JPH0223764B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は排ガス中の窒素酸化物（NOx）を低
減すること等のためにバーナに供給する空気噴出
運動量を利用して燃料排ガスを再循環させる方式
を採つたラジアントチユーブバーナに関する。

熱処理炉等の加熱源として使用されるラジアン
トチユーブバーナは、一般に内部が高温度になる
ため窒素酸化物の発生が多い。そこでラジアント
チユーブから排出された燃料排ガスの一部を燃焼
用空気と混合し、これをそのラジアントチユーブ
バーナに再供給して、ラジアントチユーブ内の燃
焼を緩慢化し燃焼温度を下げることにより窒素酸
化物の生成を抑えるようにしたものが例えば特開
昭53−69932号公報よりすでに知られている。こ
の公報に記載された排ガス再循環式バーナは、第
３図に示したように、ラジアントチユーブ燃焼装
置であつて、チユーブａの一端に燃料ノズルｂと
該燃料ノズルｂを取囲む内筒ｃを臨ましめてバー
ナ部ｄとすると共にチユーブａの他端を排気部ｅ
とし、前記内筒ｃと排気部ｅを通路ｆで連通し、
排気部ｅからの燃焼排ガスの一部を１段目燃焼用
空気と共に内筒ｃからチユーブａ内に循環せし
め、かつ内筒ｃの外側より２段目燃焼用空気を前
記再循環燃焼排ガスを取囲むように噴出すること
により窒素酸化物の低減を計つたものであり、第
３図中、ｇは炉壁、ｈは排気部ｅのエゼクタ、ｉ
はエゼクタｈに向けて空気を噴出するノズル、ｊ
は通路ｆに向けて１段目燃焼用空気を噴出するノ
ズル、ｋは２段目燃焼用空気通路である。しかる
にこの排ガス再循環式バーナではノズルｉ，ｊお
よびエゼクタｈ、通路ｆをバーナ部ｄから離れて
別体に設けたものであつたのでノズルｉ，ｊから
１段目燃焼用空気が燃焼排ガス中に噴出すると該
燃焼排ガス中に残つている可燃成分がエゼクタｈ
或いは通路ｆにて燃焼するおそれが高く、特に通
路ｆで燃焼を起こすとその燃焼に伴う体積の急膨
張によつて排ガスを循環できる量が大きく変動す
ることとなるので、窒素酸化物の低減効果が期待
できないばかりかバーナ部ｄにおける燃焼も不安
定になるおそれがある。

本発明の主たる目的は、上記問題点を解決し、
バーナの燃焼の強弱に応じて燃焼排ガスの再循環
量が自動的にコントロールできるようにすること
にある。

その目的を達成するため本発明の排ガス再循環
式ラジアントチユーブバーナは、先端から燃料を
吹出す直管状の燃料供給管を中心部に設け、該燃
料供給管の外周に空気を供給できる一定の間隙を
有するように同心状に空気供給管を設け、該空気
供給管は前記燃料供給管より少し短かくその外形
先端をテーパ状に先細り形状とし、該空気供給管
の外側に燃焼排ガスを供給できる一定の間隙を有
するように同心状でその先端が前記燃料供給管及
び空気供給管の先まで突出した排ガス供給管を設
けると共に該排ガス供給管の先端に前記燃料供給
管又は空気供給管から吹出した燃料と空気が内径
を狭窄せしめた中心孔に燃焼排ガスを巻込んで貫
流する略々円筒形のバーナタイルを固設したこと
を特徴とするものである。

以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図において、１は先端から燃料を吹出す直管状の
燃料供給管で、該燃料供給管はこのバーナの中心
部に設けられておりこの燃料供給管には断熱のた
め二重構造となるように外周に熱遮蔽管２が被せ
られている。３はその小間隙に介設されたスペー
サである。しかしてこの燃料供給管１の外周に空
気を供給できる一定の間隙４を有するように同心
状に空気供給管５を設ける。６はその間隙４に介
設したスペーサ、７はこの空気供給管５の基端部
一側に開設された空気導入孔であり、この空気供
給管５は前記燃料供給管１より少し短かくその先
端８はテーパ状に先細り形状としてある。９はそ
の空気供給管５の外周に燃焼排ガスを供給できる
一定の間隙１０を有するように同心状に設けられ
た排ガス供給管でその先端は前記燃料供給管１よ
り先まで突出しておりここにバーナタイル１１が
固設される。バーナタイル１１は耐火物で成形さ
れた略々円筒形のものであるが、詳しくは小径な
る中心孔１１ａの前方に内径がテーパ状に漸次拡
大した錐形中空部１１ｂ、及び、後方に内径が急
拡大したテーパ状の錐形中空部１１ｃが形成され
ている。１２はこの間隙１０に介設されているス
ペーサ、１３はこの排ガス供給管９の基端部に設
けられた横仕切板、１４はこの間隙１０中に縦設
されたパイロツトバーナ、１５，１６はそのパイ
ロツトバーナの燃料入口及び空気入口、１７はこ
の間隙１０と連通した排ガス導入管である。排ガ
ス供給管９の外周にはラジアントチユーブ１９が
同心状に設けられている。そして、空気供給フア
ン（図示せず）から給気管２０へ供給された空気
は前記空気導入孔７を通して前記間隙４に供給さ
れる。なお２３は排ガス導入管１７側と給気管２
０側との仕切をなす縦板、２４は炉壁を示す。

このように構成されたラジアントチユーブバー
ナでは、空気供給管５の先端から吹出した空気が
その周囲の燃焼排ガスを巻き込んでバーナタイル
１１の中心孔１１ａに入る。該空気供給管５は先
端がテーパ状の先細り形状になつていると共に該
バーナタイル１１の中心孔１１ａの前方と後方に
夫々錐形中空部１１ｂ，１１ｃが形成されている
ので、ここに生じるベンチユリー効果により、バ
ーナタイル１１の後部の間隙１０にその空気の吹
出速度に応じた負圧が生じ排ガス導入管１７から
燃焼排ガスをその吹出速度に比例して吸引するこ
とができる。吸引された燃焼排ガスは空気と混合
しこれへさらに燃料供給管１から吹出す燃料が混
合する。しかし燃焼排ガスと空気との混合により
その酸素成分比率がすでに下げられているため燃
料供給管１から吹出す燃料が混合しても急には燃
焼を起こさず該燃料はラジアントチユーブ１９内
にて緩やかに燃焼する。このため燃焼温度は低目
に維持され、窒素酸化物の発生がこれによつて著
しく抑えられる。また、燃料供給管１の先端をバ
ーナタイル１１の中心孔１１ａから少し離して対
向させることによりこの部分の保炎性が改善する
と共に、該燃料供給管１の外周に同心状に設けた
空気供給管を該燃料供給管より少し短かくしかつ
その先端をテーパ状の先細り形状としたことによ
り、燃焼排ガスの再循環量が空気供給管からの空
気吹出速度に自動的に比例コントロールされる。

なお前記熱遮蔽管２は燃料供給管１内の燃料の
過熱を防止し得る。

本発明の排ガス再循環バーナは以上の実施例か
らも明らかなように次に列挙したような効果があ
る。

(イ) バーナタイルの小径なる中心孔に混合気が貫
流することによつて生じた負圧により燃焼排ガ
スを吸引するので、燃焼排ガスの再循環量はそ
の混合気の運動量の強さ即ち燃焼の強弱に比例
して自動的にコントロールされ常に適切な燃焼
排ガス混合比率を保つて窒素酸化物の発生を最
小限に抑制し得ると共に失火や不完全燃焼を防
止することができる。

(ロ) 燃料供給管より空気供給管が短かくなつてい
て、該空気供給管から吹出た空気はその周囲の
燃焼排ガスを巻き込むことにより酸素成分比率
を下げてから燃料供給管から吹出る燃料に混合
するためラジアントチユーブ内で低温度の緩や
かな燃焼が行なわれ窒素酸化物の低減化が一層
顕著になる。

(ハ) 燃焼排ガス中に未然分が残つていてもその燃
焼はこのバーナ部にて行なわれるので上記再循
環量は安定的に保たれ所期の窒素酸化物低減効
果が達成される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示したラジアント
チユーブバーナの縦断面図、第２図はそのＸ−Ｘ
線断面図である。第３図は従来のラジアントチユ
ーブバーナの縦断面図である。 １…燃料供給管、２…熱遮蔽管、４…間隙、５
…空気供給管、８…先端、９…排ガス供給管、１
０…間隙、１１…バーナタイル、１１ａ…中心
孔、１１ｂ，１１ｃ…錐形中空部、１９…ラジア
ントチユーブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 先端から燃料を吹出す直管状の燃料供給管を
   中心部に設け、該燃料供給管の外周に空気を供給
   できる一定の間隙を有するように同心状に空気供
   給管を設け、該空気供給管は前記燃料供給管より
   少し短かくその外形先端をテーパ状に先細り形状
   とし、該空気供給管の外側に燃焼排ガスを供給で
   きる一定の間隙を有するように同心状でその先端
   が前記燃料供給管及び空気供給管の先まで突出し
   た排ガス供給管を設けると共に該排ガス供給管の
   先端に小径なる中心孔の前方と後方に錐形中空部
   を形成してなる略々円筒形のバーナタイルを固設
   し、前記燃料供給管又は空気供給管から吹出した
   燃料と空気が該バーナタイルの中心孔に燃焼排ガ
   スを巻込んで貫流するようにしたことを特徴とし
   た排ガス再循環式ラジアントチユーブバーナ。 ２ 燃料供給管の外周に熱遮蔽管を設けたことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の排ガス再
   循環式ラジアントチユーブバーナ。