JPH02121Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、刃身に力を加え易い緩衝片を備えた
刃物に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種の例として実開昭53−31661号公
報記載の当て板付調理用刃物および実開昭48−
52661号公報記載の包丁があつた。

前者は、把手に刃身の峰に平行に接して出し入
れされる当て板を収納してなるものである。

後者は、包丁の峰元が段違いになりその上を指
のせ台を把手内のすべり台（収納溝）から出し入
れ自在に設けたものである。

（考案が解決しようとする課題） 従来は、前記の通りであつたため、両者とも当
て板および指のせ台が刃身の上縁を摺動するだけ
であるため、当て板および指のせ台が刃身から外
れる恐れがあり、またこの当て板および指のせ台
は単に把手の収納溝内に嵌入されるだけであるた
め、永年使用中に把手の収納溝が摩耗により拡大
されたり、或いは当て板および指のせ台が摩耗に
より切削されるため、包丁の刃身を下方に傾ける
際、当て板および指のせ台が把手の収納溝から出
てきてしまう不具合があることが問題となつてい
た。

本考案は、このような欠点に鑑み、緩衝片が刃
身から外れることがなく、緩衝片の収納時の固定
が確実である緩衝片を備えた刃物を提供すること
を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、刃身の中子を把手に固定してなる刃
物において、刃身の棟側に摺動溝を中子から切先
に向けて穿設して摺動溝の棟側に摺動軸を形成
し、刃身の棟側に対応する把手の一側の長手方向
に沿わせて収納溝を設け、前記摺動軸と同一長の
直方体型の緩衝片の長手方向に前記摺動軸に対応
する摺動孔を貫通させ、この緩衝片の摺動孔を前
記摺動軸に摺動自在に嵌入させると共に、把手の
収納溝に摺動自在に挿入し、緩衝片の把手側の基
端部上縁に固定孔を設け、この固定孔に対応し、
かつ固定孔に挿脱自在である止め具を把手の刃身
と対向する基端部に設けてなるものである。

（作用） 本考案の作用を説明する。

本考案に係る緩衝片を備えた刃物を使用する
際、把手の基端部の止め具を緩衝片の固定孔から
外して緩衝片を把手の収納溝内から引き出し、刃
身の棟側の摺動軸上を摺動させ、刃身の棟側中央
付近まで引き出して刃身の棟側を被覆する。使用
者はこの緩衝片上から刃身を手で押さえて硬いも
のを切ることができる。この際、緩衝片は摺動軸
を包囲した状態で摺動孔を介して摺動するため、
永年使用中、例え緩衝片の摺動孔が摩耗により拡
大されても緩衝片が刃身の摺動軸から脱落するこ
とがない。

使用後、緩衝片を把手の収納溝内に戻し、止め
具が緩衝片の固定孔に挿入して緩衝片を把手に固
定する。

また、軟らかいもの、高さの高いものを切る
際、或いは刃物を洗浄する際にも緩衝片は把手の
収納溝内に固定孔および止め具により確実に固定
されているため、緩衝片は刃身側に出てくること
がないので、作業の邪魔にならない。

（実施例） 本考案の実施例を図に基づいて説明する。

第１図〜第６図に示すように、本考案に係る緩
衝片を備えた刃物１は以下の構成からなるもので
ある。

刃身２の中子５を把手１０に固定してある。

刃身２の棟３側に摺動溝４を中子５側の基端か
ら切先６に向けて穿設して摺動溝４の棟３側に、
中子５内方に端部を有し、刃身２の棟３側中央付
近まで摺動軸７を形成してある。

一方、刃身２の棟３側に対応する把手１０の一
側の長手方向に沿わせて前記摺動軸７と同一長の
収納溝１１を設けてある。

前記摺動軸７と同一長の直方体型の緩衝片８の
長手方向に前記摺動軸５と同一断面形状の摺動孔
９を貫通させてある。

この緩衝片８の摺動孔９を前記摺動軸７に摺動
自在に嵌入させると共に、把手１０の収納溝１１
に摺動自在に挿入してある。

緩衝片８の把手１０側の基端部上縁に固定孔１
２を設けてある。

この固定孔１２に対応し、かつ固定孔１２に挿
脱自在である止め具１３を把手１０の刃身２と対
向する基端部に設けてある。本実施例の止め具１
３はフツク型のものであり、回動させて固定孔１
２に挿脱自在としてある。

なお、図中１４はリベツト、１５は支持孔を示
す。

また、本実施例において、摺動軸７、緩衝片８
および収納溝１１をすべて同一長にしてあるの
は、緩衝型８を把手１０の収納溝１１内から引き
出し、緩衝片８を摺動軸７上を摺動させ、刃身２
の棟３側中央付近まで刃身２の棟３を被覆する
際、摺動軸７が緩衝片８から突出することをなく
すためであり、収納溝１１内を洗浄する場合にも
邪魔にならない。

また、止め具１３はフツク型のものであるが、
必ずしもこれに限定されるものではない。

（考案の効果） 本考案に係る緩衝片を備えた刃物によれば、刃
身の中子を把手に固定してなる刃物において、刃
身の棟側に摺動溝を中子から切先に向けて穿設し
て摺動溝の棟側に摺動軸を形成し、刃身の棟側に
対応する把手の一側の長手方向に沿わせて収納溝
を設け、前記摺動軸と同一長の直方体型の緩衝片
の長手方向に前記摺動軸に対応する摺動孔を貫通
させ、この緩衝片の摺動孔を前記摺動軸に摺動自
在に嵌入させると共に、把手の収納溝に摺動自在
に挿入し、緩衝片の把手側の基端部上縁に固定孔
を設け、この固定孔に対応し、かつ固定孔に挿脱
自在である止め具を把手の刃身と対向する基端部
に設けてあるため、硬いものを切る際、緩衝片の
固定孔ら止め具を外して緩衝片を把手の収納溝内
から引き出して、刃身の摺動軸上を摺動させて刃
身の棟側の中央付近まで引き出して刃身の棟側を
被覆して刃身を手で押さえて切ることができ、手
に加わる力を緩衝させ、手を保護し、かつ刃身に
力が加え易い。また、緩衝片は刃身の摺動軸を包
囲した状態で摺動孔を介して摺動するため、永年
使用中、例え緩衝片の摺動孔が摩耗により拡大さ
れても緩衝片が刃身の摺動軸から脱落することが
ない。

また、軟らかいもの、高さの高いものを切る
際、或いは刃身を洗浄する際、緩衝片を把手の収
納溝内に戻し、把手の止め具を緩衝片の固定孔に
挿入し、緩衝片を把手の収納溝内に確実に固定で
きるので、緩衝片が刃身の棟側に出てくることが
なく、作業の邪魔になることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る緩衝片を備えた刃物の使
用状態の斜視図、第２図は緩衝片を収納した状態
の斜視図、第３図は第１図Ｘ−Ｘ線断面図、第４
図は第１図Ｙ−Ｙ線断面図、第５図は把手基端部
の断面図、第６図は刃身の正面図である。 主要部分の符号の説明、１……緩衝片を備えた
刃物、２……刃身、３……棟、４……摺動溝、５
……中子、６……切先、７……摺動軸、８……緩
衝片、９……摺動孔、１０……把手、１１……収
納溝、１２……固定孔、１３……止め具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刃身２の中子５を把手１０に固定してなる刃物
   において、 刃身２の棟３側に摺動溝４を中子５から切先６
   に向けて穿設して摺動溝４の棟３側に摺動軸７を
   形成し、刃身２の棟３側に対応する把手１０の一
   側の長手方向に沿わせて収納溝１１を設け、前記
   摺動軸７と同一長の直方体型の緩衝片８の長手方
   向に前記摺動軸７に対応する摺動孔９を貫通さ
   せ、この緩衝片８の摺動孔９を前記摺動軸７に摺
   動自在に嵌入させると共に、把手１０の収納溝１
   １に摺動自在に挿入し、緩衝片８の把手１０側の
   基端部上縁に固定孔１２を設け、この固定孔１２
   に対応し、かつ固定孔１２に挿脱自在である止め
   具１３を把手１０の刃身２と対向する基端部に設
   けてなる緩衝片を備えた刃物。