JPH0214761Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、組立てが簡単で、刃押えを強固にし
た二枚刃軽便かみそりに関する。

（従来技術） 従来より二枚刃軽便かみそりの構造について
は、種々のものが提案されている。

これらのうち、実公昭52−38396号公報には、
スペーサの上、下面に突部を設け、この突部に嵌
合する嵌合孔を上、下刃体に設けて、上、下刃体
をスペーサに固定する構造を備えたかみそりが開
示されているが、このものは、下刃体、スペー
サ、上刃体及び押え板を刃台に順次重ねて組立て
るものであり、押え板に刃台裏面まで貫通する突
条を設けて、この突条の先端の溶着を必要として
いる。

又、実公昭54−2777号公報、実公昭55−30449
号公報及び実公昭55−30450号公報には、コの字
形の装着溝へ上、下刃体及びスペーサを嵌挿させ
る構造のかみそりが開示されているが、これらは
いずれも上、下刃体及びスペーサが取外し可能な
構造をなすものであり、したがつて、装着溝はそ
の開口と内奥とが同一巾に形成されるか、もしく
は開口を大きく形成した構造をなしている。

本考案は、上、下刃体及びスペーサを装着溝を
備えた刃受体に装着するかみそりであつて、 その組立が簡単で、さらに、上、下刃体の刃先
の位置設定と上、下刃体の刃受体への装着が同時
になされ、製造の低減及び製造の効率化を図るこ
とができる二枚刃軽便かみそりを提供しようとす
るものである。

（考案の構成） すなわち、本考案に係る二枚刃軽便かみそり
は、上面に後端から中央に向けて拡大傾斜したテ
ーパ面を有し、両端に上、下刃体の刃先を当接さ
せる基準当接面を有し、かつ上、下刃体の両側端
部をカバーする横枠とを一体に形成したスペーサ
と、 前記スペーサの上下面に配置される上、下刃体
と、 前記スペーサ及びスペーサの上下面に配置され
た上、下刃体が嵌め込まれ、開口をスペーサとス
ペーサの上下面に配置した上、下刃体の厚みより
狭くした装着溝と、装着溝の上部を構成し、弾性
復元力のある刃押えとを有し、装着溝へのスペー
サ及び上、下刃体の嵌め込みによつてスペーサの
横枠の内側に嵌合する刃受体と、 を備え、スペーサと上、下刃体と刃受体とが一体
に組み付けられて成ることを特徴としている。

（考案の作用） 本考案に係る二枚刃軽便かみそりは、上刃体及
び下刃体をスペーサの上、下面に設けられたピン
にそれぞれ挿入して一体化し、これを刃受体の装
着溝に嵌め込むことにより組立てられる。

このとき、上、下刃体及びスペーサを一体化し
たものの装着溝への嵌め込みは、スペーサの上面
が後端から中央に向けて拡大傾斜したテーパ面と
なつているから嵌め込みやすなつている。

また、嵌め込みに際しては、装着溝の狭くした
開口を通過させるときに装着溝のスペーサの上下
面に配置された上、下刃体は、弾性復元力のある
刃押えによつて上下方向より押圧された状態にお
かれて、装着溝に嵌め込まれる。このため、嵌め
込み時には、上、下刃体は嵌め込みに抗して、嵌
め込み方向と逆方向にスペーサの上下面を移動し
ようとする。これによつて上、下刃体は刃先側に
押されて、スペーサの基準当接面に上、下刃体の
刃先が当接する。その結果、上、下刃体の刃先は
基準当接面に位置した状態、すなわち、上、下刃
体の刃先の位置設定がなされた状態に組立てられ
るようになつている。

さらにスペーサ両端にスペーサに一体に形成さ
れた横枠により、上、下刃体の両端部及び刃先の
位置固定が確実となり、又、刃受体全体が強固な
構造となり、さらに前記横枠により上、下刃体の
刃のエツヂが露出しないから安全性に富む二枚刃
軽便かみそりを提供することができる。

（実施例） 以下、図面に示す実施例にしたがつて本考案を
説明する。

第１図は本考案の一実施例の上刃体２、下刃体
３及びスペーサ１の分解斜視図であり、第２図は
これらを装着する装着溝１１を形成して成る刃受
体１０の斜視図である。

上刃体２及び下刃体３は一側縁に刃部２ａ，３
ａを有し、中央に４箇所の挿入孔７，８が設けら
れている。

スペーサ１には上面に前記上刃体２の挿入孔７
に対応する位置にピン４が設けられており、図示
しないが同様に下面に下刃体３の挿入孔８に対応
する位置にピンが設けられている。ピンは上、下
刃体２，３の板厚と同じ高さに形成されている。
なお、挿入孔７，８に対しピン４は遊嵌した状態
で挿し込まれる。又、スペーサ１の上面には後部
から中央に向つて拡大傾斜したテーパ面を有する
突起５が２箇所設けられている。この突起５の高
さは前記ピン４の高さより高く、上下面に固定さ
れる上、下刃体２，３よりわずかに突出するよう
に形成されている。さらにスペーサ１の両側に
は、上下面に固定される上、下刃体２，３の両側
端部をカバーする横枠６が設けられている。この
横枠６をスペーサ１に一体に設けたことにより、
上、下刃体２，３は、その挿入孔をピンに挿入し
て固定されるだけでなく、横枠６によつても固定
される。また、横枠６には、上、下刃体２，３の
基準当接面９ａ，９ｂが設けられているため、刃
先の位置固定もなされる。さらに横枠６によつ
て、スペーサ１を装着した刃受体１０両端部が補
強され、刃受体１０全体の構造を強固にしてい
る。また、横枠６によつて上、下刃体２，３の刃
のエツヂがカバーされるので使用時の安全性を高
め得る。

刃受体１０は、前記上、下刃体２，３とスペー
サ１とを一体にしたものを装着できる装着溝１１
を備えている。装着溝１１は第４図に示すように
横に開口し、奥に向つて拡がる形状をなしてい
る。前記装着溝１２の開口は上、下刃体２，３と
スペーサ１とを一体にしたものの厚みにより少し
狭く形成され、奥が上、下刃体２，３とスペーサ
１とを一体にしたものの厚みと同じすき間を形成
している。したがつて、上、下刃体２，３及びス
ペーサ１は装着溝１１にすき間なく装着されるよ
うになつている。この装着溝１１の上部を構成す
る刃押え１２はスペーサ１の突起５が嵌着される
嵌着孔１３を有し、弾性復元力を有している。し
たがつて第３図に示すように装着溝１１に上、下
刃体２，３及びスペーサ１を装着した状態では、
スペーサ１が装着溝１１から抜け外れることな
く、しかも、上、下刃体２，３及びスペーサ１は
刃押え１２の弾性復元力によつて上下方向より押
圧されて強固に固定される。

なお、本考案煮置いてはピン及び突起の個数、
横枠及びピンの形状については実施例のものに限
定されない。又、刃受体については、実施例のよ
うに柄と一体に成つているものの他、柄と別体し
て取換え自由に構成してもよい。

このように構成される二枚刃軽便かみそりは、
上、下刃体をスペーサに固定し、これを刃受体の
装着溝へ前方開口からスライドさせることにより
組立てられる。このとき、スペーサの突起がテー
パ面を有するため、装着溝への嵌め込みは容易に
なされる。さらに、嵌め込み時に上、下刃体が刃
先側に押されて、上、下刃体の刃先が基準当接面
に当接するため、嵌め込みと同時に上、下刃体の
刃先の位置設定もなされる。

このことは、従来の二枚刃軽便んかみそりにお
ける製造に比べ、次のような利点を有している。
すなわち、従来の二枚刃軽便かみそりの製造は、
第５図に示すように刃台２０に載置した二枚の
上、刃体２，３を後方より刃先側へ押し出して
上、下刃体２，３の刃先の位置設定をしながら刃
押えを行なうか、あるいは第６図に示すように刃
台２０上に突設したピン２１に上、下刃体２，３
の位置設定をしながら刃押えを行なうか、あるい
は第６図に示すように刃台２０上に突設したピン
２１に上、下刃体２，３の位置設定に合わせたピ
ン挿入孔７，８を有する上、下刃体２，３を挿入
嵌着する方法によつていた。この場合、前者につ
いては上、下刃体の中央の位置設定に押出し工程
を含む複数工程が必要であり、又、後者について
は、ピン及びピン挿入孔の形成に精密性を必要と
し、いずれも製造コストの低減が図れなかつた。
しかしながら、本発明に係る軽便かみそりのよう
な場合には、両端に上、下刃体の基準当接面を有
するスペーサに上、下刃体を取付け、これを上、
下刃体及びスペーサを挟持する弾性復元力のある
部材の間を通すことによつて、精密な構造を必要
とせず、上、下刃体の刃先の位置設定と上、下刃
体の刃受体への装着が同時になされることとな
り、製造の低減及び製造の効率化を図ることがで
きる利点を有している。

（考案の効果） 本考案に係る二枚刃軽便かみそりは、 スペーサにテーパ面を設けているので、スペ
ーサ及び上、下刃体を刃受体の装着溝へ嵌め込
みやすく、組立てが簡単に行なえる。

開口を狭くした刃受体の装着溝と、刃押えの
弾性復元力とにより、上下刃体が上下方向より
押圧され、スペーサの両端に基準当接面に上、
下刃体の刃先が当接して上、下刃体の刃先の位
置設定と上、下刃体の刃受体への装着が同時に
なされ、製造の低減及び製造の効率化を図るこ
とができる二枚刃軽便かみそりを提供できる。

スペーサに一体に設けた横枠により、上、下
刃体の両端部及び刃先の位置固定が確実にで
き、しかもスペーサを刃受体に装着したとき刃
受体の両端部を補強して強固な構造の二枚刃軽
便かみそりを提供できる。

又、前記横枠により上、下刃体の刃のエツヂ
がカバーされ、使用時の安全性に富む二枚刃軽
便かみそりを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の上刃体、下刃体及
びスペーサの分解斜視図であり、第２図はこれら
を装着する装着溝を形成して成る刃受体の斜視
図、第３図は上刃体、下刃体及びスペーサを装着
溝に装着した状態での断面図、第４図は第３図の
装着前の断面図、第５図及び第６図は従来の二枚
刃軽便かみそりにおける製造について説明するた
めの各断面図である。 図中、１はスペーサ、２は上刃体、３は下刃
体、４はピン、５は突起、６は横枠、７，８は挿
入孔、１０は刃受体、１１は装着溝、１２は刃押
え、１３は嵌着孔である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上面に後端から中央に向けて拡大傾斜したテー
   パ面を有し、両端に上、下刃体の刃先を当接させ
   る基準当接面を有し、かつ上、下刃体の両側端部
   をカバーする横枠とを一体に形成したスペーサ
   と、 前記スペーサの上下面に配置される上、下刃体
   と、 前記スペーサ及びスペーサの上下面に配置され
   た上、下刃体が嵌め込まれ、開口をスペーサとス
   ペーサの上下面に配置した上、下刃体の厚みより
   狭くした装着溝と、装着溝の上部を構成し、弾性
   復元力のある刃押えとを有し、装着溝へのスペー
   サ及び上、下刃体の嵌め込みによつてスペーサの
   横枠の内側に嵌合する刃受体と、 を備え、スペーサと上、下刃体と刃受体とが一体
   に組み付けられて成ることを特徴とする二枚刃軽
   便かみそり。