JPH02142720A

JPH02142720A - 香料

Info

Publication number: JPH02142720A
Application number: JP29797488A
Authority: JP
Inventors: Takeo Toyama; 外山　孟生; Shizuo Torii; 鳥居　鎮夫; Kazunari Suzuki; 一成鈴木
Original assignee: Shiono Koryo Kaisha Ltd; Noevir Co Ltd
Current assignee: Shiono Koryo Kaisha Ltd; Noevir Co Ltd
Priority date: 1988-11-24
Filing date: 1988-11-24
Publication date: 1990-05-31

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、目覚め効果又はやすらぎ効果を有する香料に
関する。

更に詳しくは、現代人に求められる環境への即応を生理
心理学的見地から援助する目的に関するものである。　
現代人、特に組織内にて就業する人々は刻々変化する状
況に対応することをせまられている。その変化に対応す
る行動を遅延なくとるためには、非常に大きな努力を必
要とする。

本発明は、現代人の生理心理学的恒常性の維持機能を向
上させる目的で使用される。

例えば、長時間にわたる自動車の運転中に生じる倦怠感
や気分的な疲労感をなくするなどの、状況変化への適応
能力の強化または補助的な目的で目覚めた状態とする必
要がある場合がある。また、現代社会は科学技術の急速
な発展に伴い生活にも急速な変動をもたらしてている。

　５ｅｌｙｅ、Ｈによれば、刺激により生じる非特異反
応としてのストレスは個人のみならず人類の進歩に必要
不可欠な要素であり、生きることがすなわちストレスで
あるとしている。したがって、ストレスを生きることに
必要な刺激剤として利用していく上で、生理心理的恒常
性の維持は必要不可欠であり、ストレスにより生じる中
枢神経を主とした複雑な神経系の励起状態からやすらぎ
の状態にし、恒常性の維持を向上させる必要がある。　
本発明は、この目的のために使用され、室内芳香剤をは
じめ、香料や石鹸等の化粧料に配合される。

〔従来の技術〕

従来芳香剤の有用性として抗炎症効果や防腐効果、食欲
の抑制・亢進効果が報告されている。

一部に中枢神経系への作用の報告があるが、単なる主観
的なＳＤ法による結果に基づくものもあり、主観的な嗜
好性の影響があり科学的な根拠が低かった。　また特開
昭６１−２６７５２６号公報には“ストレスに対する生
理的及び、又は主観的反応を減少させる方法”が開示さ
れている。　この発明は血圧とムードの変化を測定し、
天然精油の有用性について言及している。　また、モノ
テルペンを主とした植物精油を配合した香料により疲労
軽減、視覚機能維持効果を付与した商品がある。

従来の技術は主観的な嗜好性の影響が試験結果に大きな
影響を与え、従って個人差が大きく科学的な根拠を欠い
ていた。　また、前述の特開昭６１２６７５２６号公報
も主観的な部分が含まれていること及び血圧等のストレ
スに対する２次的生理反応を測定していることから、不
確定な要素が大きく安定した効果が得られていなかった
。

また、天然精油を試料に用いているため、その特性とし
て成分が産地や採取時期・年代により微妙に異なること
が一般に知られている。　従って、それらの効果も非常
に不安定である。

〔問題点を解決するための手段〕

上記従来の技術の持つ問題点を解決するため、化学構造
が明確な多くの高純度の単品香料原料を調査した。　そ
の構造の明確な原料を配合した香料の目覚め効果又はや
すらぎ効果を検討した結果、ムスクケトン、シクロペン
タデカノリド　　（以後ＣＰＤ）、８−α５１２−オキ
シド−１３，１４，１５゜１６−テトラノルバン（以後
　０ＴＮ）に顕著な目覚め効果を、ユーカリプトール、
カンファー、ボルネオールに顕著なやすらぎ効果を認め
た。

ムスクアンブレットにも目覚め効果があることを発見し
たが、ムスクアンブレットには、光感作性があり、安全
性に問題があるため、本発明には使用しなかった。

目覚め効果を客観的に測定する方法として、意識水準に
よって極めて敏感に変動する脳波の波形の解析が実施さ
れる。　いわゆる、脳波のα波、β波が意識水準により
変動するのであるが、香料の影響を調査する過程におい
て、香料への興味により精神活動の高揚に付随して意識
水準が高まり、α波がβ波へ移行する現象が認められる
。

従って、いわゆる脳波の測定では香料の特異的な心理効
果を測定できない。　ところが、意識水準の高い時に生
じる脳の電気信号に対する影響は一定の条件下での反応
であり、上記の欠点を排除でき、有効な手段となる。

今回の検討には、音声刺激により引き起こされる前頭部
の随伴性陰性変動（ｑｏｎｔｉｇｅｎｔ　ｎｅｇａｔｉ
ｖｅｖａｒｉａｔｉｏｎ−以下　ＣＮＶ）と呼ばれる陰
性のゆっくりした電位の変化が測定に用いられた。

詳細な実験方法を記す。　警告刺激音から２秒後に運動
の開始を意味する光信号が続き、光を認識したことを表
現するボタン押しの運動反応が要求される。　この一連
の繰り返しの中で、警告刺激の前に試料が与えられ、２
回の命令による呼吸の後、最後の３回目の吸息に合わせ
て被験者の鼻孔近くの容器から香りの状態で投与された
。　ＣＮＶ測定のための電極は前頭部にはり着けられ、
耳朶との間の電位記録が測定され、また手掌と前腕層側
部位につけられた電極間における皮膚電位水準の変動が
測定された。

覚醒効果を示すカフェインを投与した場合、ＣＮＶの振
幅が増大し、鎮静効果を示すニトラゼパムを投与した場
合にはＣＮＶの振幅は減少することがＨ，Ａｓｈｔｏｎ
らにより報告されている。

これらの変動は警告刺激後５００〜１０００　ｍ５ｅｃ
の初期成分に顕著に現れる。　表−１に単一化学物質と
実施例とのＣＮＶ測定結果を示した。　この効果性は上
記初期成分の最大振幅値で表現されている。

表−１の結果に認められるように、ムスク系の香料に目
覚め効果が顕著である。　ムスクケトンは無賦香対照と
の平均値の差の検定において有意水準１％で差が認めら
れ、ＣＰＤ及びＯＴＮは、５％で有意差があった。　こ
れら化学物質は構造的に異なっており、カフェインのよ
うな中枢神経系への直接薬理学的作用による覚醒効果を
有しているとは考え難い。　おそらく、潜在意識におけ
るムスクとしての匂いの認知が興奮作用を有する物質の
遊離を促進させ、目覚め効果が発現するものであろうと
考えられる。

一方、カンファー調の香料にやすらぎ効果が認められた
。　最もやすらぎ効果の高い化学物質は、ユーカリプト
ールの１％有意であり、カンファー及びボルネオールは
５％有意で鎮静効果が認められた。　ユーカリプトール
は、同時期に実施した皮膚電位水準（以下　５ＰＬ）測
定にても顕著な皮膚電位の低下を示し鎮静効果が裏付け
された。

表−２に上記単一化学物質にて目覚め効果のあった香料
を用いた香水（実施例１）の組成を示す。

また、表−３には上記単一化学物質にてやすらぎ効果の
あった香料を用いた香水（実施例２）を示す。

実施例１．実施例２および各実施例から有効成分を除去
し、替わりにエタノールを加えた試料を各々比較例１及
び比較例２としてＣＮＶを測定した。　その結果を表−
４に示した。

Ｔ−ウンデカラクトンオレンジオイルターペンレス０．１０．２リナリルアセテート４．０ジャスミンベース２．０ベンジルアセテート２．０ α−イソメチルイオノンｎ−へキシルサリシレートムスクケトン１２．０ＩＯｏｏ１０．０ＣＰＤＯＴＮレモンオイルイランイランオイルエクストラターピネオールリナロールフェニルエチルアルコールライラールＬＤベンジルアセテートクローブオイルサンダルウツドオイルイオノンシダーウッドオイル２０．０ユーカリプトールパチュリ−オイルメチルイオノンオイケノールライラールイＣ）アセチルセドレンパインオイル１０．０１４．０シトロネロールターピネオールリナロールカンファーボルネオールアリルカプロエートレシノイドオリバノムアブソリュートファーバルサムタービニルプロピオネートレジノイドスチランクス実施例１及び実施例２の示すＣＮＶ値には、無賦香の対
照のＣＮＶ値と各々有意水準１％で有意の差（］２）を認めたが、比較例１及び比較例２の示すＣＮＶ値には
有意差は認められなかった。

次いで、実施例の生理心理学的な総合評価を調査した。

　その試験方法を以下に示した。

男女それぞれ５名を防音装置を施した恒温恒湿無臭室に
て、皮膚電位水準（以下　５ＰＬ）の装置を接着し、入
室休養−時間後から反射速度を測定し目覚め状態及びや
すらぎ状態を調査した。

反射速度はコンピューター画面に表示された２つの矢印
が接合する瞬間を判断し、ボタンを押す。

その設定された接合点とボタンを押した時点とのずれを
１０回測定し、平均値を求めるものである。　以下この
方法をＲＮＭとする。　入室−時間後に対照として、無
賦香にて誤差距離を測定し、ついで実施例および比較例
の調査を行った。　さらに順序効果を調査するために、
無賦香の状態で休養時間を一時間与え、対照としての測
定を実施し、先と異なる順序にて試料を与えた。　試料
の濃度はあらかじめ調査された不快感を与えない最高濃
度に設定された。　表−５にＲＮＭの結果を６にＳＰＬ
の結果を示した。

ＲＮＭの結果表ＳＰＬの結果るため、それぞれの平均値で除し標準化した数値により
平均値の差の検定を行い、１％有意水準の被験者を著効
、５％有意の被験者を有効、１０％有意の被験者をやや
有効、１０％より大きい被験者を無効とし、カイ２乗法
にて検定した。　その結果を表−７に記載した。

反射能力の調査の結果は以下の方法にて評価した。　個
人差を考慮し、個人の試料間の差を求め試料の順序によ
る差および性別による差はみられなかったため、表−５
のサンプル数を１０として処理した。　各々実施例と比
較例との間でカイ２乗検定を行った結果、有意水準１％
で目覚め効果又はやすらぎ効果が認められた。

ＳＰＬの測定結果では、実施例１については通常状態で
発生する低下が認められず、目覚め効果を表わしており
、実施例２については顕著な低下が認められ、やすらぎ
効果が観察された。

以上のように、本発明により、目覚め効果を有する香料
及びやすらぎ効果を有する香料が得られ、状況変化への
適応能力の強化、生理心理学的恒常性の維持機能向上に
供することができる。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）ムスクケトン、シクロペンタデカノリド、８−α
，１２−オキシド−１３，１４，１５，１６−テトラノ
ルバンの１種又は２種以上を０．１〜８０．０重量％含
有する目覚め効果を有する香料。
（２）ユーカリプトール、カンファー、ボルネオールの
１種又は２種以上を０．１〜８０．０重量％含有するや
すらぎ効果を有する香料。