JPH0227840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用座席等の座席の背凭上部に取
付けられる車輛用ヘツドレストに関するものであ
る。

（従来の技術） 近年、室内空間を広く見せると同時に視界を確
保できるようにするために前後方向に連通される
窓孔を透設した車輛用ヘツドレストが開発されて
いるが、この種ヘツドレストは表面形状が複雑で
あるため表皮材を被装することができず、やむを
得ずインテグラルスキンフオームにより成形され
ているもので、耐光性及び肌ざわりが悪いえに意
匠変化を持たせることのできない欠点がある。こ
のような欠点をなくすための考案として実願昭56
−162453号の実開昭58−68149号の願書に添付し
た明細書には、前後方向に連通される窓孔を設け
た緩衝材に該窓孔と対応する窓孔を有する表皮材
を被装した車輛用ヘツドレストにおいて、該表皮
材の内外いずれか一方または双方の周面に周方向
の長い緩衝材装脱用の切割を設けて該切割を面フ
アスナー等をもつて閉塞したものについての記載
がみられるが、このような封緘手段によつても重
ね合わせ部分の見栄えが悪いうえに乗降時に手が
触れて外れるおそれがあることは前記明細書中に
記載されているとおりである。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は前記のような欠点を除き、表皮材を適
確容易に被装できるうえに意匠的にも安全性にも
優れた量産容易な車輛用ヘツドレストを目的とし
て完成されたものである。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る車輛用ヘツドレストは、前後方向
に連通される角形の窓孔を適当数設けた緩衝材に
該窓孔と対応する窓孔を有する表皮材を被装した
車輛用ヘツドレストにおいて、該表皮材の内外い
ずれか一方または双方の周面に少なくとも三側面
にわたる周方向の長い緩衝材装脱用の切割を設け
て該切割を表皮材の裏面の該切割に沿う部分とこ
れに対面する前記緩衝材の表面部分に形成される
無数のループとフツクを備えた面フアスナーをも
つて閉塞してなり、該面フアスナーのうちフツク
を備えた雄側テープは緩衝材の表面に形成した凹
部内に嵌合接着されたものとしたことを特徴とす
るものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明する。

１はポリウレタンフオーム等の合成樹脂発泡体
よりなる緩衝材であつて、該緩衝材１には視界を
確保できるように前後方向に連通される角形の窓
孔２が適当数設けられて図示しない埋込芯に連設
された状態で下面より垂設されたステイ３，３を
もつて図示しない座席の背凭上部に取付けられ
る。４は緩衝材１に被装される表皮材であつて、
該表皮材４は織布、レザー地等の任意の生地をも
つて縫製され、前記窓孔２に対応する角形の窓孔
５を有している。６は表皮材４の内外いずれか一
方または双方のうち少なくとも二側面にわたつて
周方向に設けられた長い緩衝材装脱用の切割であ
つて、該切割６は表皮材４の裏面の該切割６に沿
う部分とこれに対面する前記緩衝材１の表面部分
に形成される無数のループ７ａとフツク７ｂを備
えた面フアスナー７をもつて閉塞されている。な
お、この面フアスナー７としては第４図に示すよ
うに表皮材４の裏面の前記切割６に沿う部分に縫
着される無数のループ７ａが形成された雌側テー
プ７′と緩衝材１の表面部分に形成した凹部１０
内に嵌合接着されている無数のフツク７ｂが密植
された雄側テープ７″とよりなるものとしている
が、第３図に示すように表皮材４として無数のル
ープが形成されたパイル地を使用し、この表皮材
４の一部を裏返して緩衝材１に接着された雄側テ
ープ７のフツク７ｂに対応するループ７ａを形成
してもよい。また、緩衝材１に設けられた窓孔２
の数は１個乃至４個程度とし、さらに、表皮材４
の周面に設けられる緩衝材装脱用の切割６は窓孔
２とステイ３付の緩衝材１に対して適確容易に装
脱できる位置にあり且つ意匠的な点も考慮して第
１図に示す第１の実施例のように、表皮材４の内
周の全側面と外周面の下側面のステイ挿込孔９，
９間とに周方向に設けておくか、第２図に示す第
２の実施例のうに、外周の全周または三側面に周
方向に設けておくものとする。なお、第５図にお
いて１１は切割６を覆うため表皮材４の切割６に
沿う部分に必要に応じ縫着される玉縁材である。

（作用） このように構成されたものは、在来の車輛用ヘ
ツドレストと同様に使用した場合、緩衝材１が表
皮材４により被装されているので、表皮材４の生
地を選択することにより意匠的にも耐光性及び肌
ざわりの点でも従来のインテグラルスキンフオー
ムにより成形されたものと比較してはるかに優れ
たものが得られ、また、緩衝材１の窓孔２に対応
する窓孔５が表皮材４に設けられているので視界
が確保できて安全運転上好ましいものとる。しか
も、表皮材４の内外いずれか一方または双方の周
面のうち少なくとも三側面にわたつて長い緩衝材
装脱用の切割６を設けて該切割６を表皮材４の裏
面の該切割６に沿う部分とこれに対面する前記緩
衝材１の表面部分に形成される無数のループ７ａ
とフツク７ｂを備えた面フアスナー７をもつて閉
塞したので、該面フアスナー７を開閉することに
より長い切割６を通じて表皮材４を適確容易に緩
衝材１に装脱することができて量産が容易なうえ
洗濯時等における交換も適確容易に行える利点も
ある。さらに、この面フアスナー７のうちフツク
７ｂを備えた雄側テープ７″は緩衝材１の表面に
形成した凹部１０内に嵌合接着されたものとして
表面への膨出をなくしてあるうえに面フアスナー
７自身が柔軟で平坦なものであるので、接合部が
長くても凹凸が生じることがなくて外観上優れた
ものとなるうえ感触もよく、見栄えがよいうえに
乗降時にてがふれても外れ難く、また、衝突時等
に頭部が傷付けられるおそれもなく、さらに、切
割６の開閉に手数を要しない等種々の利点があ
る。

（考案の効果） 本考案は以上の説明から明らかなように、角形
の窓孔を有する表皮材をその内外いずれかの周面
のうち少なくとも三側面にわたり設けられている
面フアスナー付の長い切割を通じて窓孔付の緩衝
材に被装するようにしたので、形状が複雑である
ために表皮材の使用ができなかつた窓孔付のヘツ
ドレストを任意の色、柄、材質の表皮材で適確容
易に被装して意匠に変化をもたせることができる
うえに充分視界を確保でき、特に、面フアスナー
のうちフツクを備えた雄側テープは緩衝材の表面
に形成した凹部内に嵌合接着されたものとして表
面への膨出をなくしてあるうえに面フアスナー自
身が平坦で柔軟なため、切割を緩衝材の装脱上便
利なように長くしても外観上も感触上も安全上も
優れたものとなるうえに、重ね合わせ部分に手が
触れても外れ難く、また、量産が容易で安価に提
供できる利点と相俟ち在来のこの種車輛用ヘツド
レストの欠点を除いたものとして実用的価値極め
て大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す一部切欠
斜視図、第２図は本考案の第２の実施例を示す一
部切欠斜視図、第３図は要部の一部切欠斜視図、
第４図、第５図は他の実施例の要部を示す一部切
欠斜視図である。 １……緩衝材、２……窓孔、４……表皮材、５
……窓孔、６……切割、７……面フアスナー、
７″……雄側テープ、７ａ……ループ、７ｂ……
フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後方向に連通される角形の窓孔２を適当数設
   けた緩衝材１に該窓孔２と対応する窓孔５を有す
   る表皮材４を被装した車輛用ヘツドレストにおい
   て、該表皮材４の内外いずれか一方または双方の
   周面に少なくとも三側面にわたる周方向の長い緩
   衝材装脱用の切割６を設けて該切割６を表皮材４
   の裏面の該切割６に沿う部分とこれに対面する前
   記緩衝材１の表面部分に形成される無数のループ
   ７ａとフツク７ｂを備えた面フアスナー７をもつ
   て閉塞してなり、該面フアスナー７のうちフツク
   ７ｂを備えた雄側テープ７″は緩衝材１の表面に
   形成した凹部１０内に嵌合接着されたものとした
   ことを特徴とする車輛用ヘツドレスト。