゼオライト含有の緑色凝灰岩の切出した薄
手の板材の実用的な利用を計ることの研究を続けた。そ
の結果、ゼオライトを含む緑色凝灰岩を、縦300ミリ
、横500ミリ以下、厚さ5ミリ〜40ミリの範囲内の
平板材状に切断し、この岩中のゼオライト成分に結合す
るゼオライト結合水、すなわちゼオライト結晶水(沸石
水ともいう)を除去するための加熱による脱水処理すな
わち焙焼処理を施すと、例λば好ましくは、 550°
〜600°Cの範囲内の温度で60分間加熱する焙焼処
理を施すと、沸石水が除去されて前記の板材は種々のガ
ス、特にエチレンに関する吸着、吸収能が活性化される
ことを今回、知見した。
本発明者らは、前記の焙焼処理で活性化されたガス吸着
、吸収能を有するゼオライト含有緑色凝灰岩の厚さ5〜
40ミリの岩手板(縦300ミリ×横500ミリ)の6
枚を壁体として用いて板材の端面をエポキシ樹脂系接着
剤で接着して六面体の箱状の容器を組立て作製した。こ
の箱状の容器内の空気にエチレンガスを所定濃度で注入
し、容器内のエチレンガスが壁体のゼオライト含有緑色
凝灰岩の平板材により吸着、吸収されることにより減少
し行く経時的なエチレン濃度変化をエチレンモニタリン
グ装置(ガスクロマトグラフィを利用するエチレンガス
濃度計測器として市販されている)で観察すると、前記
の容器内の空気のエチレンガス濃度が急速に減少するこ
とが認められた。但し、その岩平板材の厚さが40ミリ
を越えるとエチレン濃度の減少率は悪くなる。然るに、
この容器内の空気の相対湿度も同時に急速に減少するこ
とも認められ、これは壁体をなす緑色凝灰岩看板が水蒸
気についても高い吸着、吸収能を有することに由ること
を知見した。上記のように作製した箱状の容器の天井壁
板をガラス板と取代えて接着して密閉された容器を作り
、この容器についてもエチレンガス濃度を注入した後に
容器内の空気のエチレン濃度の経時的減少を観察し、ま
た容器内の空気の相対湿度の経時的減少も観察したけれ
ども、その減少の推移は六面体の壁体の全部がゼオライ
ト含有緑色凝灰岩の板材から構成された前述の容器の場
合と同様であることが認められた。上記の28mの容器
に夫々に新鮮な葉菜類(例えばほうれん草)を入れで観
察したところ、葉菜類は黄変しないものの急速なしおれ
現象を起すことが観察され、鮮度を保持していると言^
る状態から遠いことが認められた。このことの原因を調
べた結果、葉菜のしおれ現象は容器内の空気の相対湿度
が急速に減少することに起因することを認めた。
従って、本発明者が実験の結果として知見したところに
よれば、焙焼処理でガス吸着、吸収能を活性化されたゼ
オライト含有緑色凝灰岩の岩手板を単に、壁材として用
いて構成された箱状の容器は、これに葉菜類の如き農産
物を収納した場合には、農産物から発生されたエチレン
ガスを容器内の空気雰囲気から吸着、吸収により除去す
る性能を示すけれども、水蒸気も除去して終うので容器
内の空気雰囲気の相対湿度を急速に減少する結果を招き
、この点で農産物の長期鮮度保持のための貯蔵容器とし
て余り有効に機能しないことが見出され、そのような容
器内の空気の相対湿度の急速な減少を防止する手段を工
夫しなければならない技術的課題が残ることが知見され
た。
しかも、農産物の長期鮮度保持のためには、農産物を1
〜lO℃の範囲の温度で80〜95%の範囲の相対湿度
を示す空気雰囲気内に貯蔵することが必要であると認め
られた。更に、収穫後の農産物の植物体は常時、酸素呼
吸を継続しているが、鮮度保持のためには酸素呼吸を抑
制することが望ましく、このためには、貯蔵中の農産物
を包囲する空気雰囲気の炭酸ガス濃度が高かく且つ酸素
濃度が低いことが望ましいけれども、農産物が無酸素呼
吸に陥ちて腐敗につながるほどに低酸素濃度になっては
ならないことも認められている。これらの諸々の要件を
満たし得る空気雰囲気を農産物の鮮度保持貯蔵のために
簡便に提供することのできる貯蔵容器の構成用の壁材と
して、本発明者らは、ゼオライトを含む多孔質の緑色凝
灰岩から切出されて焙焼処理によりエチレン吸着能を活
性化された厚さ5ミリ〜40ミリの岩板材の片面全体に
平均膜厚15〜25ミクロメートルの薄い低密度ポリエ
チレン・フィルムを密着して成る複合体板材が適するこ
と及びガス選択透過性を示すことを見出した。このよう
な複合体板材は、それの片側の低密度ポリエチレン・フ
ィルム層に接して存在するエチレン含有空気から、エチ
レンを該ポリエチレン・フィルム介在層を透過させなが
ら凝灰岩板層中に吸着して該空気からエチレンを除去す
る能力を有すること及び適度に低い透湿性を有すること
が認められ、また凝灰岩岩板層に一旦吸着されたエチレ
ン分は漸時、拡散により、凝灰岩板層に直接に接する開
放空気中に放出できることが認められた。
前記の複合体板材の構成要素の一つである15〜25ミ
クロメートルの薄い低密度ポリエチレン・フィルムはガ
ス透過性が高く、透湿度は低いのが特性であるが、この
フィルム単独は極めて薄いので機械的強度が足りないか
らこのフィルム単独を農産物の包装に使用した例はない
(問題点を解決するための手段) 本発明者らが、結局、知見したところによれば、焙焼処
理によりエチレン吸着能を活性化された厚さ5〜40ミ
リのゼオライトを含む緑色凝灰岩の板材の表面に15〜
25ミクロメートルの薄い低密度ポリエチレン・フィル
ムを密着した複合体板材から貯蔵庫を作る事により、こ
の貯蔵庫に収納された農産物から発生して庫内の空気に
入ったエチレンガスはポリエチレン・フィルム層に送入
し、ポリエチレン・フィルムを透過したエチレンガスが
前記看板層のガス吸着能により速やかに吸収透過し、一
方ポリエチレン・フィルム層により、庫内の湿度が急速
な低下なしに保持され、適度な酸素、炭酸ガス及び窒素
ガスの選択透過が促進される事が、緑色凝灰岩の看板だ
けで作った貯蔵庫及び低密度ポリエチレン・フィルムだ
けで作った貯蔵庫と比べて、著しく優れている事を今回
発見した。
本発明者は、上記の複合体板材で作った貯蔵庫を農産物
の鮮度保持に利用する研究を続け、農産物の鮮度保持に
良い温度条件及び湿度条件を調査した結果、1〜10℃
の範囲の温度、及び80〜95%の相対湿度に保持され
た空気雰囲気中に保存すると、軟弱野菜のホウレン草で
も20日以上、スダチなら60日以上、又、花舟類、例
えば切り花のカーネーションでも50日以上の長期間に
亘り、収穫直後の状態と実質的に同じ外観及び鮮度を保
持できる事を見い出した。他に、キュウリ、ナス、トマ
ト、ブロッコリー、カボス、モモ、青ウメ、イチゴ、メ
ロン、生シイタケ、レタス、キャベツ、ニンジン等を実
験したが、いずれも素晴らしい結果を見た。
これらの知見に基づき、本発明は完成された。
従って、本発明によると、収穫後の新鮮な農産物を収納
し且つ内部を密閉状態に保ち得る蓋又は扉を備えた貯蔵
容器又は貯蔵室の壁体の全体又は少なくとも一部は、ゼ
オライトを含む多孔質の緑色凝灰岩から切出されて且つ
ゼオライト結晶水の除去のための焙焼処理によりエチレ
ン吸着能を活性化された厚さ5ミリ〜40ミリの岩平板
の一枚又はこの岩平板の複数枚を平面方向に継ぎ合せた
板状材の片面全体に平均膜厚が15〜25ミクロメート
ルの薄い低密度ポリエチレン・フィルムを密着して成る
ガス選択透過性の複合体板材より構成されてあり、しか
も前記の岩平板に密着させた低密度ポリエチレン・フィ
ルム表面が貯蔵容器 又は貯蔵室の内部空間中の空気雰
囲気に面し且つ前記の岩平板の他方の表面が外方の開放
空気に接してある当該貯蔵容器又は貯蔵室内に新鮮な農
産物を収納させ、貯蔵容器又は貯蔵室を閉め、農産物か
ら発生したエチレンガスを前記の貯蔵容器又は貯蔵室内
の空気雰囲気から前記の複合体板材により吸着して除去
することにより極めて低いエチレン濃度に保持されてあ
るが但し貯蔵容器又は貯蔵室内部から外方への水蒸気の
逸出を防止されてある空気雰囲気中において相対湿度が
80〜95%の範囲内で且つ温度が1〜10℃の範囲内
で当該農産物を貯蔵することを特徴とする農産物の鮮度
保持方法が提供される。
本発明の方法においては、貯蔵容器又は貯蔵室内の空気
雰囲気に対して、農産物の付着水分の蒸散及び/又は水
の噴霧により80〜95%の相対湿度を当初に与えれば
、貯蔵容器又は貯蔵室自体が保湿作用を有するから、次
後に湿分を補給する手段を採らなくても、80〜95%
の相対湿度を維持できる0通常は、農産物からの水の蒸
散によるだけで湿度は95%又はそれ以上に直ぐに上が
ることが認められる。
但し、貯蔵容器又は貯蔵室への次後の湿分の補給を行っ
ても差支えない。
更に、本発明の方法においては、貯蔵容器又は貯蔵室の
天井壁を含めて壁体の内向き表面の総面積のうちで、緑
色凝灰岩の切出し岩平板及び低密度ポリエチレン・フィ
ルムを密着させたガス選択透過性の前記の複合体板材の
内向き表面が占める面積は、これが接する貯蔵容器又は
貯蔵室の内部空間の空気雰囲気中のエチレン濃度を農産
物の収納時より 1.5日後には0. lppm以下に
維持するようにエチレンを吸着し除去するに足る面積で
あり、その他の壁体部分はガス不透過性又は難透過性の
材料から構成されてあるのが好ましい。
また、貯蔵容器又は貯蔵室の四方の壁体のうち、少なく
とも二方の壁体の夫々全体が、また所望ならば天井壁体
も、前記のガス選択透過性の複合体板材から構成される
のが好ましい。
但し、この貯蔵容器又は貯蔵室の底面を前記のガス透過
性の複合体板材で構成しても差支えなし1゜ 本発明においては、緑色凝灰岩の岩平板の厚さは5ミリ
〜35ミリの範囲であり、低密度ポリエチレン・フィル
ムの平均膜厚が15〜25ミクロメートルの範囲である
複合体板材を使用することが好ましい。
本発明で利用できる緑色凝灰岩(グリーン・タフ)の分
布地域は〆I、北海道から本州、四国、九州とほぼ全国
に及ぶが、主として東日本に多く、主な産地を上げれば
下記の通りである。(1)北海道・長刀部地区(2)秋
田県・二ツ井地区、へ沢本地区、横手地区、板戸地区(
3)岩手系・雫石地区(4)宮城系・白石地区 (5)
山形系・板谷地区(6)福島系・飯坂近郊東野地区、天
栄地区、西会津地区(7)栃木系・大谷地区(8)群馬
県・月夜野地区、新油地区(9)愛知県・知多半島西南
部地区(10)島根系・石見太田地区、馬路地区(11
)鹿児島県・郡山地区、この種の緑色凝灰岩は天然ゼオ
ライトを基本成分とする。
本発明においては、使用する貯蔵容器の構築材をなす複
合体板材のうちの低密度ポリエチレン・フィルム層が貯
蔵容器又は貯蔵室の内部の空気に直接に接する向きで配
置されることが必要である。左もないと、複合体板材の
うちの凝灰岩岩板層が直接に接する内部空気から潔気を
急速に除去するので湿度を好適範囲に維持できず、また
吸着されたエチレンが外部に開放空気に拡散することが
ポリエチレン層で抑制されるから、画用寿命が短かい。
本発明において用いる複合体板材における岩平板贋とポ
リエチレン・フィルム層との間の密着は、両層の間に両
面接着性テープを格子模様又は斑点模様に配置して接着
を行わせるのが便利である。液状の接着剤を用いること
も可能であるが、看板層又はポリエチレンフィルムの表
面全面に塗って看板層の細孔を完全に目詰りさせること
は避けることが必要である6岩平板の複数枚を平面方向
に継ぎ合わせるのには、継ぎ目になる複数の板の端側面
の間に合成樹脂薄片又は鉄の如き金属薄片な間挿材とし
て介在させてから接着剤で接着させることもできる。
次に、本発明の方法で用いる貯蔵容器又は貯薪室の構築
用壁材である緑色凝灰岩の岩平板と低密度ポリエチレン
・フィルムとの複合体板材のガス透過性能を、単なる低
密度ポリエチレン・フィルムのそれ及び大谷石粉末5%
混入の厚さ35ミクロメートルの低密度ポリエチレン・
フィルム(通称、FHフィルム)のそれと比較するため
に、夫々測定した透湿度とガス透過度の数値を次の表−
1に示す。
表−1の数値により、本発明の複合体板材は、15ミク
ロメートルの厚さの点で同じである低密度ポリエチレン
・フィルムに比較して、ガス透過度が適度に抑制され、
選択透過性に改良されている、反面、透湿度は低くなり
、著しく保湿性が増強されているのが解る。これは、ポ
リエチレン・フィルム層からの透過水分を台板層が吸着
、吸収し、湿度の蒸散透過を抑制する作用を奏すること
に由るものと推定される。その根拠は、実験前と後では
自板層中の実効水分が若干上昇している事実でも明白で
ある。
更に、エチレンガスの除去性能を比較するために次の試
験を行った。
区脹五ユ 5種の材料、すなわち大谷石粉末を5%混入した平均膜
35ミクロメートルの低密度ポリエチレン・フィルムよ
りなるPHフィルム(材料A)、単なる平均膜厚25ミ
クロメートルの低密度ポリエチレン・フィルム(材料B
)、本発明による焙焼処理されたゼオライトを含む緑色
凝灰岩の岩手板材(厚さ10ミリ)の片面に、両面接着
テープで線状に接着個所を設けて低密度ポリエチレン・
フィルム(厚さ15ミクロメートル)を密着させてなる
複合体板材(材料C)、単なる平均膜厚15ミクロメー
トルの低密度ポリエチレン・フィルム(材料D)、及び
材料Cで使用した焙焼処理されたゼオライトを含む緑色
凝灰岩よりのみなる厚さ10ミリの岩手板材(材料E)
を夫々用いて1辺が約7.2cmの6面体形の密閉され
た箱体(容量374mf2、内壁総面積13L86cm
2)を作製した。
この際、ポリエチレンフィルムのみを用いる場合には、
1辺が約7.2cmの六面体をなすような銅線の枠組み
を作り、これにフィルムを脹って箱体とした。材料C及
び材料Eを用いる場合には、岩手板材の端面又は辺縁に
エポキシ樹脂系接着剤の糊づけ面を作り、接着させて箱
体を作製した。材料C(本発明による複合体板材)から
作製された箱体では、器内の空気に接する内壁側にポリ
エチレン・フィルム1が位1するようにした。夫々の箱
体内の空気は20〜25℃の温度に維持し且つ初期に6
5〜70%の相対湿度を示すようにしながら、箱体内に
エチレンを初濃度5ppmになるように注入した。エチ
レンが箱体の壁材を通って透過及び(又は)吸着、吸収
されることによって夫々の箱体内のエチレン濃度が経時
的に減少して行く濃度変化をエチレンモニタリング装置
で計測した。その計測結果を添付図面の図表に曲線図と
して表わす。
本発明による複合体板材(材料C)では、エチレンの減
衰が材料り及びEに比べて若干劣るけれども、36時間
経過後には箱体内の空気のエチレン濃度が0.lppm
以下に低下していることが認められ、また材料Aに比べ
て材料Cは厚みが数十倍であるにもかかわらず、エチレ
ンの吸着除去性能が優れていることも認められる。
次Gこ実施例について本発明を説明する。
11廻ユ ゼオライトを含む緑色凝灰岩(群馬県沼田市月夜野産)
を切断して厚さ10ミリ、縦30Oミリ、横300ミリ
の平板状体を切出した。この岩平板を風乾後に550〜
600℃で60分間焙焼処理してエチレン吸着能を活性
化した。この焙焼処理された台板の片面に両面接着テー
プを格子状に付け、その上から平均膜厚15ミクロメー
トルの低密度ポリエチレン・フィルムを張り接着させて
岩平板の片面全体が該フィルムで覆われるようにフィル
ムを密着させた。このように製造された焙焼処理された
緑色凝灰岩板と低密度ポリエチレン・フィルム層とから
成る複合体板材を5枚用意し、これらが立方体の底壁面
及び四方の壁面を構成するようにポリエチレン・フィル
ム層を内側に向けて組立て、エポキシ樹脂系接着剤で接
着して立方形箱体状の容器を作製し、頂面にはガラス板
を設置し接着して容器内部を密閉状態にした。頂面のガ
ラス板の接着に先立ち、新鮮なほうれん草の計1.2k
gを底面に広げて収納し、貯蔵容器内に保持する状態に
置いた。温度計及び湿度計も容器内に配置した。はうれ
ん草からの水分蒸発で湿度は直ぐに95%に達した。こ
の貯蔵容器内の空気雰囲気は本発明の方法に従って温度
5℃、相対湿度95%に保持した。
容器の頂面のガラス板を通してほうれん草の保存状態を
観察した。また比較のため、焙焼処理された緑色凝灰岩
の板材を組立て前記の貯蔵容器と同様の型式で作製した
貯蔵J]!(比較例1)及び低密度ポリエチレン・フィ
ルムで作った貯蔵庫(比較例2)並びに大谷石の粉末を
低密度ポリエチレン・フィルムに添加、混合して製膜し
た、通称FHフィルムで作った貯蔵庫(比較例3)に収
納されたほうれん草についても、その保存状態を観察し
た。
緑色凝灰岩の台材を組立てて作った貯蔵庫内の比較例1
のほうれん草を観察した結果、4日前後で背比が進み葉
先に水分もなくなり、商品価値が全くない事が明白であ
った。
また、低密度ポリエチレン・フィルムで作った貯蔵庫内
の比較例2のほうれん草も5日前後で背比が進み、商品
価値が全くない事が明白であった。
さらに、大谷石の粉末を混入した、通称FHフィルムで
作った貯蔵庫内の比較例3のほうれん草についても観察
したが、7日前後で背比が進み、商品価値がない事が明
白であった。
これに対し、本発明の方法に従って貯蔵したほうれん草
は、20日以上たっても背比もなく、色も収穫当時とほ
とんど変わらず、当初の鮮度が保持されている事が明白
であり、念のため試食したが収穫当初となんら味覚に変
化はなかった。従って長期間の鮮度保持が可能である事
を確認する事ができた。また、この20日以上保存後に
ほうれん草を取出した時の貯蔵容器内の空気のエチレン
濃度を計測したところ、0゜lppm以下であることが
認められた。
夫且亘ユ 実施例1で作製した複合体板材製の貯蔵容器を用いて本
発明の方法に従って温度3℃、相対湿度95%の空気雰
囲気中に保存した、スダチの保存状態を観察しな7また
比較のため、緑色凝灰岩の板材を組立てて作った貯蔵庫
(比較例1)及び低密度ポリエチレン・フィルムで作っ
た貯蔵II(比較例2)並びに大谷石の粉末を低密度ポ
リエチレン・フィルムに添加、混合して製膜した1通称
FHフィルムで作った貯蔵庫(比較例3)についても、
その保存状態を観察した。
緑色凝灰岩の板材を組立てて作った貯蔵庫内の比較例1
のスダチを観察した結果、15日前後で背比が、始まり
、18日目では商品価値が全くない事が明白であった。
また、低密度ポリエチレン・フィルムで作った貯蔵庫内
の比較例2のスダチも18日前後で背比が始まり、21
日目では商品価値が全くない事が明白であった。
さらに、大谷石の粉末を混入した、通称FHフィルムで
作った貯蔵庫内の比較例3のスダチについても観察した
が、25日前後で背比が始まり、その劣化速度は、比較
例1及び2に対して緩やかなものの30日目では、商品
価値が全くない事が明白であった。
これに対し、本発明の方法に従って貯蔵したスダチは、
60日以上たっても背比も見られず、鮮やかな濃緑色の
ままで収穫当時とほとんど変わらず、当初の鮮度が保持
されている事が明白であり、念のため試食に用いたが収
穫当初となんら、香り、風味ともに変化はなかった。従
って長期間の鮮度保持が可能である事を確認する事がで
きた。
1亘■旦 実施例1で作製した複合体板材製の貯蔵容器を用いて本
発明の方法に従って温度6℃、相対湿度90%の空気雰
囲気中に保存した、切り花のカーネーション(品種は大
輪系のノラで開花初期の5分咲きのものを花の長さが、
40センチに揃えた)について、その保存状態を観察し
た。また比較のため、緑色凝灰岩の板材だけを組立てて
作った貯蔵庫(比較例1)及び低密度ポリエチレン・フ
ィルムで作った貯蔵庫(比較例2)並びに大谷石の粉末
を低密度ポリエチレン・フィルムに添加、混合して製膜
した、通称FHフィルムで作った貯蔵庫(比較例3)内
のカーネーションについても、その保存状態を観察した
緑色凝灰岩の板材を組立てた貯蔵庫内の比較例1のカー
ネーションを観察した結果、 12日目で花弁に変色及
びローリングイン現象が出始め、商品価値が全くない事
が明白であった。
また低密度ポリエチレン・フィルムで作った貯蔵庫内の
比較例2のカーネーションは15日目で花弁に変色及び
ローリングイン現象が出始め、商品価値が全くない事が
明白であった。
さらに大谷石の粉末を混入した、通称FHフィルムで作
った貯蔵庫内の比較例3のカーネーションについても観
察したが、22日目で花弁に変色及びローリングイン現
象が出始め、商品価値が全くない事が明白であった。
これに対し1本発明の方法に従って貯蔵したカーネーシ
ョンは、50日目でも花弁の変色及びローリングイン現
象も表れず、探孔当時と同じ状態が保持されている事が
明白であった。従って長期間の鮮度保持が可能である事
を確認する事ができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は試験例1で用いた種々な材料製の容器内の空気
のエチレン濃度の経時的変化を示す曲線図である。 手続ン市正書(自発) 平成 2年 7月20日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、収穫後の新鮮な農産物を収納し且つ内部を密閉状態
    に保ち得る蓋又は扉を備えた貯蔵容器又は貯蔵室の壁体
    の全体又は少なくとも一部は、ゼオライトを含む多孔質
    の緑色凝灰岩から切出されて且つゼオライト結晶水の除
    去のための焙焼処理によりエチレン吸着能を活性化され
    た厚さ5ミリ〜40ミリの岩平板の一枚又はこの岩平板
    の複数枚を平面方向に継ぎ合せた板状材の片面全体に平
    均膜厚が15〜25ミクロメートルの薄い低密度ポリエ
    チレン・フィルムを密着して成るガス選択透過性の複合
    体板材より構成されてあり、しかも前記の岩平板に密着
    させた低密度ポリエチレン・フィルム表面が貯蔵容器又
    は貯蔵室の内部空間中の空気雰囲気に面し且つ前記の岩
    平板の他方の表面が外方の開放空気に接してある当該貯
    蔵容器又は貯蔵室内に新鮮な農産物を収納させ、貯蔵容
    器又は貯蔵室を閉め、農産物から発生したエチレンガス
    を前記の貯蔵容器又は貯蔵室内の空気雰囲気から前記の
    複合体板材により吸着して除去することにより極めて低
    いエチレン濃度に保持されてあるが但し貯蔵容器又は貯
    蔵室内部から外方への水蒸気の逸出を防止されてある空
    気雰囲気中において相対湿度が80〜95%の範囲内で
    且つ温度が1〜10℃の範囲内で当該農産物を貯蔵する
    ことを特徴とする農産物の鮮度保持方法。 2、貯蔵容器又は貯蔵室の天井壁を含めて壁体の内向き
    表面の総面積のうちで、緑色凝灰岩の切出し岩平板及び
    低密度ポリエチレン・フィルムを密着させたガス選択透
    過性の前記の複合体板材の内向き表面が占める面積は、
    これが接する貯蔵容器又は貯蔵室の内部空間の空気雰囲
    気中のエチレン濃度を農産物の収納時より1.5日後に
    は0.1ppm以下に維持するようにエチレンを吸着し
    除去するに足る面積であり、その他の壁体部分はガス不
    透過性又は難透過性の材料から構成されてある請求項1
    に記載の方法。 3、貯蔵容器又は貯蔵室の四方の壁体のうち、少なくと
    も二方の壁体の夫々全体が、また所望ならば天井壁体も
    、前記のガス選択透過性の複合体板材から構成される請
    求項1に記載の方法。 4、緑色凝灰岩の岩平板の厚さは5ミリ〜35ミリの範
    囲であり、低密度ポリエチレン・フィルムの平均膜厚が
    15〜25ミクロメートルの範囲である複合体板材を使
    用する請求項1に記載の方法。 5、農産物は野菜の葉菜類、根菜類、果実類、又は花卉
    類である請求項1に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009041036A (ja) * 2005-04-22 2009-02-26 Mitsubishi Chemicals Corp バイオマス資源由来ポリエステル及びその製造方法
CN110411117A (zh) * 2019-08-30 2019-11-05 长虹美菱股份有限公司 一种基于气体调节的冰箱保鲜装置

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