JPH0217896Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、枠台紙を有するアルバム台紙に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来の枠台紙を有するアルバム台紙としては、
例えば、実開昭52−19315号公報において、台版
の両面に写真表出用の打抜部分が多数設けられた
覆版を重ね合わせ、この３者を綴込部において相
互に貼着してアルバム台紙本体を構成するととも
に、この貼着部に多数の綴込孔を穿設し、更にア
ルバム台紙本体に綴込部の反対側より偏平な透明
袋を被せてなるアルバム台紙が開示されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記公報のアルバム台紙におい
て、覆版は綴込部が一体に構成されているので、
連結部の屈撓性が乏しく写真の取り付けなど扱い
にくいものである。

また、透明袋を被せる方法は、写真が台版と覆
版との間に単に挟み込まれて、透明袋を被せて保
持されるが、空気が入つて膨らんでしまい密着性
が充分でなく、位置ずれ等を生じやすく、かつ繰
り返し使用感が悪いなどの欠点を有している。

しかして、本考案の目的は、枠台紙が透明フイ
ルムによつて密着被覆できるとともに、被覆用透
明フイルムの着剥端部を損傷することなく、写真
の着剥が繰り返し容易にでき、長期保存性に優れ
る枠台紙付アルバム台紙を提供することにある。

〔問題を解決するための手段〕

本考案に係わる枠台紙付アルバム台紙は、少な
くとも透明フイルム側片面に感圧接着剤層が設け
られるとともに写真表出位置が写真表出形状に打
ち抜かれて成る枠板と、この枠板の綴込側で間隔
をおいて設けられる綴込片と、この綴込片と上記
枠板とを少なくとも透明フイルム側一方片面で連
結する連結フイルムとを備え、この連結フイルム
が上記綴込側の透明フイルム側一方片面において
透明フイルムの着剥端部の下面となるフイルム片
を構成することを特徴としている。

〔作用〕

台紙の感圧接着剤の上に写真を配置し、連結フ
イルムを屈撓させて写真上に枠台紙を重ねると、
枠台紙から写真が表出する状態となる。この枠台
紙上の感圧接着剤に透明フイルムを被覆すること
により枠台紙を通して写真が貼着されることとな
る。

〔実施例〕

図面第１図は本考案に係る枠台紙付アルバム用
台紙を用いて製本されたアルバムの一実施例を示
す斜視図、第２図は同アルバムの台紙断面図であ
る。

アルバム１は、写真等の貼着用台紙２…と、各
台紙２…の両表面に配した枠台紙３…と、これら
２，３…を止め金具等１６で製本して成る表紙４
とから構成される。図中、５は台紙２の基板本
体、６は基板本体５の感圧接着剤層、７は密着剥
離自在な透明フイルム、８は基板本体５の綴込側
で間隔を置いて平行に設けられる綴込板、９は基
板本体５と綴込板８とを屈撓自在に連結する連結
材である。

しかして上記枠台紙３は、上記台紙基板本体５
と略同一面積で基板本体５よりも僅かに薄い厚紙
から成る枠板１０と、この枠板１０の一方片面に
塗布された感圧接着剤層１１と、上記枠板１０の
適宜個所を適宜形状に打ち抜いた打抜部分１３
と、上記枠板１０の綴込側天地に亘つて間隔を置
いて略平行となる綴込片１７と、この綴込片１７
と枠板１０とを連結する連結フイルム１８とから
成る。

詳述すると、綴込片１７は前記綴込板８と略同
一形状の天地方向に亘る細長形状を呈し、所定位
置には止め金具用の穴１９が設けられている。
又、上記連結フイルム１８は、例えば綴込片１７
の一方片面透明フイルム側と枠板１０綴込側の一
方片面透明フイルム側とに固着され、一方片面綴
込側では透明フイルム７の着剥端部７ａの下面と
なるフイルム片２０を構成する。連結フイルムと
しては、透明フイルム７と同一素材を用いれば製
造上利点がある。

好ましい例を挙げると、上記枠板１０は基板本
体５の厚紙折返しを省略した略半分の肉圧から構
成され、約0.2mm乃至1.0mm程度、最適には約0.5mm
程度に実施される。又、枠板１０の一方片面を表
面側とした感圧接着剤層１１としては、例えば、
エマルジヨン形感圧接着剤がウエツトな状態で用
いられ、枠板表面に斜め線条に塗布されることが
好ましい。斜め線条の感圧接着剤層の形成は、出
願人の実公昭47−35868号に示されている。なお、
感圧接着剤層１１は基板本体５の感圧接着剤６と
同一のものを用いることが製造上利点がある。

さらに、上記打抜部分１３は、任意の写真表出
位置を希望する写真表出形状に打ち抜かれて構成
される。例えば、図示するように、円形で整列さ
せて複数個設けるや縁取り模様部を設けることが
でき、いずれも写真等１５の各サイズよりも幾分
小さくして押え部分が構成される。

この枠台紙３，３はその台紙基板本体５の片
面、或は両表面に必要に応じて見開き可に配置さ
れ、綴込板８と綴込片１７とを止め金具１６に挿
通して綴込みされる。その際、基板本体５の感圧
接着剤層６に枠台紙３，３を載せる場合には、枠
台紙６の感圧接着剤層１１に透明フイルム７が被
覆される。透明フイルム７の着剥端部７ａは前記
フイルム片２０の上面に重ね合せられる。尚、枠
台紙３の他方片面は感圧接着剤の未接着領域１４
となつている。

上記アルバム１の使用に際しては、フイルム片
２０の上面の着剥端部７ａから透明フイルム７を
剥離し、次いで枠台紙３を台紙基板本体５から離
した状態とする。その後に、打抜部分１３に相当
する台紙基板本体５の感圧接着剤層６に写真１５
を配置し、その上に枠台紙３を重ね合せ、さらに
透明フイルム７を被覆すれば良い。

上記構成によれば、台紙２の両表面に綴込みさ
れた枠台紙３，３の剛性によつて写真を容易に押
さえつけることができ、その結果、柔らかい透明
フイルム７の接着に際して起つていた写真の位置
ずれ等も解消できた。又、枠台紙３の他方片面の
未接着領域１４によつて、写真１５を打抜部分１
３に位置合せすることが容易に行なえるうえ、写
真１５のサイズ外の未接着領域１４と台紙基板本
体５の感圧接着剤層６とが接着するので、写真１
５を位置ずれなく保形できる。さらに、枠台紙３
が基板本体１０を折曲せずに厚紙半分状態で構成
されているので、基板本体１０の製造工程に打ち
抜き工程を付加するだけでそのまま工程利用する
ことができる利点がある。

〔他の実施例〕

図面第３図は枠台紙の他の実施例を示す斜視
図、第４図は同拡大断面図であり、図中第１図及
び第２図と同一符号は同等部分を示すので、重複
説明を省略する。

この実施例において枠板１０の感圧接着剤層１
１には枠フイルム２１が剥離自在に付着されてい
る。上記枠フイルム２１には打抜部分１３に対応
する打抜穴２２が形成されている。

上記一実施例によれば、枠フイルム２１の貼着
により枠台紙３を台紙２と同様にそれ自体を単独
の商品として販売することができた。その使用に
当つては、台紙２の所望の表面と組合せることが
でき、その際、枠フイルム２１を剥離して捨てれ
ば良い。このことは既存の台紙製造工程に抜き工
程を付加するだけでそのまま製造できることを意
味するものであつて、製造上非常に大きなメリツ
トが得られるものと言える。

上記実施例において、止め金具を利用するアル
バム１を図示して説明したが、これに限定する趣
旨ではなく、無線綴するアルバムにも容易に適用
可能であつて、枠台紙３の綴込片１７もその綴込
端面が綴込まれることとなる。又、枠板１０の一
方片面に感圧接着剤層１１を設けたものを図示し
たが、必要に応じて他方面にも設けて実施できる
ことは言うまでもない。その際連結フイルム１８
は両面に設けて連結強度を高めても良い。尚、枠
台紙３としては、枠板１０の素材、打抜部分１３
の形状等及び塗布の仕方等を任意に実施できるも
のである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係わる枠台紙付
アルバム台紙によれば、以下のような優れた効果
が得られる。

(1) 透明フイルム側に感圧接着剤層が設けられる
とともに綴込片を連結フイルムで連結して成る
枠台紙を、アルバム用台紙の感圧接着剤と透明
フイルムとの間に付属させることができ、これ
によつて既存のアルバム用台紙を所謂額縁付フ
リーアルバム用台紙として実用化することがで
きた。

(2) 枠台紙の枠板に感圧接着剤層が設けられてい
るので、透明フイルムにより密着して被覆でき
ると同時に、打抜部分周縁により形成される隙
間に空気を介在させることによつて、写真表面
に直接透明フイルムが接触しないのでキズ等を
生じることがない。さらに、空気層の部分的介
在によつて、枠台紙から透明フイルムを容易に
剥離させることができ、長期保存によつて剥離
困難な場合に有効に機能できる。

(3) 枠台紙に連結フイルムを設けたことにより、
屈撓自在となつて写真の着剥を行いやすくなつ
た。

(4) 連結フイルムが枠板の綴込側で固着されて形
成される外側フイルム片を透明フイルムの着剥
端部の下面として利用する簡易な構成によつ
て、透明フイルムの着剥端部を損傷することな
く、着剥を繰り返し容易にでき、写真を綺麗に
貼着保存することが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は本考案に係る枠台紙付アルバム用
台紙を用いて製本されたアルバムの斜視図、第２
図は同アルバムの台紙断面図、図面第３図は枠台
紙の他の一実施例を示す斜視図、第４図は同拡大
断面図である。 １……アルバム、２……台紙、３……枠台紙、
５……基板本体、６，１１……感圧接着剤層、７
……透明フイルム、８……綴込板、９……連結
材、１０……枠板、１３……打抜部分、１７……
綴込片、２１……枠フイルム、７ａ……着剥端
部、１８……連結フイルム、２０……フイルム
片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面の感圧接着剤層に透明フイルムが密着剥離
   自在に設けられるアルバム用台紙に重ね合せられ
   るものであつて、少なくとも透明フイルム側片面
   に感圧接着剤層が設けられるとともに写真表出位
   置が写真表出形状に打ち抜かれて成る枠板と、こ
   の枠板の綴込側で間隔をおいて設けられる綴込片
   と、この綴込片と上記枠板とを少なくとも透明フ
   イルム側一方片面で連結する連結フイルムとを備
   え、この連結フイルムが上記綴込側の透明フイル
   ム側一方片面において上記透明フイルムの着剥端
   部の下面となるフイルム片を構成する枠台紙付ア
   ルバム台紙。