JPH0225817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はコイル巻き状のワイヤロープを使用場
所へ運搬し、ワイヤロープを引き出したり、巻き
戻し作業を行う場合のワイヤロープ運搬巻戻し機
に関するものである。

従来の技術 従来、コイル巻き状ワイヤロープの運搬は、コ
イル巻き状ワイヤロープと巻戻し機を保管場所よ
りクレーン、ホイスト等で車輛に積みこんで使用
場所まで運んでいた。

又、ワイヤロープの巻戻しについて、ワイヤロ
ープは納入時にコイル状に巻かれているか、本枠
（ドラム）に巻かれているが、ロープを解く時に
は撚りが入つたり、戻つたりすることのないよう
に注意しなければならない。このようなことか
ら、ロープを解く場合は第３図のＡ図のように木
枠（ドラム）巻きのものａは中心の穴に棒を通し
て回転できるようにし、コイル状のものｂは同Ｂ
図のように中心の穴に適合する回転台を準備し、
その上に乗せて引き出すのが正しい解き方（引き
出し方）である。又、Ｃ図に示すようにコイル自
身を転がしてロープにねじれを起さないように引
き出すのも正しい方法である。

作業現場などで適当な木枠台が無い場合には、
Ｄ図のように十文字枠Ｃの上にロープを乗せ、三
又に吊したスイベル付ブロツクｄで吊り下げてロ
ープを引き出す方法もとられている。

コイル巻きワイヤロープを誤つた方法で引き出
すと、ロープに撚りが入つたり、撚りが戻つたり
してキンクや形くずれが生じてロープの寿命が著
しく短かくなる。

考案が解決しようとする問題点 上記のようなことから、コイル状に巻かれたワ
イヤロープと巻戻し機を別々に使用場所まで運搬
し、現地でロープを巻戻し機にセツトして使用し
ていたものであるが、コイル巻き状ワイヤロープ
は木枠のような芯が無いので、転がしての移動が
不可能で必らずクレーン、ホイスト等の世話にな
つていた。また、巻き戻し機も人力運搬はむずか
しく、クレーン、ホイストで運び、また場所によ
つては数人の力で運んでいた等作業準備に時間が
かかり、しかもセツトしたワイヤロープを所望位
置に簡単に移動することが出来ない等の問題点が
あつた。

問題点を解決するための手段 本考案はこれらの問題点を解消することを目的
とするものであつて、以下本考案の好適な一実施
例として示す第１〜２図を用いて説明すると、薄
枠板状の台盤８の上面に間隔をおいて、直立固定
の固定側軸受ブラケツト５と、根部の枢結部７と
当り止め等の安全装置１１とにより起立する可倒
側軸受ブラケツト６とを設け、巻枠３の一方の側
板兼車輪１側を固定軸受ブラケツト５に軸架さ
せ、他方の取付ねじ４により取外し自在に巻枠３
に取付けた側板兼車輪２側の軸３ａ端を、可倒側
軸受ブラケツト６の上端切欠部６ａに乗架させ、
運搬時には台盤８の下側となる側縁部９に取付け
たキヤスター１０，１０と前記両側板兼車輪１，
２とにより転動可能としてなるワイヤロープ運搬
巻戻し機の構成である。

作 用 本考案は前記の手段により、ワイヤロープのセ
ツトに際しては、第１図の状態より枢結部７を支
点に可倒側軸受ブラケツト６を仮線の矢印方向に
倒し、次に取付ねじ４を外して取外し側の側板兼
車輪２を外す。次いでコイル巻き状のワイヤロー
プＷを巻枠３に嵌入しセツトする（ワイヤロープ
の束が動揺しないよう移動止めもセツトする）。
そして可倒側の側板兼車輪２を巻枠３に取付ねじ
４で取付け固定し、可倒側軸受ブラケツト６を立
てて、軸３ａ端を乗架させると共に、安全装置１
１をかけてセツト作業を終了する。

ワイヤロープをセツトし終えたら、本機をキヤス
ター１０，１０が下を向くように起し、台盤８に
手を添え、第２図のように手押車の要領で押し、
キヤスター１０，１０と両側板兼車輪１，２とで
転がして目的の場所まで運搬するもので、方向転
換はキヤスター１０，１０が行う。ワイヤロープ
Ｗは巻枠３にセツトされているので、そのロープ
の引き出し、巻き戻しは簡単に、且つ円滑に行え
る。

実施例 以下本考案の一実施例を説明する。

第１図において、１は巻枠の固定側の側板兼車
輪でロープ受巻枠３付である。２は巻枠３の取外
し側の側板兼車輪で、取付ねじ４により巻枠
（胴）に取外し自在に取付けられている。５は巻
枠３の固定側の側板兼車輪１側を軸架させる固定
側軸受ブラケツトで、長方形の枠板状をなす台盤
８の上面に一体的に直立して設けてある。６は固
定側軸受ブラケツト５と相対向して台盤８上に設
けられた可倒側軸受ブラケツトで、根部は台盤８
上に蝶番金具等により起伏自在に連結された枢結
部７とその反対面に可倒側軸受ブラケツト６を起
立状態に保持する当り止め等の安全装置１１が設
けられている。６ａは可倒側軸受ブラケツト６の
先端に設けた切欠部で、前記巻枠３の軸３ａ端を
乗架させるようにしてある。９は巻枠３の両側板
兼車輪１，２が接地するよう台盤８を起した時下
側に来る台盤の側縁部で、該側縁部にキヤスター
１０，１０を付設したものである。

考案の効果 本考案は上記の構成であつて、台盤上に設けた
可倒側軸受ブラケツトを倒し、巻枠の一方の側板
兼車輪を取外して、ワイヤロープを巻枠にセツト
した後、取付ねじで巻枠に側板兼車輪を取付け、
その側の軸を可倒側軸受ブラケツトを立て起して
乗架させるようにしたから、コイル巻き状ワイヤ
ロープの中央の穴に巻枠胴部を容易に挿入するこ
とができて、ワイヤロープのセツトが簡単、容易
に行え、また、台盤の側縁に取付けたキヤスター
が下を向くように台盤を起し、台盤に手を添え、
手押車の要領で押すことにより、キヤススターと
側板兼車輪とによつて、本巻戻し機はワイヤロー
プをセツトしたまま転がしての移動が出来、方向
転換もキヤスターの使用でスムーズで作業準備時
間が大巾に短縮できた。また、巻戻し作業もワイ
ヤロープに撚りが入らず安全に早く実施すること
が可能になつた等、前記従来の問題を容易に解決
し得たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワイヤロープ運搬巻戻し
機の斜面図で、ワイヤロープセツト及び巻戻し使
用状態時を示す、第２図は同移動状態を示す側面
図、第３図のＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの各図は従来のワイ
ヤロープ引き出し（解き方）、及び巻戻し方法を
示す説明図である。 １……固定側の側板兼車輪、２……取外し側の
側板兼車輪、３……巻枠、４……取付ねじ、５…
…固定軸受ブラケツト、６……可倒側軸受ブラケ
ツト、７……枢結部、８……台盤、９……側縁
部、１０……キヤスター、１１……安全装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台盤８の上面に間隔をおいて、直立固定の固定
   側軸受ブラケツト５と、根部の枢結部７と安全装
   置１１とにより起立する可倒側軸受ブラケツト６
   を設け、巻枠３の一方の側板兼車輪１側を固定軸
   受ブラケツト５に軸支させ、他方の取外し自在に
   取付けた側板兼車輪２側の軸３ａを可倒側軸受ブ
   ラケツト６の上端に乗架させ、運搬時には台盤８
   の下側となる側縁部９に取付けたキヤスター１
   ０，１０と前記両側板兼車輪１，２で転動可能と
   してなるワイヤロープ運搬巻戻し機。