JPH017767Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、コンクリート等の建築物の非木材
壁面に内装用の素地ボートを貼るための壁面用軽
鉄下地に関する。

コンクリート、ブロツク、ALC、鉄骨等より
なる建築物の非木材壁面の内装のための下地には
軽量形鋼が多く使用されるが、この軽量形鋼を非
木材壁面に取り付けるのに、従来は壁面に多数の
アンカーボルトを立て込んで取り付ける方法か、
アンカーボルトの代りにボルトの基部にやや広い
取付板を固定したものの取付板を壁面に多数接着
し、このボルトに取付金具をねじ込んで壁面より
の間隔を調整したものに、スタツテングバーをは
め込むものが多く使用されている。

これらの方法では、前者はアンカーボルトの壁
面への立て込みに手数がかかり、後者は多数の取
付ボルトと取付金具をねじにより高さを調整する
のが手間がかかるとともに、取り付けのボルトや
取付金具が高価であるのに、多量に使用するので
コストが高くつき、さらに取り付けボルトと取付
金具は重量があるので接着が剥がれて落ちやすい
欠点があつた。

この考案では従来のこのような欠点を解消する
ために、軽くてコストが安い鋼板プレス製の受座
金具を壁面に接着し、スタツテングバーに嵌装す
る同様に軽くてコストの安い鋼板プレス製のクリ
ツプ金具を受座金具にワンタツチで嵌め合わせる
ことにより作業を迅速に容易にし、確実な取り付
けとコストの低下を果すようにしたもので、以下
例示図面にもとづいて説明する。

コンクリート、ブロツク、ALC、鉄骨等より
成る非木材の壁面１に、薄鋼板をプレスして製作
した受座金具Ａの受座基板２の背面を接着剤３に
より接着し、またはネジ止穴４によつてネジ止め
し、あるいは接着とネジ止めを併用して取り付け
るようにしたものの、受座基板の両側に同じ側に
90゜折り曲げた側壁５，５′を形成し、この両側壁
の上端辺から複数本の溝６を適宣深さに切り込ん
で列設し、さらにこの溝と溝との間の下方に複数
個の突起７をプレスにより押し出して設けてあ
る。一方受座金具Ａと同様に薄鋼板をプレスして
製作したクリツプ金具Ｂは、クリツプ基板８の両
側の一部を同じ側にくの字形に折り起して、くの
字の突出部が外向となるように向い合つた形状と
した内接袖９，９′と、この内接袖の隣りの両側
の一部を内接袖と同じ方向に、内幅がほぼスタツ
テングバーＣの外幅でもつて、90゜未満の角度で
折り起して外接袖１０，１０′を形成し、この外
接袖には折り曲げ部の近くに、折り曲げの内側に
向つてほぼ半円形の打起し１１，１１′を設け、
さらにクリツプ基板８の一端に前記受座金具Ａの
溝６に適合する位置に適宜深さの２本の溝１２，
１２′を設け、クリツプ基板８の他の一端は、内
接袖９，９′とは反対側に少し折り下げて段落部
１３とし、この段落部で端に近い位置の横に並ん
だ２個所に、ほぼ半円形の打起し１４，１４′を、
内接袖９，９′が立つている側に押し出して設け
たものとし、このように構成されたクリツプ金具
Ｂを、軽量溝形鋼の両側辺の先端を、開口部の内
側に折り曲げたリツプ部１５，１５′を有するス
タツテングバーＣに、クリツプ基板８を開口端面
に、内接袖９，９′をリツプ部１５，１５′および
両内側面に接して、スタツテングバーＣの長手方
向に滑動自在に嵌め込み、クリツプ金具Ｂの溝１
２，１２′が受座金具Ａに列設した溝６のどれか
を選んで第３図に示すように嵌め合せると、受座
金具Ａの溝６とクリツプ金具Ｂの溝１２がクロス
して組み合わされ、さらにクリツプ基板８の端が
受座金具Ａの突起７の間に挟まれることになつ
て、より安定的に掛合された後、水平から90゜以
下の角度で折り起されている外接袖１０，１０′
をスタツテングバーＣの両外側に押し付けること
により、打起し１１，１１′がスタツテングバー
Ｃの両外側面にくい込んでクリツプ金具Ｂのスタ
ツテングバーＣに対する滑動を不能に固定して、
スタツテングバーＣを床と天井に取り付けたラン
ナーレールＤに適合した位置で壁面１からの間隔
を保つて固定できるようにしたものである。

スタツテングバーＣは床および天井に取り付け
たＬ字形のランナーレールＤの立上り面に開口端
辺を当てることによつて壁面１との間隔Ｓが決ま
るもので、この間隔に適合するよう受座金具Ａの
溝６を選んでクリツプ金具Ｂの溝１１を嵌め合わ
されるものである。

また、ランナーレールＤにスタツテングバーＣ
を固定するのは、第３図下端に示すように、ラン
ナーレールＤの立上り端の裏面への折り返し１６
にスタツテングバーＣに前記の状態とは上下を逆
向に嵌めたクリツプ金具Ｂの段落部１３にあるほ
ぼ半円形の折起し１４，１４′を裏から掛合させ
ることにより固定される。

第３図では天井部分は図示を省略してあるが、
床の状態と対称に取り付けられるものである。

受座金具Ａの壁面への取り付けは、受座基板２
が0.5〜0.6mmの薄鋼板プレス製であるから軽いの
と、接着面積が広くできるから普通は接着だけで
十分な取り付け強度があるが、ALCの場合接着
してもALC自体が脆いので、ネジ止穴４を利用
して１本または数本のネジを使つてネジ止めまた
はネジ止めと接着を併用する場合が多い。

こうして第１図に示すように軽鉄下地が組み上
ると、石膏板、石綿板、硅酸カルシウム板等の内
装用の素地ボードＥをネジ止めして貼り付けた
後、塗装またはクロスやシートを貼つて仕上げる
ものである。

この考案は以上述べたとおりであるから、軽く
て安価な受座金具と、クリツプ金具によりスタツ
テングバーＣを非木材壁面に取り付けでき、壁面
からの出入りをいちいちネジで調整する必要がな
く、さらに壁面への取り付けは、殆んど接着で行
うので、軽鉄下地の構成が手数がかからず簡単で
あり、作業性が極めて良好で、工期の短縮とコス
トの低下を果すことができ、しかも受座金具の接
着は軽いものを広い面積で接着するので、接着強
度が強くて外れることがなく、さらにスタツテン
グバーを壁面に可能な限り近づけることができる
ので、室内を広く有効に利用できる等多くの優れ
た効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本実施例の一例を示すもので、第１図は
本案軽鉄下地を組んだ状態を示す正面図、第２図
は第１図Ｘ−X′線における拡大断面図、第３図
は同じく第１図Ｙ−Y′線における拡大断面図、
第４図は受座金具の斜視図、第５図はクリツプ金
具の斜視図である。 Ａ……受座金具、Ｂ……クリツプ金具、Ｃ……
スタツテングバー、Ｄ……ランナーレール、Ｅ…
…素地ボード、Ｓ……間隔、１……壁面、２……
受座基板、３……接着剤、４……ネジ止穴、５，
５′……側壁、６……溝、７……突起、８……ク
リツプ基板、９，９′……内接袖、１０，１０′…
…外接袖、１１，１１′……打起し、１２，１
２′……溝、１３……段落部、１４，１４′……打
起し、１５，１５′……リツプ部、１６……折り
返し。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート、ブロツク、ALC、鉄骨等より
   なる建築物の非木材壁面の内装のための下地を、
   軽量形鋼で構成したものにおいて、壁面に接着、
   またはネジ止め、または接着とネジ止めを併用し
   て取り付けるようにした鋼板プレス製の受座金具
   を、受座基板の両側に同じ側に90゜折り曲げた側
   壁を形成し、この両側壁の上端辺から複数本の溝
   を適宜深さに切り込んで列設したものとし、一方
   同様に薄鋼板プレス製のクリツプ金具は、クリツ
   プ基板の両側の一部を同じ側に向い合わせてくの
   字形に折り起した内接袖と、内接袖の隣りの両側
   の一部を、同じ側に90゜未満の角度で折り起して
   外接袖を形成し、さらにクリツプ基板の一端で前
   記受座金具の溝に適合する位置に適宜深さの２本
   の溝を設けたものを、軽量溝形鋼の両側辺の先端
   を開口部の内側に折り曲げたリツプ部を有するス
   タツテングバーに、クリツプ基板を開口端辺に、
   内接袖をリツプ部および両内側面に接して滑動自
   在に嵌め込み、クリツプ金具の溝が受座金具の溝
   を選んで嵌め合せた後、外接袖をスタツテングバ
   ーの両外側に押し付けることにより、スタツテン
   グバーに固定して、スタツテングバーを適当な壁
   面からの間隔を保つて固定できるようにしたこと
   を特徴とする、内装用壁面軽鉄下地。