JPH0218224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車用ウインドーレギユレータの
改良に関するものである。

（従来技術とその問題点） 従来、ウインドーガラスの保持部材を上下案内
する案内部材の上、下部に上、下プーリを取付け
て、該上、下プーリ間の側方にドラムを配置し、
該ドラムと上、下プーリとにワイヤを三角形状に
張設して、ハンドル等によるドラムの回転でワイ
ヤを介して保持部材を上下動させ、ウインドーガ
ラスを開閉するウインドーレギユレータが提案さ
れている（実開昭55−41996号公報参照）。

ところで、上記のようなウインドーレギユレー
タは、上、下プーリの各ブラケツトとドラムのブ
ラケツトとの間を、ワイヤが挿通する可撓性のコ
イル部材で間隔を保持するように連結して、ワイ
ヤに張力を与えた状態で組立てて車体に取付ける
必要があつたから、形状が大型となり取扱いや取
付け作業が困難な場合が多く、またコイル部材は
剛性と可撓性とを有する構造とする必要があり、
それを保持するブラケツトも必要で、コスト高と
なり重量も重くならざるをえなかつた。

（考案の目的） 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
もので、ウインドーレギユレータの取付前の形状
の小型化を図り、取扱いや取付け作業を容易化す
ると共に、コイル部材やブラケツトを不要にして
コスト低減、軽重量化を図るようにすることを目
的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、ウインドーガラスの保持部
材を上下案内する案内部材と、該案内部材の上、
下部のブラケツトにテンシヨンアームを介して取
付けられる上、下プーリと、該上、下プーリ間の
側方に配置されるドラムと、該ドラムと上、下プ
ーリとに三角形状に張設されるワイヤとを設け
て、ドラムの回転でワイヤを介して保持部材を上
下動させるウインドーレギユレータにおいて、 上記ドラムのケーシングに、ワイヤゆるみ防止
部材を設ける一方、上記各テンシヨンアームの少
なくとも一方に長孔を設けて上記ブラケツトのピ
ンで上下摺動可能に枢着し、上記テンシヨンアー
ムは、ばね部材によりワイヤ張設方向に付勢し、
上記ブラケツトには、ばね部材の端部を係止して
テンシヨンアームを非張設位置に保持する仮係止
凹部と、テンシヨンアームのピンを遊嵌してテン
シヨンアームを非張設位置に規制する規制凹部と
を形成し、上記テンシヨンアームは、上記保持部
材の上、下限位置への上下動時に保持部材が当接
したとき、長孔により摺動され、ばね部材の端部
が仮係止凹部から外れ、テンシヨンアームのピン
が規制凹部から外れるようになつていることを特
徴とするものである。

（考案の作用・効果） 本考案は、案内部材の上下部で上、下プーリを
取付けた各テンシヨンアームの少なくとも一方を
上下摺動可能にしてばね部材によりワイヤ張設方
向に付勢すると共に、車体取付け前は案内部材の
ブラケツトの仮係止凹部にばね端部を仮係止し、
テンシヨンアームを非張設位置に保持してワイヤ
を張設しない状態とし、車体取付け時に、案内部
材とドラムを車体に取付けた後、ウインドーガラ
スの保持部材の上、下限位置への上下動でテンシ
ヨンアームを摺動させてばね端部の係止を解除し
てワイヤを張設するようにしたものであるから、
従来のように車体取付け前にワイヤを張設してお
く必要がなく、形状が小型化して取扱い、取付け
作業が容易に行えるようになる。

また、ドラムのケーシングにワイヤゆるみ防止
部材を設けたので、ゆるんだワイヤがドラムから
不用意に外れることがない。

さらに、従来のようなコイル部材やブラケツト
が不要となるのでコストが低減し、重量も軽くな
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図に示すように、自動車のドア１用のウイ
ンドーレギユレータは、ウインドーガラス２の下
部をねじ３，３で固定した保持部材４を上下方向
に案内するバー状の案内部材５を備え、該案内部
材５の上部には上部ブラケツト６を固定すると共
に、下部には下部ブラケツト７を固定して、両ブ
ラケツト６，７のねじ孔６ａ，７ａによりドア内
板８（第３図参照）に案内部材５を取付ける。

上記上部ブラケツト６には、ピン９を上部テン
シヨンアーム１０の長孔１０ａに嵌入して上部テ
ンシヨンアーム１０を上下摺動可能に枢着し、該
上部テンシヨンアーム１０に軸１１で上プーリ１
２を回転自在に支承する一方、下部ブラケツト７
には、ピン１３を下部テンシヨンアーム１４の長
孔１４ａに嵌入して下部テンシヨンアーム１４を
上下摺動可能に枢着し、該下部テンシヨンアーム
１４に軸１５で下プーリ１６を回転自在に支承す
る。

上記各テンシヨンアーム１０，１４には、上、
下プーリ１２，１６の外周に沿うカバー部１０
ｂ，１４ｂを設けて、夫々ワイヤ１７（後述）が
上、下プーリ１２，１６から外れるのを防止す
る。

上、下プーリ１２，１６の間の側方に配置され
るドラム１８は、第３図にも示すように、中空の
ドラム本体１９のボス部１９ａを、ケーシング２
０に固定されたブレーキドラム３１で回転自在に
支承されたドラム軸２１に回転自在に嵌合してい
る。

該ドラム軸２１にはブレーキシユ３３が固定さ
れ、ブレーキドラム３１の内周面にはブレーキス
プリング２２の外周面が当接するように巻装さ
れ、上記ドラム本体１９にはブレーキドラム３１
内に突出してブレーキシユ３３の切欠き部３３ａ
の間に位置するスプリングハンガー３２が固定さ
れている。

そして、具体的には図示しないが、ブレーキシ
ユ３３の切欠き部３３ａとスプリングハンガー３
２との間にブレーキスプリング２２の両端部が臨
まされている。

したがつて、ハンドル２３の操作でドラム軸２
１が回転して、ブレーキシユ３３によりスプリン
グハンガー３２を押すことにより、ドラム本体１
９がハンドル２３の操作方向に回転される。

上記ブレーキスプリング２２は、ブレーキシユ
３３側からスプリングハンガー３２を押すとき
は、ブレーキシユ３３の切欠き部３３ａに端部が
当接して縮径し、ブレーキドラム３１の内周面に
対してブレーキが作用しないが、スプリングハン
ガー３２側からブレーキシユ３３を押すときは、
スプリングハンガー３２に端部が当接して拡径
し、ブレーキドラム３１の内周面に対してブレー
キが作用する。

このため、ウインドーガラス２の重量などでハ
ンドル２３が回転することがない。なお、ブレー
キスプリング２２、ブレーキシユ３３、スプリン
グハンガー３２等の構成は公知である（実公昭53
−8097号公報参照）。

上記ドラム１８は、ケーシング２０の孔２０
ａ，…，２０ａによりドア内板８に取付け、ワイ
ヤゆるみ防止ゴム２０ｂ，２０ｂでワイヤ１７が
ドラム本体１９から外れるのを防止する。

上記各ブラケツト６，７には、第４図ａ、第４
図ｂ及び第４図ｃにブラケツト７側の図示するよ
うに、各テンシヨンアーム１４，１０に設けたピ
ン２５，２４が遊嵌する規制凹部７ｂ，６ｂと、
ばね２７，２６の端部２７ａ，２６ａを係止する
仮係止凹部７ｃ，６ｃと、ピン２５，２４の戻り
止め突起７ｅ，６ｅとを形成する。

各テンシヨンアーム１４，１０には、ばね２
７，２６の端部２７ａ，２６ａを掛け止める長孔
１４ｃ，１０ｃを設け、該ばね２７，２６の他端
部は各ブラケツト７，６のばねかけ部７ｄ，６ｄ
に係止して、各テンシヨンアーム１４，１０をワ
イヤ張設方向Ａに付勢する。

上記ばね２７，２６の端部２７ａ，２６ａは、
仮係止凹部７ｃ，６ｃに係止時には各テンシヨン
アーム１４，１０をピン２５，２４の遊嵌範囲で
非張設位置に保持し、第４図ｂのように、保持部
材４の上または下限位置への上下動で各テンシヨ
ンアーム１４，１０が摺動されてばね２７，２６
の端部２７ａ，２６ａが仮係止凹部７ｃ，６ｃか
ら外されるようにしている。

なお、各テンシヨンアーム１４，１０を摺動さ
せる構成は、上下のいずれか一方であつてもよ
い。

上記のようにウインドーレギユレータを構成す
れば、ドア内板８への取付け前は、各テンシヨン
アーム１０，１４を非張設位置Ｂに仮係止してワ
イヤ１７に張力を与えず、第２図のように、ドラ
ム１８を案内部材５側へ寄せてワイヤ１７をたる
ませておくことができる。

従つて、形状が小型化するので取扱いが容易
で、取付け作業時において、ドア内板８の小開口
８ａ（第１図参照）からでもドア内板８の内部へ
差入れることが可能である。

ドア内板８の内部へ差入れた後、ドラム１８、
各ブラケツト６，７をそれぞれドア内板８へ外板
からねじで固定する。

そして、ハンドル２３の操作によりワイヤ１７
を介して保持部材４を上および下限位置へ上下動
させると、保持部材４が各テンシヨンアーム１
０，１４に当接して長孔１０ａ，１４ａにより各
テンシヨンアーム１０，１４が摺動され、ばね２
６，２７の端部２６ａ，２７ａが仮係止凹部６
ｃ，７ｃから外れ、第４図ｂのように、これによ
り各テンシヨンアーム１０，１４はばね２６，２
７の付勢力で張設方向Ａに揺動し、ワイヤ１７を
上、下プーリ１２，１６、ドラム１８の間で三角
形状に張設されると、その張力により第４図ｃの
ように、テンシヨンアーム１０，１４が長孔１０
ａ，１４ａにより非張設方向に僅かに引き戻さ
れ、ピン２４，２５が突起６ｅ，７ｅに当接し
て、テンシヨンアーム１０，１４はその張設位置
に保持されて取付作業が終了する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車体取付け後のウインド
ーレギユレータの正面図、第２図は車体取付前の
ウインドーレギユレータの正面図、第３図はドラ
ムの断面図、第４図ａは非張設位置のテンシヨン
アームの正面図、第４図ｂは張設途中のテンシヨ
ンアームの正面図、第４図ｃは張設位置のテンシ
ヨンアームの正面図である。 １……ドア、２……ウインドーガラス、４……
保持部材、５……案内部材、６……上部ブラケツ
ト、７……下部ブラケツト、８……ドア内板、１
０……上部テンシヨンアーム、１２……上プー
リ、１４……下部テンシヨンアーム、１６……下
プーリ、１７……ワイヤ、１８……ドラム、２
６，２７………ばね、３１……ブレーキドラム、
３２……スプリングハンガー、３３……ブレーキ
シユ、Ａ……張設方向（位置）、Ｂ……非張設方
向（位置）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ウインドーガラス２の保持部材４を上下案内す
   る案内部材５と、該案内部材５の上、下部のブラ
   ケツト６，７に、テンシヨンアーム１０，１４を
   介して取付けられる上、下プーリ１２，１６と、
   該上、下プーリ１２，１６間の側方に配置される
   ドラム１８と、該ドラム１８と上、下プーリ１
   ２，１６とに三角形状に張設されるワイヤ１７と
   を設けて、ドラム１８の回転でワイヤ１７を介し
   て保持部材４を上下動させるウインドーレギユレ
   ータにおいて、 上記ドラム１８のケーシング２０に、ワイヤゆ
   るみ防止部材２０ｂを設ける一方、上記各テンシ
   ヨンアーム１０，１４の少なくとも一方に長孔１
   ０ａ，１４ａを設けて上記ブラケツト６，７のピ
   ン９，１３で上下摺動可能に枢着し、上記テンシ
   ヨンアーム１０，１４は、ばね部材２６，２７に
   よりワイヤ張設方向に付勢し、上記ブラケツト
   ６，７には、ばね部材２６，２７の端部を係止し
   てテンシヨンアーム１０，１４を非張設位置に保
   持する仮係止凹部６ｃ，７ｃと、テンシヨンアー
   ム１０，１４のピン２４，２５を遊嵌してテンシ
   ヨンアーム１０，１４を非張設位置に規制する規
   制凹部７ｂ，６ｂとを形成し、上記テンシヨンア
   ーム１０，１４は、上記保持部材４の上、下限位
   置への上下動時に保持部材４が当接したとき、長
   孔１０ａ，１４ａにより摺動され、ばね部材２
   ６，２７の端部が仮係止凹部６ｃ，７ｃから外
   れ、テンシヨンアーム１０，１４のピン２４，２
   ５が規制凹部７ｂ，６ｂから外れるようになつて
   いることを特徴とする自動車用ウインドーレギユ
   レータ。