JPH0227637Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 この考案はUHFチユーナのアンテナインプツ
トケースと放電抵抗とのベース筐体への接続構造
の改良に関する。

ロ 従来技術 UHF電子チユーナの入力回路は一般に第１図
に示すようにフイーダ線１，１の終端にアンテナ
ループ２を形成し、このアンテナループ２と金属
板で形成した共振線路３を誘導結合させている。
アンテナループ２は絶縁被覆電線で、その両端が
チユーブ状のアンテナ端子４，４に接続され、ま
た一方のアンテナ端子４には他端がアースされた
放電抵抗５が接続されて誘導雷等の外部衝撃電波
によるチユーナ回路の保護を図つている。

このような入力回路におけるアンテナ端子４，
４、アンテナループ２、放電抵抗５は１つの樹脂
製アンテナインプツトケース６に装着されて、他
のチユーナ回路を組込んだベース筐体７に取付け
られている。アンテナインプツトケース６の従来
例を第２図乃至第５図で説明すると、これはベー
ス筐体７の側板７′に嵌挿固定される嵌着基部６
ａと、側板７′より外部に突出する外部突出部６
ｂからなる。外部突出部６ｂは２本のアンテナ端
子４，４を先端に植設して突出させた端子取付部
６ｃと放電抵抗５の本体５ａを横置状態で収納す
る抵抗収納部６ｄの一体物で構成される。抵抗収
納部６ｄは内部断面ドーム状のもので、この開口
部に別個に形成した樹脂製のインプツトカバー８
が嵌着され、このインプツトカバー８で放電抵抗
本体５ａを抵抗収納部６ｄ内の天面部に押し込ん
で、放電抵抗５の位置決め収納保持を行つてい
る。放電抵抗５の本体５ａの両端から導出された
リード線５ｂ，５ｃの一方の端子側リード線５ｂ
は１つのアンテナ端子４に挿通され、他方のアー
ス側リード線５ｃは抵抗収納部６ｄのアース側端
板に開口端側から上方に形成されたスリツト９よ
り外部に導出される。アンテナループ２を形成す
る絶縁被覆電線１０は、上記インプツトカバー８
の後端部より一体に突設したガイド棒１１に巻回
され、その両端の絶縁被覆１０ａを剥脱した裸電
球１０ｂ，１０ｂがアンテナ端子４，４に挿通さ
れる。

アンテナインプツトケース６に先ずアンテナ端
子４，４を取付け、次に放電抵抗５、インプツト
カバー８、アンテナループ２の順で取付けてか
ら、アンテナ端子４，４に挿通した２本の裸電線
１０ｂ，１０ｂと１本の抵抗リード線５ｃがアン
テナ端子４，４の先端に半田付けされて余分なも
のは切断除去される。このアンテナインプツトケ
ース６をベース筐体７の側板７′に嵌挿した後、
アンテナインプツトケース６から延びる他方のア
ース側リード線５ｃを引つ張つてその先端部を側
板７′の一部に切起した突起１２に絡げて半田１
３で接続固定している。

ところで、放電抵抗５のアース側リード線５ｃ
はアンテナインプツトケース６のアース側端板に
形成したスリツト９から突起１２に向けて直接に
導出されているため、リード線５ｃの半田付け時
の引張力がそのまま抵抗本体５ａに伝わつて許容
引張力（約７Kg）以上の力が抵抗本体５ａに加わ
つて放電抵抗５が破損する危険性があつた。また
アンテナインプツトケース６は２つの金型を使つ
て樹脂形成されるが、固定側金型と移動側金型間
の摺動部分を少なくとも上記リード導出用スリツ
ト９の長さｌ以上に長くとる必要があり、そのた
め両金型間のクリアランスが比較的大きくなつて
成形時にバリが発生し易く、且つ金型の保守が難
しくなる製造上の問題があつた。更にアンテナイ
ンプツトケース６の材質は安全規格（アメリカの
UL規格など）上難燃材で熱変形温度の高いもの
が要求されているが、この要求を満たす材料は機
械的に脆い性質があるためにアンテナインプツト
ケース６の嵌着基部６ａを圧入寸法にできず、そ
のためベース筐体７の側板７′との間に若干のク
リアランスが生じてケース取付後にアンテナイン
プツトケース６にガタ付きが発生し、これがアン
テナループ２と共振線路３間の結合状態を不安定
にして電気特性が不安定になる問題があつた。

ハ 考案の目的 本考案は上記従来の問題点に鑑み、これを改
良・除去することを目的とする。

ニ 考案の構成 本考案はベース筐体１７に嵌挿される嵌着基部
１５ａと、ベース筐体１７より突出する端子取付
部１５ｃと抵抗収納部１５ｄよりなる外部突出部
１５ｂとからなり、上記抵抗収納部１５ｄ内に放
電抵抗５の主体５ａを横置き状態で収納保持させ
上記放電抵抗５のアース側リード線５ｃを、抵抗
収納部１５ｄのアース側端板から引き出してベー
ス筐体１７に電気的機械的に接続するUHFチユ
ーナのアンテナインプツトケース１５と放電抵抗
５とのベース筐体１７への接続構造であつて、上
記放電抵抗５のアース側リード線５ｃのリード導
出口１８を、抵抗収納部１５ｄのアース側端板
で、かつ、天面部のコーナ部に形成し、上記アー
ス側リード線５ｃを上記リード導出口１８から鋭
角に導出させ、リード線の引張力を、上記リード
導出口１８に直接に加わるようにしたことを特徴
とする。このようにすると前記アース側リード線
は抵抗本体から前記リード導出口を迂回してベー
ス筐体へと延びる形で導出され、これによりリー
ド線半田付け時における引張力はリード導出口の
下縁に直接加わつて抵抗本体にはほとんど加わら
ず、放電抵抗は安全である。また前記引張力はア
ンテナインプツトケースをベース筐体に押し付け
るとして作用し、アンテナインプツトケースの取
付強度が増す等して、上記従来問題点が難無く解
決される。

ホ 実施例 第６図乃至第９図において、１５は本考案の一
実施例であるアンテナインプツトケース、１６は
樹脂製のアンテナインプツトケース１５内に嵌着
される樹脂製のインプツトカバー、１７′はアン
テナインプツトケース１５が外部に突出されて取
付けられるベース筐体１７の側板であり、他の第
２図乃至第５図と同一符号のものは同一物を示し
その詳細は省略する。アンテナインプツトケース
１５は側板１７′に嵌挿される嵌着基部１５ａと
側板１７′より突出する外部突出部１５ｂで構成
され、外部突出部１５ｂは端子取付部１５ｃと抵
抗収納部１５ｄで形成される。このアンテナイン
プツトケース１５の特徴は抵抗収納部１５ｄのア
ース側端板で、かつ、天面部のコーナ部中央に切
欠き形状のリード導出口１８を形成することであ
る。

尚、上記アンテナインプツトケース１５におい
て、１９は抵抗収納部１５ｄの天面部に開口した
抵抗覗き穴で、内部の放電抵抗体５ａの有無や品
種確認に利用される。２０は嵌着基部１５ａの端
子取付部１５ｂ側の一端部に一体に突設した第１
ガイド板デ、アンテナループ２の一方端部が巻回
される。またインプツトカバー１６は抵抗収納部
１５ｄ内に横置した放電抵抗５の本体５ａを押し
込み保持するもので、その裏面にはベース筐体１
７内に突出する第２ガイド板２１が一体成形さ
れ、この第２ガイド板２１にアンテナループ２の
他方端部が巻回されて、第１ガイド板２０と共に
アンテナループ２を安定に保持する。

上記アンテナインプツトケース１５による組立
順序は従来同様で、アンテナインプツトケース１
５にアンテナ端子４，４、放電抵抗５、インプツ
トカバー１６、アンテナループ２を順次に装着し
てインプツトサブアツセンブル体を先ず形成して
から、アンテナインプツトケース１５を側板１
７′に嵌着し、而る後リード導出口１８から導出
されたリード線５ｃを引張つてその先端部を側板
１７′の切起こし突起２２に絡げて半田２３で接
続固定する。このリード線５ｃの半田付け時、リ
ード線５ｃは第８図に示すように抵抗本体５ａか
らリード導出口１８まで上がつてリード導出口１
８から鋭角の角度θで突起２２まで延びる。従つ
て、この半田付け時にリード線５ｃに引張力Ｐが
加わつてもこの力Ｐはリード線５ｃが迂回して係
止するリード導出口１８の下縁に直接加わるだけ
で抵抗本体５ａまで伝播せず、放電抵抗５は安全
である。また引張力ＰにてPcosθなる力がアンテ
ナインプツトケース１５を側板１７′へと押圧す
る外力として作用し、これによりアンテナインプ
ツトケース１５のガタ付きが解消されて電気特性
上の従来問題点が解決される。以上の効果はθが
小なる程大である。またリード導出口１８は１本
のリード線５ｃが通る程度の小さなものでよく、
従つてアンテナインプツトケース１５を成形する
金型の摺動長は十分に短くでき、これにより金型
の長寿命化等が図れ保守が容易となる。

ヘ 考案の効果 以上の如く、本考案によれば、放電抵抗の破損
の心配が無くなつて、品質や組立作業性の改善が
図れる。またアンテナインプツトケースのベース
筐体への取付強度が増し、アンテナループと共振
線路との結合状態が安定してUHFチユーナの特
性安定化が図れる。更にはアンテナインプツトケ
ースの成形用金型の長寿命化により製造単価のコ
ストダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はUHFチユーナの入力回路図、第２図
乃至第４図は従来のアンテナインプツトケースを
説明するための平面図とＡ−Ａ線及びＢ−Ｂ線に
沿う断面図、第５図は第２図のインプツトケース
とその付属部品の分解斜視図、第６図乃至第８図
は本考案の一実施例を説明するための平面図とＣ
−Ｃ線及びＤ−Ｄ線に沿う断面図、第９図は第６
図のインプツトケースとその付属部品の分解斜視
図である。 ５……放電抵抗、３ｂ……抵抗本体、５ｃ……
アース側リード線、１５……インプツトケース、
１５ｂ……外部突出部、７……ベース筐体、１８
……リード導出口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベース筐体に嵌挿される嵌着基部と、ベース筐
   体より突出する端子取付部と抵抗収納部よりなる
   外部突出部とからなり、 上記抵抗収納部内に放電抵抗の主体を横置き状
   態で収納保持させ 上記放電抵抗のアース側リード線を、抵抗収納
   部のアース側端板から引き出してベース筐体に電
   気的機械的に接続するUHFチユーナのアンテナ
   インプツトケースと放電抵抗とのベース筐体への
   接続構造であつて、 上記放電抵抗のアース側リード線のリード導出
   口を、抵抗収納部のアース側端板で、かつ、天面
   部のコーナ部に形成し、上記アース側リード線を
   上記リード導出口から鋭角に導出させ、リード線
   の引張力を、上記リード導出口に直接加わるよう
   にしたことを特徴とするUHFチユーナのアンテ
   ナインプツトケースと放電抵抗とのベース筐体へ
   の接続構造。