JPH0212526B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、コンバインの刈取部支持装置に係る
ものである。

（従来技術） 従来のコンバインは、圃場の穀稈を刈取る刈取
部と、刈取つた穀稈を脱穀選別する脱穀部と、走
行部と、その他の付属装置とによつて構成されて
いる。

そして、刈取部は、その支持フレームの上端を
脱穀部側フレームに軸止し、下方の油圧装置を伸
縮させて、圃場の乾湿または稲の生育状態に応じ
て上下回動調節するとともに、路上走行や畦越え
時等においては、前記油圧装置を一杯に伸長させ
て、最高位置まで上昇させるようにしていた。

なお、特開昭52−145131号公報には別途の油圧
装置を伸縮させて刈取部のうち、引起装置のみを
上下の方向に移動調節させる技術が記載されてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） 前記公知のコンバインの刈取部は、その支持フ
レームの上端を脱穀部側フレームに軸止し、下方
の油圧装置を伸縮させて、上下回動調節する構成
のため、特に、刈取部と脱穀部の間の点検・整
備・調整に問題があつた。特開昭52−145131号公
報記載のものは、別途設けた油圧装置を伸縮させ
て、引起装置を上下の方向に移動調節させるが、
搬送装置は前後移動させないから、搬送装置と脱
穀部の引継部のメンテナンスは殆ど不能であつ
た。

（問題を解決するための手段） よつて本発明は、走行部２の上方に穀稈供給チ
エン８と穀稈挾扼杆１０が機体進行方向である脱
穀部５を設け、該脱穀部５の前方には、分草体１
５と引起装置１６と刈刃１７と搬送装置１８，１
９とを一つものとして枠組構成した刈取部１１を
形成し、該刈取部１１は前記走行部２および脱穀
部５に対して上下回動移動および前後摺動移動で
きるように取付たコンバインの刈取部支持装置と
したもので、引継部のメンテナンスを容易に行な
われるようにしたものである。

（実施例） 本発明の実施例を図により説明すると、１はコ
ンバイン、２は走行部、３は走行クローラ３，４
は走行フレーム、５は脱穀部、１１は刈取部であ
る。

脱穀部５は、脱穀用扱胴を有する扱室６と、選
別装置を収納する選別室７を備えており、扱室６
の側方には、無端状の穀稈供給チエーン８と、圧
縮コイルばね９によつて穀稈供給チエーン８側へ
弾着される穀稈挾扼杆１０とが設けられる。

刈取部１１は、分草体１５、引起装置１６、刈
刃１７、穂先搬送装置１８、根元搬送装置１９を
一つものとして枠組構成したものである。１２は
刈取部１１の支持フレームで、支持フレーム１２
の下端部には、これとＴ字状をなすごとく刈取ギ
ヤボツクス１３が設けられ、刈取ギヤボツクス１
３から地面に沿つて前方に延びる複数個の分草杆
１４が取付けられる。

この分草杆１４の先端には、圃場の穀稈を掻き
分ける分草体１５が設けられており、その後方に
は、分草した穀稈を垂直状態に起立させる複数個
の引起装置１６が、上端部を後方へ傾倒させた状
態で設けられている。

そして、分草杆１４の後端部には、起立した穀
稈の根元部を刈取るバリカン状の刈刃１７が地面
に近接して支架されている。また、この刈刃１７
の上方には、刈取られた穀稈を脱穀部５へ搬送す
る穂先搬送装置１８と根元搬送装置１９とが装架
されている。２０は、刈取部１１の左右両側方に
設けたサイドカバーである。

以上の刈取部１１は、上部結合金具２１と下部
支持装置２２とによつて脱穀部５または機体フレ
ームに取付けられている。

上部結合金具２１は、脱穀部５の穀稈供給チエ
ーン８の供給側に設けた軸止金具２３と、前記支
持フレーム１２の上端の軸止金具２４との間に設
けられる。

軸止金具２４には、回動自在のリンク２５とレ
バー２６とを軸止する。リンク２５は、２個のレ
バー２７，２８によつて形成され、レバー２８は
軸止金具２４に軸止され、レバー２７は軸止金具
２３に軸止される。２個のレバー２７，２８を伸
張したときの全長は、レバー２６のほぼ２倍に形
成されており、また、リンク２５とレバー２６と
は、軸止金具２３に対して同時に枢着可能である
とともに、それぞれを独立して選択的に枢着可能
なるごとく構成されている。

すなわち、これによつて刈取部１１の軸止金具
２４は、搬送装置１８，１９の終端部を脱穀部５
に対して近接させたり離間させたりするごとく脱
穀部５に対する前後方向へ進退自在に形成されて
いる。

また、前記下部支持装置２２は、脱穀部５の下
端部から前方へ突設された支持アーム２９と、そ
の先端部と支持フレーム１２の下端部とに両端部
を回動自在に枢着されてこれらを連結する連結レ
バー３０とを備えており、この連結レバー３０と
走行フレーム４との間には、伸縮自在な油圧装置
３１が装着されている。

そして、この油圧装置３１を操縦席から操作す
ることにより、刈取部１１は支持アーム２９先端
の枢着部を中心に揺動するが、第１図に示すごと
く刈取部１１と脱穀部５とが、レバー２６で連結
されていて、伸縮非自在となる上部結合金具２１
により結合されているときは、刈取部１１は支持
アーム２９先端と軸止金具２３の軸止部を中心に
上下調節される。

第２図に示すごとく刈取部１１と脱穀部５とが
伸縮自在の上部結合金具２１により結合されてい
るときは、油圧装置３１が伸長すると、分草体１
５の先端が接地したまま、リンク２５は伸長し、
搬送装置１８，１９の上端部は脱穀部５から離れ
ることになり、手刈りにより刈取つた穀稈を脱穀
部に供給できる。

さらに、刈取部１１の側方には、機台の各部を
操作する各種のレバー類を備えた操作ボツクス３
２が設けられる。

第５図の３３はシリンダー、３４はリンク杆で
ある。

（作用） 次に作用を述べる。

上部結合金具２１を第１図の状態、すなわち、
軸止金具２３と軸止金具２４との間にレバー２６
の両端が軸止されて、上部結合金具２１は伸縮非
自在の状態で圃場に入つたときは、穀稈の状態に
より油圧装置３１を伸縮させると、分草体１５と
引起装置１６と刈刃１７と搬送装置１８，１９と
を一つものとして枠組構成した刈取部１１は、軸
止金具２３および支持アーム２９の軸着部を中心
に上下回動して刈高さ位置が調節される。なお、
油圧装置３１を一杯に伸長させると、前記刈取部
１１は、高く上動し、高い畝があつても、造作な
くこれを越えて、前進し、隣接圃場を刈取脱穀す
る。

刈高さ位置調節後前進すると、分草体１５によ
り分草し、引起装置１６で引起し、刈刃１７で刈
取り、穂先搬送装置１８と根元搬送装置１９とで
搬送し、穀稈供給チエーン８と穀稈挾扼杆１０と
に引継ぎ扱室６に供給して脱穀する。

前記コンバイン１による刈取りは、圃場の四隅
は刈取れないから刈残しとなり、これらは手刈り
により刈取る。手刈りによる刈取りが終つたら、
レバー２６の軸止金具２３に対する軸着を解除
し、リンク２５のレバー２７とレバー２８は伸び
る状態とし、この状態で油圧装置３１を伸長する
と自重で刈取部１１は地面上を摺りながら前進
し、軸止金具２３と軸止金具２４との間を広く拡
大させる。

したがつて、穀稈供給チエーン８と穀稈挾扼杆
１０との供給部に、手刈り穀稈を供給することが
できる。また、穀稈供給チエーン８と穀稈挾扼杆
１０の供給部のメンテナンスが出来る。

（効果） 従来のコンバインは、圃場の穀稈を刈取る刈取
部と、刈取つた穀稈を脱穀選別する脱穀部と、走
行部と、その他の付属装置とによつて構成されて
いる。そして、刈取部は、その支持フレームの上
端を脱穀部側フレームに軸止し、下方の油圧装置
を伸縮させて、圃場の乾湿または稲の生育状態に
応じて上下回動調節するとともに、路上走行や畦
越え時等においては、前記油圧装置を一杯に伸長
させて、最高位置まで上昇させるようにしてい
た。なお、特開昭52−145131号公報には別途の油
圧装置を伸縮させて刈取部のうち、引起装置を上
下の方向に移動させる技術が、記載されている。

前記公知のコンバインの刈取部は、その支持フ
レームの上端を脱穀部側フレームに軸止し、下方
の油圧装置を伸縮させて、上下回動調節する構成
のため、特に、刈取部と脱穀部の間の点検・整
備・調整に問題があつた。特開昭52−145131号公
報記載のものは、別途設けた油圧装置を伸縮させ
て、引起装置を上下の方向に移動調節させるが、
搬送装置は前後移動させないから、搬送装置と脱
穀部の引継部のメンテナンスは殆ど不能であつ
た。

しかるに本発明は、走行部２の上方に穀稈供給
チエン８と穀稈挾扼杆１０が機体進行方向である
脱穀部５を設け、該脱穀部５の前方には、分草体
１５と引起装置１６と刈刃１７と搬送装置１８，
１９とを一つものとして枠組構成した刈取部１１
を形成し、該刈取部１１は前記走行部２および脱
穀部５に対して上下回動移動および前後摺動移動
できるように取付たコンバインの刈取部支持装置
としたもので、引継部のメンテナンスを容易に行
なわれる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は上部結合金具を伸縮非自在の状態とし
たコンバインの側面図、第２図は上部結合金具を
伸縮自在の状態としたコンバインの側面図、第３
図は上部結合金具の拡大側面図、第４図abcは上
部結合金具の結合例図、第５図は上部結合金具の
別の実施例図である。 符号の説明 １…コンバイン、２…走行部、３
…走行クローラ、４…走行フレーム、５…脱穀
部、６…扱き室、７…選別室、８…穀稈供給チエ
ン、９…圧縮コイルばね、１０…穀稈挾扼杆、１
１…刈取部、１２…支持フレーム、１３…刈取ギ
ヤボツクス、１４…分草杆、１５…分草体、１６
…引起装置、１７…刈刃、１８…穂先搬送装置、
１９…根元搬送装置、２０…サイドカバー、２１
…上部結合金具、２２…下部支持装置、２３…軸
止金具、２４…軸止金具、２５…リンク、２６…
レバー、２７…レバー、２８…レバー、２９…支
持アーム、３０…連結レバー、３１…油圧シ装
置、３２…操作ボツクス、３３…シリンダ、３４
…リンク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行部２の上方に穀稈供給チエン８と穀稈挾
   扼杆１０が機体進行方向である脱穀部５を設け、
   該脱穀部５の前方には、分草体１５と引起装置１
   ６と刈刃１７と搬送装置１８，１９とを一つもの
   として枠組構成した刈取部１１を形成し、該刈取
   部１１は前記走行部２および脱穀部５に対して上
   下回動移動および前後摺動移動できるように取付
   たコンバインの刈取部支持装置。