JPH0215927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパネル組立用具、特にクリーンルーム
用のパネル組立用具に関する。

（従来技術） 従来、精密機器は、空気中に浮遊する塵埃など
によつて極めて悪影響を受けやすく、それらの製
造、組立、使用などを普通の工場や事務所内で行
なうと、不良品が多量に発生したり、誤動作など
が生じる。このため、工場や事務所内などに特別
に間仕切した独立のクリーンルームなどを設け、
それらの防塵埃用のクリーンルーム内で精密機器
の製造、組立、使用などを行なうことにより、不
良品の発生や誤動作などを少なくすることが試み
られている。第１図は、そのようなクリーンルー
ムのコーナ部の構造を示す断面図である。

（従来技術の問題点） 第１図に示された従来のクリーンルームのコー
ナ部は、天井または壁などを構成するパネル１０
０，１０１を互いにそれらの平面が垂直に交叉す
るように端部で面接触させ、長手方向に対し垂直
にＬ字状の断面を有する長尺物のアングル２０
０，２０１により挾持した後、リベツト結合用の
穴を両アングル２００，２０１の所定個所からパ
ネル１００，１０１に穿ち、それらの個所にそれ
ぞれリベツト３００〜３０４を挿入、固着して組
立を行なつている。そのため、クリーンルーム内
面にリベツト３０３，３０４の頭部が突出などし
て臨み不都合であるばかりでなく、クリーンルー
ム内にそれらのリベツト３０３，３０４の結合用
の穴を通じて、パネル１００，１０１を構成して
いる石綿、ガラス繊維、石膏、合成樹脂などの材
料が絶えず塵埃として噴出する。また、コーナ部
が直角状に形成されているため、塵埃などが溜ま
り易く、さらに強度的にも劣るものである。

（考案の目的） 本考案は、このような問題点を解消するために
なされたものであり、形状の異なる２個のパネル
結合具を組み合せ、一体に結合したパネル組立用
具を用い、２個のパネル端部を強固に組立てるこ
とにより、クリーンルーム内に壁や天井などを構
成するパネル材から塵埃が噴出することなく、リ
ベツト頭部などがルーム内に臨まない、パネル組
立ての容易なパネル組立用具を提供することを目
的とする。

（考案の概要） 本考案のパネル組立用具は、長手方向に垂直に
略ト字状の断面を有する長尺物からなる第１パネ
ル結合具１と、長手方向に垂直に略マ字状の断面
を有する長尺物からなる第２パネル結合具とを備
えている。

（実施例） 第２図は、本考案のパネル組立用具の実施例を
示す第１パネル結合具１である長尺物の長手方向
に垂直な断面図Ａと、第２パネル結合具２である
長尺物の長手方向に垂直な断面図Ｂとである。

第１、第２の各パネル結合具１，２には、機械
的強度の大きい例えばアルミニウム、鉄などの金
属材料が用いられ、通常は各パネル結合具１，２
を同一材料を用いて構成するが、異ならしめても
よい。

第２図Ａに示されているように、第１のパネル
結合具１は、パネルを組立てる際の外枠基板とな
る平板状体１２と、この平板状体１２の長手方向
に沿つて突出する平板状体１１が一体に形成され
ていて、それらが互いに略ト字状の断面をなす長
尺物からなる。この平板状体１１の上面１１１に
は、同一の凹凸が例えば１mm間隔で連続的に繰り
返して設けられている。それらの凹凸は後述する
ように、第２パネル結合具２との組み合せに用い
られるものである。なお、凹凸は上面１１１の全
域に設けることなく、一部に限定することもでき
るし、平板状体１１の下面に設けることもでき
る。

また、平板状体１２はその一端部にテーパ面１
２１を設け、他端部に段差部１２２を設けてい
る。このテーパ面１２１により後述するコーキン
グ材が、段差部１２２によりアングルがそれぞれ
保持される。

第２図Ｂに示されているように、第２のパネル
結合具は、中心角が90゜の円弧状の断面の内枠基
板２１と、この基板２１の一方の側部からその接
線方向に突出する平板状体２２と、他方の側端部
で前記外枠基板をなす平板状体１２に対向する平
板状体２３とが一体に形成されていて、それらが
略マ字状の断面をなす長尺物からなる。すなわ
ち、平板状体２３の延長平面は、平板状体２２の
面と直角に交叉する。この平板状体２２の下面２
２１には、同一の凹凸が例えば１mm間隔で連続的
に繰り返して設けられており、前述したように第
１パネル結合具１の平板状体１１の上面１１１に
設けられた凹凸に嵌合し、結合用に用いられる。
なお、平板状体２２の下面２２１の凹凸数は、通
常平板状体１１の上面１１１の凹凸数と等しくす
るが、異ならせてもよい。また、平板状体１１の
下面に凹凸を設ける場合には、平板状体２２の上
面に凹凸を設ける。

平板状体２２，２３と上記中心角が90゜の円弧
状の断面の内枠基板２１との結合端部にそれぞれ
テーパ面２１１，２１２を設け、この各テーパ面
２１１，２１２により後述するコーキング材を保
持させる。

第３図は、本考案のパネル組立用具を用いて、
クリーンルームのコーナ部を組立た実施例断面図
である。

同図において、３は壁部を構成するパネルであ
り、例えば石綿コア３１を中心として両側に石膏
ボード３２，３３を積層し、それらの不燃３重層
体の周囲に表面鉄板３４を被覆した構造を有する
ものである。４も壁部を構成するパネルであり、
パネル３と同様な構造を有するが、異なる構造の
パネルを用いることもできる。

５は長手方向に垂直な断面が略Ｌ字状の長尺物
よりなる機械的強度の大きいアングルであり、本
考案のパネル組立用具と共に、パネルを強固に組
立固定するものである。

以下、同図にもとづき、クリーンルームのコー
ナ部のパネル組立を説明する。

まず、第１パネル結合具１の平板状体１１の上
面１１１の凹凸面と、第２パネル結合具２の平板
状体２２の下面２２１の凹凸面とを向かい合せ、
パネル３の端部厚さの幅に平板状体１２と平板状
体２３の対向面間の距離をスライドさせて決定
し、互いの凹凸を嵌合する。それらの凹凸嵌合積
層部をビス止め（図示なし）によつて強固に固着
し、第１、第２の両パネル結合具１，２を互いに
強固に結合してパネル組立用具を形成する。

次に、上記のようにして形成したパネル組立用
具を用い、その平板状体１２の段差部１２２にア
ングル５の一端を重ね合せて、アングル５の他端
と平板状体２２の対向面間の距離をパネル４の端
部の厚さの幅に調節決定し、アングル５の一端と
段差部１２２との積層部とをビス止め（図示な
し）によつて強固に固着する。

次に、それらの所定個所にパネル３，４の端部
をそれぞれ挿入、固定する。

さらに、第１，第２の各パネル結合具１，２の
テーパ面１２１，２１１，２１２とパネル３，４
間に、それぞれシリコンゴムなどのコーキング材
６，７，８を詰めて密封する。

なお、直接パネル３の端部に第１パネル結合具
１と第２パネル結合具２とを取り付け、凹凸積層
部をビス止めして挾持した後に、パネル４の端部
を平板状体１２の段差部１２２と、平板状体２２
に接触させ、さらにアングル５の一端を平板状体
１２の段差部１２２に重ね合せて、パネル４の端
部を外側より覆いアングル５の端部と平板状体１
２の段差部１２２との積層部とを互いにビス止め
（図示なし）によつて強固に固着することもでき
る。また、ビス止めにかえて他の結合固着手段を
採用することは当然可能であり、それらの結合固
着手段として、とりわけパネル３，４内部まで食
い込み、パネル３，４をパネル組立用具と一体に
固着して組立強度を増す方法を選択することもで
きる。

また、本考案のパネル組立用具は、壁用パネル
と壁用パネルとのコーナ部の組立ばかりでなく、
壁用パネルと天井用パネルとのコーナ部組立にも
当然用いることができる。さらにクリーンルーム
などのルーム用だけでなく、他の土建用のパネル
組立などにも広く用いることができる。

（考案の効果） 以上、詳細に説明したように、本考案のパネル
組立用具によれば、２枚のパネルを直角に結合し
て組立てる際に、第１、第２のパネル結合部の平
板同士を結合することによつて第１のパネルの端
部を外枠基板と対向板とによつて挾持し、前記外
枠基板に第２のパネルの端面を当接した状態で固
定するようにしたので、クリーンルームのコーナ
部分に使用するときに、内面にビス等の頭が臨ま
ず、したがつて、パネルにリベツト用の穴を形成
することで生じるパネル構成材の塵埃がクリーン
ルーム内に噴出することが防止できる。

また、２枚のパネルは、密封された状態で容易
に組立てることができ、したがつて外部から塵埃
が侵入する恐れもない。

更に、第２のパネル結合具の内枠基板が、中心
角が90゜の円弧状の断面をなしてコーナ部の内枠
となるから、そこに塵埃が溜りにくい。

また、第１、第２の各結合具を組み合せて、パ
ネル組立用具としているため、２枚のパネルの組
立て作業は、パネルの厚みにかかわらず機械的な
組立て強度を十分に高くできるだけでなく正確で
簡単となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のクリーンルームのコーナ部の
組立断面図である。第２図は、本考案のパネル組
立用具の実施例を示す第１パネル結合具の断面図
Ａと、第２パネル結合具の断面図Ｂとである。第
３図は、そのパネル組立用具を用いてクリーンル
ームを組立てた場合のコーナ部の断面図である。 １……第１パネル結合具、１１，１２……平板
状体、１１１……平板状体１１の上面、１２１…
…テーパ面、１２２……平板状体１２の段差部、
２……第２パネル結合具、２１……略４分の１円
周の断面円弧を有する円弧状板体、２２，２３…
…平板状体、２２１……平板状体２２の下面、２
１１，２１２……テーパ面、３，４……パネル、
５……アングル、６，７，８……コーキング材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２枚のパネルを直角に結合して組立てるパネル
   組立用具であつて、前記パネルを組立てる際の外
   枠基板とこの基板の長手方向に沿つて突出する平
   板とが一体になつてそれらが互いに略ト字状の断
   面をなす長尺物からなる第１のパネル結合具と、
   中心角が90゜の円弧状の断面の内枠基板とこの基
   板の一方の側部からその接線方向に突出する平板
   と他方の側端部で前記外枠基板に対向する対向板
   とが一体になつて略マ字状の断面をなす長尺物か
   らなる第２のパネル結合具とを備え、前記第１、
   第２のパネル結合部の平板同士を結合することに
   よつて第１のパネルの端部を外枠基板と対向板と
   によつて挾持し、前記外枠基板に第２のパネルの
   端面を当接した状態で固定することを特徴とする
   パネル組立用具。