JPH0211802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、オーデイオ製品等の構成部品である
フレームとサブパネル等のように、２つの板状部
材を仮止めするための板状部材の仮止め構造に関
する。

（従来の技術） 一般にオーデイオ製品等にはシヤーシ等のフレ
ームに断面が「Ｌ」字状に形成されたサブパネル
等を取り付けるようにしたものが使用されている
が、従来より、これらの板状部材を仮止めするに
最適なものはなく、その組立及び取付作業が煩雑
となつていた。

従来、第１図に示すように、断面略「コ」字状
に形成された上ケース２１と下ケース２４とを係
合させる構造として、上ケース２１の折曲部２２
に係合用孔２３を形成すると共に下ケース２４に
は上記係合用孔２３に対応する係合用舌片２５を
形成して両者を係合させ、両ケース２１，２４を
ビス止めするようにしたものが提供されている。

また、シヤーシとサブパネルとの仮止め手段と
しては、従来は、一方の板状部材に係合ダボを突
成すると共に他方の板状部材には係合用穴を形成
して両者を係合さる程度のものであつた。

しかし、第１図に示すものはビス止前の仮止め
状態においては、単に、係合用舌片２５が係合用
孔２３内に挿入されただけの状態であるから両ケ
ース２１，２４にガタが生じたり、また、甚だし
い場合には係合用舌片２５が抜脱して両ケース２
１，２４が係合しなくなる等の不都合があり、板
状部材を仮止めする場合にはこれをそのまま用い
ることはできない。

また、単に両板状部材に係合ダボと係合用穴を
形成して両者を係合させるだけの手段では、両部
材が重量物の場合には係合力が不足し、逆に薄手
の部材の場合には板状部材の撓み等により適確に
係合保持されない等の欠点があつた。

（考案の目的） 本考案の目的は上記した従来の欠点を解消し、
板状部材を容易かつ適確に仮止めすることができ
る板状部材の仮止め構造を提供することにある。

（考案の構成） 本考案の板状部材の仮止め構造は、フレームに
サブパネルを取り付ける場合等のように、一方の
板状部材と他方の板状部材とを仮止めしておくた
めに両板状部材のいずれか一方には係合ダボを突
成すると共に他方には上記係合ダボに係合する係
合用穴を設けてなる板状部材の仮止め構造におい
て、一方の板状部材の先端部には２本の切欠溝を
形成すると共にその残存片を屈曲させることによ
り該板状部材の肉厚分だけ位置をずらした係合用
舌片を設け、他方の板状部材の先端部には打ち出
し加工により上記係合用舌片を収容し得る挿入孔
を備えた係合用突部を設けて、上記係合ダボと係
合用穴とによる係合手段をこの係合用舌片と係合
用突部との接合部に設けたものである。

（実施例） 本考案の実施例を第２図乃至第５図に基づいて
説明するに、図中、１は断面が略「Ｌ」字状に形
成された一方の板状部材であり、図示例ではサブ
パネルが示されている。２は該一方の板状部材１
を取り付けるベき他方の板状部材であり、シヤー
シ等のフレームが示されており、上記一方の板状
部材１の側面３を上記他方の板状部材２の先端部
２ａ外側面に重合させるようにして取り付けるも
のである。

４は一方の板状部材１の先端部に形成される係
合用舌片であつて、上記側面３の先端部３ａを打
ち抜き加工して切欠溝５，５を設けることにより
その残存片を屈曲させ、側面３より板厚分だけ内
側に設けられており、その中央には後に説明する
係合ダボ９のための係合用孔６が形成されている
と共にその先端には「Ｖ」字状のガイド用の切欠
部７が設けられている。

８は上記他方の板状部材２の先端部２ａを打ち
抜き加工することにより板厚分だけ外側に突出し
て形成された係合用突部であり、従つて、その内
側には上記係合用舌片６を収容し得るようにした
挿入孔１０が形成されることとなる。この係合用
突部８の内側面には上記係合用孔６に嵌合するよ
うにした半球状の係合ダボ９が設けられている。

なお、図示例においては係合用舌片４は一方の
板状部材１に、係合用突部８は他方の板状部材２
に夫々形成されているが、これが逆になつてもよ
いことは勿論であり、また、係合用孔６は係合用
舌片４に、係合ダボ９は係合用突部８の内側の
夫々形成されているがこれが逆に設けられてもよ
い。

次に、一方の板状部材１と他方の板状部材２の
仮止めについて説明する。

係合用舌片４を係合用突部８に対向するように
一方の板状部材１の側面３を他方の板状部材２の
先端部２ａ外側面に沿わせて一方の板状部材１を
図面において右方向に摺接させると、係合用舌片
４が他方の板状部材２の挿入孔１０内に挿入さ
れ、係合用突部８内に嵌入することとなる。この
際、係合用突部８の係合ダボ９は上記切欠部７に
より適確にガイドされ、係合用舌片４の板バネ効
果により上記係合用孔６に嵌入して前後左右にガ
タが生ずることなく適確に仮止めされる。

従つて、上記仮止め状態だけで一方の板状部材
１と他方の板状部材２との位置ずれは防止され、
その後の他の部材とのビス止等の作業時に位置ず
れが生じたりする虞はない。

（考案の効果） 本考案に係る板状部材の仮止め構造によれば、
フレームにサブパネルを取り付ける場合等のよう
に、一方の板状部材と他方の板状部材とを仮止め
するに際し、一方の板状部材の先端部に設けた係
合用舌片を他方の板状部材の先端部に形成された
係合用突部の内側の挿入穴に挿入するだけで容易
に組立てることができ、このとき係合用舌片の板
バネ効果と、係合用舌片と係合用突部との接合部
に形成された係合ダボ及び係合用穴の係合によ
り、係合状態を確実に保持させることができる。

従つて、従来のように仮止めのためのビス止め
等は不要となると共に仮止めすべき板状部材が重
量物であつたり薄手のものであつても確実に仮止
めすることができ、後工程のビス止め等をロボツ
トで行う場合等においても位置ずれがないため適
確に組み立てることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の上下ケースを係合させる構造を
示す斜視図、第２図乃至第５図は本考案に係る板
状部材の仮止め構造の実施例を示し、第２図は仮
止め前の状態を示す斜視図、第３図は仮止め状態
を示す斜視図、第４図は第３図のＡ−Ａ線断面
図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線断面図である。 １：一方の板状部材、２：他方の板状部材、
４：係合用舌片、５，５：切欠溝、６：係合用
孔、８：係合用突部、９：係合ダボ、１０：挿入
孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレームにサブパネルを取り付ける場合等のよ
   うに、一方の板状部材と他方の板状部材とを仮止
   めしておくために両板状部材のいずれか一方には
   係合ダボを突成すると共に他方には上記係合ダボ
   に係合する係合用穴を設けてなる板状部材の仮止
   め構造において、 一方の板状部材の先端部には２本の切欠溝を形
   成すると共にその残存片を屈曲させることにより
   該板状部材の肉厚分だけ位置をずらした係合用舌
   片が設けられ、他方の板状部材の先端部には打ち
   出し加工により上記係合用舌片を収容し得る挿入
   孔を備えた係合用突部が設けられ、上記係合ダボ
   及び係合用穴は上記係合用舌片と係合用突部との
   接合部に形成されていることを特徴とする板状部
   材の仮止め構造。