JPH0211284Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、びん体等といつた壊れ易くしかもあ
る程度の重量を有する収納物をも安定して手軽に
しかも体裁よく持ち運びできるようにしてなる簡
易型の包装箱に関する。

〔従来の技術〕

たとえばワイン、ビール、ウイスキー等を充填
したびん体等というようなガラス製品などの壊れ
物を収納する包装箱としては、収納物をその重量
にもかかわらず安定して収納保持し、これを手軽
にかつ安全に持ち運びできるとともに、外観的に
も優れ、さらにコスト的にも安価である等が望ま
れている。また、このような包装箱には、収納物
の緩衝機能を充分に発揮し得るとともに、その取
扱いが簡単で、たとえば非使用時等には簡単に折
畳んでおくことができる等も必要とされている。

しかしながら、この種従来の包装箱として、一
般には、厚紙等を折曲げ形成することで成形され
る単純な角箱体によるものが多く用いられてお
り、実用上問題の大きいものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

すなわち、上述したような従来の包装箱では、
上述したびん体等を複数本同時に収容して包装す
ることは、その形状や強度上の面から問題とされ
るものであり、またその緩衝能力に欠けるため収
納物が破損し易いという問題を生じ、このため各
種の充填物を二重、三重に入れて収納物の安全性
を確保することが必要である等といつた欠点があ
つた。さらに、上述したような単純な角箱形状で
は、意匠的にも目新しいものではなく、需要者の
購売意欲を促進し得るとは言えないもので、これ
らの点を考慮して何らかの対策を講じることが望
まれている。

〔問題点を解決するための手段〕

このような要請に応えるために本考案に係る包
装箱は、一枚の厚紙等により全体が略々三角筒体
状に折曲げ形成されるものであつて、三角筒体
と、この三角筒体の底部を形成する底面板と、前
記三角筒体および底面板で形成される箱内空間の
上部開口を閉塞する天井板とを備え、三角筒体
は、正面板と、その両側に縦折目線を介して連続
しかつその外側縁同士が接着固定された一対の側
面板とからなり、底面板は、正面板および両側面
板の下側縁に横折目線を介して連続する三角状片
とからなり、これら三角状片が順次積層されると
ともに、少なくとも両側面板に対応する三角状片
が接着され、天井板は、両側面板の上側縁に所定
間隔おいて平行する横折目線による折込み部を介
してそれぞれ連続する一対の半天井部と、その先
端に傾斜折目線を介して連続しかつ手下げ用孔を
打抜き形成してなる一対の手下げ部とからなり、
正面板の上側縁には横折目線を介して連続し半天
井部側に先端側が係合することで半天井部を係止
する係止片を備えているものである。

〔作用〕

本考案によれば、複数の収納物を効率よく適切
かつ確実に安定して収納保持することができ、し
かもこれら収納物がある程度の重量物であつたと
しても、その底部さらには天井部での多重構造に
より強度的にも安定して収納でき、また手下げ部
の一端側は係止片により押圧され、他端側は両側
面板の接合部の上端部間で挟持された状態とな
り、手軽にしかも体裁よく安定して持ち運びし得
るもので、また不使用時には、簡単に折畳んでコ
ンパクトにまとめておくことも可能である。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図ないし第４図は本考案に係る包装箱の一
実施例を示すものであり、これらの図において、
全体を符号１０で示す包装箱は、たとえば厚紙、
積層シート等といつた一枚のシート体を、第１図
に示すような形状で形成し、これを適宜折目線を
介して折曲げるとともに、側面板１５，１６およ
び三角状片１９，２０を接着材等で貼付け接合す
ることで、全体が略々三角形状を呈する角筒体と
して形成される。そして、このような包装箱１０
内には、第３図に示すように、たとえばワインび
ん等の収納物１１等が三本収納されて包装される
ものである。

これを詳述すると、この包装箱１０は、一枚の
厚紙等から折曲げ形成されるものであつて、折畳
み時における縦折目線１２ａを幅方向中央に有す
る縦長な正面板１２と、その両側に縦折目線１３
ａ，１３ｂを介して連続しかつその外側縁同士
（一方に形成された接合片１４を介して）が接着
固定される一対の側面板１５，１６とにより三角
筒体１０Ａが形成され、またこれら正面板１２お
よび両側面板１５，１６の下側縁に横折目線１７
ａ，１７ｂ，１７ｃを介して連続する三角状片１
８，１９，２０を順次積層することで底面板１０
Ｂが形成されている。ここで、この底面板１０Ｂ
は、前記両側面板１５，１６に対応する同士１
９，２０が接着され、かつその内側から残りの三
角状片１８が積層されることで、包装箱１０の底
面板１０Ｂが構成されている。なお、前記正面板
１２に対応する三角状片１８を仕切る横折目線１
７ａは、第１図から明らかなように、若干の傾斜
角度をもつテーパ状に形成されており、これによ
りこの包装箱１０を折畳み状態から広げて使用す
るにあたつて、前記三角状片１９，２０よりも後
で広がつてその上部に内側から積層され、前記底
面板１０Ｂが形成されるような構成とされてい
る。また、１８ａ，１９ａ，２０ａは三角状片１
８，１９，２０にそれぞれ形成されてなる折畳み
時における折目線である。

さらに、前記両側面板１５，１６の上側縁に
は、所定間隔おいて平行する横折目線２１ａ，２
１ｂによる折込み部２１，２１を介してそれぞれ
連続する一対の半天井部２２，２３と、その先端
に傾斜折目線２４ａ，２４ｂを介して連続しかつ
手下げ用孔２５ａ，２６ａを打抜き形成してなる
一対の手下げ部２５，２６とからなる箱内空間の
上部開口を閉塞する天井板１０Ｃが形成されてい
る。また、前記正面板１２の上側縁には、横折目
線１２ｂを介して連続し前記半天井部２２，２３
側に先端側が係合することで半天井部２２，２３
を係止する係止片２７が形成されている。

なお、図中２２ａ，２３ａは前記係止片２７の
内側に折込まれることで、この係止片２７による
係止状態を確実なものとする折曲げ片、２５ｂ，
２６ｂは前記手下げ部２５，２６の一側縁に形成
された切欠き部、２７ａはこれに係合される前記
係止片２７の係止溝で、これらの係合により上述
した天井板の確実な係止状態が得られるような構
成とされている。しかしながら、本考案はこれに
限定されず、たとえば係止片２７の先端に突片
（図示せず）を突設しかつ前記半天井部２２，２
３と折曲げ片２２ａ，２３ａとの間の傾斜折目線
２２ｂ，２３ｂにスリツト（図示せず）を形成し
てこれに前記突片を係入させることで、これらを
係止状態で組付けるような構成としてもよいこと
は、容易に理解されよう。

そして、上述した構成による包装箱１０によれ
ば、一枚の厚紙等を適宜縦、横、傾斜折目線に沿
つて折曲げ形成するとともに、所望の位置（Ａ，
Ｂ部分）を接着固定することで、第２図および第
３図から明らかなような三角筒体を呈する箱体が
形成されるもので、しかもその底面板１０Ｂは三
枚の三角状片１８，１９，２０による積層状態で
所要の強度をもつて構成されるとともに、天井板
１０Ｃ側も半天井部２２，２３と係止片２７との
係合により所定の強度をもつて組付けられ、かつ
二重に組合せられた手下げ部２５，２６の孔２５
ａ，２６ａにより吊下げ状態で持ち運ぶことが可
能となるものである。

ここで、図中２８は折目線２８ａを介して折返
される補強片で、手下げ部２５，２６を適切に接
合して吊下げることができるような構成とするた
めのところである。また、上述したような包装箱
１０を構成する厚紙等は、収納物１１等を収納し
得るに必要とされる大きさ等に応じて設定された
長さおよび幅寸法により適宜裁断されて準備され
るもので、この場合本実施例では第１図に示すよ
うに正面板１２の中央を中心として略々対称形状
で形成した例が示されている。なお、上述した貼
付け部分Ａ，Ｂは、接着材に限定されず、適宜の
接合手段で適宜接合固着すればよいことは勿論で
ある。

そして、上述した構成による本考案に係る包装
箱１０によれば、複数の収納物１１等を効率よく
適切かつ確実に安定して収納保持させることがで
き、しかもこれら収納物１１がある程度の重量物
であつたとしても、その底面板１０Ｂさらには天
井板１０Ｃでの多重構造により強度的にも安定し
て収納でき、手軽にしかも体裁よく安定して持ち
運びし得るもので、また不使用時には、第４図に
示すように、縦、傾斜折目線１２ａ，１８ａ，１
９ａ，２０ａ、さらに横、傾斜折目線２１ａ，２
１ａ；２４ａ，２４ｂ等を利用することで、簡単
に折畳んでコンパクトにまとめておくことも可能
で、その取扱いが便利となる。

なお、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造などを、必要に応じて適宜
変形、変更することは自由であり、さらに上述し
た実施例では、包装箱１０を厚紙等によつて形成
した場合を説明したが、本考案はこれに限定され
ず、ビニールシート等を用いてもよいことは勿論
である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る包装箱によ
れば、正面板、その両側に縦折目線を介して連続
する一対の側面板による三角筒体、その下側縁に
それぞれ横折目線を介して連続し順次積層された
三角状片からなる底面板、両側面板上側縁に横折
目線による折込み部を介して連続し箱内空間開口
を閉塞する一対の半天井部、その先端側に傾斜折
目線を介して連続し手下げ用孔を有する一対の手
下げ部からなる天井板、正面板上側縁に横折目線
を介して連続し半天井部に先端が係合することで
天井板側を係止する係止片を備えてなる厚紙等
を、略々三角筒体状に折曲げ形成するようにした
ので、簡単かつ安価な構成にもかかわらず、複数
の収納物等であつてもこれを効率よく適切かつ確
実に安定して収納保持することができ、しかもこ
れら収納物がある程度の重量物であつたとして
も、その底部さらには天井部での多重構造により
強度的にも安定して収納でき、また手下げ部の一
端側は係止片により押圧され、他端側は両側面板
の接合部の上端部間で挟持された状態となり、手
軽にしかも体裁よく安定して持ち運びし得るもの
で、また不使用時にはコンパクトに折畳んでおく
ことも可能で、その取扱いが容易である等といつ
た実用上種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る包装箱の一実施例を示す
展開図、第２図はその組立状態を示す概略斜視
図、第３図は収納物の収納状態を説明するための
概略斜視図、第４図は折畳み状態を示す側面図で
ある。 図中、１０……包装箱、１０Ａ……三角筒体、
１０Ｂ……底面板、１０Ｃ……天井板、１１……
収納物、１２……正面板、１２ａ，１３ａ，１３
ｂ……縦折目線、１５，１６……側面板、１７
ａ，１７ｂ，１７ｃ……横折目線、１８，１９，
２０……三角状片、２１……折込み部、２２，２
３……半天井部、２５，２６……手下げ部、２５
ａ，２６ａ……手下げ用孔、２７……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一枚の厚紙等により全体が略々三角筒体状に折
   曲げ形成される包装箱１０であつて、この包装箱
   １０は、三角筒体１０Ａと、この三角筒体１０Ａ
   の底部を形成する底面板１０Ｂと、前記三角筒体
   １０Ａおよび底面板１０Ｂで形成される箱内空間
   の上部開口を閉塞する天井板１０Ｃとを備え、前
   記三角筒体１０Ａは、正面板１２と、その両側に
   縦折目線１３ａ，１３ｂを介して連続しかつその
   外側縁同士が接着固定された一対の側面板１５，
   １６とからなり、前記底面板１０Ｂは、前記正面
   板１２および両側面板１５，１６の下側縁に横折
   目線１７ａ，１７ｂ，１７ｃを介して連続する三
   角状片１８，１９，２０とからなり、これら三角
   状片１８，１９，２０が順次積層されるととも
   に、少なくとも両側面板１５，１６に対応する三
   角状片１９，２０が接着され、前記天井板１０Ｃ
   は、前記両側面板１５，１６の上側縁に所定間隔
   おいて平行する横折目線２１ａ，２１ｂによる折
   込み部２１を介してそれぞれ連続する一対の半天
   井部２２，２３と、その先端に傾斜折目線２４
   ａ，２４ｂを介して連続しかつ手下げ用孔２５
   ａ，２６ａを打抜き形成してなる一対の手下げ部
   ２５，２６とからなり、前記正面板１２の上側縁
   には横折目線１２ｂを介して連続し前記半天井部
   ２２，２３側に先端側が係合することで半天井部
   ２２，２３を係止する係止片２７を備えているこ
   とを特徴とする包装箱。