JPH0211614B2 - - Google Patents

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JPH0211614B2
JPH0211614B2 JP60094584A JP9458485A JPH0211614B2 JP H0211614 B2 JPH0211614 B2 JP H0211614B2 JP 60094584 A JP60094584 A JP 60094584A JP 9458485 A JP9458485 A JP 9458485A JP H0211614 B2 JPH0211614 B2 JP H0211614B2
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thiophene
polymer
naphtho
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dihydronaphtho
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Nobuo Uotani
Masao Kobayashi
Haruo Yoshida
Takashi Ikezaki
Hiroshi Konuma
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Showa Denko KK
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は極めて安定でドーピングにより極めて
高い電導性を示す新規な電導性重合体に関し、更
に詳しくは、くり返し単位として一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
オ基から選ばれた置換基を表わす)で表わされる
ナフト〔2,3―C〕チオフエン構造を有する重
合体の製造方法に関する。 この重合体は電気・電子工業の分野において電
極、エレクトロクロミツク表示素子、固体コンデ
ンサー、太陽電池等の製造に用いることができ
る。 〔従来の技術〕 近年、電気・電子機器の軽量化、薄形化或いは
小型化の進歩は著しく、それらに用いられる各種
素子等についても、軽量化、薄形化或いは小型化
への要望が強いばかりでなく、より優れた新規材
料の出現に強い期待が持たれている。これらの要
望或いは期待を満たすべく従来から新しい電導性
高分子の開発が盛んに行なわれている。例えば、
ポリアセチレンは、ヨウ素或いは五フツ化ヒ素な
どをドープすることにより、102〜103s/cmもの
高い電導度を示すこと〔例えばシンセテイツクメ
タルズ(Synthetic Metals)1(2)、101(1979/
1980)参照〕、充放電特性が優れていることから
二次電池の電極材料として検討されているばかり
でなく、光の吸収特性が太陽光のそれに近いこと
などの理由で太陽電池材料としても検討されてい
る。 しかしながら、ポリアセチレンは、それ自体酸
化され易く、またドープしたポリアセチレンは湿
気に対しても極めて敏感であるという欠点をもつ
ている。 一方ポリチオフエンは、その共役構造がシス型
ポリアセチレンに類似し、硫黄原子を含むという
その特異的な電子構造の故に、電導性材料として
或いは電池電極材料としての使用が検討されてい
るのみならず、エレクトロクロミツク材料として
の使用も検討されている。例えば、エー・エム・
ドルイ(A.M.Druy)等は、2,2′―ビチエニル
を電気化学的に重合して得られる重合体が、酸化
状態〜還元状態において、青色〜赤色と変色し、
この現象が可逆的であることを利用してエレクト
ロクロミツク材料として有用である旨報告してい
る〔ジエー・デ・フイジイクス(J.de Physique)
44(6)、C3―595(1983)参照〕。 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明者らの一部は既に、イソチアナフテン構
造を有する重合体が空気中においても極めて安定
な化合物であり、繰り返し使用が十分可能な程、
安定に酸化又は還元状態への過程で可逆的に変色
し得るものであり、またドーピングにより、容易
に10-2s/cmより高い電導度を示すことを見出し
ている(特開昭61−17581号公報及び特開昭61−
12784号公報)。 本発明者らは、更に研究を進めた結果、上記イ
ソチアナフテン構造を有する重合体のベンゼン核
のπ共役系を更に拡張してナフテン核とすること
により、より低いエネルギーギヤツプを有する電
導性重合体とすることが可能であることを見出し
て本発明を達成した。 〔課題を解決するための手段及び作用〕 本発明に係る重合体は、くり返し単位として一
般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
オ基から選ばれた置換基を表わす)で表わされる
ナフト〔2,3―C〕チオフエン構造を有するも
のであり、かかる重合体は以下の重合方法によつ
て合成することができる。 (1) 下記一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通り)で
表わされる、1,3―ジヒドロナフト〔2,3
―C〕チオフエン―2―オキシド及び/又はそ
の誘導体をポリリン酸のごとき溶媒中で脱水重
合させることにより、ポリ〔1,3―ジヒドロ
ナフト〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又は
その誘導体とし、次いでこれを脱水素剤の作用
により所望のポリ〔1,3―ナフト〔2,3―
C〕チオフエン〕及び/又はその誘導体を製造
することができる。 (2) 前記一般式(a)で表わされる化合物を減
圧加熱下に脱水昇華させて得られる一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通り)で
表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン及
び/又はその誘導体を (i) ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤
又はカチオン重合開始剤を用いて重合させ、
得られるポリ〔1,3―ジヒドロナフト
(2,3―C)チオフエン〕及び/又はその
誘導体を(1)に記載の方法により脱水素するこ
とにより、所望の重合体とするか、 (ii) 一般式(b)で表わされるナフト〔2,
3―C〕チオフエン及び/又はその誘導体を
溶媒及び電解質の存在下電気化学的に重合さ
せるか、或いは、 (iii) 一般式(b)で表わされるナフト〔2,
3―C〕チオフエンをヨウ素又は無水塩化ア
ルミニウム及び塩化第一銅等の存在下に酸化
重合させて、ポリ〔1,3―ナフト〔2,3
―C〕チオフエン〕及び/又はその誘導体と
することができる。 前記一般式(a)又は(b)で表わされる
単量体の重合に際して、用いられる重合条件はそ
れぞれの重合方法に応じた公知の方法に準じて設
定すればよく特に限定はない。 即ち、一般式(b)で表わされる単量体を電
気化学的に重合する場合には、チオフエン、ピロ
ールなどを重合させるソリツド ステート コミ
ユニケーシヨン(Solid State Communication)
46(5)、389(1983)に記載の方法を応用することが
できる。この際、定電位法及び定電流法のいずれ
を用いてもよい。 また、液体ヨウ素中で、酸化重合させる場合に
各種置換又は非置換のカルバゾール化合物を重合
させるジエネエツケ(Jenekhe)らの方法、〔ポ
リマー物質のオーダーについてのシンポジウム
(Symposium on Order in Polymeric
Materials)、ウオルサム エムエー(Waltham
MA)8月25〜26(1983)〕を応用することができ
る。 また、無水塩化アルミニウム及び塩化第一銅に
より酸化重合させる場合にはベンゼンを重合させ
るコバシツク(Kovacic)らの方法〔マクロモ
ル.シン.(Macromol.Syn.,23(1966)〕を応
用することができる。 更に得られたポリ〔1,3―ジヒドロナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又はその誘導
体を脱水素して所望のポリ〔1,3―ナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又はその誘導
体とするには溶媒の存在下又は不存在下にヨウ
素、臭素又はトリチルフルオロボレート、ジクロ
ロジシアノ―p―ベンゾキノン、クロラニル、テ
トラシアノジメタンなどの脱水素剤を作用させる
ことにより容易に達成することができる。脱水素
反応に用いられる反応条件は、脱水素剤の種類溶
媒の有無などにより異なるため、一概に規定でき
ないが、アセトニトリル、クロルベンゼンなどを
用いた場合には、0℃〜溶媒の沸点の範囲で1時
間〜24時間で反応させればよい。脱水素剤の使用
量にポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
C〕チオフエン〕及び/又はその誘導体の繰り返
し単位当り3倍モル〜20倍モルの範囲で用いられ
る。これら脱水素剤の作用による脱水素反応が十
分に行なわれない場合には、ジヒドロ体の構造が
重合体主鎖中に未反応のまま残ることにより共役
鎖が分断され、電導度の低下を招くおそれがある
ことから反応を十分に行なわしめることが必要で
ある。これらの方法で得られるポリ〔1,3―ジ
ヒドロナフト〔2,3―C〕チオフエン〕及び/
又はその誘導体は過剰の脱水素剤によりドーピン
グされたものとして得られ、必要に応じ、電気化
学的または化学的に容易にデドープすることがで
きる。化学的にデドープする方法としては重合体
をアンモニア又は三級アミン類のガスもしくは液
体に接触させることによつて容易に達成される。
電気化学的にデドープする方法としては金藤ら
〔ジヤパンジエー.オブ アプル.フイジイクス
(Japan J.of Appl.Physics)22(7)、L412(1983)〕
の方法に準じて行なえばよい。本発明に係る前記
一般式(a)で表わされる単量体化合物は、例
えばエム.ピー.カバ(M.P.Cava)等のジエ
ー.アム.ケム.ソク.(J.Am.Chem.Soc.)81
4266(1959)及び同じくエム.ピー.カバ(M.P.
Cava)等のジエー.オルグ.ケム.(J.Org.
Chem.)36(25)、3932(1971)に記載の方法で合
成することができる。 〔発明の効果〕 前記したようにして得られた本発明に係る重合
体は、ドーピングにより極めて高い電導度を示す
ばかりでなく、電気化学的にも繰り返し酸化還元
を行なうことが可能で、かつそれぞれの状態にお
いて固有の色を有する。本発明のポリ〔1,3―
ナフト〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又はそ
の誘導体は薄膜状態では酸化状態において無色透
明であるという極めて興味のある重合体である。 従つて本発明に係るポリ〔1,3―ナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又はその誘導
体は電気・電子工業の分野において電極、エレク
トロクロミツク表示素子、固体コンデンサー、太
陽電池等の製造に極めて有用なものであることが
明らかである。 〔実施例〕 以下、実施例に従つて本発明を更に詳しく説明
する。なお、以下の実施例において重合体のIR
スペクトルは日本分光(株)製、A―3型又は同社製
IRA―2型IRスペクトロホトメーターを用いて
測定し、1H―NMRスペクトルは、(株)日立製作所
製100MHzR―24B型高分解能NMRスペクトロ
メーターを用いて測定した。重合体の粘度は対数
粘度(ηinh)をもつて表示した。 なお、実施例中の粘度ηinhは次式により求めた
(式中、対数は自然対数を表わす)。 ηinh=(1/C)ln(t―to)/to (式中、t:重合体溶液の粘度計における標線
間の通過時間(秒) to:純溶媒の粘度計の標線間の通過時間(秒) C:重合体溶液の濃度(g/100ml溶媒で表示) 実施例 1 (1) ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
C〕チオフエン〕の合成 (i) ポリリン酸中での1,3―ジヒドロナフト
〔2,3―C〕チオフエン―2―オキシドの脱
水重合 1,3―ジヒドロナフト〔2,3―C〕チオフ
エン―2―オキシド(一般式(a)でR1=R2
=H)2.38g(11.8ミリモル)を窒素気流下100
℃に加熱した75%の五燐化リンを含むポリリン酸
25g中に加え、4時間撹拌した後、反応液を1
の水中に注いだ。生成した沈澱を濾別、洗浄した
後、固体を5%希アンモニア水500ml中に入れ、
1時間撹拌し、濾別後、濾残を濾液や中性になる
まで十分水洗した後、メタノール、次いでアセト
ンで洗浄した。残渣を100℃で一夜真空乾燥し、
1.63gの淡褐色重合体を得た。 この重合体は、ジメチルスルホキシド クロル
ベンゼン、塩化メチレンに可溶であり、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンに一部可溶、メタノー
ル、アセトンに不溶であつた。重合体の0.5%の
ジメチルスルホキシド溶液中30℃における粘度は
ηinh=0.102であつた。得られた重合体のIRスペ
クトルは第1図に示す通りであつた。また、テト
ラメチルシランを基準とした重合体の重水素化ジ
メチルスルホキシド溶液中の1H―NMRは7〜
8ppmにナフタレン環のプロトン、4.4ppmに1,
3―置換ジヒドロチオフエンのメチン基のプロト
ンのジクナルが表われ、そのプロトンの積分強度
比はほぼ6:2であつた。また元素分析値はC:
78.5%、H:4.35%(計算値はC:78.26%、H:
4.35%)であつた。 (ii) ナフト〔2,3―C〕チオフエンのカチオン
重合 1,3―ジヒドロナフトチオフエン―2―オキ
シド(一般式(a)でR1=R2=H)1g(5
ミリモル)、中性アルミナ2gを乳鉢中で粉砕混
合し、昇華装置に充填した後、内筒部に冷却水を
通し、内部を20mmHgに保ちながら、外筒部を175
℃の油浴上に浸漬した。2時間後、内筒部のゴー
ルドフインガー部に昇華析出した黄色結晶を窒素
雰囲気下で別の昇華装置に移した後、再度室温に
て1mmHgの減圧下で脱水した。得られた450mg
(2.5ミリモル)のナフト〔2,3―C〕チオフエ
ンを予め水素化カルシウムで脱水蒸留した塩化メ
チレン5mlに溶解し、窒素雰囲気で−40℃に冷却
し、これに三フツ化ホウ素エーテラートの10容積
%の塩化メチレン溶液32μを加えた。溶液はた
だちに黒紫色になり、4時間後には粘稠な溶液と
なつた。重合を行なつている間の温度を−40℃に
保持した。その後、重合溶液に10%のトリエチル
アミンの塩化メチレン溶液1mlを加え重合を停止
させた。この時重合体溶液は黒紫色から淡褐色に
変化した。重合体溶液をメタノール100ml中に加
え、沈澱を生じさせた後、沈澱を濾別し、メタノ
ール、次いでアセトンで洗浄し、次いで一夜真空
乾燥し、380mgの黒褐色の重合体を得た。重合体
の0.5%のジメチルスルホキシド中30℃における
粘度はηinh=0.156であつた。またIRスペクトル
は上記(i)で得られたものと完全に一致した。 (iii) ナフト〔2,3―C〕チオフエンのラジカル
重合 (ii)と同様にして1,3―ジヒドロナフト〔2,
3―C〕チオフエン―2―オキシド1g(5ミリ
モル)を昇華脱水し、500mg(2.72ミリモル)の
ナフト〔2,3―C〕チオフエンを得た。これを
窒素置換した清浄な重合封管に入れ、5mlの精製
クロルベンゼン及び12mg(5.46×10-2ミリモル)
のアゾビスイソバレロニトリルを加え、ドライア
イス―エタノール浴に浸漬した後、真空脱気し
た。室温に戻した後、再冷却し、脱気した。この
操作を5回繰り返した後、真空下で重合封管を溶
封した。この封管を60℃で24時間重合させた。封
管を開封し、重合体のクロルベンゼンを100mlの
メタノール中に添加することにより重合体を沈澱
させ、次いで濾別し、アセトンで洗浄後、真空乾
燥して260mgの淡褐色重合体を得た。 得られた重合体の0.5%ジメチルスルホキシド
溶液中30℃における粘度はηinh=0.07であつた。
このもののIRスペクトルは(i)で合成したものと
一致し、ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3
―C〕チオフエン〕であることを確認した。 (iv) ナフト〔2,3―C〕チオフエンのアニオン
重合 (ii)と同様にして1,3―ジヒドロナフト〔2,
3―C〕チオフエン―2―オキシド2g(9.9ミ
リモル)を昇華脱水し、1.06g(5.76ミリモル)
のナフト〔2,3―C〕チオフエンを得た。これ
を磁気撹拌子、還流冷却器、温度計を付した50ml
の三つ口フラスコに入れ、窒素で内部を置換した
後、常法により水素化カルシウム上で脱水精製し
たテトラヒドロフラン10mlを加え、次いで、n―
ブチルリチウムのn―ヘキサン溶液(濃度10%)
を0.2ml加え、撹拌しながら、60℃で24時間反応
させた。これを100mlのメタノールに加え、重合
体を沈澱させた後、別し、濾残を常法により洗
浄し、100℃で一夜真空乾燥し、淡褐色重合体
0.58gを得た。IRスペクトル(i)で合成したものと
一致し、ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3
―C〕チオフエン〕であることを確認した。重合
体0.5%ジメチルスルホキシド溶液中30℃におけ
る粘度はηinh=0.09であつた。 (2) ポリ〔1,3―ナフト〔2,3―C〕チオフ
エンの合成 (i) ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
C〕チオフエン〕のヨウ素酸化によるポリ
〔1,3―ナフト〔2,3―C〕チオフエン〕
の合成 (1)―(i)で得られたポリ〔1,3―ジヒドロナフ
ト〔2,3―C〕チオフエン〕1g(5.43ミリモ
ル)を窒素下で25mlの精製クロルベンゼンに溶解
した後、6.90g(27.2ミリモル)のヨウ素を加
え、4時間油浴上で還流させると、黒紫色の沈澱
が得られた。沈澱を濾別後、クロルベンゼン及び
メタノールでヨウ素の色が認められなくなるまで
十分洗浄した。次いで37%アンモニア水30mlとメ
タノール70mlからなる溶液に重合体を懸濁し、4
時間窒素下で加熱還流した後、沈澱を濾別してメ
タノールでよく洗浄し、次いで100℃で一夜真空
乾燥することにより、0.98gの黒緑色の重合体粉
末を得た。重合体のIRスペクトルを第2図に示
す。この重合体のバイルシユタイン反応は陰性で
あることからハロゲンは含まれていず、また元素
分析結果からはC:79.06%、H:3.40%(計算
値C:79.12%、H:3.30%)であつた。この重
合体は通常の有機溶媒には不溶であつた。更にこ
の重合体をITプレスでプレスしたペレツトの室
温における電導度σRTを4端子式の電導度測定器
を用いて測定したところσRT=2.3×10-2s/cmであ
り、一夜ヨウ素蒸気に曝露したものの電導度は
σRT=8.2×10-1s/cmであつた。ドープ後の重合体
は室温で1週間空気中に放置しても、その電導度
に変化はなかつた。 (ii) ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
C〕チオフエン〕の脱水素によるポリ〔1,3
―ナフト〔2,3―C〕チオフエン〕の合成 (1)―(i)の反応を繰り返して、ηinh=0.117の重
合体1.5gを得た。この重合体1gを窒素気流下
20mlの精製アセトニトリルに溶解し、次いでこの
溶液にトリチルフルオロボレート8.97g(27ミリ
モル)を加え、20℃で4時間反応させた。この間
重合体は淡褐色の均一溶液から反応の進行に伴
い、黒色の沈澱として溶媒から分離した。生成し
た沈澱を濾別後、アセトニトリルで十分洗浄し、
次いで濾残をクロロホルム30ml中に懸濁し、10%
のトリエチルアミンのクロロホルム溶液10mlを加
え、室温で一夜撹拌した。溶液から固体を濾別
し、100℃で一夜真空乾燥した。重合体のIRスペ
クトルは第2図に一致し、ポリ〔1,3―ナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕であることを確認し
た。 実施例 2 電気化学的重合法によるポリ〔1,3―ナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕の合成 実施例1の(1)―(ii)に記載の方法で2.02g(10ミ
リモル)の1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
C〕チオフエン―2―オキシド及び2gの中性ア
ルミナの混合物を脱水昇華させることにより1.06
g(5.76ミリモル)のナフト〔2,3―C〕チオ
フエンを得た。このモノマーをガラスフイルター
付H型管に入れた150ミリモル/のテトラ―n
―ブチルアンモニウムブロマイドのアセトニトリ
ル溶液20mlに溶解し、陰極に白金板、陽極に表面
抵抗値15Ω/□の酸化インジウム錫蒸着ガラス基
板を用い、電極間距離6cmで、北斗電機(株)製、定
電圧定電流発生装置(タイプHA―301型)を用
い、印刷電圧2.50の定電圧で50分間通電すること
により電気化学的重合を行なつた。電流値は重合
開始時は0.7mAであり、最大電流値は0.85mA、
重合終了時は0.49mAであつた。通電により陽極
上には濃青色フイルムが析出した。 実施例 3 酸化重合法によるポリ〔1,3―ナフト〔2,
3―C〕チオフエン〕の合成 実施例1―(ii)に記載の方法で2.02g(10ミリモ
ル)の1,3―ジヒドロナフト〔2,3―C〕チ
オフエン―2―オキシドおよび2.0gの中性アル
ミナの混合物を脱水昇華させることにより、0.91
g(4.95ミリモル)のナフト―〔2,3―C〕チ
オフエンを得た。これをテトラヒドロフラン22ml
に溶解し、2,3―ジクロロ―5,6―ジシアノ
―1,4―ベンゾキノン1.18g(5.2ミリモル)
を加え、窒素雰囲気下で室温で1時間、40℃で2
時間、還流温度で3時間反応させた。得られた沈
澱を濾別後20mlのメタノールで6回、50mlの0.2
規定カ性ソーダのメタノール溶液で1回、さらに
50mlのメタノールで3回洗浄し、次いで100℃で
1夜真空乾燥することにより、0.85gの黒緑色の
重合体粉末を得た。この重合体のIRスペクトル
は第2図に一致した。この重合体のバイルシユタ
イン反応は陰性であることからハロゲンは含まれ
ていず、また元素分析結果からはC:79.15%、
H:3.40%(計算値C:79.12%、H:3.30%)で
あつた。この重合体粉末をITプレスでプレスし
たペレツトの室温における電導度σRTを4端子式
の電導度測定器を用いて測定したところ、σRT
2.1×10-2s/cmであつた。 実施例 4 本発明で得られたポリ〔1,3―ナフト〔2,
3―C〕チオフエン〕がエレクトロクロミツク表
示素子材料として有用であることを示す。 〔エレクトロクロミツク材料実験〕 実施例2で得たポリ〔ナフト〔2,3―C〕チ
オフエン〕で被覆された導電ガラスを負極に、白
金線を正極にして0.16モル/のリチウムパーク
ロレートのアセトニトリル溶液中で4.50Vの電圧
を印加したところ、重合体薄膜は濃青色から無色
に変化し、−1.5Vの電圧を逆印加すると無色から
濃青色に変化した。この変化は繰り返しの電圧印
加により可逆的に可能であり、エレクトロクロミ
ツク表示材料として有用であることを示した。 実施例 5 本例は、本発明で得られたポリ〔1,3―ナフ
ト〔2,3―C〕チオフエン〕が固体コンデンサ
ー用材料として有用であることを示す。 厚さ100μmのアルミ箔(純度99.99%)を陽極
として箔の表面を電気化学的にエツチングし、平
均細孔径2μmで比表面積が12m2/gとした。つ
いでこのエツチング処理したアルミニウム箔にホ
ウ酸アンモニウムの液中で電気化学的に誘導体の
薄層を形成した。 実施例1の(1)―(i)の反応で得られたσinh=
0.117の重合体0.2gを窒素気流下3mlの精製アセ
トニトリルに溶解させ、前記誘導体層に塗布し、
減圧脱気をくり返して充分細孔まで溶液を満たし
た後、アセトニトリルをドライアツプした。続い
てトリチルフルオロボレートのアセトニトリル溶
液(1モル/)中に浸漬し、20℃で20時間反応
させた。箔を取り出し、アセトニトリルで洗浄し
た後、10%のトリエチルアミンのクロロホルム溶
液中に浸漬して室温で20時間反応させた。クロロ
ホルムで十分洗浄した後、100℃で一夜真空乾燥
した。 一方、陰極にアルミニウム箔を使用し、樹脂封
止して固体電解コンデンサを作成した。このよう
にして、容量1.95μF、tanσ1.5%、もれ電流1.5μA
(50V値)、逆耐電圧100V以上の良好な固体電解
コンデンサが得られた。 実施例 6 本例は本発明で得られたポリ〔1,3―ナフト
〔2,3―C〕チオフエン〕が電池材料として有
用であることを示す。即ち、本例では電位走査法
にてアニオンドーパントのドーピング/アンドー
ピングの可逆性及び酸化還元の電位を調べた。 実験セルには対極にリチウム箔を用い、参照極
にはリチウム金属を用いた。電解液は1mol/
濃度の過塩素酸リチウムのプロピレンカーボネー
ト溶液を用いた。電位走査速度を1秒間に10mV
で行なつたところ酸化ピークは3.85V(対Li/
Li+)であり、還元ピークは3.30V(対Li/Li+
であつた。 酸化還元の繰り返しによる電流効率は、100回
の繰り返しでも良好な効率を得、ほぼ100%であ
つた。第3図に電位走査法で調べたポリナフト
〔2,3―C〕チオフエンの酸化還元電位と電流
の関係を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1―(1)―(i)で製造した重合体の
赤外吸収スペクトル図である。 第2図は実施例1―(2)―(i)で製造した重合体の
赤外吸収スペクトル図である。 第3図は実施例6の電池材料試験で得られた重
合体の酸化還元電位と電流との関係を示すチヤー
ト図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
    オ基から選ばれた置換基を表わす) で表わされる1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
    C〕チオフエン―2―オキシド及び/又はその誘
    導体を、溶媒中で脱水重合させ、次いで得られた
    ポリ〔1,3―ジヒドロナフト〔2,3―C〕チ
    オフエン〕及び/又はその誘導体に脱水素剤を作
    用させることを特徴とする、くり返し単位として
    一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン構
    造を有する重合体の製造方法。 2 一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
    オ基から選ばれた置換基を表わす) で表わされる1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
    C〕チオフエン―2―オキシド及び/又はその誘
    導体を、減圧加熱下に脱水昇華させて得られる一
    般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン及
    び/又はその誘導体を重合開始剤の存在下に重合
    させ、得られるポリ〔1,3―ジヒドロナフト
    〔2,3―C〕チオフエン〕及び/又はその誘導
    体に脱水素剤を作用させることを特徴とするくり
    返し単位として一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン構
    造を有する重合体の製造方法。 3 一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
    オ基から選ばれた置換基を表わす) で表わされる1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
    C〕チオフエン―2―オキシド及び/又はその誘
    導体を、減圧加熱下に脱水昇華させて得られる一
    般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン及
    び/又はその誘導体を溶媒及び電解質の存在下に
    電気化学的に重合させることを特徴とする、くり
    返し単位として一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン構
    造を有する重合体の製造方法。 4 一般式 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素、炭
    素数1〜5の炭化水素、メトキシ基及びメチルチ
    オ基から選ばれた置換基を表わす) で表わされる1,3―ジヒドロナフト〔2,3―
    C〕チオフエン―2―オキシド及び/又はその誘
    導体を、減圧加熱下に脱水昇華させて得られる一
    般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン及
    び/又はその誘導体を酸化重合させることを特徴
    とする、くり返し単位として一般式 (式中、R1及びR2は前に定義した通りである) で表わされるナフト〔2,3―C〕チオフエン構
    造を有する重合体の製造方法。
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