JPH0216101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の利用分野］ この考案は、透過性ブロツクを用いた表面燃焼
バーナに関するものである。

［従来技術］ 従来の表面燃焼バーナの実施例を第３図に示
す。透過性ブロツクで形成した保炎板１の背面に
隔壁部材３によつて混合室４を区隔した構成であ
り、燃料ガスと燃焼用空気の混合ガス１５を混合
室に供給する方式の予混合方式である。従来の予
混合方式の表面燃焼バーナに次のような問題点が
あつた。

(1) 一酸化炭素の発生を防止でき燃焼性が良い反
面、光化学スモツグの原因となるNOxの発生
を抑制できない。これは透過性ブロツクの表面
には無数の微小フレームが形成され、それらが
相互に加熱し合い燃焼温度が高くなるからであ
る。

(2) 又、逆火の危険性が高い。これは、予混合方
式のバーナの欠点であるが、透過性ブロツクの
すぐ下流側は、燃焼用混合ガスが充満している
わけであるから、万が一火炎が、逆流した場合
には、前記混合ガスに引火し逆火する。逆火し
た場合、バーナの破損だけでなく、大きな事故
につながる危険性もある。

［考案の目的］ この考案は、上述のような問題点に着目し、二
段燃焼法により、NOxの発生を抑制するととも
に、逆火の危険性も低下させ、燃焼ガスの吸引効
果を高めて燃焼性能を向上させた表面燃焼バーナ
を提供するものである。

［考案の概要］ すなわち、この考案は、透過性ブロツクで形成
した保炎板１とこれを被うごとく設けたエアーレ
ジスタ２とを備えるとともに、前記保炎板の背面
に隔壁部材３によつて混合室４を区隔し、この混
合室に臨ませて燃料ガス供給管５の開口端部６を
接続して成るガスバーナの構成において、前記燃
料ガス供給管の開口端部６の周りに前記エアーレ
ジスタ内のエアー導入用の間隙７を形成すべく、
筒状部材１１を同心に配置し、且つその筒状部材
の先端部を前記開口端部６より突出させて設け、
前記エアーレジスタの周壁部分８と前記隔壁部材
の側面部分９との間に環状の二次エアー流通路を
形成したことを特徴としている。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を図面について説明す
る。第１図は、この考案の一実施例の断面図であ
るが、混合室４は透過性ブロツクで形成した保炎
板１と隔壁部材３によつて区隔されており、前記
混合室に臨ませて、ガス供給管５の開口端部６が
接続されている。また前記燃料ガス供給管の開口
端部６の周りには、間隙７を形成すべく筒状部材
１１を挿設し、該筒状部材を前記燃料ガス供給管
５と同心状に配置するとともに、筒状部材の先端
を前記開口端部６より突出させて設けている。上
述した構成を被うごとくエアーレジスタ２を設
け、このエアーレジスタの周壁部分８と前記隔壁
部材の側面部分９との間に環状の二次エアー流通
路を形成している。

第２図は、この考案の別の実施例の断面図であ
るが、前述した環状の二次エアー流通路の先端部
をパンチングプレート等の網目状部材１６で被つ
ている。この網目状部材は、その小径部が前記隔
壁部材の側面部分９に、また大径部が前記エアー
レジスタの周壁部分８にそれぞれ接するごとく、
略円錐台形状をしている。

次に、この考案の作用について説明する。燃料
ガス１０は燃料ガス供給管５によつて混合室４内
に供給される。一方、燃焼用空気１２は、エアー
レジスタ２内に送られた後、一部は、二次エアー
１３として、残りは、一次エアー１４として間隙
７を通過後、前記混合室内に供給される。一次エ
アーは理論エアー量近く又は、それ以下とし、混
合室４内で速度に混合された燃料ガス１０と一次
エアー１４の混合ガスは、保炎板１内を通過後、
その表面に火炎を形成し、一次燃焼が行われ、そ
の後前述した二次エアー１３を火炎に供給して、
完全燃焼をさせる。

しかも、燃料ガスと一次エアーの混合の際に
は、筒状部材１１を燃料ガス供給管５とほぼ同心
状に、且つ筒状部材の先端部を燃料ガス供給管の
開口端部６より突出させて配置した構成により、
一次エアーが燃料ガスを吸引する効果を高めるこ
とができるとともに、上記構成の出口部において
一次エアーと燃料ガスを有効に混合させることが
でき、この状態（一次的な混合状態）のまま透過
性ブロツク１を通してその表面に燃焼火炎を形成
させることができ、該表面における燃焼性を大幅
に改善することができる。

［考案の効果］ (1) この考案における表面燃焼バーナは、燃焼用
空気を一次エアーと二次エアーに分けて、一次
エアーによつて燃料過剰燃焼をさせ、二次エア
ーによつて未燃分を完全燃焼させる。いわゆる
二段燃焼法を用いているのでNOxの生成を抑
制することができる。これは、二次エアーによ
つて燃焼温度を下げることができ、かつ一次燃
焼において、低酸素濃度で燃焼させることが可
能なためである。

(2) また、一次エアー量は、理論エアー量近く及
び、それ以下であるので混合室４内の混合ガス
は、燃料過剰の状態にあり、完全予混合方式と
比較して、逆火の危険性は低下する。

(3) 網目状部材１６により、二次エアー１３は整
流された後、均一に火炎に供給されるので、火
炎の偏流を防止できる。

(4) 燃料ガス供給管の開口端部６の周りに筒状部
材１１を同心状に挿設するとともに、筒状部材
１１の先端部を開口端部６より突出させて設け
ることにより、燃料ガス１０と一次エアー１４
の混合を、一次エアーで燃料ガスを吸引しなが
ら効率よく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案による表面燃焼バーナの一
実施例を示す縦断面図、第２図は、この考案によ
る表面燃焼バーナの別の実施例を示す縦断面図、
第３図は、従来の表面燃焼バーナの実施例を示す
縦断面図である。 １……保炎板、２……エアーレジスタ、３……
隔壁部材、４……混合室、５……燃料ガス供給
管、６……開口端部、７……隙間、８……周壁部
分、９……隔壁部材の側面部分、１１……筒状部
材、１６……網目状部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 透過性ブロツクで形成した保炎板１と、これを
   被うごとく設けたエアーレジスタ２とを備えると
   ともに、前記保炎板の背面に隔壁部材３により混
   合室４を区隔し、この混合室に臨ませて燃料ガス
   供給管５の開口端部６を接続して成るガスバーナ
   の構成において、 前記燃料ガス供給管の開口端部６の周りに前記
   エアーレジスタ内のエアー導入用の間隙７を形成
   すべく、筒状部材１１を同心に配置し、且つその
   筒状部材の先端部を前記開口端部６より突出させ
   て設け、前記エアーレジスタの周壁部分８と前記
   隔壁部材の側面部分９との間に環状の二次エアー
   流通路を形成したことを特徴とする表面燃焼バー
   ナ。