JPH0217094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、有感運動付映写装置、例えば、映
画館その他の映写装置において、映像、音響等と
共に、それら映像、音響の状態を自然界において
受けた場合に感ずる体感例えば振動、上昇、旋回
及び加・減速度による傾き等と同様の身体に感ず
る運動を、上記映像、音響と同時に付与するよう
に構成した映写装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、映画館その他映写装置においては、映像
と共に音声を出し、また音響を加えて音響効果を
出しているが、例えば映像に振動や昇降、爆発、
回転等の画面が出現しても、振動、昇降に伴う加
速度、爆発による衝撃、回転による遠心力に対応
する身体の傾き等、身体に感ずる運動、すなわ
ち、有感運動は加えられず、単に映像と音響とに
よつて、想像させるだけであつた。

しかし、映像を見ると同時に、音声等音響及び
振動、加速度等の有感運動を観客に付与するなら
ば、映像は一層真実性を増し、観客をして映像の
示す状況内に引き込み、映像と一体感を味わわせ
得ることができるものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のように従来の映像においては、有感運動
は映写と同時に観客に与えてはおらず、従つて、
観客に映像との一体感を音響によつて想像させる
だけであつて、実際に一体感に浸らせるというこ
とはできなかつた。

この考案は、このような従来の問題点を、観客
に、映像に対応した有感運動を付与して、映像と
の一体感に浸らせ得る有感運動付映写装置を得る
ことを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記のような問題を解決するため
に、映写装置が設置される固定部と、映写装置の
観客席等観客装置を載置する床との間に、６軸モ
ーシヨン装置を介在させ、この６軸モーシヨン装
置を、映像、音声、音響等に対応して応答する制
御装置によつて制御されている油圧操作装置によ
り作動させ、観客に振動とか、加速度とか、傾斜
とかの有感運動を、映像及び音声、音響に対応し
て与えるようにしたものである。

〔作用〕

この考案は、上記のように構成されるので、観
客は、映像及びそれに対応した音声、音響と共
に、制御装置から発する制御信号に応じて作動す
る油圧操作装置及び６軸モーシヨン装置によつて
駆動されて床すなわち床に固定の座席に生ずる例
えば振動とか、上昇、旋回による傾きとか、ある
いは、加・減速度等の有感運動を身体に受けて、
映像、音声、音響及び上記有感運動をほぼ同時に
受け、その結果、映像との一体感に浸る。

〔実施例〕

以下、この考案はその一実施例を示す図面に基
づいて説明する。

第１図及び第２図は、この考案装置を遊戯装置
に適用したものであつて、符号１は投映機、２は
投映機１による映像を写し出す映写膜であつて例
えば立体的映写を可能にしており、投映機１、映
写膜２及び投映機１を駆動し投映するための投映
装置３等から映写装置４は構成されている。ま
た、５はスピーカであつて、図示されていない音
響装置から音声及び音響等を映像に対応させてほ
ぼ同時に発声させている。６は観客席であつて、
観客席６はキヤビン７に固定された床８に固定さ
れており、この観客席６に付随する付随装置９例
えば身体を緊縛するバンドその他と共に観客装置
１０を構成している。なお、キヤビン７には、観
客その他関係者の出入のための扉１１が設けられ
ており、第１図に示すように、上方に開閉可能に
構成され、また、その他一般に設けられる諸設備
が設けられている。

次に、符号１２はキヤビン７すなわち少なくと
も観客席６が取り付けられている床８を固定部１
３に対して支承する６軸モーシヨン装置であり、
この６軸モーシヨン装置１２は油圧操作装置１４
により、配管１５を介して、駆動される。

ここで、６軸モーシヨン装置１２について説明
すると、６軸モーシヨン装置は特公昭50−6973号
公報に示されているものと同様のものであり、例
えば、キヤビン７の同一平面を形成する底面に３
箇所の上支持部１６を設け、また、固定部１３の
同一平面を形成する上面に同様の３箇所の下支持
部１７を設け、上下支持部１６，１７間に両端に
ユニバーサルジヨイントを介して連結された、そ
れぞれに付随の油圧シリンダによつて伸縮可能に
された６本の作動脚１８を、１個の上支持部１６
に取り付けられた２個の作動脚１８の他端はそれ
ぞれ別個の下支持部１７に連結するように連結し
て設けたものであり、作動脚１８の伸縮は後に述
べる制御装置により制御された油圧操作装置１４
によつて、各作動脚１８ごと別異の伸縮作動をす
る。従つて、上支持部１６に支承されたキヤビン
７は各種の作動をすることが可能である。

また、符号１９は各作動脚１８の油圧シリンダ
に所要時間、圧油を送油するように油圧操作装置
１４を制御するための制御装置であり、その制御
は、映像、音声、音響に対応しほぼ同期した運動
をキヤビン７、すなわち、床８に与えるように組
み合わされた各作動脚１８の動作が得られるよう
に、各作動脚１８の油圧シリンダへ供給される圧
油の供給速度、供給時間等を制御している。

なお、符号２０はキヤビン７内への通路を形成
するための可動通路である。

この実施例は上記のように構成されるので、映
写装置４による映像及び音響装置から発せられて
スピーカ５により発声する音声、音響等に対応し
ほぼ同期して制御装置１９が作動し油圧操作装置
１４を制御作動させるので、映像、音声等に対応
しほぼ同期した運動をキヤビン７すなわち床８に
与え、従つて、観客席６にいる観客をして映像、
音声等と共に有感運動、例えば、上昇、下降の映
像に対しては上方又は下方への加速度と共に上向
き又は下向きの傾きを与えて上昇又は下向の状態
を身体に与え、映像が示す環境へ観客をより一層
さそい込む。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によると、自然界にお
いては映写される映像やその音声、音響等の状況
によつて生ずる振動、傾斜、加・減速度等の有感
運動を、６軸モーシヨン装置によつて、上記映像
と音声、音響に対応させて、観客装置に与えたの
で、観客はより一層映像に表現される状況に引き
込まれ、映像と一体感を感ずるという効果を有し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案装置の一実施例の概略縦断面
説明図、第２図は第１図の概略横断面説明図であ
る。 １……投映機、２……映写膜、４……映写装
置、５……スピーカ、６……観客席、７……床、
９……付随装置、１０……観客装置、１２……６
軸モーシヨン装置、１３……固定部、１４……油
圧操作装置、１９……制御装置。なお、各図中、
同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 投影機及び映写膜等からなる映写装置と、映写
   される映像に対応して音声及びその他の音響を発
   生させる音響装置と、床上に設置された観客席及
   びそれに付随して設けられる付随装置等からなり
   上記映写及び音響装置による映像、音響を視聴す
   る観客装置と、固定部と少なくとも観客装置を載
   置する床との間に介在して床に体感を感じさせる
   有感運動を与える６軸モーシヨン装置と、６軸モ
   ーシヨン装置を作動させる油圧操作装置と、油圧
   操作装置を映像、音響に対応させて駆動制御する
   制御装置とを備えており、６軸モーシヨン装置は
   それぞれ中央部に上記油圧操作装置により作動す
   る油圧シリンダを有している６本の作動脚の異な
   る２本ごとの一端部が相互関係が可変であるよう
   に連結されていると共に他端部は上記連結された
   作動脚と異なる作動脚と２本ごとに同様に連結さ
   れ上記一端部の連結部を上記固定部に取り付ける
   と共に他端部の連結部を上記床に取り付けて構成
   されていることを特徴とする有感運動付映写装
   置。