JPH0225631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 考案の技術分野 本考案はワイヤドツトプリンタ装置の印字ヘツ
ドに係り、特に釈放型印字マグネツトのアマチユ
アの構造に関す。

(B) 技術の背景 近来、各種コンピユータの端末機や、ワードプ
ロプロセツサ等のプリンタとして各種のドツトプ
リンタが開発実用化されている。

ドツトプリンタは印字ヘツドを作動させてドツ
トの集合で所定の形状を形成して文字等の印字を
行う為に、ドツトの組合せが自在であり文字種類
が多く、使用分野毎に必要な文字種を容易に備え
ることができ、極めて好適で経済的である。特に
オフイスコンピユータ等の端末機としての用途が
拡大しているので、装置の高信頼性が要望されて
いる。

(C) 従来技術と問題点 以下、ワイヤドツトプリンタを例にとつて従来
技術を第１図乃至第３図を参照して説明する。第
１図は本考案が適用されるワイヤドツトプリンタ
の概要を例示する平面図、第２図は第１図の印字
ヘツドを示す断面図、第３図は第２図のＡ−
A′断面図である。

ワイヤドツトプリンタは第１図に示すように、
サイドフレーム９にプラテン１０が回動自在に支
持されている。プラテン１０には印字用紙１１が
挿入又は巻掛けられており、印字用紙１１はスプ
ロケツト１２ａ，１２ｂ等に依り図中矢印Ａ方向
に送られる。一方プラテン１０の前面、図中下方
にはキヤリア１３がプラテン１０と平行に設けら
れたガイドシヤフト１５に摺動自在に嵌合してお
り、またキヤリア１３は同様にプラテン１０と平
行に設けられた送りねじ１６と螺合している。送
りねじ１６はベルト１７等を介してモータ１９に
接続されており、従つて送りねじ１６はモータ１
９の正逆回転に依つてキヤリア１３を図中矢印
Ｃ，Ｄ方向に移動させることができる。

キヤリア１３にはインクリボンカセツト２０が
搭載されており、インクリボンカセツト２０には
無端状のインクリボン２０ａがその一部をプラテ
ン１０側に露出させた形で内蔵されている。また
キヤリア１３には印字ヘツド２１がインクリボン
カセツト２０に囲まれた形で設置されており、印
字ヘツド２１にはドツトに依つて印字を形成させ
る為に、複数個の印字マグネツトが設けられてい
る。第２図に示すように印字マグネツトはコア１
にコイル２が巻装されて居り、コア１に当接する
ようにアマチユア３が配置されている。アマチユ
ア３は先端に印字ワイヤ４を固着して居り、又ア
マチユア３は第３図に示す如く磁性材料よりな
り、内側に印字マグネツトと同数の放射状のスリ
ツト５を有する側磁路部材６のスリツト５に抱持
される如く係止されている。又アマチユア３後誕
には凹部２６が刻設されていて、カバ２７に突設
した凸部２８と遊嵌している。

ヨーク７は継鉄８との間に永久磁石２２を介在
せしめ、前記した側磁路部材６及びアマチユア３
と共にループ状の磁路を形成している。従つて印
字マグネツトが作動していない時は、永久磁石２
２の磁力に依つてアマチユア３はコア１に吸着し
ている。そして印字ヘツド２１は第２図に示すよ
うに印字マグネツトが中心部に印字ワイヤ４を集
中させて居り、中央部に突出したワイヤガイド２
３に依つて印字ワイヤ４がガイドされて整列して
いる。そして印字マグネツトのアマチヤア３は第
３図に示すように放射状に配列されている。又ア
マチユア３の先端付近にはコイルばね２４が当接
していて、ねじ２５で押圧力を調整している。こ
れはコア１とアマチユア３の吸着力を調整し、印
字ワイヤ４がワイヤガイド２３から突出する力を
調整するものである。更に又印字ヘツド２１の中
央部にはブロツク２９に保持されて、コイルばね
２４の潤滑油を含浸したフエルト等で成るリング
状の含油部材３０が有る。そして又ブロツク２９
の外縁には潤滑油がコア１の方へ浸透しないよう
に円筒状のフエルト等で成る吸油部材３１を備え
ている。

かゝる構成を有するので印字ヘツド２１の印字
マグネツトのコイル２に永久磁石２２のＮ，Ｓ極
とコア１の極が反対になるように電流を流すと、
コア１は電磁石となり、永久磁石２２の吸引力を
打消するように働き、コイルばね２４に依つて蓄
えられたエネルギーに依つてアマチユア３は第２
図に於て上方に跳ね上る。すると印字ワイヤ４も
ワイヤガイド２３から突出する。このようにして
印字ヘツド２１内の複数の印字マグネツトを選択
的に駆動しつつ、第１図に示すように印字ヘツド
２１をキヤリア１３と共にＣ，Ｄ方向に移動させ
て印字用紙１１への印字動作を行う。しかしなが
ら、従来技術に於けるコア１とアマチユア３は相
互の当接部分が平面で広く接触して居り、コイル
ばね２４のまわりに含浸させてある潤滑油が吸油
部材３１で充分に吸収されずにコア１とアマチユ
ア３が成す間隙に浸透し、油の粘着力や表面張力
でアマチユア３の動作時、アマチユア３が解放さ
れずにドツト抜けが起つたりする欠点があつた。

(D) 考案の目的 本考案の目的は上記欠点を解決する為のもの
で、アマチユアの構造を改良し、印字の信頼性の
向上を計つた印字ヘツドを提供するにある。

(E) 考案の構成 上記目的を達成する為に本考案に於ては、印字
ワイヤを一端に有し、磁性の剛体よりなるアマチ
ユアと、該アマチユアに対向して設けられ、アー
マチヤアと接触するコアを有する電磁石と、アマ
チヤアとコアとが接触するようにアマチヤアを吸
引するための磁束を発生する永久磁石を含み、端
面は前記コアの上面と同一面に形成されたアマチ
ヤア載置面を構成するヨークと、一端がアマチヤ
アと接触し、アマチヤアがコアと接触するように
揺動されるときに圧縮されるスプリングと、この
スプリングに供給する潤滑油を含浸した含油部材
とよりなる印字ヘツドにおいて、前記アマチヤア
は、前記載置面と対向する側の面であつて、載置
面と対向する領域全面が、コアと対向する面に対
して所定深さの段差状に形成したものである。

(F) 考案の実施例 以下、本考案の一実施例を第４図を参照して説
明する。第４図は本考案に依る印字マグネツトの
要部を示す側面断面図である。全図を通じ同一符
号のものは同一対象物を示す。図に於て３２は段
差部を示す。第４図に示す如く本考案に於ては、
アマチユア３の末端部で印字マグネツトのヨーク
７の構成部品たる継鉄８に当接する部分全面に所
定寸法深さの段差部３２を設けたものである。か
くする事に依り、アマチユア３の継鉄８に接する
部分は矢印Ｂに示す末端の一個所となる。継鉄８
の上面とコア１の上面は同面になるよう構成され
ているので、コア１とアマチユア３の当接部も、
アマチユア３が傾斜する為に矢印Ｃに示す一個所
のみとなる。

かかる構成にした事でコア１とアマチユア３の
接触が従来技術の如く面接触でなく線若しくは点
接触となるので、例え潤滑油がコア１の上面に浸
透し被覆しても、その表面張力が粘着力の影響が
激減しアマチユア３の動作が阻害される事が無く
なる。

(G) 考案の効果 以上説明したように本考案に依れば、アマチユ
アの末端係止部に段差部を設けた事で、従来技術
で発生していた潤滑油の浸透に依るアマチユアの
動作不良が除去出来、印字の信頼性を向上させる
事が可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されるワイヤドツトプリ
ンタの概要を例示する平面図、第２図は第１図の
印字ヘツドを示す断面図、第３図は第２図はＡ−
A′断面図、第４図は本考案に依る印字マグネツ
トの要部を示す側面断面図である。 図に於て、１はコア、２はコイル、３はアマチ
ユア、４は印字ワイヤ、６は側磁路部材、７はヨ
ーク、８は継鉄、２２は永久磁石、２３はワイヤ
ガイド、２４はコイルばね、２５はねじ、２７は
カバ、２９はブロツク、３０は含油部材、３１は
吸油部材、３２は段差部、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 印字ワイヤ４を一端に有し、磁性の剛体よりな
   るアマチユア３と、 該アマチユアに対向して設けられ、アーマチヤ
   アと接触するコアを有する電磁石と、 アマチヤアとコアとが接触するようにアマチヤ
   アを吸引するための磁束を発生する永久磁石２２
   を含み、前端は前記コアの上面と同一面に形成さ
   れたアマチヤア載置面を構成するヨーク７と、 一端がアマチヤアと接触し、アマチヤアがコア
   と接触するように揺動されるときに圧縮されるス
   プリング２４と、 このスプリングに供給する潤滑油を含浸した含
   油部材３０とよりなる印字ヘツドにおいて、 前記アマチヤア３は、前記載置面と対向する側
   の面であつて、載置面と対向する領域全面が、コ
   アと対向する面に対して所定深さの段差状に形成
   されてなることを特徴とする印字ヘツド。