JPH0212778B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、自動車用のウエザーストリツプに関
し、さらに詳しくは車体パネルのフランジと嵌合
するウエルト部を備えたウエザーストリツプの構
造に関する。

従来技術 従来の自動車用ウエザーストリツプとしては、
第１図に示した構造のものがある。すなわちウエ
ザーストリツプ１は、ウエルト部２とシールリツ
プ３とから構成されている。前記ウエルト部２は
断面略Ｕ字状であつて、金属製の芯材４が埋設さ
れている。一方前記シールリツプ３は、前記ウエ
ルト部２の外周面に屈曲部２ａに沿うように、一
体に突設されている。

かかるウエザーストリツプ１の製造に際して
は、まずウエルト部２を成形するソリツドゴム、
シールリツプを成形するスポンジゴム、及び平板
状の芯材４とを三重押出成形し、第２図に示した
ようなウエルト部２が平板状の成形品を得る。

次にこれによりウエルト部２に埋設された芯材
４を、一定間隔ごとに成形されている切り込み５
毎に分離させ不連続状にする。しかる後にベンダ
ー加工行程において、第１図に示したようにウエ
ルト部２を断面略Ｕ字状に屈曲成形するのであ
る。

しかしながらかかるウエザーストリツプ１にあ
つては、前記ベンダー加工時にウエルト部２は芯
材４を中心とし、該芯材４の屈曲形状に追従して
屈曲する。その際芯材４はウエルト部２内に埋設
されており、しかも不連続状であることから、屈
曲線を正確に一定の線上に成形することは困難と
なる。このため前述のように芯材４の屈曲形状に
追従するウエルト部２の屈曲部２ａは、一定の直
線上から変位した部位に成形される場合がある。
一方ウエルト部２の前記芯材より外側の外層２ｂ
は、屈曲部２ａを堺にして外側線方向（第２図
イ，ロ方向）に張力が生じ、この張力のバランス
によつてシールリツプ３の突設方向が決定され
る。

このため、前記屈曲部２ａが一定の線上から変
位すると、前記張力がアンバランスとなり、第１
図に破線で示したように、前記シールリツプの突
設方向が一定とならない場合が生ずる。

このためシールリツプ３のシール面、シール反
力等を一定のものにすることが困難となり、均一
なシール特性が得られない不利があつた。

発明の目的 本発明は、従来のウエザーストリツプのかかる
実情に鑑みてなされたものであり、シールリツプ
の突設方向が一定となるようにすることによつ
て、シール面、シール反力の均一にし、シール特
性の向上を図ることが可能な自動車用ウエザース
トリツプ構造を提供することを目的とするもので
ある。

発明の構成 前記目的を達成するために本発明にあつては、
断面Ｕ字状であつて芯材を埋設してなるウエルト
部と、該ウエルト部の外周面に屈曲部に沿つて一
体に突設されたシールリツプとを備え、前記ウエ
ルト部が展開状態で押し出し成形した後、前記断
面形状に屈曲成形されるウエザーストリツプにお
いて、前記シールリツプの突設基部とウエルト部
の外周面間に、前記展開状態で空洞状であつて、
屈曲成形時に前記屈曲部の変形に伴つて閉塞され
る中空部を設けてある。

実施例 以下本発明の一実施例について、図面に従つて
説明する。すなわち第３，４図に示したように、
ウエザーストリツプ１１は、車体パネルに成形さ
れたフランジに嵌合するためのウエルト部１２を
備えている。該ウエルト部１２はソリツドゴムで
成形されており、又等間隔に切り込み１３が形成
された金属製の芯材１４が埋設されている。該ウ
エルト部１２の外周面には、シールリツプ１５が
突設されており、該シールリツプ１５は表層１６
とともにスポンジゴムで成形されている。このシ
ールリツプ１５の突設基部と、ウエルト部１２の
外周面間には、屈曲部１２ａに沿つて中空部１７
が形成されている。該中空部１７は、第３図に示
したようにウエルト部１２が展開された状態にお
いて、空洞Ｈを形成し、第４図に示したようにウ
エルト部１２を断面Ｕ字状に屈曲成形した際、ウ
エルト部１２の屈曲部１２ａの変形に伴つて、前
記空洞Ｈを閉塞してスリツトＳを成形する形状に
成形されている。

なお図中１８は、ウエルト部１２の内周面に形
成された保持リツプである。

次に以上の構成に係るウエザーストリツプ１１
の成形工程について説明する。まず第３図に示し
たように、平板状の芯材１４と、ウエルト部１
２、保持リツプ１８を成形するためのソリツドゴ
ムと、シールリツプ１５、表層１６を成形するた
めのスポンジゴムとを三重押出成形し、第３図に
示したウエルト部１２が展開状の成形品を得る。
このとき前記中空部１３は、この押し出し成形時
に、前記空洞Ｈが生ずるように成形する。次にこ
れによりウエルト部１２内に埋設された芯材１４
を、切り込み１３より分断する。さらに次のベン
ダー加工行程において、第４図に示したようにウ
エルト部１２を断面略Ｕ字状に屈曲成形する。こ
のとき中空部１７は、前述のようにウエルト部１
２の屈曲部１２ｂに沿つて、成形されていること
から、屈曲成形に伴う該屈曲部１２部の膨出に伴
つて序々に閉塞される。そしてこの屈曲成形が終
了すると中空部１７は、スリツトＳ状となり、前
述したイ，ロ方向への張力は、この中空部１７の
変形によつて吸収される。よつて芯材１４の屈曲
線が一定の線上から変位し、これに起因して前
イ，ロ方向への張力にアンバランスとなつても、
シールリツプ１５の突設方向が一定の線上から変
位してしまうことを防止することができる。よつ
てこのシールリツプ１５の突設方向の変位によ
り、シール反力、シール面の不均一となることを
防止し、シール特性の向上を図ることができるの
である。

発明の効果 以上説明したように本発明は、シールリツプの
突設基部とウエルト部の外周面間に、ウエルト部
が展開状態で空洞状であつて、該ウエルト部屈曲
成形の変形に伴つて閉塞される中空部を設け、該
中空部の変形によつて前記屈曲成形時にシールリ
ツプの基端部に生ずる、張力の均衝を得るように
した。よつてウエルト部の屈曲部が一定の線上か
ら変位した状態で屈曲成形されても、シールリツ
プの突設方向を一定の線上に維持することができ
る。よつてシールリツプのシール反力、シール面
を常に一定の線上に保つことができ、シール特性
の向上を図ることができる。

又本発明にあつては、このようにウエルト部の
屈曲状態に左右されることなく、シールリツプの
突設方向を一定に保つことができることから、こ
のウエザーストリツプを車体開口縁部のコーナー
部に取り付けた場合においても、シールリツプの
突設方向を一定に保つことができ、よつて、ウエ
ザーストリツプ取り付け部位の設計の自由度を向
上させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のウエザーストリツプの一例を
示す一部断面斜視図、第２図は同ウエザーストリ
ツプのウエルト部を展開した状態を示す平面図、
第３図は本発明の一実施例に係るウエザーストリ
ツプのウエルト部を展開した状態を示す斜視図、
第４図は、同ウエザーストリツプの一部断面斜視
図である。 １１……ウエザーストリツプ、１２……ウエル
ト部、１２ｂ……屈曲部、１３……切り込み、１
４……芯材、１５……シールリツプ、１７……中
空部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 断面略Ｕ字状であつて芯材を埋設してなるウ
   エルト部と、該ウエルト部の外周面に、屈曲部に
   沿つて一体に突設されたシールリツプとを備え、
   前記ウエルト部を展開状態で成形した後、前記断
   面形状に屈曲して成形するウエザーストリツプに
   おいて、前記シールリツプの突設基部とウエルト
   部の外周面間に、前記展開状態で空洞状であつて
   屈曲成形時に前記屈曲部の変形に伴つて閉塞され
   る中空部を設けたことを特徴とする自動車用ウエ
   ザーストリツプ構造。