JPH0216059Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、燃料噴射式多気筒エンジンの噴射
弁取付構造に関するものである。

〔従来技術〕

最近、車両用エンジンにおいては、燃料供給装
置として従来の気化器に代えて燃料噴射弁を採用
する傾向にあり、この燃料噴射弁の取付構造とし
ては従来から種々なものが知られている。例え
ば、燃料噴射式多気筒エンジンでは、吸気マニホ
ールドのブランチ部に設けた取付孔部に燃料噴射
弁の先端を挿入するとともに、燃料噴射弁の上端
をデリバリパイプの燃料供給口部に挿入し、一方
のブランチ部に設けたステーに取付ボルトによつ
てデリバリパイプを締付固定し、該デリバリパイ
プによつて燃料噴射弁を吸気マニホールドのブラ
ンチ部に押圧固定するようにしたものがある。

また車両用エンジンにおいては、エンジンの出
力アツプの観点から、吸気慣性を利用して充填効
率の向上を図ろうとする工夫が種々行われてお
り、そのため最近の吸気マニホールドのブランチ
部はこれ長尺にする傾向にある。そしてこの場
合、単にブランチ部をエンジンの幅方向に延長す
ると、エンジンルームのスペースとの関係で、レ
イアウト上の問題が生じることから、ブランチ部
上流側を上方、即ち燃料噴射弁側に湾曲させてサ
ージタンクに接続するようにしている。

しかるに上記噴射弁取付構造を有する燃料噴射
弁多気筒エンジンにおいて、上述のように吸気マ
ニホールドのブランチ部上流側を上方に湾曲させ
るようにすると、加工工具や組付工具がブランチ
部の湾曲部分やサージタンクと干渉してしまい、
ステーのデリバリパイプ取付面や取付ボルト孔の
加工が困難になり、又デリバリパイプの組付作業
が煩雑になるという問題がある。

そこで従来の燃料噴射式多気筒エンジンでは、
吸気マニホールドのブランチ部上流側を上方に湾
曲させる場合には、例えば特開昭56−34954号公
報に示されるように、吸気マニホールドのブラン
チ部を分割し、ステーのデリバリパイプ取付面及
び取付ボルト孔を加工し、デリバリパイプを組付
けた後、吸気マニホールドを組立てるようにして
いたが、この方法では、吸気マニホールドのブラ
ンチ部分割面にガスケツト（シール）を介在させ
る必要があり、又多数の取付ボルトが必要となる
ことから、部品点数が増加してコストアツプを招
き、又組立工程が増えるという問題が生じた。
〔考案の目的〕 この考案は、かかる問題点に鑑み、吸気マニホ
ールドのブランチ部を分割形成することなく、ス
テーのデリバリパイプ取付面及び取付ボルト孔を
容易に加工できる燃料噴射式多気筒エンジンの噴
射弁取付構造を提供せんとするものである。

〔考案の構成〕

そこでこの考案は、燃料噴射式多気筒エンジン
において、ステーをブランチ部と別体に形成する
一方、吸気マニホールドのブランチ部にステー取
付台座を形成し、該取付台座にステーを装着する
とともに、ステーと取付台座間に位置決め部材を
介設するようにしたもので、これによりステーの
デリバリパイプ取付面及び取付ボルト孔を容易に
加工できるようにするとともに、デリバリパイプ
を正確かつ確実に固定できるようにしたものであ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図について説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例による
燃料噴射式多気筒エンジンの噴射弁取付構造を示
す。図において、１はエンジンで、該エンジン１
の側壁には吸気マニホールド２のブランチ部３下
流端のフランジ４が固定され、上記ブランチ部３
の上流側は上方に湾曲されてサージタンク５の底
壁に連通接続されている。なお１３はスロツトル
チヤンバである。

また上記吸気マニホールド２の各ブランチ部３
にはその下流端付近に取付孔部３ａが形成され、
該取付孔部３ａには燃料噴射弁６の先端ノズル部
６ａが挿入され、該燃料噴射弁６の上端部はデリ
バリパイプ８の燃料供給口部８ａ内に挿入されて
いる。また上記吸気マニホールド２の隣接するブ
ランチ部３間には該ブランチ部３と一体にステー
取付台座７が形成され、該取付台座７にはステー
９が取付ボルト１０によつて締付固定され、又上
記取付台座７とステー９との間には位置決め部材
であるノツクピン１１が介設されている。上記ス
テー９にはデリバリパイプ取付面９ａ及び取付ボ
ルト孔９ｂが形成され、該ボルト孔９ｂの中心軸
線ａは燃料噴射弁６の中心軸線ｂの方向と同一方
向に設定されている。

また上記ステー９の取付面９ａにはデリバリパ
イプ８の取付部８ｂが重ねられ、上記ステー９の
ボルト孔９ｂには上記取付部８ｂの取付孔を挿通
した取付ボルト１２が螺合され、こうしてデリバ
リパイプ８はステー９に締付固定され、又燃料噴
射弁６はデリバリパイプ８によつて吸気マニホー
ルド２のブランチ部３に押圧固定されている。

次に作用効果について説明する。

本構造においては、ステー９を吸気マニホール
ド２のブランチ部３と別体に形成しており、従つ
てステー９のデリバリパイプ取付面９ａ及び取付
ボルト孔９ｂを加工する場合、従来のように加工
工具がブランチ部３の湾曲部分やサージタンク４
と干渉するということはなく、加工を容易に行う
ことができる。

またステー９をブランチ部３に装着する場合に
は、ステー９をブランチ部３の取付台座７に載置
し、取付ボルト１０をステー９のボルト穴９ｃに
挿通させて取付台座７に螺合させればよい。その
際、取付台座７とステー９との間にはノツクピン
１１を介設しているので、ステー７を正確な位置
に確実に固定できる。

またデリバリパイプ８及び燃料噴射弁６を組付
ける場合には、吸気マニホールド２のブランチ部
３の取付孔部３ａに燃料噴射弁６の先端を挿入す
るとともに、その上端をデリバリパイプ８の燃料
供給口部８ａに挿入し、ステー９の取付面９ａに
デリバリパイプ８の取付部８ｂを重ねて位置合せ
をし、取付ボルト１２を該取付部８ｂの取付孔に
挿通させてステー９の取付ボルト孔９ｂに螺合さ
せればよい。その際、取付ボルト１２は上記隣接
するブランチ部３間から締付工具を挿入してこれ
を燃料噴射弁６の中心軸線ｂの方向に締付けるこ
とができ、又これにより燃料噴射弁６を確実に押
圧固定できる。

以上のような本実施例の構造では、ステーを吸
気マニホールドと別体に形成するようにしたの
で、吸気マニホールドのブランチ部を分割形成す
ることなく、ステーのデリバリパイプ取付面及び
取付ボルト孔を容易に加工できる。

また本構造では、ステーを吸気マニホールドの
隣接するブランチ部間に設けるようにしたので、
デリバリパイプの組付時に締付工具がブランチ部
の湾曲部分やサージタンクと干渉することがな
く、その結果デリバリパイプの組付を容易に行う
ことができる。

また本構造では、ステーを別体に形成してこれ
を吸気マニホールドに装着するようにしており、
この場合には従来のように吸気マニホールドを分
割形成する場合に比し、ガスケツトは不要であ
り、又取付ボルトの数もそれほど必要でないこと
から、部品点数を削減して低コストを達成でき
る。

なお、上記実施例ではステーの取付台座を隣接
するブランチ部間に形成したが、これは適当なブ
ランチ部の上面に形成してもよい。また位置決め
部材はノツクピン以外のものであつてもよい。さ
らに吸気マニホールドの側面形状は略Ｌ字形状で
はなく、略Ｃ字形状であつてもよい。

また上記実施例では吸気マニホールドを一体形
成した場合について説明したが、本考案は勿論吸
気マニホールドを分割形成した場合についても同
様に適用できる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、燃料噴射式多気
筒エンジンにおいて、ステーをブランチ部と別体
に形成する一方、吸気マニホールドのブランチ部
にステー取付台座を形成し、該取付台座にステー
を装着するとともに、ステーと取付台座間に位置
決め部材を介設するようにしたので、吸気マニホ
ールドを分割形成することなく、ステーのデリバ
リパイプ取付面及び取付ボルト孔を容易に加工で
き、又デリバリパイプを正確かつ確実に固定でき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による燃料噴射式多
気筒エンジンの噴射弁取付構造の側面図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は上記構造の
要部拡大図である。 ２……吸気マニホールド、３……ブランチ部、
６……燃料噴射弁、７……ステー取付台座、８…
…デリバリパイプ、９……ステー、１１……ノツ
クピン（位置決め部材）、１２……取付ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気マニホールドの複数の各ブランチ部に燃料
   噴射弁を設けてなる燃料噴射式多気筒エンジンに
   おいて、上記吸気マニホールドのブランチ部にス
   テー取付台座を形成し、該取付台座にステーを装
   着するとともに、該ステーと上記取付台座との間
   に位置決め部材を設け、上記ステーに取付ボルト
   によつてデリバリパイプを締付固定し、該デリバ
   リパイプにより上記燃料噴射弁を上記ブランチ部
   に押圧固定したことを特徴とする燃料噴射式多気
   筒エンジンの噴射弁取付構造。