JPH02236292A - フッ素電解製造用炭素質電極板の製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はフッ素の溶融塩電解に用いるためのフッ素製造
用炭素質電礪板の製造法に関するものである． （従来の技術） フッ素は工業的には一般に電解槽内でフフ化カリウム（
ＫＦ）とフッ化水素（ＨＦ）との混合溶融塩を電解浴と
して、炭素質電穫板を陽礪に、また鉄製電極板を陰掻に
用いて電解することによって陽極電極板表面にフッ素ガ
スを発生せしめて製造されている． このようなフッ素の電解製造に際しては、電解槽内は腐
食性の強いフッ素ガス雰囲気にあり、殊に陽礪仮はその
一端が電解浴中に浸漬され、他端が腐食性のフッ素ガス
雰囲気で充満する大気中に曝されるので、これに耐え得
る電極材料としては比較的緻密な粒度分布を有する高密
度の炭素質電極仮の使用が一般的であった． （発明が解決しようとする課題） しかしながら、フッ素電解によって陽曝板にフッ素ガス
を得る場合においては、炭素質電極板上でのフッ素イオ
ンの放電反応は他の電解反応に見られないような特異な
現象を示し、一定電流密度で電解反応を進行させると時
間経過とともに槽電圧が徐々に増加して、或る限界点に
達すると突然槽電圧の急上昇を引き起こす現象を生ずる
。

この現象は所謂陽掻効果と呼ばれ、この現象が操業開始
後短時間で発生すると、以降の電解の継続は不可能とな
って電解槽の運転を休止し、新たな電礪板と交換しなけ
ればならなくなるので生産操業効率面での大きな障害と
なっていた．本発明は上記したようなフッソ電解製造に
おいて、可及的に長期に亘って陽礪効果による電解中断
を招かず、電解を安定的に継続し得るようなフッ素製造
用炭素電穫板の製造法を提供することな目的とするもの
である。

（課麗を解決するための手段） 発明者らは上記した目的を達成するために鋭意研究の結
果、フッ素電解用電極板において陽礪効果発生の状況を
支配する最も重要な因子の一つは電極板の表面状態であ
り、特に電礪板表面における開口気孔径が陽掻効果発生
に至る時間の消長、言換えれば電極板の寿命に顕著な影
響を与える事実を発見した． 即ち、フッ素電解における陽礪効果は陽礪で発生するフ
ッ素ガスの一部が陽掻炭素と反応して、電気絶縁性の高
いフッ化黒鉛を生成し、これが電解の進行とともに陽掻
全面を覆うようになることによって発生するものと考え
られる。従って陽礪効果の発生を可及的に遅らせるため
にはフッ化黒鉛の生成を掻力抑止する必要があり、この
ためにはフッ素ガスの電纒面上での滞留をできる限りな
くさなくてはならない． しかして、これには電掻と電解浴との濡れを向上させる
ことが必要で、発明者らの実験によればこれには電礪板
表層部における開口気孔の状態が著しい影響があって、
分布する開孔気孔の孔径の大部分、即ち５０％以上が５
０μｍ〜１５０μｍの範囲内にあるときは濡れを著しく
向上させることができることが判明した． そこで発明者らは電掻表面にこのような孔径範囲の開口
気孔が得られるような炭素質電極板の製造法について鋭
意研究の結果本発明を完成したものであって、本発明は
原料炭素質骨材に粘結材を配合し、混捏、加圧成形、焼
成して電穫仮を得るに際し，炭素質骨材原料として実質
的に７４μｍ〜１ｍｍの範囲の粒径を有する石油コーク
ス５ピッチコークスまたはこれらの混合物の粒子を使用
し、これに適宜の粘結剤を原料骨材１００重量部に対し
８〜２２重世部の割合で加えて混捏し、次いで成形温度
９５〜１１５℃で所望の電礪仮形状に加圧成形し、しか
る後成形品を１　０００〜１５００℃、好ましくは１１
００　Ｎ１４００℃の温度範囲で焼成することを特徴と
するフッ素電解製造用炭素質？ｔ穫板の製造法である。

（作　用） 一般に炭素質骨材と粘結材とを適宜の割合で配合し、混
捏、加圧成形、焼成の各工程を経て得られた炭素′ＩＸ
電曝板には、通常その表面に製造過程において生ずる小
は数μｍから大は数ｍｍに及ぶ無数の開口気孔が存在す
るが、本発明においては前記したように、原料として使
用する炭素質骨材の粒径や粘結材の配合割合を特定の範
囲内とし、さらに必要に応じ原料混捏後の加圧成形工程
での成形圧力を特定の範囲に調整するなど特別の製造条
件下で電礪板の製造を行なうことによって、目的とする
孔径分布、即ちその５０％が５０ｕｍ乃至１５０μｍの
孔径範囲にあるような開口気孔の形成された炭素質電掻
を得ることに成功したものである。

本発明においては原料骨材として粒径７４μｍ以上１ｍ
ｍ以下の範囲に粒度調整された破砕石油コークスまたは
破砕ピッチコークスまたはこれらの混合物粒子が使用さ
れる。粒径が上記範囲における上眼を超えると得られる
電極板の開口気孔径が大きくなり過ぎ、また下眼未満で
あると気孔径が小さくなり過ぎていずれの場合において
も本発明の目的とする電極板が得られない。

なおこの場合において操作上７４μｍ以下の粒径の微粒
子の混入が避けられない場合があるが、このような場合
においても不可避的な微粒子の量は最大５％に抑える必
要がある。

また炭素質電礪材科として一般に用いられる炭材に無煙
炭があるが、発明者らの実験によると無煙炭を本発明の
粒径範囲に破砕したものを骨材として使用して得られた
電極板は機械的強度が劣るために好ましくなかった． 次に上記の骨材を適宜粒度配合してコールタールピッチ
または石油ピッチあるいはこれらにコールタールを添加
した粘結材を原料骨材ｌＯＯ重量部に対して８〜２２重
量部を添加して常法により混捏する． 粘結材の添加量が８重量部未満であるときは、骨材に粘
結材を均等にまぶすことができず、従って成形が困難と
なる．一方粘結材が２２重量部を超えると粘結材に含ま
れる炭素分が焼成後も相当至残留し、電極板の開口気孔
を塞ぐようになるために、結果的にその孔径を小さくす
るので不都合である。

次に、混捏して得られた炭材を所望の電極仮の形状が得
られるように加圧成形する。加圧成形に当たっての温度
は９５〜１１５℃の範囲が適当である。また成形圧力は
適用する加圧成形法の応じて適宜定められる。例えば加
圧成形法として圧縮成形法を採用した場合には３０〜２
　５　０　ｋ　ｇ　／　ｃｍ２の範囲、また振動成形法
を採用した場合には０．０３〜０．５ｋｇ／ｃｍ”の範
囲とするのが適当である。成形圧力が高くなると焼成後
の電纒板表面の開口気孔の孔径は大きくなる傾向を有す
るし、また成形圧力が低くなると孔径が小さくなる傾向
を有するので、加圧成形に際しては上記した圧力範囲内
に留めることが望ましい。

加圧成形品は通常一般に行なわれる炭素質電掻焼成温度
、つまり原料炭材が黒鉛化しない程度の温度の１０００
〜１５ｏｏ℃、好＊Ｉ，＜ハｌｌｏ０−１４０Ｑ℃の温
度範囲で焼成することによって、所期の表面開口気孔径
を有するフッ素電解製造用の電極板を得ることができる
． 焼成温度が１０００℃未満であるときは焼成不十分であ
って電穫仮として必要な強度が不足し、また１５００℃
を超えると炭材が黒鉛化して孔径分布の如何に拘らず陽
礪効果の発生が短期的に起こるようになるので何れにし
ても好ましくない。

本発明の製造法により得られた電穫板は、これを陽礪と
してフッ素電解槽に組み込み、常法によるフッ素電解を
行なった場合に長期に亘って陽穫効果発生による電解中
断を起こし難く、従って従来フッ素電解において最も間
麗とされていた短時間の操業での陽礪効果の発生による
生産効率の低下の問題を解決し、長時間に亘る電解継続
が可能になるので操業効率上きわめて有効である．本発
明によって得られた電極板を使用した場合に電解中の陽
礪効果の発生を延引し得る理由は十分解明されていない
が、本発明による炭素質電礪はＺ　ｈ表面の開孔気孔の
大部分が孔径５ｏμｍ乃至１５０μｍというこの種炭素
質電楊材料としては比較的大きい孔径を有するものであ
るために、電解に際してフッ化物電解浴が容易にその開
口気孔内に浸透保持され、これによって電嬌板表面が十
分に電解浴によって濡れた状態となるために、電穫表面
に発生したフッ素ガスが滞留することなく電纒表面から
速やかに敗逸し、これによってフフ化黒鉛の生成が妨げ
られるからであると思われる。

実際に発明者らの行なった実験によると従来フッ素電解
において一般に使用されているような比較的密度の高い
電極板は電操表面に存在する開口気孔の大部分、即ち５
０％以上が５０μｍ以下の孔径を有するために、このよ
うな電橘板を使用してフッ素電解を実施した場合には、
電穫表面でのフッ素ガスの散逸の状態が悪く、陽極効果
の発生が操業開始後数日乃至袷数日という比較的短い時
間弔位で起こるために操業の長ＹＡ継続は困難であった
。

（実施例１） 原料炭素質骨材としで粒径が５００−１０００μｍの粒
子５０％、２９７〜５００μｍの粒子２５％、７４〜２
９７μｍの粒子２０％、（残り５％は不可避的に混入す
る７４μｍ以下の微粒子）からなるように粒径分布を調
整したピッチコークス破砕粒を用い、中ピッチ（Ｊ　Ｉ
　Ｓｋ２４３９）粘結材を骨材１００重世部に対して１
９重量部加えて混捏して、これを電極板形成用モールト
を有する圧縮成形磯により１２０ｋｇ／ｃｍ”の成形圧
力をもって圧縮成形し、次いでこの成形物を焼成炉にお
いて１　４００℃で焼成して長さ６００ｍｍ．中３５０
ｍｍ、厚さ５０ｍｍの炭素質電換板を得た． この電礪板について、その表面開口気孔の孔径分布を水
銀圧入法による気孔測定法によって測定したところ、孔
径５０μｍ以下のものが２０％、５０〜１５０μｍのも
のが７５％，１５０μｍ以上のものが５％であった． 次に比較のために従来からフッ素電解用電曝板として使
用されている市販品（ユニオンカーバイド社製品）につ
いてその表面開口気孔径を同じく水銀圧入法による測定
を行なった結果、５０μｍ以下のものが５５％、残りが
５０μｍを超える孔径のもので構成されていた。

次に本発明の製造法による炭素質電極と上記従来市販品
とについで実際にフッ素製造用電解槽に組込んで、陽礪
効果の発生状況について比較試験を行なった。

試験には実用フッ素電解槽を用い、陽極に彼試験炭素質
電穫板を、また対換に鉄製陰礪板を使用して、ＫＦ・２
ＨＦの組成からなる電解浴を１００℃に保持して２５０
Ａの電流（電流密度０．　　１５Ａ／ｃｍ”）を供給し
、継続してフッ素電解を行なったところ、本発明の製造
法による炭索質電礪板を組み込んだ電解槽においては電
解開始から３０日を経過しても陽掻効果の発生が見られ
ず、順調に安定した操業を継続し得たのに対して、従来
の市販品を組み込んだ電解槽においては電解開始から９
日間で陽曝効果が発生し、電解操業を中止せざるを得な
かった。

（実施例２） 原料炭素質骨材として粒径が５００−１０００μｍの粒
子４５％、２９７〜５００μｍの粒子３０％、７４〜２
９７μｍの粒子２２％、（残り３％は不可避的に混入す
る７４μｍ以下の微粒子）からなるような粒径分布を有
する石油コークス破砕粒を用い、中ピッチ（Ｊ　Ｉ　Ｓ
ｋ２４３９）粘結材を骨材１００重量部に対して２０重
量部加えて混捏し、これを振動成形機を使用して、０．
０４ｋｇ／ｃｍ”の成形圧力をもって成形し、次いでこ
の成形物を焼成炉において１３５０℃にて焼成して長さ
６　０　０　ｍｍ，巾３５０ｍｍ，厚さ５０ｍｍの炭素
質電慢板を得た． この電極板について、その表面間口気孔の孔径分布を水
銀圧入法による気孔測定法によって測定したところ、孔
径５０μｍ以下のものが３１％、５０Ｎ１５０μｍのも
のが６５％、１５０μｍ以上のものが４％であった。

次にこの電礪仮について実施例１と同様にして寅用フッ
素電解槽による操業試験を行なったところ、電解開始後
４５日経過するも陽操効果の発生が見られず順調に操業
を継続することができた。

（発明の効果〕 以上述べたように本発明の製造法によって得られたフッ
素電解製造用炭素質電極仮は、これを使用してフッ素の
電解を行なった場合に電解開始より長時間に亘って陽極
効果の発生が見られず、従ってフッ素電解槽の長期安定
的な操業を継続的に行なうことが可能となるのでその効
果は大きい。

特許出願人　　株式会社　日軽技研 手続補正書（方式） 平成２年４月１？日

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）原料炭素質骨材に粘結材を配合し、混捏、加圧成
   形、焼成して電極板を得るに際し、炭素質骨材原料とし
   て７４μｍ〜１ｍｍの範囲の粒径を有する石油コークス
   、ピッチコークスまたはこれらの混合物の粒子を使用し
   、これに適宜の粘結剤を原料骨材１００部に対し８〜２
   ２部の割合で加えて混捏し、次いで成形温度９５〜１１
   ５℃で所望の電極板形状に加圧成形し、しかる後この成
   形品を１０００〜１５００℃の温度範囲で焼成すること
   を特徴とするフッ素電解製造用炭素質電極板の製造法。
2. （２）加圧成形が圧縮成形法によって行なわれ、その成
   形圧力が３０〜２５０ｋｇ／ｃｍ＾２である特許請求の
   範囲第１項記載のフッ素電解製造用炭素質電極板の製造
   法。
3. （３）加圧成形が振動成形法によって行なわれ、その成
   形圧力が０．０３〜０．５ｋｇ／ｃｍ＾２である特許請
   求の範囲第１項記載のフッ素電解製造用炭素質電極板の
   製造法。