JPH0211945Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はリングローリングミルに係り、殊に
リング状工作物の内外径のいづれか一方もしくは
両方にプロフアイル成形圧延加工を行うリングロ
ーリングミルであつて、プロフアイル成形用の型
の部分を有するメインロールもしくはマンドレル
ロールの上記プロフアイル成形用の型の部分と下
側のアキシヤルロールとの上下高さの調整が、上
記アキシヤルロールを支持しているアキシヤルキ
ヤリツジをスライドレールに上下動微調整可能に
装架することによつて、容易に行えるようにした
リングローリングミルに関する。

従来第１図に断面図で示した如き内径または外
径にプロフアイルを有するリング状工作物を圧延
成形するリングローリングミルは、第２図に示し
たようにプロフアイル成形用の型の部分ｂを有す
るロールスリーブａの下面とメインロールｅ（も
しくはマンドレルロールｆ）のロールシヤフトｃ
の鍔面との間にシムｄを挟み、且つそのシムｄの
厚みを変える−厚みの異なるシムと差替える−こ
とによつて上記ロールスリーブａの高さを調節し
ていた。

尚図において符号ｇは上部アキシヤルロールで
あつてアキシヤルキヤリツジｊに上下動調節可能
に装着してあり、符号ｈは下部アキシヤルロール
であつてアキシヤルキヤリツジｊに固定してあ
る。該アキシヤルキヤリツジｊはベツドｍに固設
したスライドレールｎに直線案内軸受ｐを介して
左右動可能に搭載してある。ｋはアームであつ
て、マンドレルロールｆの上部軸受を支持してお
り、ｌはワーク支え板であつて簡単な平行リンク
機構等によつて上下高さ調節可能であり、リング
状工作物ｗを前記下部アキシヤルロールｈに正し
く載せるようになつている。

前述の通り、従来のリングローリングミルにお
いてはシムを手で差替えてロールスリーブａの高
さを調節し、プロフアイル成形用の型の部分ｂと
下部アキシヤルロールｈとの相対高さを合はせて
いたのであるが、このメインロールｅおよびマン
ドレルロールｆの下部は強力に軸受支承され、且
つ回転駆動機構等が組み込まれていて上下高さ調
節機構を組込む余地がなく、もし上下高さ調節機
構を組込んだとしても強大な圧延荷重が直接に掛
ることになり、然もスケール取りのための大量の
注水を浴びるから寿命が著しく低下するので、前
記のように従来はシムｄを用いていたのである
が、この作業は非常に困難な作業であつて、殊に
アキシヤルロールの面は圧延加工時の強大な圧延
力によつて摩耗、損傷が甚しいからアキシヤルロ
ール面との相対的な関係を維時するためにこのシ
ム取替え作業は頻繁に行はねばならぬが、上記相
対的な高さの測定がやりにくいことにも起因して
適切なシム厚さの選定が一遍にはできず、何回も
繰り返すことになる上、これらのロールは重量が
重く、作業余地も狭く、また作業姿勢も不安定で
あるから危険な作業でもあつた。

本考案は上記従来の問題を解消するものであつ
て、冒頭に述べた通りアキシヤルロールを支持し
ているアキシヤルキヤリツジを、該アキシヤルキ
ヤリツジをメインロールに向つて前後進可能に搭
載したスライドレールに対して釦操作またはハン
ドル操作などによつて上下動微調整可能に装架し
たことを特徴とするものである。

以下図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
第３図においてアキシヤルキヤリツジ１は横断面
図で示してあり、然も左側の部分のみが示されて
いる。尚本図は後出第４図の−断面図であ
る。符号２はベツドであつてスライドレール３が
紙面に直角の方向に延びて固設してある。上記ア
キシヤルキヤリツジ１に軸受５を介して回転自在
に偏心軸４のジヤーナル４２が図示の如く装着し
てある。該偏心軸４の前記ジヤーナル４２と同心
の右端４３にウオームギヤ６１が固設してあり、
該ウオームギヤ６１はウオーム６２と噛合してい
て図示しない駆動源（モータもしくはハンドル
等）によつて微少な回転を前記偏心軸４に与え得
るようになつている。偏心軸４の偏心部分４１に
は直線案内軸受支持部材７が回動可能に装着して
ある。該直線案内軸受支持部材７には直線案内軸
受８が図示の如く３個装着してあり、その内上下
の２個でスライドレール３の上下のスライド面を
挟持し、残りの１個はスライドレール３の背面に
接している。

図の実施例装置において、ウオーム６２を釦操
作またはハンドル操作などによつて回転し、ウオ
ームギヤ６１及び偏心軸４を微少量回動させる
と、該偏心軸の偏心部分は該部分に装着した直線
案内軸受支持部材７、直線案内軸受８によつてス
ライドレール３に上下高さが拘束されているから
偏心軸のジヤーナル４２の軸心の高さが変化し、
従がつてアキシヤルキヤリツジ１の高さが変化す
る。即ちアキシヤルキヤリツジ１に固着した下部
アキシヤルロールｈのスライドレール３（ベツド
２）に対する高さを精密に調整することができ
る。

尚前記直線案内軸受支持部材７はアキシヤルキ
ヤリツジ１に対して一般に左右前後に各２個づつ
計４個設置してあるので、それぞれの偏心軸４個
を互いに連結棒で連結し、１組のウオーム減速機
６及び１個の回転駆動源によつて全部の偏心軸を
同期して回動させることが望ましく、そのために
偏心軸４の左端部分４４を前記ジヤーナル４２と
同心に延在し、該部分４４にコンロツド１０を介
して連結棒１１が取り付けてある。

第４図に上記連結棒１１で前後の偏心軸を連結
した状態が示してある。本図は第３図の矢視図
であつて、上部アキシヤルロールｇと下部アキシ
ヤルロールｈを備えたアキシヤルキヤリツジ１の
側面が示してある。該アキシヤルキヤリツジ１は
前部直線案内軸受８１および後部直線案内軸受８
２によつてスライドレール３の前後部に装架して
ある。そして前後の偏心軸１３，１４は連結棒１
１によつて連結してあり、後部の偏心軸１４に前
記ウオーム減速機６が装着してある。符号１２は
上記ウオーム減速機６を回転駆動する電動機であ
る。

このように前後の偏心軸１３，１４（好ましく
は更に左右の偏心軸）を互いに連結し、同期させ
て回動するこにより、アキシヤルキヤリツジ１を
水平を保つたまゝ安定的、且つ精密に上下動微調
整すことができる。

第５図に示したものは本考案の他の実施例であ
つて、上記偏心軸の代りにねじリフト機構を用い
たものである。図においてアキシヤルキヤリツジ
１の枠体にウオーム減速機６が設けてある。符号
６１はウオームギヤ、６２はウオームである。ウ
オームギヤ６１の軸２０はアキシヤルキヤリツジ
１に軸受２２よつて回転自在に支承してあり、中
間に雄ねじ２１が形成してある。一方ベツド２に
はスライドレール３が紙面に直角方向に延びて固
設してある。符号３０は直線案内軸受支持部材で
あつて図示の如く３個の直線案内軸受８が装着し
てあり、その内上下一対の直線案内軸受でスライ
ドレール３の上下のスライド面を挟持し、残りの
１個はスライドレール３の背面に接している。

上記直線案内軸受支持部材３０には雌ねじ３１
が形成してあつて前記軸２０の雄ねじ２１と螺合
しており、前記ウオーム減速機６と共にねじリフ
ト機構を構成している。

この第２の実施例装置においても前述の第１の
実施例装置と同様にウオーム６２を釦操作もしく
はハンドル操作などによつて回転し、ウオームギ
ヤ６１及び軸２０を微少量回動させると、該軸２
０の雄ねじ部分２１がスライドレール３によつて
上下高さが拘束されている直線案内軸受支持部材
３０の雄ねじ３１と螺合しているから、前記軸２
０が上下し、従がつてアキシヤルキヤリツジ１が
スライドレール３（ベツド２）に対して上下動す
る。かくて下部アキシヤルロールｈの高さを微調
整することができる。

上述の通り本考案装置によれば、従来非常に困
難であつたプロフアイル成形用の型の部分の高さ
調節を容易に且つ精密に行うことができるから精
密なプロフアイル成形圧延加工が可能となり、且
つその精度を維持することが容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はプロフアイル成形したリング状工作物
の部分横断面図、第２図は従来のプロフアイル成
形リングローリングミルの一般的な構成を示す正
面図、第３図は本考案の一実施例を示すアキシヤ
ルキヤリツジの部分断面図で第４図の−断面
図、第４図は第３図の矢視図、第５図は本考案
の他の実施例を示すアキシヤルキヤリツジの部分
断面図である。 符号の説明、１……アキシヤルキヤリツジ、３
……スライドレール、４……偏心軸、６……ウオ
ーム減速機、７……直線案内軸受支持部材、８…
…直線案内軸受、１１……連結軸、３０……直線
案内軸受支持部材、ｅ……メインロール、ｆ……
マンドレルロール、ｈ……下部アキシヤルロー
ル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) リング状工作物の内外径にそれぞれ位置し、
   互いに協働して半径方向の圧延を行うメインロ
   ール及びマンドレルロールと、上記リング状工
   作物の軸方向の圧延を行う上下一対のアキシヤ
   ルロールと、該アキシヤルロールを支持し、且
   つ前記メインロールに向つて前後進するアキシ
   ヤルキヤリツジとを備え、上記リング状工作物
   の内外径のいづれか一方もしくは両方にプロフ
   アイル成形圧延加工を行うリングローリングミ
   ルであつて、上記アキシヤルキヤリツジを上記
   前後進用のスライドレールに上下動微調整可能
   に装架したことを特徴とするリングローリング
   ミル。 (2) アキシヤルキヤリツジの枠体に回動自在に取
   付けた偏心軸と、該偏心軸の偏心部に回動自在
   に設けた直線案内軸受支持部材と、該直線案内
   軸受支持部材にスライドレールを挟持する如く
   設けた上下一対の直線案内軸受とを備え、且つ
   前記偏心軸を不可逆的に回動させる回動手段を
   上記アキシヤルキヤリツジの枠体に設けてある
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のリングローリングミル。 (3) アキシヤルキヤリツジの枠体に回動自在に、
   且つ中心軸線が上下に延びるように設けたねじ
   軸と、該ねじ軸に螺合する雌ねじを螺設した直
   線案内軸受支持部材と、該直線案内軸受支持部
   材にスライドレールを挟持する如く設けた上下
   一対の直線案内軸受とを備え、且つ上記ねじ軸
   を不可逆的に回動させる回動手段を上記アキシ
   ヤルキヤリツジの枠体に設けてあることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載のリ
   ングローリングミル。